戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

なんだかんだで、最終章も長くなってまいりましたな……。やはり冬休みの4話を、幕間にするべきだったでしょうか?

え~っと、残りはサソード、地獄兄弟、マドカで最低3話……。そこから最も重要な、ソルとの最後の決戦で……何話使うんだ、これ……?

なかなか予定通りに行かない物ですな。勢いそのままでやっている事は否定はしませんけどね……。いや、反省はしてますよ……?うん……。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


VSドレイク(リベンジ)ですが何か?

 セシリアと鈴が対峙しているのは、蜻蛉をモチーフとしたライダー型ISのドレイクである。味方内でも恐らく最もこっぴどくやられたであろうセシリアは、厳しい表情でドレイクを見つめていた。

 

 ブルー・ティアーズ大破の要因を作ったのは、ご存知の通りZECTだ。しかし持ち主であるセシリアも当然……本国にクドクドとお説教をされた。

 

 そこも含めて、リベンジしたい相手と言えよう。サイレント・ゼフィルスの件も捨て置けないが……もはやセシリアにとってはこちらの方が重要な事項だと上書きがなされている。

 

「どう攻めたら良いかしらね……」

 

「なんとか近接に持ち込めれば、鈴さんの土俵なのでしょうが……」

 

「そこまでが問題なのよね~……」

 

『――――――――』

 

 2人は遠方のドレイクを眺めながらそんな事を話していた。見た限りでは、ドレイクは近接向けの武装を持たない。つまりは、射撃の隙が無い程に密着すれば……と言う事なのだが……。

 

 ぶっちゃけた話で、それはかなりの難度を要求される。撃った傍からカクカクと曲がり追尾してくるレーザーや、それを拡散式で大量に撃って来たり……。一度波に乗らせてしまうと、怖い存在だ。

 

『――――――――』

 

『―RIDER SHOOTING―』

 

「ちょ、ちょっと……アイツとばしすぎじゃない!?」

 

「そ、それはともかく回避ですわ!」

 

 ドレイクは開幕早々に、ゼクターの羽を畳んでヒッチスロットルを引いた。電子音と共にドレイクゼクターへとイオンエネルギーが充填され、ツインバレルの先へ巨大な光球が形成される。

 

 引き金をひいてライダーシューティングが放たれると、ある程度進んだ地点でいくつものレーザーへと分散される。これはどうやら拡散式ライダーシューティングのようだ。

 

「やっぱり追尾して来てるわね!」

 

「ええ、固まるのは危険ですわ!」

 

 拡散したライダーシューティングは、半分ずつ程の塊になって二手に分かれた。通常の射撃と違って軌道は滑らかであるが、やはり追って来ている事に違いは無い。

 

 ほぼ真隣に佇んでいた二人は、互いの距離を開けた。するとそれに伴って、ライダーシューティングも大きく移動を開始する。

 

(マズイわね……)

 

(ここから更に、拡散式レーザーを撃たれてしまうと……!)

 

 追って来るレーザーから逃げつつも、共通の危機感を2人は覚えていた。そう……時間を稼がれると、いくらでもドレイクの余裕が大きくなるばかりなのだ。

 

 例の拡散式レーザーを、次々と射出するだけで良い……それだけで、簡単に波状攻撃が完成してしまう。それだけは何とか阻止せねばと、2人は同時に動き出した。

 

「ブルー・ティアーズ!」

 

「あ~……アタシは気合で!」

 

 セシリアは2基のレーザーBTを動かす。これのおかげで、追尾対象が一気に1から3に増えた。BTを落されてしまうリスクも大きいが、本体であるセシリア自身の安全を考慮すれば止む負えない。

 

 鈴は宣言通りに気合に身を任せるつもりらしい。迫ってくるレーザーを正面で捉えると、甲龍のあちこちに掠らせながら、まるで人混みをかき分けるかのようにレーザーの中を通過した。

 

「よしっ!全然よくないけど!」

 

「鈴さん、あのISの体勢を!」

 

「オッケー!」

 

ズドン!ズドン!ズドン!

 

 避けきった……とは、表現し辛いが鈴はすぐさま攻撃に移る。十分な射程圏内へは近づけていないが、衝撃砲をドレイクへ向けて発射した。

 

射程のせいか物理ダメージは負わなかったが、風に煽られて体勢を崩す。以前と同じ戦法に引っかかるあたり、ドレイクには有功なのかもしれない。

 

「そこですわ!」

 

ズドォン!

 

『―――――――!』

 

 衝撃砲と違って、スターライトMk―Ⅲは十分に有効射程圏内である。しっかりと狙いを定めて引き金をひくと、高火力レーザーは真っ直ぐドレイクへ向けて飛んでいく。

 

 そして……しっかりとクリーンヒットした。ドレイクもガタックと同等の装甲ではあるが、流石にスターライトMk―Ⅲのレーザーを喰らってはひとたまりもないらしい。

 

「追撃!」

 

『――――――――』

 

「ッ!?鈴さん、いけませんわ!」

 

ドドドド!

 

「げっ!?」

 

 ドレイクはセシリアの攻撃を受ける寸前に、既に手は打ってあった。と言うよりは、これも全く前回と同じ流れである。吹き飛ばされた際に、追撃が来る事など分かっていたのだ。

 

 だからこそ狙いを付ける必要のない拡散式レーザーを、吹き飛ばされると同時に数個空中に設置しておいたのだ。鈴か双天牙月を振り回して接近した途端に、無数のレーザーが襲いかかる。

 

「そんなの……知った事じゃないわよ!」

 

「鈴さん!」

 

ズン!

 

『――――――!?』

 

 鈴は攻撃をほとんどどころか、セシリアの方へ進路を取らなかったレーザーをその身に受けながらドレイクへと突っ込む。セシリアは、目を見開きながら鈴の名を呼ぶ。

 

 この無謀ともとれる行動は、ドレイクのAIを数秒停止させた。普通の人間ならば、回避か防ぐかだ。それを強引に突っ込むなどと……理解に苦しむ。現にセシリアは冷静に回避行動を行っている。

 

 とにかく鈴の何も考えない行動は、ドレイクに数秒考えさせた。その数秒間は、鈴から見れば大きな隙である。ブンブンと振り回した双天牙月で、鈴は叩きつけるようにしてドレイクを攻撃した。

 

「でやあ!」

 

ズガギャ!

 

『――――――――』

 

「これは……!?」

 

 鈴の振るった渾身の一撃は、ドレイクの左肩へ深くめり込んだ。もう少し威力が出ていれば、もしかすると左腕を貰っていたかもしれない。

 

 だが……バチバチと電撃は発しているものの、まだまだ少しの動きで千切れる様には見えない。とすると、もう一度全力の一撃を入れるか、ダメージを蓄積していくかないだろう。

 

 しかしだ、いくら重度なダメージを与えたとしても……ドレイクはまだ動く。動く限りは、セシリアと鈴の両名を倒す事に全力を注ぐ。鈴に待っていたのは、またしてもレーザーの嵐であった。

 

『――――――――』

 

(うわっ……ヤバイかも!)

 

「やらせませんわ!」

 

バチッ!

 

『―――――――!』

 

 ゼクターのツインバレルが鈴の眼前に向けられて、流石にこれは不味いと鈴は悟った。度重なる大ダメージに、これ以上は本当に甲龍が持たない可能性もある。

 

 そうは問屋がなんとやら。セシリアは、遥か後方からレーザーBTで確実にドレイクの頭部を打ち抜く。これにより大きく後方へバランスを崩したドレイクは、あらぬ方向にレーザーを撃ってしまう。

 

ドガガガガ!

 

「ありがと、セシリア……」

 

 鈴は小さくそう呟くと、急いでその場から離脱した。前線を保つと思っていたセシリアは、慌てて追加の射撃を開始した。数発はドレイクに命中したが、後は体勢を立て直されて回避される。

 

「鈴さん、なぜ距離を開けたのです?」

 

「え、何それ酷くない?アタシがやられちゃって良いの?」

 

「こっ、言葉の綾ですわ!」

 

 もちろんセシリアとしては鈴が無事であった方が良いと思っている。しかしだ、鈴の性格上あそこまで無茶をしたのなら最後までやり通すとセシリアは踏んでいたのだ。

 

 それがアッサリと引いて来ただけに、違和感を感じている。それを遠まわしながらに聞くと、冗談で返される。鈴の方も冗談で、なぜ引いたのかを説明し始めた。

 

「私だって、単に突っ込んだんじゃないんだから。少し色々と試したかったのよ」

 

「……?鈴さんが、検証を……」

 

「アンタ、いつか絶対ぶっ飛ばす。それで、分かった事が2つよ。1つ目は、あのレーザー……多分だけど通り過ぎたら戻っては来ないわ」

 

 そう……鈴が言った通りに、ゼクターのツインバレルから放たれたレーザーの類は、あくまで追尾するのみ。対象を通り過ぎてしまうと、もうそこで追尾は終わる。

 

 鈴が言いたいのは、しっかり冷静になれば大したことは無いという事である。これでもし、対象にヒットするまで無限追尾なら……状況は絶望的でしかない。

 

 それだけ解れば、案外気は楽な物と言えよう。真を守ったときの様にただややこしい動きをするだけで、いつかは対象にヒットしなくては攻撃にならない。

 

「それと、もう1つだけど……。レーザーを操作してるのって、多分……アレだわ」

 

「アレ……とは、ゼクターですか」

 

「そ、だっておかしいもん。いくら機械とは言え、あんな複雑な動きをアーマー纏ってる方がこなせるとは思えない」

 

 鈴が指差しているのは、ドレイクゼクターの方だった。真以外のIS乗りは非常に忘れがちだが、どちらかと言えばライダー型ISの『本体』は、ゼクターである。

 

 例えば正確に言うと、真が纏っているのは『ガタックのアーマー』で、ガタックと言う『IS』はゼクターの方。そう考えれば、そういった処理をゼクターがやっていても何らおかしくは無い。

 

「それが解ったとして……どうなさるおつもりです」

 

「真もゼクター狙えって言ってたけど、多分それ無理っぽいから……だから」

 

「だから……?」

 

「腕……どっちとも破壊しちゃえば良くない?」

 

 鈴は、ドレイクの左腕を見ながらそう言う。早い話だが、腕が無いとトリガーをひく事もまずできないハズだ。更に言えば、マトモに戦う事すら敵わないだろう。

 

 それが可能かどうかは、既に鈴が実証済みだ。左腕がもう一押しで千切れるのならば、まだ健在の右腕も十分にやれるに違い無い。ドレイクが人型だけにえげつない事になりそうだが、セシリアは鈴に同意した。

 

「了解致しました。わたくしは、鈴さんに賭けます」

 

「そう……。援護、頼んだわよ。じゃないといい加減……甲龍もヤバそうだから!」

 

『――――――――』

 

ズガガガガ!

 

 鈴が再度突っ込むのに合わせて、ドレイクも射撃を再開した。やはりカクカクと曲がって追尾して来るが、どうにも様子がおかしい。さっきまでは半分ほどセシリアの方へ曲がっていっていたのに、全弾が鈴の方へ向かう。

 

 ドレイクは、弱っている甲龍を先に潰すつもりなのだ。鈴は攻撃の要……落ちれば、残ったセシリア1人では勝ち目は薄い。それだけに、鈴は回避に専念……するかと思いきや。

 

 なんと鈴は、一度通り過ぎたレーザーが追尾を止めるという特性を活かして、なんとか回避しながら前へと進んで行く。もちろん全て避けている訳では無いが、とりあえず絶対防御は発動していない。

 

「代表候補生をなめるんじゃないわよ!」

 

「す、凄い……!」

 

 目の前でレーザーの嵐を掻い潜って見せた鈴に、セシリアは思わず凄いと呟く。かなりの無茶はしているが、確かに見事なものである。セシリアは負けじと、レーザーBTで射撃を行う。

 

 当てる事は決して意識せずに、ドレイクを妨害する事を目的に神経を研ぎ澄ませる。攻撃をさせなければ、後は鈴がしっかりと仕事をしてくれる。そう考えると、不思議と命中率はいつもより高い水準となっていた。

 

ズドドドド!

 

『――――――!?』

 

「片方……いただくわ!」

 

ギャギィィィィ!

 

 レーザーでよろけた隙を狙って、鈴が双天牙月を振るう。しかし今度は、上からでなく下からだ。千切れかけの左腕の脇を狙って、振り上げるように斬りつける。

 

 下から脇へ潜り込んできた双天牙月の威力は申し分ない。ドレイクはすんでの所で微妙に体を後方へと傾けて、切断は避けた。しかし……この機を逃すはずも無く、鈴は衝撃砲を放った。

 

ズドン!

 

『――――――!!』

 

「フンッ……どうよ!」

 

 容赦なく放たれた空気の塊は、切断寸前だった左腕を遥か彼方へと吹き飛ばした。やはり人型だけになんとなくの罪悪感を感じる鈴だったが、強気な言葉でそれを振り払う。

 

(次、右腕!)

 

『――――――――』

 

ドドドド!

 

「ダメね……。セシリア!」

 

「お任せ下さい!」

 

 やはり鈴が落されればそこでゲームオーバーくらいのつもりでやっているのか、ドレイクの攻撃開始と同時に大人しく下がる。それと入れ替わるように、セシリアが狙撃を開始した。

 

 左腕がもげているせいか、的が少しばかり小さく感じられる……。それでもドレイクに継続的に攻撃させないことが目的だ。セシリアは、更に集中力を上げていく。

 

(え~っと……あっちが来るから今度はこっちで……)

 

 一方鈴の方は、逆に集中力が落ちて来ていた。前半に無茶をし過ぎたツケが、今になって影響し始めたのだ。自分がやられてはいけない……そんなプレッシャーを鈴は感じていたのだ。

 

 それだけにドレイクの初めて使用する『手』に気付けていない。ドレイクの放ったレーザーの内に、一つだけ微妙に大きなものが存在していたのだ。

 

バッ!

 

「へ……?ちょっ……!」

 

 ちょっとタイム!と鈴がそう言い切る前に、微妙に大きいレーザーは急に拡散して極細のレーザーとなる。どうやらわざわざ球体を作らずとも、突然の拡散も可能だったようだ。

 

 極細になった事により威力は落ちるが、全弾命中すれば威力は等倍である。いきなりだったために対処が遅れて、曲がったレーザーは右の龍砲へと吸い込まれるようにヒットした。

 

ズドォン!

 

「キャッ!」

 

「り、鈴さん!」

 

「ギリギリだけど、大丈夫!でも……ゴメン!一回下がらせて……」

 

 極細拡散レーザーが全弾命中した事で、右の龍砲は大破してしまった。爆風を喰らった事によって、甲龍はまたダメージを負ってしまう。

 

 だが本当にギリギリ……次に数発喰らえばISが強制的に解除されるところまで来ている。ここまで来て落とされては元も子もないと、鈴は全力でセシリアの近くまで下がった。

 

「だぁ~……もぅ!ホントにゴメン!また振出しだわ……」

 

「いいえ、それは構いませんが……アレを……」

 

「うん?……あ~……確かにアレは『構う』かも知れないわね」

 

 セシリアがドレイクの方を指さすと同時に、甲龍のハイパーセンサーが高密度のエネルギー反応を感知した。見ると……ドレイクゼクターのツインバレルに考えられない大きさの光球が集約していた。

 

 しかしこれは、ライダーシューティングでは無い。左腕を切断されたことにより、羽は畳めてもヒッチスロットルが引けないのだ。そもそも鈴も、そのつもりで左腕を狙ったのだから。

 

 ではあのエネルギーは何か、答えは簡単に通常の拡散レーザーである。実はドレイク……ライダー型IS全てを含めて、トップのエネルギー積載量を誇る。

 

 前回ライダーシューティングを3発撃ってもケロッとしていたのは、それに起因する。具体的回数に示すのなら……7、8発は軽いはずだ。

 

 今回の戦闘に入って、ドレイクが撃ったライダーシューティングはまだ1発……。だがら撃てなくなったライダーシューティングの代わりに、残ったエネルギーを拡散エネルギーに費やすつもりなのだろう。

 

「さて、どうしたもんかしら」

 

(そんな事を言って、もう覚悟は決まっていらっしゃるのでしょう……?)

 

 あれの妨害は、もうできない。とすればこれが、互いにこの戦闘の最後の一手となる。鈴は困った表情を浮かべているが、もう自分が盾となる方向へ考えを持っていっていた。

 

 セシリアの頭には、前回の光景が目に浮かんだ。ライダーシューティングが降り注ぐ中で、必死に自分を守ってくれた。一応はその後に鈴の窮地は救ったが、盾になってくれていなければその時点で自分はアウトだったのだから。

 

(今回は、もう限界でしょう……)

 

「セシリア……アタシを盾にして、アンタ突っ込みなさい」

 

「いいえ、それはできません。逆ならば、了承いたします」

 

「!? アンタ……意味分かって言ってんでしょうね?」

 

 今回の戦闘で、ブルー・ティアーズは大したダメージを受けていない。あのエネルギー量でも、ライダーシューティングではないならドレイクの元へは辿り着ける可能性は大きい。

 

 だが……無事かどうかの保証は全くない。鈴は正直セシリアを止めたかったが、その表情を見て野暮な事を言うのは止めた。プハッと短い溜息を吐くと、後ろ頭を掻くような仕草を見せる。

 

「ノブレス・オブリージュ……だっけ?それに誓って、絶対にトドメをさして見せるわ」

 

「頼もしいですわね!では早速……参りましょう!」

 

『―――――――!』

 

ズドン!ズドドドドドド!!

 

 セシリアが突っ込み、その後ろを鈴がついて行く。それと同時に、ドレイクも拡散式レーザーを放った。最後の攻防となる……その号砲であろう。

 

 拡散式レーザーの一つ一つは、やはり通常よりも太い。ここから更に拡散するリスクも考えれば、やはり相当な痛手となるだろう。だがセシリアは極力回避をしない。それも全て、背後に居る鈴の為だ。

 

「くっ!……キャッ!」

 

「セシリア……!」

 

「あ、あらあらなんですのその顔は……。わたくしなら、なんの問題もありませんわ!」

 

 甲龍のハイパーセンサーで嫌でも解ってしまうが、ブルー・ティアーズのエネルギーは見る見る内に減って行く。セシリア自身にも、ダメージが通っているようだ。

 

 鈴は唇を噛みしめながら、セシリアの背後をついて行く。この怒り……負の感情、それら全てを爆発させて、アイツを叩き斬ると……そう言いたそうな表情をしている。

 

ズドドドドドド!

 

 ドレイクはと言うと、その場から一切動かない。見るとツインバレル前方の光球が、まるで風船から空気を抜くように小さくなっていく。溜めたエネルギーは、消費しきらないと動けないらしい。

 

(好都合ですわ!どうか……届いて下さい!)

 

 ブルー・ティアーズの装甲は、あちこちが焼け焦げて……もはや甲龍よりも酷い有様だ。目標を分散させるためのBTも全て撃墜されてしまっている。

 

 だけれど、ドレイクまでの距離はもうすぐ!セシリアは何かに祈るようにして、前へ前へと進んで行く。そして……待ち受けた瞬間は、ついに訪れた。

 

「セシリア……離脱!」

 

「はいっ!」

 

「く……ぬうううう!!」

 

 射程は十分に、鈴の土俵となった。鈴は女の子らしからぬ声を上げつつ、上空へ高度を上げる。そこから双天牙月を頭上高く構えると、縦に回転しながら落下を始める。

 

 遠心力と、落下の際に産まれる位置エネルギーを最大限まで高める寸法らしい。更に双天牙月の重さも加わり……もはやドレイクにこれを止める手段は残されていないだろう。

 

『――――!?!?』

 

ガギィンッッッッ!!!!

 

「まだ終わりじゃないわよ!」

 

ズドン!ズドン!ズドン!ズドン!ズドン!

 

 勢いよく叩きつけられた双天牙月は、ドレイクの頭部にめり込んだ。しかし鈴は、完全なる止めを狙っていた。刺さった双天牙月に衝撃砲を撃ち、まるで釘打ちのようにどんどん深くへめり込ませる。そしてやがて、ドレイクの身体は真っ二つに切り裂かれた。

 

『――――!!!!』

 

バチバチバチバチ……ズドオオオオン!

 

「キャッ!って……嘘でしょ!?」

 

 今度はドレイクの爆発に巻き込まれてしまう鈴であった。そのせいで、甲龍は強制解除されてしまう。空中でジタバタしてみる物の……地球の重力には逆らえない。

 

 そのまま真っ逆さまに落ちる鈴だったが、空中でセシリアが優しくキャッチ。何とか難を逃れた鈴は、涙目でセシリアの顔を見上げる。

 

「全く……締まりませんわね」

 

「アンタ、ブーメラン頭に刺さってるけど……新しいファッション?」

 

「んなっ!?こっ、これは貴女を守ったからでですね……」

 

「ふ~ん……ま、そういう事にしておいてあげる」

 

「落としますわよ……?」

 

 このやり取りを皮切りに、2人はギャーギャーと言い争いを始める。辛くも勝利を収めただけに、一気に気が抜けたのかもしれない。

 

 だからこそ、2人は全く気が付けなかった。小さな羽音を鳴らしながら、コソコソと逃亡をはかるドレイクゼクターの存在に。ドレイクゼクターは、まるで風に流れるようにその場から去っていった……。

 

 

 




さらば、風の旅人。

ってな感じで、セシリアと鈴はかなりギリギリな感じで。まぁ……ぶっちゃけ、ドレイクだけ異様に強くし過ぎたのでね……。

あの時に、マッハの動画を見るんじゃ無かったよ……。ドレイクがシグナルカクサーンとかシグナルマガールみたいなことしたら強いに決まってるでしょうに。

なんかあれだ……そのせいで、特に変化が思いつかなかったサソードが地味な事に……ゲフンゲフン!ま、まぁなんとか、頑張っていきます!

そんな訳でして、次回は箒VSサソードの剣士対決を再び!篠ノ之流VS神代流(ではないですけど)の文字通り真剣勝負!

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
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