戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

なんでしょうか……ライダー戦、回数を重ねるごとに長くなっていってるんですけど!?な、なんかシャルロットとラウラに申し訳ねぇ!

と言うかコレ……やっぱりマドカ戦が異様に長くなる暗示なのでしょうか?なるべく一話に抑えるように努力をします……。

そんな感じで、ライダー戦の最後の一幕……。カブト勢でも強キャラ感の強い地獄兄弟戦です!ただし2人そろってる時の話だけどな!

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


VS地獄兄弟(リベンジ)ですが何か?

「簪ちゃん、言っておくけど……あの2機を普通のISと思うのはダメよ?」

 

「……うん……解かった……」

 

 一度ホッパーズと戦った身である楯無は、一番に簪へと忠告を入れた。ライダー型ISと戦うのが、簪のみ唯一の初見というのもあるだろう。

 

 しかしそれを差し引いても、ホッパーズは常軌のISを逸脱している。『飛ば』ずに『跳ぶ』……それこそが、ホッパーズだ。

 

(現に今も……立ってる……)

 

 簪はホッパーズの足元へと、ハイパーセンサーでズームインする。その足底に広がるのは、半透明の複眼状の足場だ。やはり飛んでいるのではなく、立っているというのを暗示させる。

 

 飛ばずに跳ぶという利点は、常にトップスピードでいられるという点だ。既存のISで例えるのならば、常に瞬時加速で移動しているのと同じだろう。もちろんホッパーズの中身はアンドロイドで、機械に障害が無ければと言う条件付きだが。

 

『『――――――――』』

 

「来るわよ!」

 

「うん……!」

 

ズダァン!

 

 無言のホッパーズがその場で屈む様な動作を見せると同時に、楯無が簪へと警告を発す。次の瞬間にはホッパーズが地を……いや、空を?とにかく、生成した足場を蹴り上げ突撃をかけてきた。

 

 基本的に超人である楯無は、普通に見えるスピード。基本的に常人よりは上だが飛びぬけてはいない簪は、ギリギリ捉える事の出来るスピードだった。

 

 2人はそれぞれ近接武装を構えるが、単なる突進で無いのがまた厄介なのだ。ホッパーズは2人に手が届く寸前で、体を反転させて違う方向へ飛び出す。

 

 そこから更に、体の向きを2人の方へ戻して空を蹴る。いわゆるフェイントという奴だ。キックホッパーは楯無の方へ、パンチホッパーは簪の方へと襲い掛かった。

 

ドガッ!

 

「ざ~んねん♪」

 

「……!」

 

 楯無はキックホッパーの攻撃をヒョイっと避けたが、簪はフェイントに対応できなかった。簪が回避不可であることを察知した楯無は、まるで遮るかのように蒼流旋を簪の前へ出す。

 

 するとパンチホッパーの拳は、蒼流旋によって防ぐことが出来た。しかし更に防がれる事を察知したキックホッパーが、楯無の背中を狙う。

 

『―――――――!』

 

ダァン!

 

「させない……!」

 

「ナ~イス、簪ちゃん。流石は私の妹♪」

 

 楯無の背中に滑り込むようにして、簪が立ちはだかる。そのままバットを振るかのようにして、思い切り夢現をスイングした。空を裂く夢現の切っ先は、キックホッパーのスネへと命中する。

 

『案外、役立つかも知れないぜ?簪がフルスイングとか、意外性があるしな』

 

(真……ありがとう……)

 

 実はクリスマスの時に、基本的なバットの振り方は教えてもらっていた。もちろん真は冗談半分だった訳だが、まさか本当に役に立つとは……。使った簪本人が、一番ビックリしていたり。

 

 とにかく更識姉妹VSホッパーズ戦の初撃は、簪が入れた。とりあえずの攻撃失敗を悟ったホッパーズは、空を蹴って距離を置いた。この光景を見て、楯無はムフフと怪しい笑い声を出す。

 

「お姉ちゃん……?」

 

「うん、ごめんね。こんな時に言う事じゃ無いかもしれないけど……簪ちゃんと背中合わせって、なんだか嬉しくて」

 

「そうだね……私も……」

 

 遠まわしながらも、自分は何もしなくていいと言っていた姉が……こうやって自分を頼ってくれている。追いかけ続けた背中が、今自分の後ろにある。

 

 そういうのには拘らない事にした簪だったが、この状況は嬉しいに決まっている。しかしだ……喜ぶのはホッパーズを倒してからにしなくては。

 

「まぁそれじゃ、取りあえず目の前の相手に集中!」

 

「互いがピンチになったら……互いをフォロー……」

 

「良く解かってるじゃない。さぁて、弟くんのために頑張らないと……ね?」

 

「う、うん……!」

 

『『――――――――』』

 

ダンッ!

 

 楯無のからかうような言葉に、簪は少し顔を紅くする。そして気恥ずかしさを振り払うかのように、パンチホッパーへと接近を試みた。

 

 そんな簪に、楯無はクスクスと笑みをこぼす。そんな笑顔のままミステリアス・レディは水のベールを纏う。そうすると、一呼吸が落ち着いたかのようにホッパーズも動き出す。

 

(やっぱり……速い……!)

 

(簪ちゃん……落ち着きなさいね)

 

 パンチホッパーは、簪の周囲を跳ねまわるように纏わりつく。やはりここまで鋭い移動には慣れていない……が、弱点はある。それは、最後には必ず直線運動をしなければならない。

 

 跳ぶというのは立派な利点だが、逆を言えばカーブが効かないという欠点へとなりうるのだ。簪の取った行動は、チャンスが訪れるまでジッと待つ事……。

 

(あの拳に……さほどの攻撃力は無い……。絶対防御が発動しても……大きなダメージにはならない……なら……)

 

 多少のダメージは覚悟して、大打撃を与える事を簪は選んだ。楯無とは言え簪も更識の人間……様々な物事において、並の人間のソレではない。

 

「…………。ッ!そこ……!」

 

『――――――!?』

 

ズダン!グッ……!

 

「遅い……!」

 

ギャン!

 

 予定通りに直線運動した瞬間をとらえて、簪は夢現を振った。それを察知したパンチホッパーは、体を反転させて急ブレーキをかけるが……時すでに遅し。

 

 当然パンチホッパーと夢現のリーチは、雲泥の差だ。簪の振った夢現は、パンチホッパーの肩の突起部分へと命中する。入りは決して甘くないようで、切り傷と焼け焦げた跡の様な物が残る。

 

『―――――――!』

 

「!? しまった……簪ちゃん!」

 

「え……?ううっ……!」

 

 それまで楯無と交戦していたキックホッパーは、突然空高く跳びあがった。すると上空で下に向かって空を蹴り、急降下……そのまま簪の背に乗るようにして思い切り踏みつけた。

 

 決して楯無は油断して居た訳ではないが、以前も似たような事があった。パンチホッパーが攻撃を喰らうと同時に、傷つけた対象へとまるで逆上したかのような猛攻を仕掛ける。

 

(反撃……しないと……!)

 

『『――――――――』』

 

ズダン!

 

「くっ、邪魔よ!」

 

 規格外の脚力で踏みつけられた簪は、降下を続けていた。未だに打鉄弐式のPICで、勢いを殺せないという事だろう。しかし無理にでも敵の方向を向かなければ、追撃を受けるしかなくなる。

 

 現にホッパーズは、再度それぞれの標的へと進路を取っている。楯無はキックホッパーのマシンガンの様な連続蹴りに足止めされ、簪の援護へ行けない。

 

『――――――!!』

 

ドォン!ドォン!ドォン!

 

 パンチホッパーも簪を狙って急降下を続ける。しかも加速に加速を重ねて、まるでパンチホッパーそのものが砲弾の様だ。アレが激突しただけでも轢かれてそれなりのダメージが入るに違いない。

 

 確かに凄いスピードだが、これも直線運動だ。反撃の隙はいくらでもある。打鉄弐式の急降下はようやく終わり、簪は急いで攻撃に移行する。

 

「このっ……!」

 

ズガン!ズガン!

 

『――――――――』

 

「そ、そんな……!?」

 

 簪はパンチホッパーに向けて、春雷を連射した。簪が放った全ての弾は、簡単に命中するが……パンチホッパーは、全く意に介さない。

 

 両腕をクロスするようにしてガードを作り、そのまま空を蹴り更に加速してゆく。もちろん春雷の攻撃はそれなりのダメージを受けているが、それを上回る痛手を喰らわせるつもりなのだろう。

 

『――――!!!!」

 

ゴッ!!!!

 

「くっ……ふぅっ……!?」

 

「簪ちゃん!?」

 

 瞬時加速どころの話でいない速度となったパンチホッパーは、まるで激情でもぶつけるような拳を簪の腹部へ見舞った。キックホッパーのせいでそれなりに下降していた簪は、更に吹き飛んで海へと叩き落とされる。

 

 これに楯無は、血相を変える。それこそ死んではいないし打鉄弍式もまだ動けるだろう。しかしだ……自分の妹が悲惨な目にあって、冷静でいられる楯無ではない。

 

「本っ当に……邪魔ぁ!」

 

『――――――!?』

 

ガキィ!ギャリリ!

 

 楯無は苛立ちと共に蒼流旋を振り回して、キックホッパーを吹き飛ばす。そして腰の入った思い切りのいい突きを、その胸部へ深くへ喰らわす。それによって、キックホッパーは押される形で飛んでいった。

 

 それを確認すると同時に、楯無は簪の救護に向かおうとする。だがそれは、既に背後に迫っていたパンチホッパーに阻まれた。これに楯無は、舌打ちが止まらない。

 

「あ~……もうっ!少しは私の気持ちも解るんじゃ無いの!?」

 

 連携が上手いホッパーズに対して、楯無は不満をぶつけた。そしてパンチホッパーの方へ振り返りながら、蒼流旋の4連装ガトリングを射撃する。

 

 少し反応は遅れたパンチホッパーだったが、そこらをピョンピョン跳ねまわり回避する。一方を相手にするともう一方が……。キックホッパーも復帰して、もうそこまで迫っていた。

 

「くっ……!」

 

『お姉ちゃん……全面に水の盾……』

 

「簪ちゃん!?……フフッ、了解!」

 

 挟み撃ちを喰らう寸前に、ミステリアス・レディに簪からの秘匿通信が入る。どうやら簪は無事らしい……。そうやって一安心した表情を浮かべると、楯無は指示に従う。

 

 ミステリアス・レディのアクアナノマシンにて、全身を包み込むように球体の水の盾を張った。次の瞬間に簪は、水から浮上して山嵐から10数発のミサイルを射出して、ホッパーズを攻撃する。

 

「行って……!」

 

ドシュウウウウ!!

 

『『――――――!?』』

 

ドガァアアアアン!

 

 不意打ち気味に放たれたミサイルは、ホッパーズ目がけて一直線に向かい見事に命中した。寸前に水の盾を張った楯無は、もちろん爆風も受けていない。

 

 そうして瞬時に盾を解除して、爆煙から抜け出す。これを足掛かりに奇襲されては、たまった物では無い。その間に簪も楯無と合流に成功。すぐ出て来なかったのは、この機会を狙っていたのだ。

 

「簪ちゃん!無事で良かった……」

 

「うん……死んだふりみたいなもの……。心配かけて……ごめんなさい……」

 

「良いのよ、おかげで私も助かっちゃった。それに、あの2機も大打撃でしょ?」

 

 そう言われて簪は、未だ晴れぬ爆煙を見つめた。徐々に散り始めているとはいえ、まだそこに居るとも限らない。じぃっと待っていると、やがて爆炎が晴れ始める。

 

 そこで2人が目にしたのは、重度のダメージを負っているキックホッパーと、ほぼ無傷のパンチホッパーだった。ミサイルが直撃する寸前に、キックホッパーはパンチホッパーを蹴り飛ばしたのだ。

 

 それによってパンチホッパーは難を逃れたという事……。幾度となく庇う姿勢を見せるキックホッパーに、楯無はある意味での感心を覚える。

 

「簪ちゃん……」

 

「……解かってる……。狙うのは……緑色の方……だよね」

 

 機械相手にセンチになっている場合でないと、考えを改めた。どうやら簪も同じように複雑な気分となっていたのか、少し遠慮しながらキックホッパーへと対象を絞る。

 

『『――――――――』』

 

 2人が身構えるのと同時に、2機は縦横無尽に跳ねまわり始めた。2人の周りを囲うような跳び方……これは、以前に楯無がやられた戦法だ。

 

「気を付けて、簪ちゃん。これ……とんでもないコンビネーションだから」

 

「大丈夫……私達も負けてない……」

 

「まぁね♪あっ、追いかけるのは止めておきましょう。なんとか動きを止めた方が安定すると思うわ」

 

「了解……」

 

ズダァン!

 

 急な方向転換から、ホッパーズは2人へと攻撃を開始した。やはり動きを止める方が安全とは言え、一撃離脱を繰り返すホッパーズは、なかなか厄介だ。

 

 前回は良いようにやられた楯無だが、今日は1人では無い。対応に困ったら、何も言わずとも自慢の妹がしっかりフォローしてくれる。逆に楯無も精一杯に楯無を援護した。

 

 ホッパーズに至っても、同じような状態と言えよう。緊急でないため、殴り飛ばす蹴り飛ばすでフォローしているわけでは無いが、しっかりと互いを補いあっている。

 

「か、簪ちゃん!山嵐……撃っちゃわない?!」

 

「無理……。スフィア・キーボードその他もろもろ……察して……」

 

「それもそうよねぇ……。でもっ……!やっぱり跳ねてるし……!かなり厳しいわね!」

 

 楯無はあまりの膠着状態に、残った30数発のミサイルの射出を提案する。しかしミサイルの発射にはそれなりの手順を踏まねばならない。だからこそ、簪は奇襲の形で機会を窺っていたのだ。

 

 そうなれば、特に違った行動を起こせることはなくなる。アクア・ナノマシンも無駄……遠距離攻撃はロクに当たらない……。それらは全て、楯無が体感済みだ。

 

「……なら……相手に行動を起こさせる……」

 

「……?」

 

「お姉ちゃん……考えがあるんだけど……」

 

 2人はホッパーズとの攻防を繰り広げながら、器用に秘匿通信で作戦会議を始めた。楯無が簪の立てた作戦を聞く側だが、どうにもその表情は厳しい。

 

『……ダメ、私は反対。断固反対!』

 

『お姉ちゃん……。私がこんな事を言うのは……お姉ちゃんを信頼してるから……』

 

『簪ちゃん……』

 

『お姉ちゃんを信じてる……だからお姉ちゃんも……私を信じて……』

 

 簪の表情から読み取れるのは、とてつもなく強い意志だった。楯無は、一抹の感動を覚える。自分の知らない間に、簪は強くなった……それも見違えるほどに。

 

 その根幹にあるのは、姉はもちろんの事……真や、多くの仲間の支えによるものだろう。楯無は、野暮を言うのを止める事にした。キッと表情を凛々しくすると、簪に向けてこう言う。

 

『絶対に成功させるわよ?』

 

『もちろん……!』

 

「オーケー、始めましょう!」

 

「うん……!」

 

 そう言うと楯無は、まるで目くらましかのように水の壁を張った。その間に2人は、一気に後方へと下がる。ホッパーズの包囲網からは抜けたが、この距離は好都合であった。

 

 そうするとホッパーズは空中で足底同士を合わせて、飛蝗型ゼクターの脚部分を、それぞれの向きの反対方向へと倒す。それと同時に、電子音と共に脚と腕へイオンエネルギーが伝わる。

 

『『―RIDER JUMP―』』

 

ドガアッッッッ!!!!

 

 お互いのジャンプ力を最大限に利用して、キックホッパーがパンチホッパーを蹴り出した。そのスピードは本日のトップ……先ほどの加速を重ねたパンチホッパーよりも速い。

 

 狙いはどうやら簪らしい。あくまで、自分の定めた標的に的を絞っているようだ。狙いが簪だと分かると、楯無は焦った様子で水の壁を作り出す。

 

「このっ!」

 

バシャア!バシャア!バシャア!バシャア!

 

 楯無は勢いを抑える事が目的なのか、そこそこの厚さしかない水の壁を何重にも重ねて張る。しかし……どうやら焼け石に水らしい。まぁ……楯無もなんとなく解っていたが。

 

 もはや止める事はおろか、回避も不可能!パンチホッパーは、ゼクターの足をまた元の方向へ戻した。それと同時に、パンチホッパーの右腕へと緑色のエネルギーが満たされる。

 

『―RIDER PUNCH―』

 

ドゴオッッッッ!!!!

 

「…………ッッッッ!」

 

「簪ちゃん!」

 

 パンチホッパーの拳は、またしても簪の腹部へ直撃した。バリア貫通の際のダメージは、想像を絶する威力だ。しかしここで終わらないのがライダーパンチである。アンカージャッキが勢い良く降り、再度のダメージを……。

 

ドガァン!

 

『――――!?!?』

 

 アンカージャッキが降りる前に、パンチホッパーの右腕が爆ぜた。パンチホッパーは何が起こったか解からない様子だが、更識姉妹は思わずほくそ笑む。

 

「狙い通りね♪」

 

「痛かったけど……大成功……」

 

 実は2人が距離を開けた時点で、作戦は開始されていた。2人が開けた距離は、ホッパーズがコンビネーション必殺を繰り出すのに最高の間合いだった。

 

 するとホッパーズは誘いに乗って、ライダージャンプを発動させた。そして楯無が威力を抑える為に這っていたと思われた水の壁……あれは、パンチホッパーのアンカージャッキに起爆性ナノマシンの混ざった水を潜り込ませる意味合いだったのだ。

 

 そうして簪が拳をわざと受けたのは、確実にパンチホッパーを捉える為。楯無は急いでパンチホッパーを水で包み込む。跳びださない所を見ると、どうやら空中限定らしい。

 

「お姉ちゃん……!」

 

「任せて頂戴!」

 

 もはやこうなると、楯無の援護は必要なくなった。簪は水中で暴れるパンチホッパーに、残った山嵐のミサイルを全て射出する。楯無は既にキックホッパーの方へ向かっているが、ミサイル直撃の寸前に水の牢を解除した。

 

『――――!?!?』

 

ズドドドドドドドド!!!!

 

 山嵐のミサイルはもちろんすべて命中した。スペックはガタックやカブト同等……あれだけ喰らえばひとたまりもないハズ。しかしまだ反応は感知できる……となると……。

 

「逃がさない……!」

 

ズンッ!

 

 反応があるという事は、ゼクターはまだ無事と言うことだ。簪はトップスピードで反応のある方へ急行して、夢現を爆煙に向かって突き入れる。

 

 するとその切っ先には、パンチホッパーのゼクターが電撃を上げながら突き刺さっている。簪は更にそこから、突き刺さっているゼクター目がけて春雷を撃った。

 

「…………さよなら……」

 

ズガン!バキャア!

 

 至近距離で春雷の弾を受けたゼクターは、様々なパーツを散らせながら吹き飛んだ。それと同時に、パンチホッパーの反応も消失……。それは、パンチホッパーの完全破壊を意味していた。

 

「やった……やったよ……真……!」

 

「よしよし……後は、お兄さんの方ね……」

 

『!!!!!!!!』

 

 パンチホッパーの完全破壊を見てか、キックホッパーはまるで雄叫びを上げるような仕草を見せた。それまでの冷静さは何処へやら……まるで怒りに身を任せるように空を蹴る。

 

ギリギリギリ……ズダァン!

 

 まだまだライダージャンプの余力は残っている。射出されたパンチホッパーほどでは無いが、それでも目で追うのも難しいレベルの速度だ。

 

 そしてキックホッパーは体を反転させて、足を楯無の方へ向ける。更にゼクターの脚を正位置へと戻すと、赤色のエネルギーが足へと満たされた。

 

『―RIDER KICK―』

 

『!!!!!!!!』

 

「私もね……妹の前で格好つけたいのよ」

 

ドゴオッッッッ!!!!

 

「ぐふっ!だから……ごめんね……!」

 

 キックホッパーが突っ込んでくる事など、楯無には分かっていた。だからこそ、相打ち覚悟でライダーキックを喰らいつつ……ゼクターへと蒼流旋を突き入れた。

 

 蒼流旋の先は、ゼクターへと刺さっている。だがキックホッパーはいまだ健在……となると、襲って来るのはアンカージャッキによる二段目のダメージだ。

 

ジャコンッッッッ!!!!

 

「キャアアアア!」

 

「お姉ちゃん……!!」

 

 簪は吹き飛ばされた楯無を身を挺して止める。ダメージがきつくてすぐに声を出せないのか、楯無はプルプルと腕を振るわせながら……キックホッパーを指さした。

 

 その目に移ったのは、蒼流旋を引き抜くキックホッパーだった。しかしそれ以降に、動きを見せる様子が無い……。やはり楯無の決死のカウンターが、確実に効いたのだろう。

 

「簪……ちゃん。引導を渡してあげて……」

 

「……うん!」

 

 楯無を振り払うかのように、簪はキックホッパーの方に飛んで行った。そしてブンブンと振り回した夢現を、ゼクター目がけて振り下ろす。元から大穴の空いていたゼクターは、簡単に真っ二つとなった。

 

「これで……終わり……!」

 

スパァン!

 

『!!!!!!!!』

 

 パンチホッパーとは違って、キックホッパーはアンドロイドの方は無事だった。しかし……特になんという事は無く、アンドロイドは真っ逆さまに海へと落ちて行く。

 

 ドボーン!と、大きな音がするのと同時に簪は我に返った。……勝ったのだ……自分と姉が、かなりの強敵に。アンドロイドの着水音が、簪に勝利を確信させる。

 

「やった……!お姉ちゃん……!」

 

「フフン……大勝利っ☆」

 

 2人はお互いに向かって飛んで行き、簪は楯無へ抱き着いた。そんな可愛い妹の頭を、楯無はナデナデする。簪は嬉しさ半分恥ずかしさ半分で、しばらく好きにされていた。

 

 しかし……何か、楯無の様子がおかしい事に気が付いた。簪は勢いよく楯無から離れると、身を案じるような表情を見せる。簪の視線を感じた楯無は、ヒラヒラと手を振った。

 

「ああ、私は大丈夫よ?ただちょっと、何かしらね……虚しくって」

 

「お姉ちゃん……。それはきっと……私達が姉妹だから……」

 

「……そうね。良い……兄弟だったわね……『彼』ら」

 

 楯無は普段はやらないが、機械を人であるかの様な表現をした。そして……無言で並び立っていた飛蝗の兄弟を思い浮かべる。しばらくそうしていたが、楯無は溜息の後に簪へ告げる。

 

「私達も……見習わないとね♪」

 

「うん……心から……そう思う……」

 

「じゃ……合流地点へ向かいましょうか?旦那様は心配でしょうけど」

 

「だ、大丈夫……。とりあえず……手順優先……」

 

 楯無は、少しからかうように真を旦那と表現した。ピクリと一瞬だけ体を反応させた簪だったが、それを誤魔化すように大げさに首を振って見せる。

 

 そうして移動を開始するが、その間もずっとハイパーセンサーでカエルム・スカラムを見つめていた。ただただ……自分の愛する者の無事を祈って……。

 

 

 

 




闇へ御帰り……。

地獄兄弟のみゼクターの完全破壊……理由は、お察しください……っ!そうしないと、人型アンドロイドさえあれば無限に出てきてしまいますので……。

じゃあなんザビー、ドレイク、サソードは逃がしたかって?そちらも……お察しください……っ!まぁ……はい……この3体を破壊すると、ソルが可哀想な事になるので……。

流石は演習の長さがトップクラスな必殺技なだけに、必要とする要素も多いですな……。ぶっちゃけ、私としては一回見せたから満足なんですけどね……。

さて、次回は……原作主人公である一夏の出番です。生身の人間同士の対決とか、凄く久しぶりに書くから不安ですが……頑張ります!

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
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