戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

何の因果か、ドライブの最終回が近ければ……こちらももうすぐ最終回ですねぇ。なんとかドライブが終わるまでには、こっちも済ませたいものです。

そんな訳でして、全てを賭けたラストバトルが始まります!真とソル……そして2人を応援している皆VSデウスエクスマキナ……張り切っていってみましょう!

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


ラストバトル!(決戦)ですが何か?

『私を殺す……ですか?フフフフ……死にたくても死ねない身を殺すのは、難儀な事ですよ!」

 

ギュルルルル!

 

「うぉっ!?」

 

「むっ……!」

 

 デウス・エクス・マキナがそう言い切ると、2人の背後から2本のコードの束が後方から伸びてくる。真もソルも決して油断していた訳ではないが、先端が掌の様に開いたコードの束に捕まった。

 

 そのままその掌に掴まれると、反対側の壁に思い切り引き寄せられた。このままでは壁に激突する!そう思った2人だったが、なんとカエルム・スカラムの壁を突き抜けて外へと放り出された。

 

 そこで真が見た光景は……なんとも美しい物だった。目の前に見えるのは、何処までも青く澄みきった地球……。宇宙は常時太陽が出て明るいが、地球は一際輝いている様に感じられる。

 

「つか……宇宙で大丈夫なのか?」

 

「オレ達のISが、全身装甲で助かったな」

 

 ガタックとカブトは、特に装着者の安全に配慮された構造だ。基本的に人間が生きていけない環境下でも、数時間は持つ仕様となっている。

 

 そもそもISは宇宙での活動を目標に造られた『ハズ』のパワードスーツなのだから、妥当と言えば妥当な話でもある。とは言え機体の制御が難しい……。真はとりあえず、青子に機体の安定を指示する。

 

『青子、戻ってるか?』

 

『問題なく』

 

『そうか、なら……機体の安定を頼む』

 

『了解しました』

 

 真はすんなり返事をくれる青子に、少しの安心を覚えた。第2フェーズに入ってからという物……彼女がサポートしてくれるのが、当たり前だったからだろう。

 

 そして先ほどまで反応が無かったとなると、ギャップで安心の度合いも大きく感じられた。命令が終わると真は、カエルム・スカラムへと視線を向ける。

 

「あれ……どうなんのかね?」

 

「知らん。ただ……あれ自体がISなのならば、何も不思議な事では無い」

 

グリュリュリュリュ……!

 

 2人を宇宙へ放りだしてから、カエルム・スカラムは……まるでスライムかのように蠢いていた。だんだんと何かの形を成しているのは理解できるが、真は少し吐き気を覚える。

 

 そうして。カエルム・スカラムの下部4分の1ほどは、元の状態へと戻る。そこから上は……人の形を成しているように思える。ただし……1口にそれは『人』とは呼べない。

 

ジャギギギギ!!!!

 

 すると全身を覆う凝固な鱗が如く、人の上半身と思わしき部分に……巨大な刃の様な物が生え始める。そして頭部は、龍と人とを掛け合わせたかのようなデザインだ。

 

 極め付けには、まるで自身が神であると誇示するような翼が生え……ゴールデン・ドーンにも似た輪っかを背部へと生やす。どうやらこれが……カエルム・スカラムの最終形態らしい。

 

『フハハハハ……この形態となると、本当に豆粒に見えますね』

 

「うっせー!笑ってられるのもその内だ……クソ神!」

 

「貴様はそうやって、上ばかり見ていると良い。足元を掬ってやろう」

 

 カエルム・スカラムは超巨大要塞だった。サイズとしては、倒すと考えただけで気が遠くなりそうだ。しかし……真とソルには、負けない自信があった。

 

 なぜなら今も……多くの声援が2人を奮い立たせているからだ。むしろ2人は、湧き上がる力のぶつけどころを求めている。有り余る力を抑えながら、真とソルは所要武装を構えた。

 

「デカさイコール強さじゃねぇもんな」

 

「当然だ。徒党を組めば、蟻が象を食う時もある」

 

「ヘヘッ……決まりだ!カブトムシ&クワガタムシVS神って事でいっちょ……」

 

「命を賭して噛み付くとするか!」

 

ガギン!

 

「「!?」」

 

 2人が本格的に戦闘の意思を見せると、ハイパーガタックとハイパーカブトのアーマーが展開した。しかしだ……2人ともまだハイパークロックアップは使ってはいない。

 

 お互いの姿を良く見てみれば、それぞれタキオン粒子がアーマーから噴き出ているのが解る。2人はなんとなく理解した。これも……次なる扉を開いた証だと。

 

「完全なるタキオン操作とは、どう使えばいいのだ……?」

 

「知らね……。ま、あれ相手に試してみりゃ良いんじゃね?」

 

「それも言えているな……。では、今度こそ……」

 

「行くぞおらああああっ!!!!」

 

 ハイパー化している際のアーマーが開きっぱなしと言う事は、タキオンブースターも使い放題と言う事である。2人はそれぞれの背部から、金色と白銀の光を放出する。

 

 厳密に言えば細かな粒子であるそれは、ガタックとカブトをドンドンと加速させていく。どうやら2人は、とにかくカエルム・スカラムへと近づく事を第1目標と定めたらしい。

 

『この距離は……貴方達からすれば、果てしなく感じる事でしょう!』

 

ギャルルルルルル!!!!

 

「チッ……!先ほどまでとは比べ物にならん数だ……!」

 

「怯む必要はねぇさ!ガンガン行こうぜ!」

 

 真っ直ぐ近づいてくる真とソルに、デウス・エクス・マキナは攻撃を開始した。台詞が終わると同時ほどに、鱗のような刃が伸びて来て2人を襲う。

 

 刃を他の武装を変形させないのは、その必要が無いからだろう。カエルム・スカラムの巨大化さからすれば、確かに余計な事と思える。しかし2人は、怯む事無く前進を続ける……が。

 

『何度やっても同じ事!タキオンは十分に吸収できました。例え貴方達が最終フェーズだとしても……対抗できるほどにね!』

 

(か、体が……動かねぇ!?)

 

(しかし……!『認識』は出来ている!)

 

 2人は自分たちの身体に異常を感じた。さっきまで自由の効いた身体が、ピクリとも動かなくなってしまう。どちらかと言えば、デウス・エクス・マキナが時間流を操作して2人の動きを止めている……と言った方が正しい。

 

 カエルム・スカラム内での戦闘時は、この隙に攻撃をされていたのだ。しかし今は……自分たちの身体は動かなくても、動き続けるデウス・エクス・マキナの攻撃は、ハッキリと見えている。

 

(とは言え、やはりタキオンの操作法が解らんことには……)

 

(チ……クショウ……!動けってんだよおおおお!)

 

ゴオッ!

 

((!?))

 

 無数の巨大な刃が、真とソルに触れる寸前の事だ。真が頭の中で雄叫びを上げると、真を中心にして黄金の粒子が周囲へと舞った。すると……どうした事だろうか。

 

「これは……止まった……?」

 

 まるで真以外の時間が止まったかのように、無数の刃はピタリと止まっている。ソルも例外でなく、背中から放たれる白銀のタキオン以外は完全停止だ。

 

 真は自分でも良く解かってはいないが、確かにタキオンを操作して見せたのだ。これが自分達が、皆の力で見出した力かと思うと……笑いが止まらない。

 

「とりあえず……細切れにしてやらぁ!」

 

ギャギン!ギャギン!ギャギン!ギャギン!

 

 これがいつまで持つか解からない以上は、急がねばならない。真はタキオンブースターを吹かしつつ、自分を取り囲む無数の刃をハイパーカリバーの乱舞で切り裂く。

 

 それが終わると、ソルに当たりそうな刃もきちんと処理する。それが終わった頃だろうか。完全に停止していた時間は、再び動き出す。

 

バキャアアアアン!

 

『なっ……何が起きたのです!?』

 

「加賀美……貴様、今何を……」

 

「ん?認識できなかったのか……」

 

 ソルやデウス・エクス・マキナから見ると、真が急に消えて現れたと思ったら……刃が破壊されたようにしか見えなかった。同じ段階にいるソルでも、認識は出来ないらしい。

 

 とにかく真は、自分が体感したタキオン操作の一部始終をソルに伝える。するとソルは、非常に興味深そうな様子で頷く。どうやら……早速実践してみる気らしい。

 

「で、具体的にはどうすれば良い?」

 

「…………気合で」

 

「……フッ。そうか、なら気合で頑張ってみよう」

 

『まだ攻撃は……続いていますよ!』

 

 決してやり方が解らなかったから適当を言っているのではなく、本当に気合が大事であると真は思っていた。だがアドバイスとしては、些か……。そんな真に少し笑いかけてから、ソルは動き出す。

 

 すると真は、凄まじい光景を見た。ソルが白銀の光を放ちながら、消えたり現れたりを細かく繰り返すのだ。これではまるで、分身しているようだ。

 

 そして分身したソルが1人に戻って、最後にもう1度消えてから現れた。その瞬間……2人を取り囲んでいた全ての刃が、同時に砕け散る。

 

ガシャアアアアン!

 

『…………!?』

 

「やっぱお前って天才だよ……」

 

「……有難く受け取っておこう」

 

 あっという間にタキオン操作を使いこなすソルに、真は愕然としながらも賞賛の言葉を送る。手放しにそう言われるのがくすぐったいのか、ソルはパーフェクトゼクターを肩に乗せながら答える。

 

 そうして真は、何かに反応するように地球を見た。真に届いているのは、この光景を見ている者達の歓声である。真は少し頬を緩ませると、パフォーマンスが如く言い放った。

 

「か~みっさま!アンタ……対抗できるとかほざいてたか?」

 

『…………』

 

「ピンチになったらだんまりか?貴様は……まるでかつてのオレだな」

 

『くっ……!私は……こんな所で終われないのです!』

 

ギュルルルル!

 

 今度はカエルム・スカラムの翼の無数の羽が、骨組みの部分から外れた。すると羽根の一枚一枚が変形して、何かの形を成す。これはどうやら、レーザービットの様だ。

 

 とは言っても、ブルー・ティアーズやサイレント・ゼフィルスの物とはデザインが異なる。そもそも大きさも規格外だ。ビットにも関わらず、一つの大きさが大砲……でも表現できない程に大きい。

 

「ソル、細かくタキオンを操りながら突っ込め」

 

「何か考えがあるのだな?」

 

「ああ、後はテメェが信頼してくれりゃ即実行だ」

 

「愚問だな。既にオレは、貴様を信じると決めた」

 

 真の提案に、何の迷いも無くソルは乗った。そうストレートに言われると、少し照れるらしい。真は小さくむ~……と唸ってから行動を開始した。

 

 ソルも真が動き出したのを確認すると、指示通りに細かくタキオンを操作しつつタキオンブースターを全開でカエルム・スカラムへ向かう。

 

『行きなさい!』

 

ゴオオオオッ!

 

「悪りぃけどそれ……一発も撃たせてやらねぇよ!」

 

『―MAXIMUM RIDER POWER―』

 

「マキシマムハイパーハリケーン!」

 

『―MAXIMUM HYPER HURRICANE―』

 

「っ……!?これは……デケェ!」

 

 真はハイパーゼクターの顎を倒してから、ハイパーカリバーを鋏の形態へと連結させる。それと同時にマキシマムハイパーハリケーンが発動した。

 

 しかし……その巨大さたるや、いつもの比では無い。それこそカエルム・スカラムくらいあるのでは無いかと思える。そして超絶巨大なイオンエネルギーの鋏は、ビットを重力で引き付ける。

 

『こ、れは……!私ごと引き寄せるほどの……』

 

(なるほど、だからこその細かく使え……か)

 

 ソルは時間流を止めている間は、大した重力の影響は受けない。だがデウス・エクス・マキナは、引き寄せられるばかり……。近づくのが困難ならば、近づけてしまえという発想だ。

 

 お互いに近づき合えば、話は早い。もうすぐソルは、カエルム・スカラムへ接触できるだろう。一方真の様子はと言うと、これまた凄い光景だ。

 

ガギャアアアアアア!!!!

 

「おおおおらぁぁぁぁ!」

 

 無数に存在したカエルム・スカラムのビットは、1つの塊となってイオンエネルギーの顎に挟まれている。そして盛大な火花を上げながら、1つ……また1つと音を立てて潰れて行く。

 

 メキメキ!バキバキ!という音を聞いて、真は腕に込める力を最大限に高める。そしてついに超巨大なビットの塊は、大爆発を起こして破壊された。

 

ドゴオオオオオオオオン!

 

「クッ……!もっと淑やかに出来んのか!」

 

「無茶言うなアホ!んな事より……かましてやれよ!」

 

「了解した……。集え!」

 

 ソルは真の作戦通りに、カエルム・スカラムへと到達していた。しかし巨大ビットの爆風を受けて、少し体勢を崩す。その隙はキチンとタキオン操作で消したが、少しばかりの文句を真に伝える。

 

 無茶を言うなと言われれば、それもそうかと思うしかない。ソルは体を反転させて、足底に疑似重力を張った。そうすると、カエルム・スカラムの猛ダッシュで駆けあがって行く。

 

「もう羽は無いんだ……その骨組みは邪魔だろう?」

 

『そんな事はさせ……』

 

「まぁ、無駄な事だがな」

 

ゴオッ!

 

 ソルが走っているのは、カエルム・スカラムの腕に相当する部分だ。当然デウス・エクス・マキナは、妨害しようと鱗の刃を伸ばす。しかしそこでソルは、タキオンを操ってデウス・エクス・マキナの動きを止めた。

 

 そのままもっと速度を上げて、カエルム・スカラムの肩から飛び出るようにジャンプした。すでにパーフェクトゼクターに、各ゼクターは合体している。となれば、此処から何が起こるかは予想がつく。

 

『―KABUTO THE―BEE DRAEK SASWORD POWER―』

 

『―All ZECTER COMBINE―』

 

「マキシマムハイパータイフーン!」

 

『―MAXIMUM HYPER TYPHOON―』

 

 ソルがパーフェクトゼクターのトリガーを引くと、これまた規格外の大きさの刃が形成された。それをソルは、背中と水平になるように振り下ろす。

 

ガギャアアアアアアアア!!!!

 

 宣言通りに、ソルの狙いは翼を切り裂く事だ。肩甲骨から伸びているそれは、2枚共に切断されてカエルム・スカラムから離れた。しかしソルはそれで止まらずに、パーフェクトゼクターの柄を曲げる。

 

「マキシマムハイパーサイクロン!」

 

『―MAXIMUM HYPER CYCLONE―』

 

 ガンモードのパーフェクトゼクターで一連の流れを再度行うと、ソルはマキシマムハイパーサイクロンを放つ。それに巻き込まれた翼は、完全に消し飛んだ。

 

ゴオオオオオオオオッ!!!!

 

『くっ……!』

 

「やる事が派手だねぇ」

 

「言ってる場合か、貴様も続け」

 

『そうはさせる物ですか!』

 

 真はデウス・エクス・マキナの背後で起きる大爆発に、ピュ~♪と口笛を鳴らしながらソルに言った。だがすぐさまにソルに説教を貰って、すぐさま気持ちを切り替える。

 

 しかし一歩だけ遅かったのか、デウス・エクス・マキナの離脱を許してしまう。時間流を操作されたのか、一瞬にしてかなりの遠方へと逃げられてしまう。

 

『私もただ黙ってやられていたのではありませんよ……!』

 

「チャージしたタキオンを、離脱のみに利用したか……」

 

「……スマン、少し調子に乗った」

 

「構わん、謝る暇があるなら……とっとと気持ちを切り替えろ」

 

 遠くに離れたデウス・エクス・マキナを見て、ぐぬぬ……と悔しそうな表情を浮かべる。思わずソルに謝る真だが、特に気にした様子はない。

 

 ソルが考えているのは、何故デウス・エクス・マキナが攻撃をして来なかったかだ。離脱のみに重点を置いたのは解るが、どうにも位置取りに違和感を覚える。

 

『フフフフ……気がつきましたか、ソル。貴方達の背後に……何がありますかね?』

 

「!? 貴様……!随分と小汚くなった物だな!」

 

「…………?後ろって……。!? おい……まさかアイツ!」

 

 ソルとデウス・エクス・マキナのやり取りが理解できなかった真は、取りあえずちらりと後ろへ振り返る。すると……自分たちの背後には、母なる星があった。

 

 そしてすぐさま真は振り返った。なぜなら……とんでもないコアシンクロの反応を感じたからだ。恐らくデウス・エクス・マキナは、とてつもない威力のマキシマムハイパーサイクロンを撃とうとしている。

 

『私としては、どちらにせよ消すのですから同じ事です……。でも貴方達は、あそこが帰る場所でしょう?』

 

「テ……メェ……この野郎!」

 

「体の良い人質という訳だ……。小者には勿体ない程のな……!」

 

 デウス・エクス・マキナがマキシマムハイパーサイクロンを撃ったとして、2人は真正面からそれを潰すしかなくなる。仮に今から時間流を操作しても、まだ能力が覚醒したばかりのせいか長続きしない。

 

 そのために、デウス・エクス・マキナは無理矢理にでも下がったのだろう。絶対に邪魔をされない安全圏……。真とソルが正面から相手をするしかない状況を作るには、最適な位置と言える。

 

「チッ!せめて……主核となるコアさえ破壊できりゃ……!」

 

「……制御しているコアは存在するだろう。しかし……問題はそれが何処にあるかだ」

 

『棒立ちで良いのですか?それなら遠慮なく……ぐっ!?あ、あぁ……!』

 

「な、何だ……?」

 

 デウス・エクス・マキナが両の掌を2人へ向けると同時に、急に苦しみだした。何が起きているか解らないために、2人は慎重に様子を見守る。

 

『そんな……馬鹿な!私の憑依に……抗える訳が……!』

 

『フ……フフフフ……。貴方に世界を消させるくらいなら……あの子達に守らせた方がマシよ』

 

「まさか……スコール!?正気に戻ったのか!?」

 

『いい……え、そう長くは持たないわ……。私はもうすぐ、完全に消えるでしょう……』

 

 スコールの身体を使っているので、デウス・エクス・マキナの話す声はずっとスコールの物だ。しかしソルは状況や口調から察して、スコールが自我を取り戻したのだと理解した。

 

 だが乗っ取られている本人いわく、時間の問題らしい。それまでにスコールは、2人に何かを伝えたいようだ。スコールは、苦しみながらも声を絞り出す。

 

『坊や達……良く聞きなさい。このカエルム・スカラムを制御しているコアは……今の胸部に存在するわ』

 

「アンタが止めてる内に……破壊しろって事なのか?」

 

「待て、スコール!貴様はどうなる……!」

 

『フッ……フフ……。気遣いはいらないわ……私ごととやりなさい。どうせもうすぐ消える魂だもの……』

 

 スコールは、カエルム・スカラムを制御するためのコアの在処を伝える。容赦なくやれとの事だが、ソルはスコールの安否を確認した。だがどうやら……スコールは命を張るつもりらしい。

 

 言い方は悪いが、スコールの魂は既に残りカスの様な物だ。今こうやって自我を一時的でも脱炭したのは、奇跡とも言っていい。

 

「ならば何故……そいつに身体を明け渡した!」

 

『唆された……って奴かしら?フフ……過去の改編なんて、企むものでは無いわね……』

 

「それが、アンタの目的……」

 

 神とスコールは利害は一致していたが、互いの目的を聞くのはタブーとしていた。スコールも神の目的が世界の消失だとは、思ってもみなかったようだ。

 

 そしてスコールのこの言い方……。タキオンを利用したタイムスリップで、何やら画策していたらしい。もちろんそれは、許されるものではないが……。今こうしてスコールが、世界を救う手助けをしてくれているのも確かだった。

 

「……やるぞ、加賀美」

 

「ソル!?だけど……!」

 

「オレは……スコールの意思をくんでやりたい」

 

『ほら……モタモタしてないで……早く……!』

 

 スコールが命を張る事を躊躇った真だったが、ソルの言葉で覚悟は決まったらしい。表情を険しい物にして、遠くに居るデウス・エクス・マキナを睨みつける。

 

 しかしそうこうしている間に、スコールもそろそろ限界が近いらしい。だがいくら巨大化したとはいえ、マキシマム系統の必殺技は射程圏外……となれば、残されたのは……。

 

「ソル、ハイパーキックで行くぞ!」

 

「それしかあるまい!」

 

『『―MAXIMUM RIDER POWER―』』

 

 タキオンブースターを全開にしつつ、必殺の蹴りをデウス・エクス・マキナの胸部に叩き込む。これなら何とか間に合うかもしれない。

 

 2人は同時にハイパーゼクターの顎、角を倒し起こした。続けてそれぞれのゼクターのマキシマムスイッチを、手早く3回叩く。更にゼクターの顎と角を正位置に戻せば、準備は完了だ。

 

『『―ONE TWO THREE―』』

 

「「ハイパーキック!!」」

 

『『―RIDER KICK―』』

 

「おらああああああああっ!!!!」

 

「はああああああああっ!!!!」

 

 ガタックとカブトの右足に纏っているイオンエネルギーは、いつもと比べるまでも無い。むしろガタックとカブトを包み込むほどで、2人そのものが巨大なエネルギーの塊になっているかのようだ。

 

 そして背中から放たれるタキオンブースターも、凄まじい勢いである。黄金と白銀の羽は、みるみるうちに2人を加速させてゆく。しかしだ……デウス・エクス・マキナもそこで終わらなかった。

 

『ああああっ!眠っていなさい……スコール!マキシマムハイパーサイクロン!』

 

ズドオオオオオオオオッッッッ!!!!

 

「「!?」」

 

 スコールの懸命な抵抗も虚しく、自我は再びデウス・エクス・マキナに乗っ取られてしまう。するとすぐさま両の掌から、マキシマムハイパーサイクロンを撃ってきた。

 

 そのエネルギー波は、1本へと融合して更に巨大となる。地球へぶつかってしまえば、それこそひとたまりもないであろう。だからこそ……2人の選んだ選択肢は……。

 

「ソル、解ってるよな!?」

 

「無論だ!」

 

「「このまま……突っ込む!」」

 

ズガガガガガガガガ!!!!

 

 2人のハイパーキックは、マキシマムハイパーサイクロンをかき分けながら……少しずつ前進していた。しかし……勢いは徐々に弱まるばかり……。

 

 このままでは、そのうちに2人はエネルギー波に呑まれてしまうだろう。だが真には、とある秘策があった。早速それを実行するために、声を張り上げる。

 

「俺達を見守ってくれてる皆……頼む!もう一声の声援をくれ!俺とソルの力じゃない……俺達皆で、コイツに勝とうぜ!」

 

「むっ……これは!?」

 

 真が声の音量を最大にしてそう言うと、映像を見ている皆は一斉に声援を送る。その声は確かに2人へと届いて、思わずソルが驚いてしまうほどだ。

 

 しかも……それと同時に、イオンエネルギーもタキオンブースターも……どんどん出力が上がって行くではないか。止まりかけていた2人ライダーキックは、まただんだんと前へと進んで行く。

 

『このっ……いい加減しつこいのですよ……貴方達はっ!』

 

「うるせええええ!何度やったって……同じ事だボケええええ!」

 

「貴様の野望は、此処に潰える!他でも無い……貴様の諦めた力の前に、敗れ去るのだ!」

 

『くっ……!負けない……私は、負けられないんです!』

 

 デウス・エクス・マキナのマキシマムハイパーサイクロンも威力が上昇した。それはもちろん、全てを無に帰すという目的の為……。それに真は、腹を立てたように言葉を投げかける。

 

「馬鹿野郎が!なんでその情熱を……もっと他の事に使えなかったんだ!」

 

『情熱……?そんな物は、とうの昔に忘れまし……』

 

「そんな訳あるか!だったらこんなに必死にゃならねぇだろ!?やっぱりアンタのは……間違いなく諦めだね!」

 

『貴方に……何が解ると言うのです!』

 

「解るかよ、テメェの考えてる事なんざ……理解できねぇししたくもねぇ!一つ言えるのは……俺は、絶対に諦めたりはしないって事だ!」

 

「フッ……オレ達はと、訂正して貰おうか!」

 

「ああ、そうだなソル。俺達は……負けねぇええええ!!!!」

 

ズガガガガガガガガ!!!!

 

 2人のハイパーキックは、またしても勢いを増した。デウス・エクス・マキナは、いったいなぜと言う思考が頭を過る。それと同時にある考えも……。

 

(そうか……そうだったのですね……!)

 

「「いっけええええええええッッッッ!!!!」」

 

ドゴオオオオン!バリバリバリバリバリバリ!!!!

 

 ついに2人は、マキシマムハイパーサイクロンを撃ち破った。2人のハイパーキックの威力はとどまる所を知らず……デウス・エクス・マキナの掌や胸部をも貫いた!

 

 真とソルが足底に感じた手応えは、デウス・エクス・マキナの装甲を貫いた感覚だけでは無かった。確かにコアを砕いた感覚……それこそが、2人へ勝利を確認させる。

 

『フッ……フハハハ……ハハハハハハハハ!!!!』

 

「何っ!?まさかまだ……」

 

「いや、どうやら違うらしい……」

 

『そうだ……これこそが私の知りたかった人の可能性!貴方達こそが……人の可能性の体現!そうか……私は、私は……!コレを見たかったのです!』

 

 何と皮肉な事だろう。自身が人と言う存在の敵になった事で、ようやく自分の見たかった物に巡り合えるとは……。デウス・エクス・マキナは、崩壊するカエルム・スカラムなど気にせず笑う。

 

『ハハ……ハハハハ……アッハッハッハッハッハッ!』

 

ズドオオオオオオオオン!!!!

 

「くっ……!」

 

「うおっ……!」

 

 カエルム・スカラムの大爆発と共に、デウス・エクス・マキナの笑い声もプツリと途切れた。そして凄まじい爆風が、真とソルを襲う。

 

 タキオンブースターで吹き飛ばされた勢いを殺すと、真は宇宙空間に漂うカエルム・スカラムの残骸を眺める。そして……ソルと拳をぶつけ合った。

 

「おっしゃうぉらああああ!勝ったああああ!」

 

「フッ……そうだな!」

 

 真はまるで子供がはしゃぐように、ジタバタと暴れて見せる。そして地球へ向かって、思い切り手を振った。それと同時に、勝利を祝福するかのような声が2人の耳へと届いた。

 

 

 

 




決まり手はもちろんライダーキック!

しかもカブト&ガタックのダブルライダーキック!やっぱりカブトと言えばこのダブルライダーのキックですね!って……んな事言ったら兄貴が怖いか……。

あっ、ちなみにですが……宇宙空間で音が鳴ってるのとか、そういう細かい所にはツッコまない様に!どうしても宇宙で戦わせたかったので!

まぁ……そんなこんなで、最後の戦闘回もこれで終了しました……。ご報告させていただきますと、あと残り2かもしくは3話で……この小説は最終回を迎える予定です。

それで次回は、全部が終わって地球に帰った2人の様子を送る……いわゆる事後処理のお話ですね。9人の所在の事とかありますし。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
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