今回のリクエストシリーズは、あの破壊者様がご登場いたします。自分なりに頑張っては見たんですが、また前後編になってしまいました。
それと……ディケイド勢のキャラの感じが、掴み切れてないかもです。いや……もっと正確に言えば、忘れているといった方が良いのでしょうか。
いやね……もちろんディケイドも、好きな作品の1つですよ?むしろ嫌いな作品とかないですが。やはりカブトほどはね、印象に残っていないと言いますか……。あっ、以下は注意事項です。
・時間軸は6章と7章の間
・ディケイド勢は、仮面ライダー大戦の後しばらくほど
・ディケイド勢に未登場のキャラ有り
それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。
「最近……あの背景ロールも大人しいもんだよな」
「どうかしましたか、ユウスケ?」
「ほら、あの……いかにも物騒な絵になって以来、新しい世界の様子が映し出されないし」
「フン……良い事じゃ無いか。どうせ、何処へ行っても俺が悪者扱いされるだけだ」
光写真館の小さなテーブルにいっぱいに、コーヒーカップ3つが置かれている。その1つを持ちあげて、コーヒーを飲むとユウスケがなんとなく呟いた。
背景ロールと言うのは、テーブルの後ろ辺りにある壁掛けタイプの物だ。その絵には、昭和と平成15人ずつのライダーが、睨みあっている様子が掛かれていた。恐らく、仮面ライダー大戦の一件だろう。
「士くん、自覚はあるんですね」
「自覚はあっても、気にした事は無いがな」
「ま、いちいち気にしてちゃな。それこそ、本当にいつもの事だし」
「ですが、音沙汰が無いなら無いで……けっこう寂しい気はしますね」
仮面ライダー大戦の際には、夏海とユウスケは留守番だった。トラブルは多いが、世界を巡る旅は冒険に溢れている。夏海も、それなりの刺激が欲しいのかも知れない。
「試しに動かしてみたらどうだ?」
「そうですね、何も起きないと思いますけど……」
「ハハハ、そういう事言ってると……本当に動いちゃうんだよな!」
ガララッ!
「あぁ……ユウスケの言う通りみたいです……」
夏海は士の提案に乗って、椅子から立ち上がり背景ロールの方へと向かう。夏海が立ち上がる際に呟いた言葉に反応したユウスケは、大きな声で笑い飛ばした。
それはいわゆるフラグと言いたかったのだろうが、残念……ユウスケの言葉も含めて、フラグだったようだ。夏海が背景ロールを動かしてみると、音と光を放ちながら新たな一幕が降りた。
「なんだ……また厄介事か」
「私が悪いみたいに言わないで下さい!」
「まぁまぁ……夏海ちゃん。それにしてもこの絵……島か?」
「みたいですけど……。かなり人の手が入っていますね」
その一幕に書かれていた絵は、航空写真の様な構図で島が描かれていた。しかし夏海の言った通りに、無人島という事でも無く……かなり開拓が進んでいる。
だからと言って、町などがある様子は無い。この絵を眺めている士は、どこか学び舎である印象を受けた。良く見れば、モノレールの駅まであるではないか。
「まぁ、行ってみれば話は早い」
「そうだな。とりあえず……外に出てみよう!」
「解りました……けど、先にコーヒーを片しちゃいましょう」
流石にコーヒーをそのまま放置する訳にもいかず、3人は淹れたてのコーヒーを時間をかけずに飲み下す。飲み終わったと同時に、3人の足は写真館の外へ向かった。
「うわぁ……綺麗な場所ですね!」
「やっぱり島かぁ……って、士……何だその恰好?」
「なるほど、だいたい解った」
今回の写真館の出現位置は、駅の隣で……些か違和感のある配置だ。その外観や島の周囲に広がる水平線を、夏海は無邪気な様子で見渡した。
ユウスケはその際に、士が視界に入った。士は何か、白い制服の様な物を着ている。だいたい解った……その言葉に偽りは無く、士は道の先にある建造物を学校であると確信したらしい。
「とにかくだ。アレが何なのか確かめる必要がある」
「よしっ、この道を真っ直ぐ行けば良いみたいだな」
「2人とも、待って下さい!」
士は校舎と思わしき建物を指差して、せっせと歩き出す。それを元気にユウスケが追いかけて、最後に夏海が着いて歩いた。はてさて、彼らに待ち受ける物とはいったい……?
「へぇ、面白そうな世界に辿り着いたね。良いお宝も見つかりそうだ♪」
**********
「ん……?なぁっ!?」
「あん?んだよ、マヌケな声を出しやがって」
「真……アレ見ろ、アレ!」
「…………嘘だろ!?」
授業合間の移動教室の際に、一夏が驚いた様子で窓へと張り付く。慌てた様子で真にも外を見るように促すと、真は一夏よりも数倍の衝撃を覚える。
校舎の方に……門矢 士がIS学園の男子制服を着て向かって来るのだから。ついでと言っては何だが、光 夏海に小野寺 ユウスケも一緒である。
「クソッ!ガタックゼクター!」
『―HENSHIN―』
「あっ、真!?」
真は窓から飛び出すと、自由落下しながらガタックへと変身した。何故ここに士が、などと考えている暇は無いのだ。ディケイドは、世界の破壊者……自身の居るISの世界は、ある意味で均衡を保てている。
だがそれも全て、士の存在1つで崩壊しかねない。それを瞬時に理解した真は、いてもたってもいられなかったのだ。真は士一行の前に降り立つと、ガタック越しにキッとキツい視線を送る。
「あのライダーは、確か……ガタック?」
「それなら、ここはまたカブトの世界なのでしょうか?」
「いや、どうやら……少し事情が違う様だ」
「……ディケイド。この世界で、アンタのするべき事なんて何もない!大人しく、ここ以外の世界を彷徨っていてくれ」
目の前に現れた仮面ライダーに、一行は見覚えがった。カブトの世界にて、ZECTのアラタが変身していたライダーだ。しかし士は、アラタでは無いと雰囲気で感じ取った。
そして自身の変身するライダーの名を、真がハッキリ口にした事により……自分をディケイドだと知った上で、敵意を向けているのだと察知した。
「嫌だと言ったら?」
「無理矢理にでも退去してもらう」
「そうか、なら……やれるものならやってみれば良い」
『KAMEN RIDE DECADE』
「つ、士くん!彼の話も聞かないで……」
「夏海ちゃん、危ないから俺達は下がっていよう!」
夏海は真が大人しく下がれば、何もしてこない事を理解していた。しかし……まるで挑発するようにディケイドへ変身した士に、非難の声を浴びせかける。
だが変身した時点で、交渉決裂も同然だ。攻撃開始の兆候が見えた事で、ユウスケは夏海の手を引き2人との距離を置いた。そしてユウスケの予想通りに、士の変身が開戦の合図となる。
「おらっ!」
ズガガガガ!
「狙いは正確だが、どうやら相手が悪かったようだな」
『ATTACK RIDE BLAST』
「ちいっ!」
ドゴォン!
真は挨拶代わりに、ガタックバルカンを乱射して士を攻撃する。しかし士は、華麗なステップでコレを回避。更にはマゼンタのバーコードのカードを取り出して、ベルトへ読み込ませる暇さえある。
士の使用したアタックライドは、ブラストという銃撃強化用だ。士は腰にぶら下げているライドブッカーを手に取ると、ガンモードで真へ銃口を向ける。
すると銃身の周囲に、光る銃の幻影の様な物が現れる。しかもこれはただの幻影では無く、分裂に近い物だ。ライドブッカーは、1回トリガーを引くごとに、とてつも無い数の弾丸を放つ。
ドガガガガガガ!
「押されてる……!なら!」
「何……?」
「アンタは知らねぇだろうな!」
ヴヴヴヴヴヴ!
「クッ!」
1発の威力は、ガタックバルカンの方が格段に上だろう。しかし……連射力の差が出てしまう。それを感じた真は、両肩の武装をバルカンからガトリングへ変更した。
このガタックは、ライダーではなくISだ。士の知らない武器が飛び出てもおかしくは無い。とてつもない連射力のガトリングを前に、流石の士も動揺を見せる。
「お次はこいつだ!」
ドシュウ!
「ミサイルか」
ズガガガガ!
更に真は、肩の武装を別の物に切り換える。士の呟き通り、それはまごうことなきミサイルだ。追尾式のミサイルが、士へ向かって真っ直ぐ飛んでゆく。
しかし士は、至って冷静な様子でミサイルへ射撃を行う。ブラストの効果が継続中なため、ミサイルは割と簡単に撃ち落とされた。凄まじい爆発と同時に、煙が辺りに立ち込める。
「キャストオフ!」
『―CAST OFF―』
「どらああああ!」
「……せっかくの目眩ましが台無しだな」
「別に!キャストオフしときたかっただけだ!」
真はそもそも当てるつもりでミサイルを撃ってはいない。万が一の場合に備えて、キャストオフをしておきたかったのだ。これでいつでも、クロックアップを発動できる。
煙の最中に、真は士へ接近を試みる。両肩のダブルカリバーを握りしめると、士へと勢いよく斬りかかる。しかしそれは、ライドブッカー ソードモードに防がれる。
「なるほど、筋は良い……。……が、まだまだ!」
ギャリン!
「何っ!?」
「せやぁ!」
「ぐああああ!」
真は焦りがみえるのか、自分の戦いをしていない事に気づけない。刃がかち合った時点で、いつもの真なら受け流すなりの行動がとれたはずだ。
まるで、いつもと逆になってしまう。士は見事に真を受け流すと、その隙を逃さずガタックの装甲を斬りつけた。真は大きく吹き飛ばされて、ゴロゴロと地面を転がる。
「チッ!……やるな!」
「さぁ、どんどん行くぞ」
『キャアアアア!』
「「!?」」
転がった状態から復帰した真は、舌を打ってディケイドを見詰める。士も真が立ち上がったのを確認すると、戦闘を再開しようとライドブッカーを構えた……その時だった。
突然に、2人の耳へ悲鳴が届いたのだ。それは勿論だが夏海やユウスケも同じく……。嫌な予感がした真は、士を放って空へと飛び上がる。そして、悲鳴の聞こえた方向へ急いだ。
「あのガタック……飛んだぞ!?」
「言ってる場合じゃありません!私達も急ぎましょう」
「やれやれ……仕方がない。勝負はお預けってところか」
飛行を始めたガタックに、ユウスケは驚きを隠せない。思わず指差していると、その横を夏海が通り過ぎていった。確かにあの悲鳴は、ただ事ではないと解かる。
ただし夏海は、何が出来るという事はない。ユウスケが夏海を追いかけるのと同時に、士も同じく足を動かした。そして1番に辿り着いた真は、自分の目を疑う。
「こっ……こいつらは!?」
『カロロロロ……』
「だっ、誰か助けて……!」
「来ないで……来ないでぇ!」
緑色の二足歩行するサナギの様な……このデザインは、前世で何度も目にした。こいつらは間違いない……ワームだ。IS学園の生徒3人が、ワームに襲われているではないか。
1人は失神しているらしいが、3人ともに外傷は見られない。その事には安心しつつ、真はワームと生徒の間に割って入った。そして最も近場に居たワームを、思い切り殴り飛ばした。
「このっ!アンタら、今のうちに逃げるんだ!」
「ダメっ……こ、腰が抜けて……」
「チッ!しゃーねぇ……。プット……」
「待て。一気に片付けるぞ」
『KAMEN RIDE KABUTO』
士がカブトへカメンライドしたのを見て、その思惑を察した。正直……言いたい事は山ほどある。だが今は、争っている場合ではない。それを理解している真は、すぐさまクラップスイッチを叩く。
「「クロックアップ!」」
『―CLOCK UP―』
『ATTACK RIDE CLOCK UP』
士の方はベルトにアタックライド クロックアップを読み込ませた。すると時間の流れが変化し、ワーム達はスローモーションで動き出す。これでサナギ態を一掃しようという魂胆だったのだ。
真と士は、急ぎワームへと攻撃を加えてゆく。ダブルカリバーとライドブッカーに斬り裂かれたワームの末路など、言うまでもないだろう。全てのワームへ攻撃が終了すると、クロックアップの効果も途切れた。
『『―CLOCK OVER―』』
ズドォン!
「ぐっ……!」
ワームが爆散すると、真を酷い筋肉痛が襲う。クロックアップの弊害だが、そんな事には構っていられ無かった。変身を解除して、先ほどの女子3人へと近付く。
いつの間にやら、全員揃って気絶してしまっていた。しかし……再度確認をしても、怪我をしている様子はないか。真は胸を撫で下ろすと、士達へ向けて怒気を放った。
「この世界は……必ずしも平和とは言えねぇよ。けど!少なくともあんな怪物が出てくるのなんてあり得ねぇ!」
「ちょっと待てよ、別に俺達が招き入れた訳じゃ……!」
「アンタらに悪気がねぇのは解ってる!けど……言い逃れは許さねぇ……!アンタらが現れさえしなけりゃ、あんな怪物も……」
「す、少し落ち着いて下さい!まずは、その子達を安全な場所へ運びませんか?」
「…………。そう……だな、その通りだ」
女生徒3人は、内1人が3年生で、2人が2年生だ。真とは、何の関わりもない……顔も知らない生徒だった。だが……やはり同じ学校に通う『身内』が、巻き込まれる形となったのだ。
本人が言っていた通りに、士達に悪気が無いのは……頭では解っているつもりだ。今優先すべき事は、夏海が言った通りにこの3人の安全の確保だ。落ち着いた真は、3人を保健室へと運ぶ事にした様だ。
「あっ、手を貸すぞ!ほら……士も」
「解っている」
ちょうど男手が気絶した人数と同じだったため、搬送はスムーズに進んだ。勝手が解らない士達は、黙って進む真の背中へ着いていく。夏海やユウスケは、IS学園の内装に尻込みしている様子だ。
保健室に着いたが、保険医は私用でもあるのか不在だった。仕方が無いのでベッドに寝かせておいて、後から報告する事に。廊下に出た士は、真に質問をした。
「この学園は……いったい何を学ぶ場所なんだ?」
「あぁ?……ここは」
「インフィニット・ストラトス……通称IS。宇宙開発を目的とした、女性にしか扱えないパワードスーツ。兵器運用は固く禁じられ、今やスポーツの一種として国民の生活に浸透している。ここは、そのISに関わる諸々を学ぶ場所……で、良いかな?」
「海東!?」
真が問いに答えようと口を開けば、変わって説明をした人物がいた。真達に近づく男は、何処か優男な印象を受ける。だが、人は見かけで判断してはいけない。
この男……狙った獲物は、どんな手段を取ってでも手に入れる……そんな男である。その名は海東 大樹。士達の旅に着いて回っては、盗みを働くトレジャーハンターである。
「海東、それは確かか?」
「間違いはないさ。何と言ったって、忍び込んだ資料室の本にそう書いてあったからね」
「あれ……?じゃあ、なんで貴方はこの学園に……。って、まだお互いに自己紹介もしていませんでしたね」
女性にしか動かせないと聞いて、夏海は真がここに居る事に違和感を覚えた。それと同時に、真の名を知らなかった事も思い出す。それぞれが自己紹介を終えると、話を続きに戻す。
「俺と……もう1人男が居るんだが、それは例外だ。動かせる俺達の方が、どうかしてるんだよ」
「つまりは……女子高に通ってるんだよな?羨まし……」
「ユウスケ、秘伝……いっときますか?」
「いえ、何でもありません!」
ISは女性しか動かせないと言うのは、この世界におければ常識だ。それを知らない士達が、真には新鮮に思えた。そうして真を羨む様子のユウスケを見て、夏海がそっと親指を立てた。
ユウスケはそれを見た途端に、敬礼して誠意を見せる。それに夏海はよろしいと返すと、親指を元の状態へと戻す。全てのやり取りを通してみた真は、何やってんだこの年上共はと呆れた様子だ。
「待て、ならお前は……仮面ライダーじゃないって事か?」
「……そうなるな」
「ならば何故、俺を知っている様子だった」
「……申し訳ねぇけど、此処では話せない」
真の事情は、とてつもなく複雑だ。信じてくれるかどうかも解らない話を、学園内でする訳にもいかない。士は真の事情を察してか、ここは大人しく引き下がった。
「ところで、海東さんは何をしに来たんです?」
「僕かい?僕は……う~ん、正直……もうここには用事は無いんだけどね。思ったよりも簡単だったし」
「それは、宝石ですか?わぁ……綺麗ですねぇ」
「ん……?わーっ!?それISのコアじゃねぇか!返せ!絶対数が決まってて貴重なんだぞ!」
「知ってるよ、だから盗んだんじゃないか♪」
夏海に話を振られて、海東はポケットから何かを取り出した。その手に握られていた物を見て、真は目玉が飛び出るほどに驚く。なにせ……それはISのコアだったからだ。
恐らくコアの絶対数なども、資料を漁っている時に知ったのだろう。確かにコアは、綺麗にカットされた宝石のような見た目をしている。海東からすれば、獲物にしか見えないかも知れない。
「君は、ここの生徒さんだよね?先生とかに、セキュリティをもっと厳しくする様アドバイスしておいてくれたまえ!」
「あっ……待てコラ!」
「諦めろ……アイツは、そういう奴だ」
逃亡を開始した海東を、真は慌てて追いかけはじめる。が、それは士が襟首を掴む事で防がれてしまう。急に襟首を掴まれた真は、走った勢いのせいで首が締まって若干むせた。
「何すんだ!」
「こんな事をしている場合ではないだろう。俺達には、もっとすべきことがあるハズだ」
「そうだな……例えば、貴様ら全員の事情聴取……とかな」
「げっ……織斑先生!ぐふぅ!?」
気配も無く忍び寄っていた千冬は、出席簿で真の顔面を強打した。すると真は錐揉み回転で吹き飛んで、廊下の先まで行ってしまった。明らかに人間業でない光景に、夏海とユウスケは戦慄を覚える。
「馬鹿か貴様は!?学園の敷地内で無許可にISを展開した上に、挙句の果てには戦闘だと!?更に言わせれば、部外者を3人も学園に入らせたとは……恥を知れ!」
「いや……これには深い訳がですね……」
「安心しろ……深かろうが浅かろうが、コレからじぃ~っくり聞かせてもらう。もちろん……そっちの貴様らも!」
「「は、はいっ!」」
「仕方が無い……付き合ってやろう」
千冬の出席簿アタックは、これまでにない威力だった。おかげですぐには立ち上がれずにいると、千冬の方から詰め寄って来た。凶悪な笑みで真を見下ろすと、真の胸元を掴んで激しく揺らした。
そして矢継ぎ早に、真が反省すべき点を述べていった。真も言いたい事はある物の……どちらかといえば、自身に非があるために言い訳っぽい切り出しになってしまう。
しかし千冬は、事情聴取という名目でバッサリ真を斬り捨てる。そのままバッ!と振り返って、士達にも同じくだと告げる。夏海とユウスケはビビりっぱなしで、士はブレない調子で取り調べ室へと連行された。
**********
「……ったく、酷い目にあったぜ」
首をグルグル回しながら、真は大変にゲンナリとしていた。無理もない……あの千冬とマンツーマンで、常時プレッシャーをかけられるのだから……。
まず初めに取り調べを終えたのが真だ。これから士達3人の聴取が、それぞれ始まるらしい。ちなみに真は、わけあって話せないが、あの3人の事は自分が何とかする……の一点張りだった。
流石の千冬も折れたのだが、あの3人が余計な事を言えば……全て水の泡だ。それよりも真は、海東からどうやってコアを取り返すかを思案していた。
「あっ、真!」
「良かった……。無事……?」
「ああ、お前らか……」
「お前らかって……アンタ、なんかもっとあるでしょ。アタシら、一応だけど心配して来てやってんだからね」
取調室から出てしばらく歩いていると、大人数が待ち構えていた。真にとっては馴染み深い……専用機持ち7名である。真が取調べと聞いて、飛んで来たのだろう。
「また何か、トラブルなのでしょう?」
「私達が来たからには、もう安心だぞ戦友よ」
「微力ながら、私達も手を貸そう」
「いらん、余計な御世話だ」
7人は、心から真を手伝いたいと思っていた。しかし……あろう事か、真がそれを突っぱねるかの様な態度を取る。最近は丸くなっていたと思っていたら……コレだ。
真はまるで無視するかのように、背を見せて7人から離れていく。沸点の低い鈴辺りは、その背にギャーギャーと罵声を浴びせた。それでも真は、止まる事は無い。
「なんなのよ、アイツ!」
「鈴……落ち着いてよ。でも……急にどうしたんだろう?あれじゃまるで、昔の真みたいだね」
「…………」
「簪、どうかしたのか?」
「……なんでも…………」
困惑する6人に対して、簪はなんとなくだが……真があんな態度を取る理由が解っていた。それはきっと、皆を巻き込まない様にするため……なのではないかと。
もしそれが本当だとすれば、簪は皆に向かって真の真意を語れなかった。それを話せば、皆はきっと自分から巻き込まれてでも真を助けようとするハズ。
そうなれば……真の想いを無駄にしてしまう。そう考えると、言えなかったのだ。全員が遠く離れた真の背を眺めるが、簪の表情だけは……少し皆と違っていた。
前編は、ほとんど話が動かず……。
もっとガッツリ士との絡みが入るのは、後編からになりそうですね。しかしこれ、リアルタイムの尺にすると……前半パートも行ってないのでは?
そう考えると、2話構成にキチンと収めていた脚本家の皆様は……やっぱりプロですねぇ。私のは、少なくとも1話で済みそうですし。
ちなみに前編で、ディケイドと一応ですが交戦しました。そして、士が原因でトラブル発生と……。この流れ的に、ガタックがアレしてアレする展開になりそうです。
それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。