戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

142 / 143
どうも、マスクドライダーです。

はい……今回はですね、タイトルからお察しの通り……今回少し解り辛いですけども。えっとですね、リクエストシリーズのゴーストと共演って事ですね。

まぁ皆さんもご存知の通りに、ゴーストは放映し始めて間もないです。そのためゴースト勢のキャラの感じ、世界観、設定などと拙い部分があるかと思われます。

私も一応ですが、勉強はいたしました。その上で、何か違和感を感じたらすぐにご報告ください。それは恐らく私の未熟さ故……。

あっ、今回はですね……最終章の際に、真が臨死体験で母親に会ってるんですけど、その際にゴーストの世界に行っちゃった……って設定です。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


IFなお話・幽霊戦士と戦神(前編)

「んっ……?いっ……たたたた。ここは……?俺は、確か……」

 

 真はデウス・エクス・マキナの放ったマキシマムハイパーサイクロンをモロに喰らった……ハズだった。しかし目を覚ましてみると、辺りは鬱蒼とした森だ。

 

 とてもじゃないが、カエルム・スカラムの中……なんて事はあり得ない。真は痛む頭を押さえながら立ち上がると、ガタックゼクターを呼びだそうとする……が、反応は無い。

 

「…………。人を捜そう……」

 

 自分はこんな場所で、こんな事をしている暇は無い。そう思った真は、大きな声を上げながら森の散策を始めた。誰なりといれば、ここが何処だか解ると信じて。

 

 森の中を適当に歩くのは危険と判断したのか、真の足はある方向を目指していた。それは、水の音がする方向だ。川でもあれば、そこから下るなり上るなりの判別がつきやすいかも知れない。

 

「やけにでかい音だと思ったら……滝か」

 

 大きな物ではないが、確かにそこには滝があった。高所から滝壺に落下した水が霧散し、絶妙な景色を作り上げている。しかしだ……そんな自然豊かな光景の中に、不自然な色合いが目についた。

 

 赤い羽織に金の着物……。後ろ姿しか見えないが、いかにも胡散臭い。真は正直お近づきになりたくは無かったが、せっかく見つけた人だ……。仕方なしに、真は胡散臭い輩に話しかけた。

 

「なぁアンタ、少し良いか?」

 

「…………」

 

「……なぁ、聞いてる?…………。ちょっと、振り向くくらいしてくれても良いじゃんよ、おっちゃ……」

 

「仙人と呼べぃ!」

 

「アバーッ!?」

 

 近づいて解ったが、胡散臭い人物は後ろ姿からして初老だった。だから真が『おっちゃん』と呼ぼうとすると、初老の男性は変な事を叫びながら振り返る。

 

 そしてチョイっと杖で真を突くと、何か見えない力にでも攻撃されたかのように真は吹き飛んだ。真は腹を押さえながら、頭にいくつものクエスチョンマークを浮かべる。

 

「君もぉ……仙・人って……呼んでくれないんだね……」

 

「い、いや……ゴホッ!俺とアンタ……初対面……ゲホッゲホッ!」

 

「むっ……ここらでは見ない顔だな。迷い人か?」

 

「え~っと……何から質問していいか、解らないんですが」

 

 初老の男性が仙人を自称している点や、何か……神通力みたいな事も気になって仕方が無い。でもやはりここが何処かも気になるし……挙げていけばキリがない。

 

「さ・て・は、此処が何処だか解かんな~い……みたいな?」

 

「アンタ、それで仙人名乗ってんのな……。まぁ良いや……早いとこ、教えてくれよ」

 

「此処はな、生と死の境の様な場所だ」

 

「…………………はい?」

 

 あからさまに仙人らしくないキャラに、真は相当に困惑する。さらに言えば、初老のおじさんが『みたいな?』なんて若者言葉を使うのだ……胡散臭さも増し増しである。

 

 この際だからそこは気にせずに、真はしっかり此処が何処だか聞いた。すると仙人(仮)は、急に真面目なトーンでオカルトな事を言い出す。真はそんな馬鹿なと思ったが、似たような経験があるので否定しきれない。

 

「此処に来る前の事を、覚えているか?」

 

「あ、あぁ……信じてもらえるか、微妙な話だけど……」

 

 真は目覚める前に繰り広げていた戦いを、事細かに説明した。話がマキシマムハイパーサイクロンの部分までいくと、仙人は何か納得したかのような表情だ。

 

「なるほど……妙に生気を感じると思ったら、どうやら半霊らしいな」

 

「半霊……?つまり俺は、その……幽体離脱してるって事?」

 

「イメージとしては、それで良い。ってゆうか~気付いてないの?身体……透けてるよっ☆」

 

「ハハッ、脅そうったってそうはいかねぇぞ。んな事あるわけ……身体透けてるぅーっ!?」

 

 またしてもふざけた様子でそう言う仙人のせいで、真は冗談だと思ったらしい。そしてよくよく自分の身体を眺めてみると、確かに薄ぼんやりと透明になっている。

 

「う……そだ……!俺は、まだ死ぬわけには……」

 

「落ち着け、少年。お前の場合は、肉体が完全に死を迎えた訳では無い。今の状態は……何かの拍子で魂が欠けて、ここまで迷子になってしまったのだ」

 

「つまり……欠けた魂を元に戻せば、俺は生き変えられるんだな!?その……欠けた魂ってなんだよ!?」

 

「さぁ?それはアイドンノゥ。解らないが、これは持って行くと良い。ハイッ、プレゼント~♪」

 

 仙人が着物の袖から取り出したのは、眼球を模した何かだ。真は受け取りはしたが、悪趣味だと顔をしかめる。本当に、この眼球はいったいなんなのか。

 

「あと……こっちもねっ」

 

「コレ……約束ボール!?なんでアンタが……」

 

「仙人だから!」

 

「妙に説得力がねぇなぁオイ」

 

 もう1つ何かある様で、真はそれを受け取り……目を丸くした。それは野球ボールで、縫い目の合間に大きく『約束』と書かれていた。これは、真が新に必ず投げ返すと誓った……約束ボールだ。

 

 全く無関係の仙人がそれを持っているのか、甚だ疑問である。しかし仙人だからの1言で済まされ、真は引きつった笑しか出て来ない。

 

「さて……最後になるが、『天空寺 タケル』と言う男を捜すと良い。きっと、力になってくれるはずだ」

 

「天空寺……?すっげぇ名字だな」

 

「まぁね☆それじゃ……いってらっさ~い♪」

 

「グフォゥ!?」

 

バシャーン!

 

 またしても神通力的な力で吹き飛ばされた真は、滝壺にホールインワンで突っ込んだ。滝壺は思ったよりも深く、水中でもがいて見せるが……真は溺れる形で気を失った……。

**********

「ハッ!?……夢……じゃない!痛い痛い!」

 

 真がガバッと起き上がって周囲を見渡すと、そこはやはり鬱蒼とした森だ。夢であることを疑ったが、尻にゴリゴリと何かが当たる感触を覚える。

 

 それは尻のポケットに仕舞った……眼の何かと、約束ボールだ。真は慌てて双方を取り出すと、ポーンと宙へと放り投げキャッチした。そして……これからどうすべきかを考える。

 

「えっと……天空寺、だったよな?……その人を捜さねぇと」

 

 仙人に教えて貰った『天空寺 タケル』と言う名……。今の真には、それしか縋る物が無い。そうと決まればと、真は勢いよく立ち上がった。そして眼球と約束ボールを、今度は両サイドのポケットへと仕舞う。

 

「ぜってぇ生き返って見せる……!じゃないと、皆がこうしてる間にも……!」

 

ザザザザザザ!

 

「ん……?うおおおっ!?何だこの……雑魚敵感が滲み出るフォルムの奴らは!」

 

『ム゛ゥゥゥゥ……』

 

 真がそうやって意気込んでいると、周りに足音が響き渡った。何事かと集中すると、頭の先から足の先まで黒一色で、パーカーを羽織った様な戦闘員風の連中に囲まれていた。

 

 良く見ると、手には切れ味の良さそうな大きめのナイフが握られている。どうやらこの連中は、真を襲う気が満々らしい。目的は解からないが、タダで襲われてやるほど真は優しくない。

 

「ガタックゼク……って、しまった!今の俺……死んでるんだった!」

 

『ム゛ゥゥゥゥ!』

 

「おわっ!ちょっと……タイム!」

 

 正確に言えば今の真は、魂の欠片が真の形を成しているだけの存在だ。どちらにせよ常人には視認できないし、機械が存在を認知してくれるはずも無い。

 

 1人で漫才を繰り広げていると、パーカーの戦闘員?は真に対して攻撃を開始した。そこは鍛えてきた反射神経で躱すが、なにぶん数が多い。いつしか真は、追い詰められていった。

 

「うわっ……とととと!うぐっ!」

 

『ム゛ゥゥゥゥ……』

 

 疲れが出てきたのもあるが、足場が悪いのも災いしていた。真は地盤の緩い部分を踏み抜いて、足元をもつらせる。その拍子で転ぶと、パーカーの戦闘員は白刃を煌めかせ真に迫った。

 

(クソッ!こんな所で、死ねないのに……)

 

『ム゛ゥゥゥゥ!』

 

ズガガガガ!

 

「なにっ!?」

 

 絶望的なこの状況に、真はきつく目を閉じた。そしてパーカー戦闘員の1体がナイフを振り上げる……が、それと同時ほどに銃声が真の耳に届いた。

 

 真が振り返って見ると、そこには茶髪で優しい顔立で、和服とも洋服ともとれるデザインの服を着た男と……簡単に言えば、目玉の幽霊みたいなオレンジ色の何かだった。

 

「あいつは……眼魔が見えてるのか!?」

 

「そんな事は後で良いだろ~?あいつ……眼魂を持ってるぜ」

 

「だから襲われて……。待ってろ、今助けるからな!」

 

「あれは……変身ベルト!?」

 

 男の腰に現れたのは、真にはなんとなく仮面ライダーの変身ベルトに見えた。驚いている間にも男は、先ほど真が受け取った眼球を手にして、側面部のスイッチを掌で押す。

 

 そして続けざまに、ベルトのカバーになっている部分をパカッと開くと、そこへ眼球を収納する形で突っ込む。カバーを閉じると、大きめなレバーをグイッと引く。

 

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

「な、なんだぁ……?」

 

 真は辺りに響き始めた何か……ノリノリな音声に思わず不思議な表情を隠せない。その間に男は、変身ポーズをとってもいるらしい。

 

 右の掌を開きながらバッと前へと突き出すと、左手は人差し指と中指で印を結びながら右の手の甲に添えた。そして左手を上へと伸ばして、ゆっくり下へとさげる。

 

「変身!」

 

『カイガン!オレ!』

 

『レッツゴー覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

「パ、パーカー……?」

 

 今日は不思議な事がよく起きる日だ。男がレバーを押し込んだと思えば、ベルトの眼の部分からパーカーが飛び出す。そして男の方はと言うと、のっぺらぼうの様な風体の姿に変わる。

 

 飛び出したパーカーは、男の元へフワリと飛来する。そのままパーカーへ袖を通すと、顔はオレンジ色に発光して、体には眼のデザインを模した紋様が走った。

 

「もしかして、仮面ライダーなのか!?」

 

「キミ……やっぱり俺の姿が見えてるんだな!だったら話が早いや、危ないから離れててくれ!」

 

 真はドライブの放送開始して、しばらくして死亡した。それ故に知るよしも無いが、真の思った通りに彼は仮面ライダーだ。その名も……仮面ライダーゴースト。

 

 ゴーストは地面に置いていた武器、変形機能の充実した『ガンガンセイバー』を拾うと、パーカー戦闘員に向かって肉薄していく。どうやら今は、剣モードになっている様だ。

 

「ったく……なんなんだよアレは!」

 

「あれは眼魔って言ってな~。ま、悪霊みたいなモンさ」

 

「へ~……。うおっ……お前は何だよ……」

 

「あぁ、オレはユルセン。お前の話は、仙人から聞いてるぜ~?シシシシッ♪」

 

 真は戦闘区域から離れ、木陰に隠れてゴーストの戦いを見詰める。するとそんな真に、オレンジの変な奴が近づいた。目玉の幽霊は、自らをユルセンと名乗る。

 

 そして何か……真の事情を知ったうえで、馬鹿にしたかの様な笑いを見せる。真にはなんとなく解った。コイツ……きっと性格が悪いなと。同族険悪なのか、ユルセンにイラッとくる真であった。

 

「テェイ!ハァッ!」

 

『!!!!』

 

 真とユルセンがそんなやり取りをしていると、眼魔は次々と倒されていく。それでも……戦闘員なだけあってか、数が多い。遠くで戦うゴーストに、ユルセンは欠伸をしながら言葉を送る。

 

「おーい。数が多いんだからよぉ~……こっちも手数で勝負だろ~」

 

「ムサシだな、解った!」

 

『バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

『カイガン!ムサシ!』

 

『決闘!ズバット!超剣豪!』

 

 ゴーストがドライバー内の眼魂を別の物へと入れ替える。そして変身時と同じ動作を取ると、今度は別のパーカーがゴーストへと被さった。

 

 これにより、ゴーストは姿を変える。顔には赤色で剣が交差したデザインが描かれて、登頂部には柄がチョンマゲの様に突き刺さっている。ゴーストは、ムサシ魂へとフォームチェンジしたのだ。

 

「行くぞ!」

 

「分裂……2刀流?ムサシって、そういう事なのか?」

 

「早い話が憑依だな」

 

 ムサシ魂の状態になったゴーストは、ガンガンセイバーの連結を解除して2本へと分裂させた。それでようやく、真は『ムサシ』という言葉の意味を理解する。

 

 ムサシこと宮本 武蔵……かの有名な二天一流の使い手である剣豪だ。もちろん真は太刀捌きを実際に目の当たりにした事は無いが、ゴーストの2刀流は……どこか、ムサシを思わせた。

 

 荒々しさの中にも、どこか繊細さも含めたかのような。そんな太刀捌きに真が見とれていると、眼魔の戦闘員はついに全て蹴散らされた。

 

「キミ、怪我は無いか!?」

 

「そうだ……アンタ!もしかして天空寺 タケルって名前じゃないか?もしそうなら、俺に力を貸してくれよ!」

 

「ちょっ、待って……待っててば……!そんなに前後に、揺らすなって……!」

 

 変身を解除して近づいて来た男の肩を掴むと、真は勢いよく前後に揺らした。男は細身な体型なためか、筋肉質な真に揺らされ頭がもげそうな勢いだ。

 

「その……詳しく話を聞かせてくれないかな?俺も……キミの事情を知らないと、なんとも言えないし」

 

「あ、あぁ……悪い。そうだな、頼む……」

 

「よしっ……。それじゃ、バイクに乗ってくれよ」

 

「あ~……無駄無駄。そいつ半霊だからさ、生きても無いし死んでも無いしで……すっげーちゅ~と半端な存在な訳よ。気持ちの持ちようが何だろうが、実体のある物質には触れないぜ」

 

 落ち着いた真に、タケルはヘルメットを渡そうとした。するとユルセンが、すかさず解説を入れる。何やら……真は物に触れられないらしい。試しにヘルメットを掴もうとすると、その手は虚しくもすり抜けて行く。

 

「そんな……。じゃあ……これはなんなんだよ!?」

 

「知るかっての」

 

「ユルセン!ごめん、コイツ……こういう所があるんだ」

 

「いや……大丈夫」

 

 物に触れられない事がショックなのか、真は触れられているボールを取り出した。しかしユルセンは、知らないとばっさり切り捨てる。しらないのなら仕方が無い……と、真は素直に思えなかった。

 

 やはり自分は……ほとんど死んでいるんだ。そう思うと、やり場のない念が心の奥底から湧き上がってきた。タケルは真の気持ちが解るのか、優しく語りかけた。

 

「……俺の家、ここから近いんだ。ゆっくりでいいから、一緒に行こう……な?」

 

「ああ、サンキュー……」

 

 作り笑いだとすぐ分かるが、それでも真はタケルに笑顔で返した。そんな真に、タケルもニカッとした笑顔で返した。そうするとバイクを押し始めて、こっちこっちと真を手招きで導く。

**********

(大天空寺……。それに、不可思議現象研究所……か)

 

「ってなわけで……ようこそ!ココが俺の家……大天空寺!」

 

 バイクを駐車スペースへと置いたタケルは、少し誇らしげに大天空寺の大きな門を勢いよく紹介した。しかし真はどこか上の空で、反応が鈍い。

 

 タケルは、やるせない気持ちになった。同情……とは違うが、どうにか真に元気になってもらえればなと明るく振る舞う。そうしていると、奥から男女の人影が2人へ近づく。

 

「タケル殿ぉーっ!御無事で何よりぃーっ!」

 

「もう……急に飛び出るから、心配したじゃない!」

 

「あ~……ごめん!ユルセンが眼魔だって急に言うから、話してる暇が……」

 

『仲間か?』

 

「ああ、そうそう。坊さんの方が御成で、そっちはアカリってんだ」

 

「……もしや、そちらにどなたかいらっしゃるのですかな?」

 

 やはり常人に真の姿は視認できないようで……。その事実を知ると、更に真は気落ちする。そんな真の姿にタケルは地雷だと焦るが、御成には何が何やら……。

 

「で……?もし誰かいるとして、何の用なの?」

 

「えっと……俺にもよく解からないけど。むしろ……今から話しを聞こうかなって」

 

「おや!それはもしや……不可思議現象研究所の出番ですかな!ささ、幽霊殿……どうぞこちらへ!」

 

「御成!その呼び方は……って、そう言えば……名前、聞いてなかったっけ?」

 

『あっと、真……加賀美 真。よろしくな』

 

「おーい2人とも、真がよろしくだってさ!」

 

 御成は妙にハイテンションで奥へ消えて行き、ロクにタケルの話を聞いていない。割に話を聞かない御成に困惑しながらも、タケルは真の名を聞いていなかった事に気が付く。

 

 真が自身の名を語ると同時に、タケルも御成を追いかけて奥へと消えた。最後に残ったアカリは、周囲をキョロキョロ見回し……真がまだその場に居るかどうかを思案している。

 

『あの女の人、なにやってんだ?』

 

「さぁ……?アカリは理系だから、何か思いついたのかも知れないな」

 

 アカリは知らない。真がとっとと、タケルに着いて歩いている事を。皆が居なくなったことに気付いたアカリが追いかけて来たのは、そこから更に数分後の話しだ……。

**********

「さぁて、持って来たわよ!」

 

『なんだその……子供向け玩具みたいなのは?』

 

「まぁまぁ、見てれば解るって」

 

 アカリが取り出したのは、不知火と大きなステッカーが貼ってある……花火のような、バズーカの様な見た目の物だ。それをドカンとぶっ放すと、粒子が散布された。

 

 それが真に降りかかると、真が実体化された……らしい。本人は解からないが、御成とアカリのリアクションで判別したようだ。強面な真に、御成は少しばかり臆した様子に見える。

 

「加賀美 真だ。改めて、よろしく頼む」

 

「おやおや、これはご丁寧に……拙僧の事は、気軽に御・成と呼んで頂ければ」

 

「えっと、君……高校生?何年生?」

 

「……老け顔で悪かったな」

 

 真が着ているのはIS学園の制服だが、体格や顔つきのせいでアンバランスなのだ。それは入学当初から本人が気にしている事で、真は顔をしかめる。

 

「いや、その……今のは言葉の綾って言うか……あれ?」

 

「どうかしたか、アカリ?」

 

「真くん、ちゃんと実体化したよね……?気のせいかな、透けて見えるんだけど……」

 

「どれ……?……本当ですな、拙僧にもそう見えますぞ」

 

 アカリが目を凝らしながら真を見ると、どうにもその姿が薄ぼんやりとしている事に気付く。真は自分の掌を見ると、確かにアカリの言う通りだった。

 

 そして……机に置いてあった湯呑みに手を伸ばす。しかし掌は、湯呑みを通過し虚空を掴んだ。その光景を、御成とアカリは悲痛な表情で見た。

 

「……ゆゆしき事態ですな。真殿、どうか……心安らかに。何があったか、拙僧らに話して頂けませぬか?」

 

「なんか俺って、中途半端な存在らしいんだ」

 

 流石にタケルを始めとした面子に、デウス・エクス・マキナの話はしない。ただし……自分もタケルと同じく、何かと戦っているのだと語った。そして……黒幕的な人物と対峙して、殺されたも同然という事を。

 

「つまり、真くんは仮死状態って事……かな」

 

「仙人を名乗る胡散臭いオッサンがさ……似たような事を言ってたぜ」

 

「おっちゃんに会ったのか!?そっか、だから俺の事を知ってたんだな」

 

「タケルに頼めば、きっと力になってくれる……とも言ってたよ」

 

 とりあえずは、真の現状を定める事から話は進む。アカリは非科学的だと思いながらも、ぼんやりとした案を提示した。事細かに言えば少し違うのだが、そう言う認識でも際は無い。

 

 ……と、仙人が言っていた。そこで真が仙人の事を口に出すと、タケルは驚いた様子で立ち上がった。真には、その事が些か疑問だ。何故……タケルは仙人の存在を知っている?

 

「そう言えば、タケルも俺の姿が見えるのか……。!? もしかして、タケル……お前!」

 

「ん?あぁ……そうだ。俺は、もう死んじゃってるんだよ」

 

 タケルは妙に、穏やかな表情でそう言った。真が詳しく問いただすと、どうやら英雄の眼魂なる物を99日以内に15個集めなくては、完全消滅を迎えるとか……。

 

「それなら何で、俺に協力なんか……。タケルは、時間が無いんだろ!?」

 

「うん……そうだけど。真もさ、大切な……守りたい人達が居るんだろ?だから、そんなに焦ってるんだよな」

 

「…………」

 

「俺もそうだよ。大切な人達の為に、早く生き返りたい。けど……俺と同じような理由で困ってる人を放っておいて、それで生き返ったって……俺は、それで良いとは思わない!」

 

 普通だったら人の事なんてほっぽりだして、自分の事を優先する……。それが、人と言う生き物の本質だ。しかしタケルは、自分は二の次だと言い切ってみせた。

 

 他者の心理を読み取る事に長ける真には、その言葉に偽りがないかどうかなんてすぐに解る。真には、頭を垂れる以外の感謝の仕方が見つからない。

 

「ありがとう……!」

 

「気にすんなって、死んでる者同士だろ?」

 

「それじゃ、真くんが生き返る方法を考えないとね」

 

「真殿。何かこう……ヒントになる様な物はありませぬか」

 

「……っと。あのオッサン……俺は、魂が欠けた半霊だって言ってた。それで、その欠けた魂を戻せれば……俺は復活できるかもってよ」

 

 仙人に親切心が存在するとすれば、制限時間等があれば話してくれるはずだ。英雄の眼魂なる物を集めなくても良いみたいだし、真はなんだか気が抜けてしまった。

 

「欠けた魂なぁ……。英雄の眼魂みたいに、何か……真が大事にしてる物とかあればヒントになるかも」

 

「そうね、物には持ち主の強い意志が宿る!それが悪い方向の思念になると、眼魔になっちゃうんだよね」

 

「……もしや、真殿に既に眼魔が憑依している……なんて事はありますまいな?」

 

「あっ、それは大丈夫。真は眼魔に襲われてたし……それに、確か眼魂も持って……って、アレ?真の奴……何処行ったんだ?」

 

 御成の心配そうな声に応えたタケルは、真へと視線を送る。しかし……先ほどまで真が立っていた場所に、その姿が無い。不知火の効果が切れた……とは考えにくい。

 

 だとすれば、タケルには見えるはずだからだ。3人は慌てた様子で、居間に真の名を呼び掛ける。だが返事も無ければ、姿も見えない。そんな時に、ユルセンがタケルの元へやってきた。

 

「タケル~。1つ言い忘れた事があってな」

 

「ユルセン、どうしたんだ?」

 

「あいつ、不安定な存在って言ったろ。お前が気の持ちようで実体化できるみたいに……あいつが少し気を抜いたら、どっか別の場所にワープしちゃうぜ」

 

「え……ええええ!?ユルセン……絶対にわざと言わなかったな!」

 

「さっあね~。シシシシッ!」

 

 真が消えたタイミングでそれを言うとなると、ユルセンがわざと言わなかった可能性は大きい。タケルは指差しして真偽を問い詰めるが、ユルセンは笑いながらどこかへと漂っていった。

 

 ユルセンを問い詰めたい気もするが、生憎そうしている暇も無い。真は未だに眼魂を所持している。となれば、眼魔に襲われる可能性が大きい。霊体の状態で大きなダメージを喰らうと、それこそ消滅してしまう。

 

「2人とも……良く聞いてくれ!なんか真は、別の場所に消えちゃったみたいなんだ!」

 

「な、なんとぉーっ!?それは……一大事ではありませぬかぁっ!」

 

「わ、私……思い当たる場所に、不知火を散布してみる!」

 

「では拙僧は、眼魔の仕業らしき怪異を見かけなかったか調査して参りましょう!ナリターっ!ハネダーっ!何処におられるかーっ!」

 

 タケルの簡単な説明でも今の真がタケルの元を離れる危険性を、御成とアカリは理解が出来たらしい。アカリは机に置きっぱなしの不知火を引っ掴み、外へと飛び出した。

 

 御成の方は、自分の弟子であるナリタとハネダと共に調査へと出かけるらしい。恐らく修行中である2人を捜しに、本堂の方へと消えて行く。残されたタケルは、とにかく手当たり次第に行くしかないと思っている様だ。

 

「えっと、バイクのキー……。クソッ、真……無事でいろよ!」

 

 タケルは思わず、自身が眼魔に殺害された時のビジョンがフラッシュバックした。最悪なイメージを振り払うかのように、タケルはバイクへとまたがる。

 

 初めて出会った自分と同じ境遇の人間だ……。それも真は、自分よりも生き返られる可能性が大きい。どうしてもタケルは、真を生き返らせてやりたかった。逸る思いが抑えられないのか、タケルはバイクの速度をグングンと加速させてゆく……。

 

 

 




仮面ライダーが出ると、前後編になる運命か……。

いや、あれですよ……今回は(多分)ちゃんと前後編に収まると思うので。後編で怪人眼魔が出て来てですね、それを倒すみたいな……。

あっ、ちなみにですが……ゴースト編では、真は一切ガタックに変身しない予定ですので、あしからず。ならどうするのかって、ウフフフフ……。

劇場版とかで、良く見かけるアレですよアレ。とりわけ、ムービー対戦シリーズで良く見かけますね、最近は恒例なんじゃないでしょうか。

つまりはですね、レジェンドライダーシリーズと同系統の形でですね、ガタックが英雄の……おっと、これ以上は言わないでおきましょう。後編をお待ちください!

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。