日常回というか主人公がISを起動する以前の前置き的な話です。
書いてて思いましたが、かなりグダグダしてますなぁ・・・。
原作を待ち遠しくされている方はもう少しお付き合いください。
上手な文章ではありませんが今回もどうぞよろしくお願いします。
「ん・・・むぅ・・・」
頭までかぶっていた布団を押しのけ、もぞもぞともがき出ると、俺は枕元に置いてある携帯電話を起動させる。すると時間は8時ちょうどを指していた。・・・早い・・・眠りが浅かったのか?
「はぁ・・・」
とため息をつきながら上半身だけを起こし、窓から見える青空をまだ覚めない頭でボーッと眺める。こうやって何もしないで頭だけ働かせていると、ふと昔のことを思い出してしまう。
そう、俺が転生した「あの時」のことだ。過去の自分の名前や、家族の記憶などは半ば俺の頭の中から消えかけてしまっているが、あの空間で男に出会ったことは確かに思い出せた。
「(もう15年くらいになるのか・・・)」
俺がこの世界に来てはや15年。あっという間に過ぎ去っていった感覚だ。恐らく二度味わったであろう体験も多く、退屈な15年であったことに違いはない。
近況としては無事に高校受験も終え、あとは結果を待つばかりといったところだ。というわけで現在俺は春休み、おかげでこんな時間までゆっくりしていられる。
さて、何をして時間をつぶそうかと相も変わらずボーッと頭を働かせてみる。友達と遊ぶような約束もしてなければ、個人的にコレといってしたいことがあるわけでもない。となると・・・。
「・・・寝よ」
二度寝を決め込む事に決めた俺はガバッと再び頭から布団をかぶる。しばらく目を閉じていると、だんだんうつらうつらとしてきた。
これはすぐに眠れそうだと思ったのもつかの間。自分の部屋までドタドタという騒がしい足音が聞こえる。心なしか地響きまで伝わってきそうだ。
「(はぁ・・・そういや今日は非番だとか言ってたっけ・・・)」
もうすでに安眠する事はできない。そう悟った俺は気だるさを残す体を無理やり立ち上がらせ、形だけでもいいから着替えを始めた。そうでないと後から面倒くさいことになる。
「コラァ、真ぉ!休みだからってダラダラ寝てちゃ・・・起きてるな」
「はいはい。起きてますよ親父殿」
俺の部屋の扉を蹴破るかのような勢いで入ってきたのは「現在の」俺の実の父親だ。健康的な肌の色と、いかにも熱血で無駄にでかいボリュームの声。名を「加賀美 新」と言う。
そう、「あの」加賀美だ。仮面ライダーカブトの登場人物にしてガタックゼクターの資格者。そんな加賀美新が、インフィニット・ストラトスの世界で俺の父親をしている。
最初に意識が芽生えたときは焦ったものだ。なんてったって登場人物でしかない人が自分の父親だと自覚した時にはそれはもう驚いた。
それと同時にかなり焦った。なぜかって、俺は特典に「専用機はカブトで」って言ったのにこの人が親父とか、ぶっちゃけもう親父の顔を見るたびに嫌な予感しかしない。
この15年いったい何度「俺の専用機って戦いの神(笑)じゃないよね?大丈夫だよね?」と自分に言い聞かせてきたことか・・・。
・・・本当に大丈夫だよな?俺がそろそろ高校生ということは、ISの物語も始まりかけてるってことになるのではないだろうか、知らんけど。
数年前に「白騎士事件」だの「アラスカ条約」がどうだのテレビで言ってた気がするが・・・。
なんて、俺が難しい事を考えているのと対照的に、親父は能天気な表情になっていた。俺がこの時間に起きていることがよっぽど嬉しいようだ。
「そうか・・・真ももう子供じゃないか・・・大きくなったなぁ」
「親父。年より臭いぞ」
「なっ!?年とはなんだ!俺だってまだまだ・・・」
「まだまだ?前厄がよく言うよ」
「お前って本当・・・」
俺の返しに親父は聞こえないくらいの声でブツクサ文句を言っている。どうせ「ああ言えばこういう」とか思ってんだろう。
「で?いきなり部屋に襲撃してきて何の用?」
「おお、そうだった。朝飯があるぞ、一日の始まりはちゃんと食っとかないとな」
「分かった。着替えたら行くよ」
俺の言葉に満足そうに頷くと、親父は鼻歌交じりにリビングのほうへ帰っていく。朝食ねぇ・・・どうせ焼いただけのトーストのみだろうけど。
っと、作ってもらったのに文句は言うまい。親父との会話で幾分か目も覚めたし、とっとと着替えて俺もリビングに向かうかね・・・。
**********
目が覚めたとはいえ足取りはまだ重く、ゆ~っくり歩を進めリビングにたどりつく。そのままテーブルに着くと、予想通りトーストとコーヒーのみだ。
「いつも悪いな質素で、母さんが居ればこんなことも無いんだが・・・」
「ああ・・・いや、そういうつもりじゃなくて・・・。ただ予想通りだったっつーか」
俺が朝食を凝視していたためか、親父は文句があるとでも思ったのかもしれない。だが俺にそのつもりは全くない。むしろ感謝しているくらいなのだから。
加賀美家は父子家庭。なんでも俺の母親は俺を生んだ時に亡くなってしまったらしい。なるべくそういった話題には触れないようにしているのだが、どうにも親父は妻を亡くしたことのショックが大きいようで、いまだにこうして自分で古傷をえぐるようなことがある。
一気に静まり返ってしまった食卓に、トーストをかじる音とコーヒーをすする音のみが響き渡る。・・・うん、気まずいね!トーストが喉を通らないぜ!
「・・・最近どうだ?学校とかは、楽しんでるか?」
「ん?別に、普通」
「普通って、もっと何かあるだろ。友達と馬鹿な話をしたとか」
「それ親父に話してどうするよ。馬鹿話ってのはその時のノリとテンションじゃねぇと笑えねーだろ」
親父も同じことを思っていたのか、自ら話題を振ってくれた。つっても俺の性格上こういう返し方しかできねーけど。
「むしろ親父はどうだ?仕事とか大変だろ」
「ん~・・・普通だなぁ・・・」
「おうコラ、全く同じ返しとかどういう了見だ?」
親父の仕事は仮面ライダーカブト最終回後と同じく警察官をしている。持ち前の正義感と熱血っぷりで町では割と有名な人物だったりする。当然の事ながら俺としては勘弁してほしいんだけど。
今日はたまーの休みなそうで、おかげで俺の二度寝が遮られるという一大事が発生してしまったわけだ。
「昼を過ぎたらどこかに出かけるか?」
「やだ」
「即答かよ!?お父さんのたまの休みだぞ?」
なんだよその「もっと甘えてもええんやで?」みたいな顔は、ガキの頃ならいざ知らず今はもう親父と二人で何かしようなんて思わないっての。
でもこの感じ・・・何か希望を言わなきゃ絶対拗ねるパターンですぜ。こうなったら仕方が無いな、今日一日は親父と過ごそう。
「・・・じゃあキャッチボール」
「おっ、いいな!久しぶりにやるか!」
そういうと親父は軽くボールを投げてみるふりをして見せる。元高校球児なだけあって、自分の息子からキャッチボールをしようと言われるのは嬉しいらしい。
というより親父とは遊びらしい遊びはキャッチボールしかしたことがない気がする。親父との思い出でもあるし別に俺も嫌いじゃないんだが・・・ただ一つ問題点がなぁ・・・。
「(はぁ・・・親父、今日は大人しくしてくれてると良いんだけどな・・・)」
そんなことを思いながらトーストを貪っていくのであった。
**********
「うおらぁ!」
「(やっぱりこうなるのかよ・・・)」
スパーン!という軽快な音と共にグローブにボールが収まる。その数瞬後にやってくるビリビリとした痛みが俺の左手を襲った。
これがさっき言っていた「問題点」だ。キャッチボールをするのはいいのだが、いかんせん親父がだんだんとムキになってくる。
今日だって数分前はいたって普通に軽~くボールを投げあっていた。にも関わらずなぜか親父は俺のグローブ目がけて全身全霊をかけたと言っても過言ではない投球をしてくる。
わざわざキャッチボールをしに河川敷まで出向いたのに、この仕打ちは酷いんじゃないんですねぇ・・・?俺は思わず親父に苦言を呈した。
「なぁ親父。本気で投げんのは止めてくれって、いつも言ってるよな?」
「ん?あ、あぁ・・・悪い。いや、真とキャッチボールしてるとつい熱くなっちゃってさ」
「ったく・・・いい加減その直情的なのをどうにかしろよ。前厄」
「ぐっ・・・いちいち年の事を引き合いに出すなよ!」
「年相応の落ち着きを持てって言いてぇんだ。そんなんだから犯人も取り逃がしちまうだろ」
「なっ・・・!?お前なんでその事を・・・」
「あん?もしかして図星?適当に言ったんだけどな今のセリフ。語るに落ちるってやつか、俺って警察に向いてるかもね、親父よりずっとさ」
「こっ・・・のっ・・・!言わせておけば・・・!」
親父は流石に俺の言葉にカチンと来たのか、グローブをその場に投げ捨て真っ直ぐ俺のほうにラリアットの構えで向かって来る。
いつも通りプロレススタイルだなぁ・・・。警察官なんだから制圧術の心得とかもあるだろうに、まぁこれが親父らしくて好きだけど。
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
「はい残念」
いくら好きとはいえタダで食らってやるわけにもいかない。俺は親父の絵に現したような直線的なラリアットをその場でしゃがみ見事に回避。
「かかったな、真ぉ!」
「何!?」
親父はまるで俺に避けられる事を想定済みだったかのように、すぐさまその場で反転し隙だらけな俺を肩に背負う形で軽々と持ち上げる。
「そんな馬鹿な!?親父が頭脳プレーをするなんて、信じられん!」
「ハッハッハッ!真に言われた通り、落ち着いて考えたら上手くいった。どうだ?俺だってやればできるだろ!」
「それ胸張って言えることじゃねーし!っていうか・・・んな河川敷でアルゼンチンバックブリーカーは止めてくれよ!悪目立ちするだろ!」
俺は空を仰いでいるからよく分からないが、なんとなく遠巻きにいる人達がざわついているような気がする。そりゃそうだよね、いい年こいたおっさんと割と大きい息子がプロレスごっこだもん。
「ごめんなさいを言ったら降ろしてやるぞ」
「俺はガキかよ!?クソッ・・・俺は絶対謝らねーぞ!」
「ほ~そうか、それならこうだ!」
「痛ぃててててててて!うぉい!本格的に極めるなって!」
親父は俺を抱えたままなだけだったが、俺のアゴと膝をがっちり掴んでいる両腕に力が入る。つまりそれは俺の体が弓なりに反れてしまうわけであって・・・。
「うごぁぁぁぁ!背骨がああああああ!」
「ほらほらどうした?謝れば済む事だぞ~」
「だ・れ・が・あ・や・ま・る・か!!!」
「は・や・く・あ・や・ま・れ!!!」
何とか親父に抵抗しようと俺はジタバタと暴れ、対して親父もより一層その両腕に力を込める。そんな状態がいつまでも続き、俺も親父も力尽きる。
が、そこで終わらないのが俺たち親子である。両者フェアな状態から取っ組み合いになり、完璧に親父との触れ合いはキャッチボールからプロレスへとシフトチェンジしてしまう。
こうして俺と親父の対決は日暮れまで続き、結局のところ俺の休日は平穏とは程遠いものになってしまった。やがて俺達は本当に力尽き、その場に大の字になって倒れこむ。
「はぁっ!もう無理だ!」
「っへ!ほら見ろやっぱ年じゃねぇか」
「まだ言うかお前は!」
息を荒げながらも口喧嘩をする俺達。・・・でもやっぱ、親父とこうやってギャーギャー騒ぐのは悪くねぇな・・・。チラリと親父の横顔を見てみる。その表情は何か満ち足りたような、そんな感じの顔。
「いや~しかし・・・強くなったな、真」
「そりゃあこうやって事あるごとに鍛えられてるからな」
「そう言う意味じゃないんだ。なんというか、うまく言えないけど・・・うん。強くなった」
「・・・一人で勝手に結論を出すなよ」
「ま、なんでも無い。とにかく真は強くなったってことで!そろそろ帰るか?」
親父はその場からバッと立ち上がり、俺に右手を差し出す。俺は親父の大きな手をしばらく見つめた後に、力強くその右手を取った。
「ああ、帰ろう」
俺が手を取ったのを見ると親父はニカッと笑って、俺を引き起こす。何かよく分からないが、一度俺の背中を軽く叩くと、親父は歩き出した。
「(背中・・・か・・・)」
親父の背中を見てみる。親父の背中はまるで生き様を表しているかのように広く、大きい。たくましい背中というか、男の背中といった風体だ。
「どうした真。置いて行くぞ?」
「ああ、分かってるよ。今追いつく」
そうだ・・・絶対に追いつく、いや追い抜く。親父のその背中をいつまでたっても見てるだけなんざまっぴらゴメンだ。俺は逸る気持ちを抑えれなかったのか、いつの間にか走り出していた。そうして親父を追い越した。物理的に。
「おい!誰も追い抜けなんて言ってないぞ!?」
「うるせぇ、絶対に追い抜くからな!」
「はぁ?お前何言って・・・っておい!ちょ・・・待てって!」
親父は意味が分からないといった風な声を上げて俺を追跡し始める。こうして家までの鬼ごっこが始まった。
家に着いた頃は俺も親父もクタクタそのもので、お互いに一言も発さずにベッドまで一直線であった。
ようやくして主人公の名前が出たということで、プロフィールを。
名前 加賀美 真(かがみ まこと)
年齢 15歳(原作開始時点)
好きなもの サバの味噌煮 父親 特撮 プロレス
嫌いなもの まずい飯 うるさい奴(父親除く。特に女性)
詳細 何らかの原因で死亡し、神によってインフィニット・ストラトスの世界に転生することになった。転生以前の事はほぼ忘れてしまってはいるが、自身が特撮好きであったこと、その特撮に関する知識、転生した時のことははっきりと覚えているらしい。
転生後はなぜかISの世界にいた「加賀美 新」の一人息子として生活。本来は冷めた性格であったが、新に育てられた影響か、心の奥底に熱血な部分を宿してはいるものの、基本的には歯に衣着せぬ物言いで、他人に誤解を受けやすい。
大体こんな感じの主人公になりますね。
加賀美が父親なのは、どうしても加賀美に真の父親をやってもらいたいと思い立って、そういう設定にしました。
でも真はIS学園に行くにので出番はほとんどないでしょうが、真にとっては本当に大事な存在なので、今後の真の成長には欠かせない人物には仕上げるつもりです。
次回は真がISを動かすことになる・・・と良いんですけどね・・・。
IS学園に行くにはあともう二話くらいと予定しております。本当にもうしばらくお待ちください。
それではこの辺で失礼します。よければまた次回でお会いしましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。