戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも皆さん!マスクドライダーでございます!

私ごとですが「ムービー大戦 鎧武&ドライブ」を観て来ました!ムービー大戦シリーズは傑作が多いなぁと思い知らされますね。

あえて内容には触れませんので、まだ観に行ってない方はお近くの劇場にてぜひ楽しんでくださいね!(ダイマ)

それでは、今回もよろしくお願いします。


物思いにふける者たち(曖昧模糊)ですが何か?

 シャルロットが自分の正体を明かし、真がラウラに戦友と認定された日の放課後。屋上にて本音が夕日を眺めながら佇んでいた。本音はある人物を呼び出し、待ち合わせ場所にここを指定したのだ。

 

 このシチュエーションならば告白を想像するだろうが、今回の相手は真ではない。告白があるという事に間違いはないのだが、意中の相手に思いを伝えるという意味合いの告白とは少し違う。

 

「はぁ~……」

 

 呼び出した相手の事を思い出すと、本音の脳内は不安でいっぱいになる。ある意味、真に想いを伝えるよりも過酷なことかもしれない。それでも、本音は言わなくてはならない。真よりも先に、この想いを伝えなければならない人物とは……

 

「ごめん、本音……。待った?」

 

「かんちゃ~ん……。大丈夫~そんなに待ってないよ~」

 

 本音にとって親友である更識 簪だった。なぜ簪なのか……それは、簪の真に対する並々ならぬ想いを本音は知ってしまっているからだ。

 

 それを知っているうえで、本音も真を好きになってしまった。だからこそだ、親友だからこそ伝えなければならないと本音は考える。

 

 黙っていれば分からない事なのかもしれない。しかし、もし真を取り合うのであれば、お互いに知っていた方が後腐れも無い。だが、それと同時に本音の心に影を落とすのは、真を好きになってしまった事の罪悪感だ。

 

 もちろん、人を好きになる事は悪い事ではないと本音は理解しているが……簪の長年思い続けた人物が真と判明した時に本音は、確かに「応援する」と言ったのだ。

 

 「信じていたのに」と簪に言われるイメージが本音の脳裏をよぎる。とうぜん簪はそんな事は言わないであろう。だが、これも頭で理解していようとどうにもならない。本音は恐怖のあまり話を切り出せなくなってしまった。

 

 ここで簪は本音の様子がおかしい事に気が付く、今までにこんな本音は見たことが無い。オドオドとしていてどうしていいか分から無さそうな本音を見て、簪はまるで自分を見ているような気分だった。

 

「えっと……本音。大丈夫……?なにか、悩み事……とか?」

 

「えっ……?う、う~ん……うん……悩み事……かな~」

 

「そう……。ゆっくり、落ち着いてでいい……。私は、ちゃんと待つから」

 

 そんな本音に簪は、できるだけ笑顔でそう語りかけた。何をするにもまず本音の話を聞かなければ始まらない。自分が話しやすい雰囲気を作ってあげなくては。

 

 本音も簪の言葉を聞き、少しだけ落ち着くことができた。そこからさらに深い深呼吸を繰り返す。深呼吸が終わると、本音は何かを決意したような視線で簪を見る。

 

「あ、あのね~!」

 

「うん……」

 

「私……」

 

「うん……」

 

「かがみんの事が好きなの~!」

 

「うん……?」

 

 いっぱいいっぱいの様子で簪にそう伝えた本音に対して、伝えられた方は不思議そう……というよりは意味が分からないと言った感じで首をかしげる。

 

「かんちゃんの気持ちを知ってるのに~……応援するなんて言ったのに~……それなのに私、自分の本当の気持ちに気づいちゃったから……だから……」

 

「ちょっと待って……本音。なんでそれを私に言うの……?」

 

「へ……?」

 

 簪の予想外の返しに本音は困惑する。それこそ、何を言われてもおかしくないと思っていたのに、こんなあっけない感じで終わるとは思っていなかったからだ。

 

「で、でも~……かんちゃん。かがみんのこと好きなんだよね~?」

 

「うん……好きだけど……」

 

「私も好きになっちゃったんだよ~!?怒らないの~……?」

 

「怒らないよ……?それとも本音は、怒ってほしいの……?」

 

「え!?う、う~ん……怒られたくは……ないけど~」

 

 覚悟を決めてここに立っている分、本音はどうにも釈然としない様子だ。もちろん本音だって平和的に解決するならばそれが一番だと思っているが、本音が勝手に空回りしているだけの様になっている。

 

「本音は……私が真の事を好きだって知ってるのに、自分も真を好きになって……申し訳ない気持ちになってる……の?」

 

「うん~……」

 

「そんなの……私は全然気にならないよ。驚きはしたけど……」

 

「かんちゃんは~……本当にそれでいいの~?」

 

「私がそれでいいって言ってるから……それでいいんだよ」

 

 簪は屋上の柵にもたれかかりながら、以前に真が使った言葉をそのまま本音に伝える。本音も簪が真のマネをしていることに気が付いたらしく、クスリと笑いをこぼした。

 

「ありがとう……かんちゃ~ん……」

 

「別に……たまたまだよ、たまたま」

 

「あ~!またかがみんのマネだ~」

 

 今度は2人して顔を見合わせて笑う。本音の心配はようやく消え失せ、心の底から笑う事が出来た。本音も簪と同じように柵にもたれかかると、簪が口を開いた。

 

「でも……一応私に伝えてくれてありがとう……」

 

「? どうして~?」

 

「何も聞かされないまま真と付き合ってました……なんて言われたら、私……それこそ立ち直れなさそうだから……」

 

 その時の事を想像してしまったのか、簪は暗いオーラを放ちながらガックリと肩を落とした。隣にいた本音は慌てて簪のフォローをする。

 

「でもでも~これで意思の疎通はできたからね~!」

 

「そう……だね。これで私もゆっくり出来なくなったかな……?」

 

「うん~!負けないよ~かんちゃん~!」

 

 簪にとって本音はかなりの強敵として映っている。それでも、真に対する想いでは負けていないつもりだ。年季の違いを見せてやる、と簪は意気込んだ。

 

「ところでだけど……本音は真の何処を好きに……?」

 

「う~ん……そうだね~。私もよく分かってないかもだけど~」

 

 本音は余った袖の中から指を伸ばして、こめかみの部分をツンツンと突いてう~んと唸る。しばらく思考を巡らせた後、簪に向きなおった。

 

「かがみんはさ~皆が考えてるよりもずっと繊細だって思うの~。他の皆を避けるのはきっと……「何か」を怖がってるからだよね~……。まぁ~勝手な想像かもしれないけど~」

 

「うん……分かる。避けてるって言っても……本気で、っていう事でもないみたいだし」

 

「だからね~……その~、私が……かがみんの事を支えてあげれたらな~って思ってて。だからきっと~そう思えるのは、かがみんの事が好きだからなんだな~って」

 

 この間、本音が真を抱きしめたときの胸の高鳴り、あれは単に照れているというだけでは決して片づけることのできないほどだった。で、結局のところ真のどこを好きになったかまでは分からないらしい。

 

「えへへ~ごめんね~。論点がズレちゃってるよね~」

 

「ううん……恋なんてそんなものだと……思う。ちょっと自信ないけど……」

 

 照れくさそうに笑う本音は乙女の表情そのものだ。真も案外隅に置けない男だと簪は思う。親友である本音の見たことのないような表情をあっさりとさせるのだから。

 

「……そろそろ戻ろっか?日も暮れてきたし……」

 

「そうだね~。戻ったら~かがみんを探そうよ~」

 

「うん……3人で集まるのは初めてになるのかな……」

 

 簪は屋上から帰る提案をすると、本絵もそれに賛成し2人はすぐに歩き出した。歩いている間、2人は真の話で盛り上がる。こんな中身よし、見た目良しな2人に思われる真は果報者であろう。

 

 一方、2人の想いを知らない果報者はというと……。

**********

「はぁー!はぁー!」

 

 真は盛大に息を切らしてその場に座り込む。今しがたまでずっと学園中を逃げ回っていたからだ。誰から逃げ回っていたのかというと……。

 

「クソッ!あのロリ軍人めが……!」

 

 そう、真はラウラから逃げていたのだ。放課後になって図書館で調べ物をしていたところ、急にラウラが現れて真にこう告げたのだ。

 

『戦友よ、嫁が見つからないで困っているんだ。代わりと言ってはなんだが、私と訓練でもどうだ?』

 

 この誘いを当然だが真は蹴った。「今調べものしてんのが見えねぇのか?」と返すと、ラウラはフッとクールな笑みを浮かべ続ける。

 

『何、そんなに照れることは無い。戦友よ、私とお前は唯一無二の相棒だぞ!』

 

 とか言い出す。さらに真は否定的な言葉を繰り返しラウラに伝えるのだが、何を言っても照れ隠しをしているものだと取られてしまう。最終手段として、逃走を試みたのだが……。

 

『む、なるほど……生身での逃走の訓練か……。よし、良いだろう。とことん付き合ってやるぞ、戦友よ』

 

 思い切り斜め上の解釈をされてしまう。ラウラはもう本気も本気であった。真とはかなり体格が違うと言うのに、歩幅では真が圧倒的に有利なはずなのに、逃げても逃げてもラウラは追いかけてくる。

 

 ラウラにとってあんなものは日常茶飯事な運動だ。それこそ真だから何とか逃げれていたようなもので、もしこれが一夏ならあっという間に捕まっていただろう。

 

「思惑通り織斑が見つかったから良かったものの……」

 

 真はラウラが言った「嫁が見つからない」というセリフをしっかりと記憶していた。それ故に、逃げ回りながら一夏を捜し、見事ラウラから逃げきることに成功したのだ。

 

「何で俺がこんな目に……。それもこれも全部ボーデヴィッヒに余計な事を吹き込んだ奴のせいだ!」

 

 それでなくても筋肉痛だというのに肉体を酷使した真は、大の字になってその場に寝転んだ。すると不意に、ポケットの携帯が着信を知らせる。相手を見ると、電話の主は陸だった。

 

「もしもし爺ちゃん?珍しいな、爺ちゃんの方から電話なんて」

 

『ああ。少々、真に報告すべきことがあるからな』

 

「俺に?」

 

『ガタックの件なんだが、追加パッケージ開発のための予算が下りてな』

 

「マジで!?」

 

 陸の予想外の報告に、思わず真はその場から飛び起きた。その際、筋肉が悲鳴を上げたのだが、そんなこと今の真にとっては些細なものだ。

 

『ついさっきまで会議をしていたんだが、ZECT本社の幹部からも特に反対は無かったものでな』

 

「いや……でも俺。そこまで功績をあげたわけでは……」

 

『つい最近まで一般的男子であった真にしては上出来。むしろ真に力を注げられるのなら、早急にそうすべき。みな、似たようなことを述べていたぞ』

 

 自分の事をそこまで評価しているとは思ってもいなかった。真はそのせいで顔を赤くしている。いくら真といえど、褒められてうれしくないわけがない。

 

「そっか……。運用は、いつ頃になるんだ?」

 

『臨海学校があるだろう。確認したところ、あれは各国がそれぞれ開発したパッケージの運用試験をしていいことになっているらしい。そこで、真も追加パッケージをインストールする事になる手筈だ』

 

「臨海学校!?そんなの間に合う訳が……」

 

『真。ウチの職員と技術力を舐めない方が良い。無理を言っているのは確かだが……今ごろ岬主任を筆頭に大忙しになっている』

 

「あぁ……修羅場が目に浮かぶ」

 

 田所とガタックゼクターの調査に訪れた時でさえ、あんなに忙しそうな様子だったというのに。今から追加パッケージとなると、それこそ地獄絵図を真は想像していた。

 

「なんか、申し訳ないな……」

 

『真が落ち度を感じることは無いぞ。むしろ、真のためならと士気が上がっていた』

 

「うん……それなら、ガタックやその追加パッケージを使いこなすことが、恩に報いる事……なのかね?」

 

『ああ、その通りだ。では、確かに伝えたぞ』

 

「あっ、爺ちゃん……」

 

『どうか、したかね?』

 

 真は学年別トーナメントで起きた、謎の現象について陸に聞こうとしたのだが止めた。陸にその事を聞くのは、また陸を疑う事だと思い真は口を閉じる。

 

「いや、なんでもない……その、仕事……無理の無いようにな?」

 

『ハハハ……ありがとう。真も、学園は大変だろうが……頑張るんだぞ。それじゃ……』

 

「あぁ、それじゃ」

 

 耳元でツー……ツー……と通話が切れた音が鳴る。真は再び大の字になると、軽く片手をあげてガタックゼクターを手元に呼び出した。

 

「……お前は、いったいなんなんだろうな?」

 

『キュイイイイ……』

 

「それとも、やっぱり俺がおかしいのか?」

 

『キュイイイイ……』

 

 声をかけられたガタックゼクターは、ただ電子音を漏らすのみ。ラウラの時と同じような現象は起きない。真は大きくため息をつくと、ガタックゼクターを空に向かって放り投げた。

 

「行けよ……呼び出して悪かったな」

 

『キュイイイイ……』

 

 命令完了、といった様子でガタックゼクターは足早にその場を飛び立っていく。それを見届けると、真もゆったりとながら立ち上がった。

 

「俺は一体……」

 

 あの声が聞こえたことによって、真の自分に対しての疑問は大きかった。考えても仕方のない事だと、割り切る事も出来ない。自分は一体どうしたのか……気が付けばそればかりを考えてしまう。

 

「……飯に……するか」

 

 とりあえず真は走り回ったせいで無駄にお腹がすいていた。何をするよりも、まずそれは先決だと思考を切り替え歩き出す。その後、簪と本音と合流するのだが、2人に出会っても真の頭の中から不穏な考えが逃げて行く事は無かった……。

 

 

 




これにて準備は整った!ここから先は簪と本音がより積極的にアピール合戦を繰り広げる……予定です!あくまで予定ですから、あんまり私の発言に期待してはダメですよ!

それと、ガタックに追加パッケージが!仕事中やら家に帰ってやら「ああでもない……こうでもない……」と考えていましたが、ようやく形になりました。臨海学校本番にて登場するので、それまで秘密という事で。

次回は多分……簪と本音と一緒にお買いものですかね?原作における一夏とシャルロット的な感じで。簪と本音の私服は一体どんな感じでしたっけ……?

それでは皆さん、また次回もよろしくお願いします。
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