戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

イグニッション・ハーツをプレイしとけば良かったと思った(小並感)あれって、確か学園祭がメインのゲームでしたよね?

簪が絡んでるので、けっこう原作だけだと自由時間は書き辛かったです。まぁプレイしてなくても特に問題ないとは思いますが……。

つーか、私の場合は簪の攻略を終えるとその他のキャラは、ぽーい……って事になると思われ。ちなみにですが、簪・本音を除いた場合、私は時点でファース党。簪・本音のツートップが揺るがないので、意味はなしてないですけどね。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。



学園祭、開催!(喫茶と休憩)ですが何か?

「加賀美君、三番テーブルお願いね」

 

「あいよ……」

 

 全然ヤル気ありません、みたいな態度で襟元を正す俺……。学園祭も本番となり、俺はこうして執事姿を人前に晒す事になっているのだ。

 

 一年一組は、異様な程の大盛況……一夏の方はともかくとして、意外な事に俺もかなり忙しい。本当に物好きな事だ……。女子達曰く、俺がこういう事をするからこそ『萌える』んだとか。

 

 とにかく、俺に接客して欲しい物好きさんの所に急ごう。店内に埃が立たない程度の速度で、迅速に三番テーブルまで向かう。すると、そこに座っていたのは簪だった。

 

「お待たせいたしました……お嬢様」

 

「あ、あれ……?いつもの真じゃない……」

 

「ん~?ハハ、まぁな。実際にお嬢様な訳だし……簪には特別サービスって事で」

 

 簪と目が合うと、俺はいかにも執事といった態度で接客に入った。すると簪は、俺がいつもの様子で接客をしていた事をあらかじめ知っていたのだろう。少し面食らった様子の簪は、とても可愛らしかった。

 

「てか、来たんだな。もしかして、今休憩か?」

 

「うん……どうしても真と休憩時間は合わせられなさそうだったから……。せめて、と思って……」

 

「あ~……そうかぁ……そいつは残念だ」

 

 とにかく俺も席に着きつつ、世間話から始める。聞けば簪は、わざわざ長い行列を待ってでも俺に会いに来てくれたらしい。申し訳なさを感じつつ、ジ~ンと胸が熱くなるのを感じた。

 

「あのさ、俺……執事っぽくした方が良いか?簪がそう言うんだったら……」

 

「こうやって燕尾服の真を見られただけラッキーだから……。その……似合ってる……ね、カッコイイよ」

 

「そ、そうか……」

 

 相変わらずお優しい簪の言葉に、恐縮する俺。なにか簪に出来る事があれば……と思っての提案だったのだが、不発だったようだ。それならば、いつもの俺らしく、精一杯のおもてなしをしようじゃないか。

 

「あ、これがメニューな」

 

「ありがとう……。……前衛的なネーミングだね」

 

 そうなんだよ、誰が考えたんだか知らないが、なんかナイチンゲールがなんたらセットとか……意味が解らんわ。覚えにくいうえに、復唱するのが異様に恥ずかしい。

 

「これ……『加賀美スペシャル』って……真の事だよね?」

 

「あぁ、それな……俺が作った奴だ。材料が余ってもったいなかったからな」

 

 簪が気になったメニューは正式名称『意外な特技!?ギャップが奏でるハーモニー 加賀美スペシャル』……だそうだ。意外は余計だ……意外は。

 

「そうなんだ……。じゃあ加賀美スペシャルと執事にご褒美セットで……」

 

「その様子は、『それ』がなんなのか知ってるな?でも必要ねぇよ……俺が接客する場合は、加賀美スペシャルを頼んだオプションになるからな」

 

 で、執事にご褒美セットってのは……俺や一夏が客に菓子を食べさせられると言う謎システムだ。金払ってまで、そんな事をしたがるかね?とにかく……頼まれたのだから仕方が無い。

 

 いくら簪とは言えど、気が進まないながらにキッチンテーブルへと向かう。加賀美スペシャル……自分で言うの嫌だ……。を受け取って、すぐさまテーブルへ踵を返した。

 

「ほいっ、お待たせしましたお嬢様っと」

 

「これは……メレンゲクッキー?」

 

 簪の言う通り、トレイに並べられているのはメレンゲクッキー……つまり、余った材料ってのは卵白の事だ。あろう事か、ここの女子一同……余った卵白を捨てようとしやがったのだ!まだ十分に使えるわ、もったいない!

 

「味は保証するぜ、なんたって俺が作ったんだからな」

 

「でも……食べるのは、真だし……」

 

「いや……何も俺しか食べちゃダメだってルールじゃないんだぜ?先に食べて、感想を聞かせてほしいんだがな」

 

「分かった……。それじゃ、いただきます……」

 

 やはり作り手としては、食べてもらう相手のリアクションが第一だ。誰であろうと、俺の料理を食べて喜んでくれるのは普通に嬉しい。サクサクとクッキーを食べ進める簪の様子を、俺は注意深く見守った。

 

「おいしい……!」

 

「そりゃ良かった」

 

 うん……好感触だな、この様子なら他の連中がこのクッキーを食べても問題なさそうだ。何人かこれまで接客したが何を警戒してか、どうにも加賀美スペシャルを頼もうとはしない。やはり、俺が料理をできるイメージは沸かないらしい。

 

「えっと……はい、真の番……」

 

「か、簪さん?それは貴女の食べかけで……」

 

「嫌……?」

 

 ほらね、ずるいよね、女の子のこういう表情。今にも泣きだしそうな簪の表情に、俺は慌てて差し出されているクッキーを頬張った。うむ……味見はしたが、うん……我ながら良い出来栄えだ。

 

「「…………」」

 

 ただし、クッキーは美味くても空気がマズイけどな!俺と簪は二人して顔を赤らめつつ、お互いの顔を直視できないでいた。しばらくすると、簪がバッとこちらを見て、話題を振った。

 

「その……治ったね、怪我……」

 

「あ……あぁ、そうだな……。見てくれが悪くならなくて良かったよ」

 

 怪我と言うのは、田所さんとの組手でできた方の事だ。土曜日曜と、とにかく日中ず~っと田所さんと組み手をしてたからな……。休みが明けて学園に顔を出すと『なんで怪我が増えてんだ!?』と一同の総ツッコミを受けた。

 

 あの日から数えて、学園祭まではまだかなりあったが、とりあえず学園祭が終わるまでは組手禁止令が出てしまう。それを抜いても、ISの訓練したり、生徒会の仕事を手伝ったりと、忙しい数週間だった。

 

「あまり無理しないで……」

 

「…………」

 

 そう言いながら簪は、俺の頬にそっと手を添えた。まるで慈しむかのように、ゆっくりと俺の頬に添えられている手を、俺は少しだけ力強く握った。

 

「ごめんな、簪。それは約束できない……。でもさ、無茶はしない……それだけは約束する。俺だって、簪に心配はかけたくないから……信じて応援してくれると、嬉しいな~……なんて……」

 

「真……。うん……信じてる」

 

「戦友よ、余所でやってくれ」

 

 ボーデヴィッヒが、そう言いながら俺の後ろを通り過ぎていく。はて?何のことだ……と思ったが、数瞬してイスごと少し後ろへ飛びのき、公衆の面前で恥ずかしい事をしている事に気が付く。

 

 簪も俺と同時にその事に気が付いたのか、慌てて俺の頬から手を引いた。し、指摘されたと言う事は……他にも見られてたか?……学園祭が終わったら、問い詰められそうだ。

 

「悪い……」

 

「え!?う、ううん……そんな、私の方こそ……」

 

「「…………」」

 

 最近は稀であった簪との無言タイム……短時間に二度も発生してしまった。しかも……こういうむず痒いのは久しぶりになる。

 

「止めよう……うん。あれだ、忘れなさい……忘れるのです……」

 

「なんで敬語……?」

 

「とにかく!俺も時間が限られてるしな、今は簪だけの執事って事で……」

 

「そ、そう……」

 

 あれ?墓穴掘ってねーか?今サラッと恥ずかしい事を口走ったような……まぁ良いか、気にしないでおこう。そう言う訳で、残った時間は簪と駄弁りながら過ごした。

 

 簪は去り際に『ウチで執事でもやらないか?』なんて言っていたが……まぁ、そう言うのも悪くないのかもしれない。考えておくと答えると、簪は満足そうに戻って行った。

**********

「かがみ~ん、着替えなくても良かったの~?」

 

「ああ、面倒臭かったんでな」

 

 やっと休憩時間を迎え、隣を歩いている本音にそう聞かれた。本来は、そういったズボラな事はしないように心掛けてはいるが……。燕尾服を脱ぐのは良いんだ、着るのが面倒臭いんだよ。という訳で、そのままの格好で出かける事にしたのだ。

 

 燕尾服の俺に、普通の制服の本音……こうやって並んで歩いていると、かなりアンバランスだ。しかし……本音も着ればよかったのにな、メイド服。正直言うと、見たかったの一言に尽きる。

 

「どうかした~?」

 

「……何でも無い」

 

「かがみんがそういう時は~大抵なにかあるよね~」

 

 ぐっ……見抜かれてるか。本当に人の事を良く見ているな、この子は……。でも別に、正面切って言うほどの事でもないのは事実だ、誤魔化しても追及はされないだろうし。

 

「まぁ、それは良いだろ。まずどこに向かうかね」

 

「ふっふっふ~……実は当てがあるのだよ~」

 

「へぇ~……どこに行きたいんだ?」

 

「着いてからのお楽しみだよ~!」

 

「ちょ……引っ張るなって」

 

 本音はそう言うと、俺の腕をガッチリつかんで引っ張って行く。しかし袖が余っているせいか知らんが、さほどの強引さを感じさせない。まぁ……当てがあるならそれに従っておこう。

 

 そう思いながら、とにかく本音にされるがままにしてみる。そうして引っ張られた先は、校舎内では無く屋外だ。外では室外で行う部活動が、様々な催しものを行っているらしい。

 

 そのせいか、客には比較的多くの男性客が見受けられた。IS学園の生徒に配布されたチケットで招待されたのだろう……彼氏か何かだろうか?ちなみに、親父にも一応送っておいたのだが……どうにも忙しくて来られそうも無いらしい。

 

「それで……ここか?」

 

「その通り~。正解は~ソフトボール部の出し物でした~」

 

 うん……それは見ればわかるが、なんでココだ……?本音がスポーツに向いていないなんてのは言わずもがな……さして興味があるようにも見えない。困惑している間に、本音はソフ部の女子と話を進めていた。

 

「やっほ~来たよ~」

 

「あらら、のほほんさん……に、加賀美君……。本当に連れて来たんだ?」

 

「本当に……とは?」

 

 俺はソフ部の女子が、何か含みのある言い方をしていたのを聞き逃さなかった。どうやら本音は、もともと俺をここに連れてくる算段だったらしい。口ぶりからして、友達か?交友関係の広い事だ。

 

「かがみんって~野球が得意なんだよね~?」

 

「ああ、まぁ……でも野球とソフトボールは似て非なる物であって……」

 

「今日は一応だけど……男性客の事も意識してるんだよ。ほら、硬球も用意しちゃったりして」

 

 そう言って、俺に向かってボールをトスする。ふむ……まごう事無く、硬球そのものだ。だけれど……相変わらずココに来た目的が分からんぞ?

 

「一度でいいからさ~、かがみんが野球してるところをみたいな~って」

 

「なんだ、そんな事か……言ってくれればバッセンなり連れてくのによ」

 

「やってく?加賀美君。いろいろ種目があるよ~」

 

 受付のような場所にある得点板を模したボードに、種目が張り出されていた。なになに……?え~……一打席勝負、ストラックアウト、スピードガンコンテスト……の内から選ぶのか。それぞれ、一打席勝負に勝つ……などの条件に応じて商品があるそうだ。

 

「う~……む、スピードガンだけは無いとして……」

 

「かがみんは~バッタ~専門なのかな~」

 

「いや、むしろピッチャーだけど……ダメだ……スピードガンだけはイカン」

 

「? 昔、肩を故障したとか?」

 

「違う……恐らく、引かれる」

 

 俺は気まずそうに本音とソフ部の女子から視線を逸らした。すると、急にコソコソとし始める二人……盛大に嫌な予感が……恐らく、気のせいでは無い。

 

「それじゃ~スピードガンコンテストに行ってみよ~」

 

「何っ!?ちょっと待て貴様ら!」

 

「だって、引くって……どう引くのか気になるし。は~い一名様ご案内~」

 

 俺の『引く』発言を聞いていたのか、どこぞからワラワラとソフ部の女子達が現れ、俺の背を押す。大人数相手に、流石に抵抗が出来ず……あれやこれやいう間に、仮設のマウンドに立っていた。

 

「わっ、執事の格好してる人……カッコイイね!」

 

「そうね、でもなんで燕尾服なのかしら……?」

 

「タッパもあるしガタイも良い……ついでに顔も良い……クソが!」

 

「まぁまぁ落ち着けって……案外、見かけ倒しかもしれないぜ?」

 

(注目されてんな……)

 

 俺の事を知らないであろう一般の客からは特に……。マウンドでグラブはめて、さらに燕尾服……不可解極まりない。それが今からスピードガンコンテストだなんて……自分でも良く分からなくなってきた。

 

「(はぁ……腹くくるしかないか……)あの、一つ確認しときたいんですけど」

 

『はいはい、何かな』

 

「コレ、暴投しても平気ですかね?」

 

『その辺りはご心配なく!そのキャッチ君三号改なら、どんなボールもミットに収めてくれるよ!』

 

 実況席みたいなのがあったので、とりあえず質問をしておいた。俺の視線の先にいるのは……いかにもメカメカしいキャッチャーだ。自動でボールを認識し、キャッチしてくれると……すげぇな。

 

 まぁ良いや、暴投しても平気と分かっただけでよし。俺が親父に仕込まれたのは、コントロールでなく速度重視の投球だ。俺の全力のストレート……自慢じゃないが、結構な速度が出る。その代わりに、コントロールを犠牲にしているのだ。

 

『さぁ……準備が出来たらどうぞ!』

 

「んじゃ、いきま~す」

 

「かがみ~ん!がんばれ~!」

 

 そう言って構える俺……投球フォームはもちろんオーバースロー。プロ野球でも大半の選手がこの構えだな……とにかく直球の速度が出やすい。

 

 片足立ちの状態になり、折りたたんでいた足を地面にザッとつけ、大きく振りかぶり……そのままボールをリリース!俺の全力の投球は、気持ちいい音と共にキャッチ君のミットへ吸い込まれた。

 

スパーン!

 

『速っ……!?ちょ……速度……で、出ましたぁー!本日ブッチぎりの最速……150km!!』

 

ザワザワ……!

 

 なっ、言ったろ……引くって。一般客、IS学園の生徒問わず……困惑した様子で俺を見ている。まさか本当に、そう言う速度が出るとは誰も思わないのだ……それ故の困惑だろう。

 

 これは手早くマウンドから降りたほうがよさそうだ……。一同がざわつくなか、本音はいつもと変わらぬ笑顔で俺を出迎えてくれた。

 

「かがみん凄いんだね~!ビックリしたよ~!」

 

「そうか、ありがとうな……」

 

『え~……150km代が出た時の男性限定の副賞なんですけれども……。どうしよコレ……まさか出るとは……』

 

 む?副賞……?そんなものがあるのか。でもやけに、言い淀んでいるというか……なぜに女子部員一達が俺の周りに集まってるんだ。次の瞬間、実況席の生徒が真相を明かした。

 

『ウチの部員たちから熱いキッス!もってけ泥棒!』

 

「はぁ!?いやいやいやいや!いらんから!ほら、アンタらだって嫌だろ!?」

 

「私、織斑君より加賀美君が良いです!」

 

「んな事を聞いてないわ!」

 

「あ~……ソフトボール部は~かがみん派の占める割合が多いんだって~」

 

 そうなの!?というか……『だって~』じゃないよ本音さん!なんでそんな笑って無い目でこっちを見るのさ。やぶさかじゃないのは否定しないが……と、とにかくここは……。

 

「三十六計逃げるにしかず!行くぞ、本音!」

 

「わ~わ~、人さらい~!」

 

 言うや否や、俺は本音を小脇に抱えて一目散に逃げ出す。いきなりで驚かせるかと思ったが、至って楽しそうなので心配はしない事にした。とにかく逃げの一手だったせいか、すぐさま追手は来なくなる。

 

「ふぅ~……走った……」

 

「あれ~……もう終わり~?」

 

「おう、終わりだ。降ろすぞ」

 

 本音はつまらなさそうな顔でこっちを見るが、そんな顔で見つめてもダメなものはダメ。小脇に抱えていた本音を降ろすと、本音はピョインとジャンプし、俺と向かい合った。

 

「でも~かがみんもかがみんだよね~。普通は~喜ぶところでしょ~?」

 

「まぁ、そうかもしれないけど……。なんつったら良いのかね、キスとかって……そう気軽にするもんじゃ無いと思うんだよなぁ……あっ、外国の挨拶とかはノーカンだぞ?」

 

 アレは単純に文化の違いだから……。根っからの日本人である俺からすると、どうも肌が合わない感覚だ。あの人達も挨拶用とそれ以外で、使い分けてはいるんだろうけど。

 

「じゃ~あ~……私としてみる~?」

 

「は、はい……?いやね、だからね……気軽にするもんじゃ……」

 

「気軽なんかじゃ無いよ~?かがみんとは~ちゃんと特別だもん……」

 

 いや、もう無理……マジ無理!頭の回路がショートしたかのように、まともな思考が行えない。なんかもうさっきから、俺の中のもう一人の自分が『やっちゃえって!本音もこう言ってるだろ?』とか囁いてる!

 

 イカン……だろ?イカンよ!まだ俺の中で明確に答えすら出せていない状態なのに、そんな無責任な事を……ってのわぁ!なんで本音は目を閉じてこっちを見上げてるんだ!?んでもって、俺もいつの間にか肩を掴んでるし!

 

 流されるんじゃない!……なんて思ってても、なぜか本音との距離は近くなるばかり。……終わったかな、コレ?何がとは言わないが……うん、何かが終わった気がする。

 

ピリリリリ……

 

「ウェイ!?」

 

 俺と本音の影が重なる数瞬前、俺の懐にしまってあった携帯が鳴りだした。慌てて取り出してみると、発信先は……一夏?何の用事かは知らんがファインプレーだ!とにかく、本音に一言ってから、一夏と通話を始める。

 

「もっ、もしもし……?」

 

『あっ、真……休憩中に悪いんだけどさ、楯無さんが俺達に用事があるって……』

 

『はーい、真君!ちょっといいかしら?』

 

 一夏のセリフが途中でフェードアウトし、楯無先輩の声がフェードインした。携帯を奪われたことが容易に想像がつく、あと一夏が困惑してる様子も。

 

「なんかあったか?」

 

『うん、『生徒会』の出し物の事でちょっとね』

 

「ああ、なるほど……『そっち』がらみ……って事で良いんだな」

 

 やけに生徒会、と言う言葉を強調した楯無先輩の様子でピンと来た。今から一夏を生徒会に引き込む三文芝居が始まるって事か……それなら、急いで戻らなくては。

 

「分かった。どこへ向かえば良い?」

 

『至急、第四アリーナに集合されたし!あっ、そうだわ……本音ちゃんは一緒?』

 

「ああ、隣にいる」

 

『それなら、本音ちゃんも連れて来て頂戴』

 

 本音も生徒会の一員だ、何をやらかすかは想像できないが……連れて行かないと言う選択肢は無い。俺は速やかに事情を本音に伝えた。

 

「そっか~、もうそんな時間なんだね~」

 

「あぁ……一夏の野郎が、いつものメンバー全員と回ってたからな……」

 

 まぁその事に関しては、キチンと謝って貰った……だからこれ以上責めはしない。それでも、本音と回る時間が短くなったのも事実……。結果そのおかげで、いろいろ助かったのもあるが。

 

「それじゃ~行こうか~。時間に遅れると~お姉ちゃんが怖いよ~」

 

「確かに、虚先輩はそういうの五月蠅そうだな……急ぐか!」

 

 こういう場合に本音のペースに合わせると、遅刻は免れない。申し訳ないと思いつつも、多少強引に本音の手を引きながら、ジョギングくらいのペースで走った。

 

 痛くしないようにと思い軽く握っていた掌だったが、いきなりぎゅっと握られた。顔だけ振り向かせ本音を見てみると、ほにゃぁ~っと緩んだ微笑みが帰って来る。

 

 俺はそれにニカッと笑みを返すと前を向き、本音に悟られないように表情を強張らせた。楯無先輩が何をする気かは知らないし、ましてや亡国企業とかいう連中に至ってはなおの事だ……。

 

 だがせめて……俺の後ろで笑ってくれているこの子の微笑みを、守って見せよう。もう今までの俺では無い……覚悟も技量も、全てが。さぁ来いよ、亡国企業……必ず目に物見せてやる!

 

 

 




特に野球選手でも無い真が、ウォーミングアップも無しに150km代……違和感バリバリだと思われますが、フィクションって事で勘弁してください。

それと簪の扱いね……本音に比べて、簪の描写が薄っぺらいと思ってる貴方……それは大正解。多分、多分ですけど……打鉄弐式が完成すると、本音の出番が減る……。

減るから、今のうちに出番を……!と思っている私が……!!あぁ……どっちも本当に好きなキャラなのに!上手く両立できない!

本当に申し訳ない……ダブルヒロイン(ハーレムとは言ってない)を謳ってはいるものの……最初から無理しないで、どっちか一人にしとけば良かった……。

今更後悔してもかな~り遅いので、このまま続行しますが……本気でどっちルートかそろそろ決断せねばなるまい……。

次回は恐らく『シンデレラ』からスタート。暇があったら、楯無会長と陸会長のOHANASHIも挟みたい。暇が無かったら分割します。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします!
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