戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

結局のところ、良いネタが思い浮かばなかったので……キャノンボール・ファスト本番という事にさせて頂きました。

いや~……本当は、もうちょっと引っ張りたかったのですけれど……。何と言ったって、此処から超展開のオンパレードな予定ですから。

今回も、恐らく驚いて頂けると……良いなぁ(願望)何が起こるかは、ぜひぜひ皆さんの目でお確かめ下さい。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


キャノンボール・ファスト!(激走)ですが何か?

「おー、良く晴れたなぁ」

 

「なー、空高々と雲も無く、本日も晴天なり……ってか」

 

 キャノン・ボールファスト大会当日、空を見上げる俺と一夏は、並び立って目を細める。どこまでも続きそうな高い空……ココを超高速で駆けるのだから、さぞや爽快だろう。

 

 一夏がアリーナ内をキョロキョロと見渡し始めたが、まぁ気になるよな。何と言ったって、今までにないほどの満員だ……。やはり速さを競う競技なだけに、ファンも多いのかもしれない。

 

 単純に速さだけでなく、もちろん妨害や攻撃は認められているが。まさに、デッドヒートだな。この際だから、燃え尽きるくらいの意気込みで挑んでやろう。

 

「なぁ、真のお爺さんって、どの人だ?」

 

「いや、今回は来てねぇ。代わりの人は、来てるらしいけど」

 

「そっか、残念だったな」

 

 まぁ……少し、残念かもな……爺ちゃんには、見てもらいたかったものだ。なんでも、外せない用事があったらしい。代わりに今日は三島さんが来てくれたそうで、一応だが三島さんの特徴を一夏に伝える。

 

 すると、ISのズーム機能を使って、来賓席を眺め始めた。どうやら、教えた特徴に該当する男性を見つけたらしく、わざわざ俺に『ちゃんと居るぞ』と笑いかける。

 

 ……憎めねぇんだよな、こういう所が……。モテる奴はモテるなりに、ちゃんとした理由があると言う事らしい。軽く感謝の言葉を述べると、一夏は気にするなと再びアリーナを眺め始めた。

 

「一夏、真、見つけたぞ」

 

「こんな所に居たんだ……」

 

「箒に簪か、どうしたんだ?」

 

「どうしたもこうしたも無い。もうすぐ時間だ」

 

 俺達を呼ぶ声がしたので振り返ってみると、そこに居たのは簪と箒だ。どうやら、俺達を探しに来てくれたらしい。そうか、もうそんな時間か……緊張を紛らわせるために、のんびりしていたせいだろう。

 

 と言うか、近頃はこの日本人専用機持ちの組み合わせを良く見る。やっぱり他国の人間とかだと、お国柄の違いとかが出てしまう時があったり……。けれど、同じ日本人だとそうでも無い。

 

 特に簪と箒は、苦労人な妹と言う事で、気が合うようだ。意気投合している姿は、正直なところ驚いたもんだ。二人とも、人見知りな部分があるし……。

 

「悪いな、箒。手間を取らせて」

 

「わ、私は別に……。そっ、それに!簪にも礼を……」

 

「ううん……私は、ただの付添だから……」

 

「じゃ、簪には俺から……。ありがとな、簪」

 

 箒は露骨に照れ隠しをしながら、話を簪へと振る。それに簪は、主に箒が一夏の為にやった事だと言う風なニュアンスに聞こえるようフォローを入れた。

 

 流石は簪と言いたい所だが、それでは苦労も浮かばれんだろう。そう思って、俺が簪に感謝しておく。すると簪は、微笑みながら『ありがとう』と返してきた。

 

 って、こんなにほのぼのしている場合でも無いか……時間がヤバイから二人が探しに来たんだし。遅れそうになる理由を作っておいてなんだが、俺が移動を催促すると、少し小走りになりつつ四人で移動を開始した。

**********

「ねぇ、真……前々から思ってたんだけど、それってアリなの?」

 

「あっ、僕も気になってた……。高機動の訓練の時もずっとソレだったし……」

 

「ん?大会運営委員会に問い合わせたんだけどな、ガタックと接続されてる間は、セーフだってよ」

 

 各々の専用機持ちが準備をする中、鈴とシャルロットが怪訝な表情を浮かべ、質問して来た。それは紛れも無く、ガタックエクステンダーの事だろう。

 

 鈴が『アリなのか』って言ったのは、換装していると言うよりは、乗っているからだな……。俺もそこは気になったので、問い合わせ……後は言った通りだ。

 

 ガタックの足と接続されている間は、ガタックとエクステンダーは『一機』とみなすと、有難い言葉をいただいた。つまりは、接続が解除された瞬間に失格だけど。

 

「そうなんだ……。でも、許されないとこの場に居ないよね」

 

「そういうこった。お前らのパッケージにも、見劣りしねぇと思うぞ」

 

「あら、それは挑発と受け取ってもよろしいのかしら?」

 

「ハッ!自己判断に任せるぜ?」

 

「ニヒルな笑いの真、久しぶりに見るわね。上等じゃん!力の差って奴を見せてやるわ」

 

 俺が矛先を向けたのは、高機動機体の筆頭と言っても良いブルー・ティアーズ ストライクガンナー仕様を操るセシリアと、ゴリゴリな増設スラスターを装備した甲龍 フェン仕様の鈴だ。

 

 この二機に関しては、完全なる『キャノンボール・ファスト』仕様となっている。一夏と箒は支援してくれる企業は無く、ラウラとシャルロットは追加パッケージが間に合わなかったのか、スラスターを増やしてるだけだ。

 

「追加パッケージか……簪のソレも、そうなんだよな?」

 

「……やけに、斜め下を向いているな」

 

「ああ、数メートルは後ろに立てんぞ」

 

「やっと……突っ込んでくれた……」

 

 一夏は、どうやら簪の玉響が気になっていたらしい。恐らく周りの女子達は、突っ込んだら負けだと思っていたのだろう。一夏が話を玉響に持って言った途端に、一斉に苦笑いを浮かべた。

 

 簪も簪でいつ話を振られるのかと、心待ちにしていったようだ。気に入ってるもんな……玉響。何と言っても、完全にロマンとしか言いようがない謎ギミック、無駄ギミックが盛り込まれてるから。

 

「この玉響はね……こうなるの……!」

 

 皆の前でどうぞ見てくださいと言わんばかりに、簪は玉響をモードチェンジさせた。すると玉響はガシン!と大きな音を立て腰から反転し、背中へ。そこからさらにガシン!とスライドし、翼へ変形!

 

 最後に六基の山嵐がドッキングすれば……打鉄弐式 玉響仕様の完成だ!簪はこのモードチェンジを見せつけ、ドヤァ……となんとも可愛いドヤ顔を見せた。

 

 だが他の連中は、どう反応していいか困っているようだ。鈴が俺の隣でしきりに『何とかしなさいよ!』とでも言いたそうな顔で睨んでくるが……どうにもなるか!こんな空気!

 

「…………。あれ……?」

 

「と、ところでだが箒!展開装甲のエネルギー問題はどうなった?!」

 

「あ、ああ!マニュアル操作にする事で、既に解決されているぞ!」

 

「な、なら良かった!フェアにいきたいもんな、フェアに!」

 

「そうだよね!皆、全力で闘おうよ!」

 

 小首を傾げる簪に、俺の中の『いたたまれないメーター』が完全に振り切った。かな~り強引に箒に話を振ると、どうやら空気を読んで協力してくれたらしい。

 

 そこからさらに、一夏やシャルロットと、話を逸らす方向に持って行ってくれた。みなの協力が心に沁みる……連携とは、こういう事を言うのだろう。

 

「皆さん!準備は良いですかー?移動のほど、よろしくお願いしまーす!」

 

 誤魔化している最中に、山田先生の声が響いた。恐らく簪以外の面子は『乗り切った!』と、内心で安堵している事だろう。そして表情を緊張させたものに変えて、誰が音頭を取るでもなく全員頷いた。

 

 そう……ココから先は、全員がライバルだ。その頷きには、全員の健闘を祈る意味が込められている。俺はガタックエクステンダーを浮かせ、スタート位置まで付いた。

 

『それでは、一年生専用機持ちのレースを始めます!』

 

 そのアナウンスが響いた途端に、エクステンダーのスラスターを点火させる。そして、眼前に灯るシグナルランプは、徐々に点滅していき……。

 

(スタート!)

 

 スタートのブザーと同時に、俺は全力でメインスラスターを起動し、前へと躍り出た。が、やはり元より高機動型のブルー・ティアーズと、打鉄弐式は速い。

 

 だが良い位置に付けられている。まずは、小細工から行かせてもらおう。ここからならば、シザーアンカーで……そう思い左腕にアンカーを展開した途端の事だ。

 

『甲龍、来ます。迎撃を』

 

『了解!』

 

「なによ、イキってた割に大したこと無いじゃない!」

 

「残念!何も速いだけが……レースじゃないんだぜ!」

 

 青子の警告により、鈴が近づいてくるのが分かった。甲龍はだんだんと追い上げて来て、もうすぐ横並びになってしまう。並んだところで、真横を向いた龍砲でズドン!と言う寸法らしいが、そうはイカン。

 

 俺はエクステンダーを縦に構え、ボトムスラスターを短く数瞬だけ吹かした。当然、エクステンダーは減速して、鈴やその後ろの後続より後ろまで来てしまう。

 

 だがすぐさま機体を水平に戻し、メインスラスターを全開に!それと同時に、肩部の武装をミサイルへ変更し、マルチロックで適当にロックを掛けた。

 

「テメェら、恨むなら鈴を恨め!」

 

ドシュウ!ドシュウ!ドシュウ!ドシュウ!

 

「くっ……戦友は、通常兵器も当たり前に使えるのか……」

 

「高起動中にミサイルなんか……厄介過ぎよ!」

 

 やはりこの高機動中に、追尾してくるミサイルはかなり回避が面倒らしい。ミサイルは鈴たちに次々と着弾し、その隙に俺は鈴よりも先ん出て、元の位置まで付ける。

 

 さぁさぁ簪……追いかけっこと行こうか!……止めとこ、このキャラ……なんかキモイ。真面目な話で、一番厄介なのは簪に決まっている。

 

「行って……」

 

ドシュウウウウウ!

 

 なんたって山嵐は、俺なんかと比べ物にならんミサイルの量だからな!予想はしていたが、やっぱり高機動中もスフィア・キーボードの入力は完璧か。……だが!

 

 俺はサイドスラスターを駆使し、右へ左へと反復横跳びのように進路を変えながら直進していく。そして肩部はガトリングに変更し、反復横跳びのまま打ち続けた。

 

ズドオオオオン!

 

 こちらに向かって来るミサイルは、真横に広い弾幕のおかげで、次々と撃ち落とされていく。何発か抜かしたミサイルは、Uターンしてこちらへと戻ってきた。

 

 それに合わせて、俺も機体を振り向かせ、これまた縦に構える。そのままボトムブースターを全開に吹かし、その炎でミサイルを焼き尽くした。

 

「!? 嘘……!」

 

「ハッハー!今日の俺は……一味も二味も違ぇぞおおおお!」

 

「ほう、それは見ものだな!」

 

「良いぜ、括目すべし!」

 

 振り向いた隙を、シュバルツェア・レーゲンのリボルバーが狙っている。だがなぁラウラ……マジで今の俺は、いつもと同じと思わねぇ方が身のためだぜ。

 

 俺は、エクステンダーのメインスラスターを、これまた一瞬だけ吹かす。そうすると、機体は少し上に上昇するわけだ。さらにそのまま、サイドスラスターの内、レフトは後方、ライトは前方と逆方向へと点火。

 

 エクステンダーは、真横にクルリと回転し、再び正面を向いた。ラウラがリボルバーを撃ったのは、その辺り。俺が回転したことにより、すれ違うように弾丸は俺の横を通り過ぎて行く。

 

「躱された!?」

 

「言ったろ、甘く見んな!」

 

(だけど、次は大きなコーナー……真には悪いけど、狙わしてもらうよ!)

 

(な~んて考えてるだろうな、シャルロットの奴)

 

 さっきから、ラウラの少し後方で機を窺っている辺り、流石の強かさと言った所だろう。だがシャルロット、それは……俺が減速しての事を見込んでだろう?それならお生憎様!

 

「げ、減速しない……?」

 

「まさか、そのまま突っ込むつもりなのか!?」

 

 御名答だ、一夏。俺は初っ端から減速する気なんざ、さらさらねぇよ。あっ、さっきの妨害防止の減速はノーカンな、コーナーでって話だ。

 

 俺はトップスピードのまま、コーナーに差し掛かる。その瞬間に、今度は機体を真横だ!練習を思い出せ、メインスラスターは止め、レフト&ボトムスラスターを一瞬だけ全開ブースト!そしてそのまま、メインスラスターをフルパワー!

 

「ま、曲がった……減速なしで!」

 

「これは……大口叩くだけあるわね!」

 

 練習していた180度ターンが生きた!減速なしで曲がり切ったためか、簪も抜き去り……後はセシリアを捉えるのみだ。後ろからの妨害も気になる所だが、ここは……仕掛ける!

 

「やぁ御嬢さん、ご機嫌いかがかな!」

 

「デートのお誘いなら、お断りですわ!」

 

 さぁさぁさぁ、捉えたぞ……セシリア!なんだコレ、怖いくらいに調子が良いぞ!もしかすると、俺はこの競技に向いているのかもしれない。

 

 セシリアは捉えさえしてしまえば、大した脅威では無い。なぜなら、ビットは全て移動に用いてしまっているから、目立った武装と言えば大型ライフル程度の物だ。

 

 それに比べて、ガタックエクステンダーの利点は、ガタックの武装をそのまま丸ごと使えてしまうと言う点だろう。そうと決まれば……そんな感じで、俺は肩部をバルカンへと変更した。

 

 ガトリングでは姿勢を崩せないし、かと言ってキャノンだとエクステンダーの姿勢が崩れてしまう。ちょうど中を取った威力のバルカンが、此処では適任だ。

 

「さぁ、踊れ!俺とガタックの奏でる円舞曲で!」

 

「くっ……わたくしの台詞を……!」

 

 挑発と言うか、そういう物の類の目的で、セシリアの台詞を丸パクリしながらバルカンでの射撃を開始する。もちろんセシリアは簡単に回避するが、何も当てる事が目的では無い。

 

 少しでも、ブルー・ティアーズの移動を足止めできればそれで良い。避けるセシリアに対し、メインスラスター全開なエクステンダー……明暗、分かれた!

 

 徐々にセシリアの背中が近づいている事が、ハイパーセンサーを確認せずとも解る。よし来た!ここまで近づいたなら、今度こそ出番だぞ……シザーアンカー!

 

「捕まえた!」

 

「しまっ……キャアアアア!」

 

 エクステンダーがブルー・ティアーズを追い抜こうとする寸前に、シザーアンカーをセシリアに向けて射出した。ガギン!と噛み付いたシザーパーツは、そう簡単に離れない。

 

 俺はすぐさまワイヤーをロックし、後方に引っ張る。それと同時にシザーパーツのロックも解除だ!それに伴って、セシリアは思い切り後方へ放り出される形となる。

 

 流石のセシリアも怖かったのか、悲鳴を上げながら遥か後方だ。よって……現在は俺がトップ!トップ……あぁ、なんて良い響なのだろうか!

 

 これまで生身以外で俺がトップになる事など、あり得なかったのに。やはり俺はこの競技……向いているらしい!っしゃあ!とりあえず一週目はトップをキープだ!このままラストまでつっきって……。

 

『!? マスター、上です!』

 

「何!?クッ……!」

 

 レースが二周目に入った、その瞬間の事だった。青子が焦った様子で危険を知らせ、その時には既にビームが俺を襲う。俺はクイックブーストする事で横へ回避し、更にエクステンダーを減速させ、完全にホバリングの体制に移行した。

 

 こんな時にどこのどいつだ、なんて問い掛けるのは、もはや野暮だ。本当……鬱陶しい連中だよなぁ、毎度毎度……俺らのイベント潰してくれやがって!そうだろ!?

 

「亡国機業さんよぉ!!!!」

 

「…………」

 

 空中にフワフワと浮いている蝶の様な機体……サイレント・ゼフィルス。俺を攻撃したのは、あっちの方だろう。しかし、ちゃ~んと居る……奴も!

 

 ソル……!マスクドフォームで悠然と佇むソルを、ギリリ……!と歯を食いしばりながら睨みつける。とは言っても、顔は隠れているが、迫力は伝わったはずだ。

 

「フッ……」

 

「!? 待ちなさい!」

 

「セシリア!?」

 

 サイレント・ゼフィルスのパイロットは、明らかにセシリアを一瞥し、一目散に飛び去った。試作機を奪われた因縁のせいか、セシリアは簡単に誘いに乗り追いかけて行ってしまう。

 

 これは、明らかに釣りだ。どういう目的かは知らんが、奴らはセシリアを誘い出したのは明白……。だったら、ソルをとっとと倒してしまうしかないか、俺一人で倒したかったが仕方が無い。

 

『……加賀美 真』

 

「あぁ!?んだよ、テロリスト!」

 

『貴様は、オレとの一対一を望んでいる……違うか?』

 

「……だったら、どうだってんだ!」

 

 どうやら向こうは、やっぱり俺の考え程度、見抜いてるらしい。するとソルは、まるで指揮者がタクトを振り上げるかのような仕草を見せる。

 

 その姿は、どこか『アイツ』をほっふつとさせるが、違う……あのクソ野郎が、アイツの姿と被って良い訳が無い。俺は更に歯噛みしながらソルを眺めていると、ピッと俺に人差し指を突きつけた。

 

『その望み、叶えてやろう』

 

バリバリバリバリ!

 

「な……なんだ……アレは!?」

 

「み、緑色の……虫……!?」

 

「ちょっ……キモッ!」

 

 オイ……コイツらは、一体どれだけ俺を驚かせれば気が済む!?今のは……どこからどう見たって『ジョウント』だろ!?原作カブトにおいて、各ゼクターが空間移動する際に用いられるワープ機能のようなものだ。

 

 そして、そこから現れたのは……緑色の体表で、その造形は何処かおどろおどろしい。肩部分から伸びた細腕が、嘆くように顔を包んで……恐怖を感じさせるアレは!

 

「ワー……ム……!!」

 

「……?真……?」

 

 そう、何処からどう見たってワームそのものだが、細部は異なる。体表と表現したが、それは見た感じメタリックで、恐らくは装甲だ。それに飛行できるようにしているのか、背部からは昆虫のような羽が伸び、大きな羽音を立てている。

 

 つまり、ワームを模した自立機動型の兵器と言う事なのか……?良く見れば、鉤爪のようになっている右腕は、二股になっている部分に小さな銃口が覗いているのが分かる。

 

「なんという……数だ!」

 

「ハ、ハイパーセンサーで、捉えきれないよ!?」

 

「クソッ!本当に何なんだよ、アレは!」

 

 ウジャウジャと沸いて、ソルの後ろで控えているワームは、その数が相場では無い。まるで、エリアXでの決戦を思わせる数だ。無数、それほどに感じるほど空を埋め尽くしていた。

 

『……行け』

 

ヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!

 

「っ!来るぞ!」

 

 ソルが指示を出すと同時に、大量のワームは一斉にこちらへ向かってきた。俺も思わず身構えるが、予想外の出来事が起きた。なんと、ワームは俺と一夏は素通りし、残った専用機持ちのみへと襲い掛かる。

 

 そういう事か……一対一ってのは!一夏がスルーされたのは、サイレント・ゼフィルスとセシリアを追いかけろと言いたいに違いない。これも明らかに釣りだ……だが、今の俺達に従う以外の選択肢は無い!

 

「一夏ぁ!テメェはセシリアを!」

 

「でも……皆が!」

 

「そう簡単に落ちるタマかよ!単独であの女を追いかけたセシリアの方が、危険に決まってんだろうが!」

 

 見た感じに、ワームはさほどの脅威ではないらしい。さきほどから、緑色の爆炎を上げ、次々と撃墜されていく。それだったら、足止めされていない一夏は、すぐにセシリアを追いかけるべきだ。

 

 各専用機持ち達もそれを分かっているらしく、さっきから秘匿通信も使わずに、大声で一夏に行けと叫んでいる。そこでようやく了承した一夏は、セシリアの向かった方向へ飛び去った。

 

『もう済んだか?』

 

「ああ、待たせたな!」

 

『良い。それでは、死合おうか?加賀美 真』

 

「望むところだ……クソ野郎!あん時の借り、今日ここで!全部返させてもらう!」

 

「『キャストオフ!』」

 

『―CAST OFF―』『―CAST OFF―』

 

『―CHANGE―』 『―CHANGE―』

 

『―STAG BEETLE―』 『―BEETLE―』

 

 ガタックとカブトのマスクドアーマーは、同時にはじけ飛び、同時に顎と角が起き上がった。そうしてそれぞれの複眼は赤と青に発光する。その発光が途絶えた時……それが俺とソルの開戦の合図だった。

 

 

 




ワームは出さないと言ったが、ワームを模した自立兵器を出さないとは言ってない。

はい……という訳で、登場しました……ワーム……に似た兵器!これに関しては、謝らせていただきたい。ずっと、ワームに似た兵器は出すつもりだったんです。

ですが、『ワームは出ますか?』と問われると、ワーム『は』出さない……って事なんですよ。ネタバレになるので、トンチみたいな方法で明言を避けさせ頂きました。

つまりあのワームは、擬態もしませんし、脱皮もしませんし、クロックアップもしません。まぁ……何が言いたいかって聞かれると、アレはワームであって、ワームで無いって事ですね……。

ワームに似た兵器の呼称は、今後ワームで通します。ややこしいですね、本当にスミマセン。今後もこんな感じで『話が違うじゃねぇか!』と思う事があるかもしれませんが、ご理解頂けると幸いです。

次回は……言わなくても分かって貰えるでしょうが、VSソルです!真のリベンジマッチに、ご期待ください。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
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