戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

何やら調子が良かったので、本日二度目の更新となります。まぁ……とは言え今回は内容が薄いうえに少し短いですが……。

それでも連投などはほとんどできた事が無いので、嬉しい限りでございます。でも、その分だんだんと九章が近づいてるって事ですけど。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


それぞれのその後(帰宅)ですが何か?

「なんとか、交戦せずに済んだか……」

 

 ジョウントを通じてアジトのリビングに戻ったオレは、思わずそう呟く。17代目には、話を聞いては貰えんだろうと踏んでいたが……存外、頭の柔らかい女で助かった。

 

 肩に担いだオータムを、適当にソファへと放り投げる。手間のかかる女だ……まぁ、倒されるのは想定内だったのだが。できれば自身の足で、ここまで戻ってくればいいものを。

 

「御帰りなさい……ソル」

 

「……起きていたのか」

 

 日本と向こうの時差は、約16時間。向こうが夜なら、こちらは深夜だ。どうせスコールは眠っているだろうし、報告は後日……と思っていたら件の女が現れた。

 

 どうやら、わざわざオレの帰りを待っていたらしい。スコールは気絶しているオータムに目をやると、溜息を吐きながらソファに腰掛けた。

 

「あぁ、やっぱりダメだったのね……」

 

「……本来の目的を知ったら、怒りの矛先はオレに向くのだろうな」

 

「ちゃんとフォローしてあげるわよ。この子を騙したのは、私だもの」

 

 そう……オータムは、オレが現地に居る事を知らない。そもそもオータムがあの場に居たのは、スコールに『工場が攻撃されている。ソルが見つからないから代わりに』……そう言われたからだ。

 

 そこまでやらなければ、今回の目的はオレの為でもある。それを知れば、スコールの命令だろうとオータムは絶対に動かない。それ故の……スコールの偽りなのだ。

 

「ところで、良かったのか?」

 

「工場の事?確かに、あの4か所を潰されたのは痛いわ……。だけど、せっかく貴方がやる気になっているのだもの。代償に見合う働きを、期待しているわ」

 

 スコールの言葉も、もっともだ。半分オレの為に生産工場を潰したのならば、それ相応の働きをせねばなるまい。具体的には、奴との決着だが。

 

 しかし……今回は面白い物が見れた。あれだけされて立ち続けるとは、感服する。やはり『何か』……奴には『何か』が作用しているのだろう。オレとの決戦でも、その『何か』が起こってくれる事を願う。

 

 そうでなくては、納得がいかんのだ。オレは恐らく、『何か』が発動した加賀美 真に負けた。ならば、オレはそれを超えなければならん……。

 

「……で、参考になりそう?」

 

「ん?……ああ、良いデータが取れた」

 

「そう、新しいゼクターのインスピレーションが沸くと良いわね」

 

 今回の目的の全貌とは、専用機持ちから使えそうなデータを収集する事にあった。衛士達が相手ならば、それなりに持っている物を見せてもらえると思ったが……正直予想以上だ。

 

 オレは懐から端末を取出し、空間投影のディスプレイに先ほどの戦闘を映し出す。既に参考になりそうな部分は纏めておいた。ここから、何かヒントを得なければならん。

 

 織斑 一夏と篠ノ之 箒の剣術。セシリア・オルコットの正確無比な射撃。シャルロット・デュノアの……と言うよりは、リヴァイヴのパイルバンカー……アレは使えそうだ。

 

 しかし無駄も多い……人間サイズにするとすれば、正確無比な一撃で十分なはずだ。セシリア・オルコットのデータと組み合わせると良いのかもしれん。

 

 後は、更識姉妹の姉妹特有のコンビネーション……。……そんなところか。いや、まだじっくり考えた方が良い。まずは何をモチーフにするか、そこからだろう。

 

「開発チームは、何か言っていたか?」

 

「貴方の意見が無い事には、何も始まらない……って言ってたわ」

 

「そうか、ならばしばらく研究所に籠る。何かあれば、すぐに呼べ」

 

「ええ、分かったわ」

 

 とりあえずは……それこそ後日で構わんだろう。変な時間に寝たり起きたりをしたせいで、凄まじく怠い。やはり時差と言うのは、何度味わっても慣れんものだ。

 

 この中途半端な時間からの睡眠は……なかなか眠れ無さそうだ。これから更なるゼクターを開発するのが、楽しみと言うのもあるのかも知れん。

 

フッ……どうやらオレは、やはり根本的に『奴』であるようだな。こんな下らない一面が、自分自身に存在していたとは……。

 

 いや……奴との直接対決を心待ちにしているのだから、そうとも言えんか。とにかくして、今は脳を休めるのを優先する事にしよう。

 

 難しい事を考えるのは、明日からでいい。自室に入るや否や、コートを脱ぎ捨てストールを取り外す。飛び込むようにベッドへ横になると、さっさと目を閉じ眠る体制へと入った。

**********

「ん……?」

 

 ……このパターンは、いったい何度目になるのだろうか?IS学園に来てからという物……良く気絶する事で。ここは、客船内の医務室だろう。

 

 辺りを見回すと、傍らには簪が座っている。あれから……どのくらい眠ったままだったんだ?簪が眠っている事を考えれば、かなり長い時間が……?

 

 とにかく……守れて良かった。いや、あの場合はやっぱり守ったかどうかは微妙な所だが。本当に……簪が無事だったのならば、なんだって構わない。

 

 まだ体中がズキズキと痛むが、俺はゆっくりと上半身を起こす。そして、眠っている簪の頬を撫でた。……あぁ、温かい。単に簪の体温で無く、何と言うか……心から温かいのだ。

 

「…………あ……」

 

「っと、悪い……起こし……ムグゥ!?」

 

 どうやら起こしてしまったらしく、謝ろうとした途端の事だった。簪は俺の唇を奪いながら、強引に俺を押し倒す。すさまじく意外で、キスの最中だと言うのに俺は目を見開いたままだ。

 

 それだけで無く、簪は積極的で……何もする間もなく舌が絡みついて来た。俺は半分されるがままの状態であったが、まぁ……たまにはそれも良いだろう。

 

 俺は半分観念したような感じで、目を閉じ簪の後頭部を抑えた。そうすると簪も、俺の両頬に小さな手を添える。まるで逃がさないとでも言いたげで、簪の舌の動きは激しさを増すばかり。

 

 この間は時間感覚が分からなくなったが、今回こそは……長い。秒の単位では片づけられないほどに、俺と簪の唇は重なったままだった。

 

 やがて簪は満足したのか、自ら唇を離した。その際に、名残惜しむかのような銀の糸が俺と簪とを繋ぐ。それを終わりの合図だと感じた俺は、今度こそ上半身を起こす。

 

 ……と同時に、今度は俺に思い切り抱き着く。俺の首に回っている簪の腕は、わずかに震えていた。……それだけ、心配させたのだろう。俺は簪を安心させるように、その背をポンポンと優しく叩く。

 

「お早う……簪」

 

「うん……」

 

「心配……かけたな」

 

「うん……」

 

 何を言っても曖昧な返事しかもらえなかったが、腕の震えは徐々に収まっているようだった。簪の震えが完全に止まった所で、優しく簪を引き離す。

 

 簪は少し残念そうだったが、あの状態だと話がし辛い。う~む……俺だって、そうして居たいんだけども。今は状況を把握するのが先決だ。

 

「俺は、どのくらい寝てた?」

 

「そんなには……2時間くらい……」

 

「マジか。なんか、だんだん慣れてきてるんじゃあるまいな」

 

「ありうる……。真……かなりしぶと……じゃなくて、不死身……」

 

 今なんか、しぶといとか言いかけてた気がするが……聞かなかった事にしておこう。不死身ねぇ……?それもそれで、褒められてるんだか貶されているんだか。

 

 でも何か、以前よりもタフさが増しているのは気のせいではなさそうだ。クロックアップの連続使用の時なんかは、丸2日も眠り続けたのに。

 

「そうだ……他の連中は!?」

 

「大丈夫……。皆……それなりに怪我をしてるけど……」

 

「そうか……」

 

 だとすれば、カッシスワームは最低でもフリーズは使わなかったのだろう。完全なる時間停止能力とか、どうやったって太刀打ちできんからな……。

 

 それでも、やはりカッシスワームを倒したのなら……皆はすげぇ。前世の記憶があるだけに、俺が対面していたら萎縮してしまっていた可能性だってある。

 

 グリラスワームだったら……完全にアウトだったな。前にも言った事があるような気もするが、グリラスワームは俺の数少ないトラウマなのだ。

 

 今でも少し三島さんが怖いのは、そんな感じの理由だったりもする。デザインだけだと、かなりカッコイイんだけどね……うん。

 

「んじゃ、工場は……」

 

「うん……しっかり海の藻屑……」

 

「ミッションコンプリート……だな」

 

「そうだね……。でも……」

 

 簪が言うには、必要そうなデータ等は爆破する前に消されてしまったらしい。抜け目ないと言うか、もしかすると何かのきっかけで自動的に消去される仕組みだったのかも。

 

 それは仕方が無い事だとして、これで一安心だ。連中の残った戦力として、どれだけのワームが存在するかは謎だが、確実にかなりの痛手を与えられたに違いない。

 

「それと……ソルから……伝言……」

 

「!? あの野郎……来てたのか!?」

 

「らしい……。けど……今はまだ時じゃないって……」

 

 どうやらオータムを倒し俺が気絶した後に、ソルが現れたらしい。目的としては、単なるオータムの回収だと言っていたようだ。

 

 なぜ初めから戦闘に加わらなかったのか聞くと、目的は果たした……そうも言っていたらしい。……防衛が目的で無い?オータムも遊んで来いと語っていたし……どういう事だ?

 

 ……解からんな。気にはなるが、後回しで良いだろう。それで、ソルが俺に伝えたかった事と言うのは……次こそが決戦である……とのこと。

 

 それまでに万全でいろと、俺に言ったらしい。……まるで、ようやく準備が整ったとでも言いたげだ。だとすれば、今回の件でようやく五分であるとも取れる。

 

「…………。もっと、強くならないとな」

 

「真……」

 

 そう固く決意し拳を握る俺を、簪は少し心配そうな顔で眺めた。確かに、今回の件を見る限りは心配するだろうな。だけど、奴は俺とのサシを望んでいる。

 

 ハッキリとした理由は言えないが、アイツが約束を違えるとは考えにくい。奴なりのこだわりとやらが出来てしまったらしいからな。

 

 俺も俺で、奴とのサシを心待ちにしていたりする。どうしてだろうな……最近まで憎い相手だったに違いないのに。あの日ソルと対面してから、奴はどうにも変わったように感じられた。

 

 いや、自分で心を入れ替えるっつってたか。……油断のない奴は、どれほどの強さなのだろうな。100%勝てるなんてのは、とてもじゃないが言えない。

 

 しかし……無駄に簪を心配させても仕方が無い。男には、分かっていても虚勢を張らねばならない時があるのだ。もちろん、奴に負ける気なんてさらさらないが。

 

「簪、そんな顔をすんなって。奴だけには、絶対に負けない。必ず……勝って見せる」

 

「……信じてる……から……」

 

「ああ、ありがとう。期待には応えるからな」

 

 簪は少し目を伏せたが、顔を上げた時には既に微笑みへと変わっていた。決して無理をしているのではなく、心の底から俺の事を信じてくれているのだろう。

 

 俺にはそれが、本当に力になる。簪が隣に居るだけで、俺の足は前へと……未来へと進んで行けるんだ。そこに立ちはだかる大きな壁、亡国機業……。

 

 本当に邪魔な連中だが、簪と一緒ならば造作も無い……高くて越えられないのなら、ぶち抜いても進むのみ。そう……簪と一緒ならば……。

 

「簪」

 

「うん……?キャッ……!?」

 

 一度ベッドから降りて、簪を横抱きでかかえ上げた。そのまま簪を、先ほどまで俺が横になっていたベッドへ寝かせる。さっきとは違って、俺が上で簪が下だ。

 

 急な事で、驚かせたことだろう。しかし……俺は無事生き残った。そうすれば……心に決めていたのだ。ここで簪の……全てをモノにすると。

 

 正直な話……完全に守れなかった俺に、簪を堂々と抱く資格など無いようなもんだ。しかし……いつだって浮かぶ俺のこういう考えは、結局は『逃げ』なのだ。

 

 だからこそ、この間も簪を抱けなかった。簪を傷つけたくないだの綺麗事をつらつらと述べて、紳士ぶって逃げ道を捜して……。いつだって、俺はそうなんだ。

 

 もうそう言うのは……いい加減に嫌気がさしてきた。心から簪を愛し足りてやしないし……簪にもっと愛されたい。欲望のままに行動したって良いんだ……だって俺と簪の間にあるのは、間違いなく『愛』なのだから。

 

「簪……俺は、お前が欲しい。お前の……全部が」

 

「…………!?」

 

 おうおう、驚かせてるなぁ……。ま、雰囲気作りは一応したつもりだが……ほとんど流れをぶった切ったような感じだったし無理もない。

 

 簪は顔を真っ赤にしながら、両手で顔を隠した。しかし俺は、簪の手を指と指とが絡む……いわゆる恋人つなぎで、半ば強引に開かせた。

 

「あ……その……。や、優しく……してね……?」

 

「…………。ああ、勿論。約束する……」

 

 ぶっちゃけ、そのセリフで半分ほど自信が吹っ飛んでしまったが……。とにかく、覚悟を極めよう。俺はこれから、愛した女を抱くのだから。

 

 手は出すまいと思っていたが、それなりに勉強はしてある。十分に焦らしてからだ……と、そんな感じだった気がする。だからまずは……キスからだろう。俺は簪に馬乗りになった状態で、その唇に……。

 

「簪ちゃ~ん。そろそろごは……ん?」

 

「「…………」」

 

「…………ごゆっくり~……」

 

 ……何と言う……神がかりなタイミングなのだろうか。俺と簪の唇が振れるか触れないかの寸前で、医務室へと姉貴が入って来たのだった。

 

 流石に……察されたのだろう。姉貴はすさまじく気まずそうな雰囲気で、医務室の戸をそっと閉じた。……一周回って、恥じらいも何も感じない。それどころか俺は、なぜか可笑しくて……簪の上から退きつつ声に出して笑う。

 

「クッ……クククク……!あれだ、バチが当たったな」

 

「バ、バチ……?」

 

「ああ、そもそも……他の連中が居るのにしようとしたのが間違いだった」

 

「一理……ある……」

 

 本当にな……。それを言わせれば、前回なんかはベストタイミングだったろうに。もう今更何を言っても遅いのだが……。まぁいいや、とにかくそんな雰囲気では無くなってしまった。

 

 少し首を傾げながら簪にアイコンタクトを取ると、どうやら簪も同じらしい。それを確認した俺は、黙ってベッドから降りた。それに簪も続くが、足に力があまり入っていないらしい。

 

「大丈夫か?」

 

「えっと……ビックリしたから……」

 

「ん、あぁ……悪い。……ところで簪……今度は、二人っきりの時に……な?」

 

「ひぅっ……!ま、真の……馬鹿……!」

 

 俺の意地悪な言葉に、簪は本当に腰砕けになってしまった。まぁ……耳元で囁きましたし?そもそもこうするための目的でしたし。

 

 あれだよ、好きな子には意地悪したくなるとか……そんな感じ。あぁ~……ダメだ、浄化されそう。照れている簪は本当に、ヤバイ級の可愛さだ。

 

「なんにせよ、飯ならとっとと行かないとな。姉貴に変な勘繰りされても困るし」

 

「お、置いて行かないで……」

 

「アホゥ、んな事するかっての。よっ……と」

 

「え……?こ、このまま行くの……?」

 

 俺は再び簪を横抱きでかかえ上げる。簪は困惑気味だが、他にどうしろと言うのか。この状態を見られることに恥じらいがあるようだが、既にもっとまずい所を見られてるのだし。

 

 今更……だろ?他の連中にはからかわれそうだが、俺はそれで構わない。まぁ……簪がよっぽど嫌だと言うのであれば、背負ってでも別にいいのだが……。俺がそう言うと、簪は首を横に振った。

 

「なんだ、最初からそう言えよ」

 

「真の馬鹿……」

 

「ああ、俺は馬鹿だよ。主に簪馬鹿」

 

「も、もう……」

 

 どうやら簪としては、俺が意地悪な事を言うと『馬鹿だ』と返す傾向にあるらしい。だがそんなのは、とっくの昔に分かった事のはずだ。

 

 俺は宣言通りの簪馬鹿だ。簪煩悩と言い換えても良いのかもしれない。堂々とそう言い切る俺に、簪はなんだか呆れ気味だ。それでいて、嬉しそうでもある。

 

 なんであろうと、簪が嬉しく思ってくれるのならば……俺はそれで良い。この命燃え尽きようとも、俺の人生は簪の喜びの為にある。

 

 此度の戦いで、それを再認識するにあたった。とりあえずは、簪を軽々と持ち上げる事の出来るこの肉体に感謝だな。さて……簪を運んで、俺達も飯にしますかね……。

 

 俺の腕の中の簪は、大人しくしてくれているため移動はスムーズに済んだ。客船のレストラン寸前のところでは、降ろしてくれと懇願されたが……。

 

 そのまま突っ切ってやろうとした俺に対し、簪はまたしても『馬鹿だ』と言う。そんな簪の小さな背中を、意地悪な笑みで追いかける俺であった。

 

 

 

 




とてつもなく無駄なソル視点。

ってな訳で、亡国の今回の目的はデータ収集でした。んな事しなくても、データくらい揃ってるだろって?そこは言わないお約束です。

ソルの地の文で語らせた部分に『とある奴ら』の特徴を一応は被らせたつもりです。あれだけでピンときた方は天晴!

分からなくても、大したことは無いです。どうせ九章で出て来る事になりますから。つまりは九章でついに『アレ』がお披露目な感じですね。

さて、次回が恐らく八章の最終話です。基本は真の休日として送りますが……まさかアイツと遭遇するなんて……!?みたいな感じでお送りします。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。
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