私たちのBlueArchive   作:青影

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 気が乗らずにサボってたら1週間以上経ってました。





魔王と勇者 前編

 

 

 

「はー、今日も暇だ」

 

「そうですね」

 

 美甘ネルと飛鳥馬トキは部室で暇を持て余していた。C&Cの他三名は任務中で、ネルとトキだけが置いてかれていた。この二人ではでは会話も長くは続かず、かといって他にすることもないままで大人しく部室で待機をしていた。

 

「今日はあのチビも遠出してるだかでいねぇしよ……」

 

「私もネル先輩の相手をずっとしているだけでは疲れてしまいます……。少し散歩してきます」

 

「ああ?あたしもお前の相手をずっとしてるのは疲れるけどよ、流石に置いていくってのはねぇだろ……」

 

 トキはいそいそと部室から出てとある場所へと向かう。当然、ネルもそれに付いて行く。

 

「おい、どこ向かってんだ?」

 

「ネル先輩こそどうして付いてくるのですか。私は今からヒマリ部長に会おうと思っていただけなのですが」

 

「はぁ?ヒマリにか?……ならわざわざ行く必要はねぇか」

 

「あ、そういえば」

 

 ふと思い出したかのようにトキは語り出す。当然、全て計算の上での行動だ。

 

「今私に付いてくれば、強い敵と戦えるかもしれませんよ?」

 

「……はっ、そいつはいい」

 

 「強い敵」と聞いて食いつかないネルではない。トキは、ネルとの戦闘のリベンジマッチを行うために。ネルは、より強い敵と戦うために。各々の目的で新たな戦いへと身を投じるのだった。

 

 

 

「……で、これを使えば強ぇ敵と戦えるってことでいいんだな?」

 

「ええ、本来の用途ではありませんが……」

 

「私たちのリーダーが無理を言ってすみません、ヒマリ部長」

 

「お前が言い出した事だろうが!」

 

「ふふ、面白そうなので許しましょう。さて、相手は誰にしますか?」

 

 トキは敵の一覧表を眺めながら考える。確かに強い敵が並んでいるのは事実だ。ハイエンドモデルのドローンやオートマタに始まり、デカグラマトンの預言者、他校の生徒等々。ただ、勝負をするなら自分もネル先輩も倒せないような相手と戦う方がいい……そんな考えに至った。

 

「ヒマリ部長、実際にキヴォトスに現れたものでなくともいいんですよね?」

 

「はい。【電子の箱庭】はあらゆる可能性を演算できますからね。とはいえ、戦闘用シミュレーションではないので細かい調整はできませんが」

 

「それで問題ないです。その条件下での最強の相手と戦います」

 

「はぁ!?」

 

「なるほど、最強の相手ですか……」

 

 ヒマリはしばし考え込み、そして思い出す。自分達の記憶の中にもそういった存在がいたことを。

 

「それでは準備しますね」

 

 ヒマリは【電子の箱庭】の設定を小慣れた手捌きで入力し、演算を開始する。

 

「で、どっちが先攻だ?」

 

「ではネル先輩からどうぞ。私はネル先輩の戦いぶりを見て、それを元に有利に戦います」

 

「はぁ!?普通先行は見ないようにするもんだろ!見てたら確実に後攻が有利じゃねぇか」

 

「ですが、本当に強ければ先行でも勝てるはずですよ?」

 

「それはそうかもしれねぇがよ……」

 

 そんな事をしているうちに、【電子の箱庭】の演算は終了した。

 

「はい、できましたよ。少なくとも私の知る中では最強の相手です」

 

「……そうか、それじゃあたしが先にやらせてもらう」

 

 ネルに先攻をさせようとしていたのは冗談だったのだが、それをそのまま採用されてしまいトキは驚く。

 

「おや、いいのですか?流石にジャンケンなどで決めようと思っていたのですが」

 

「さっきお前が言っただろ?本当に強ければ先攻でも勝てるって。だから先攻で勝って、あたしの方が強いってことをハッキリさせてやるんだよ」

 

「流石にそれは無茶だと思いますが……」

 

「はっ、どんな敵が相手でも絶対お前に勝ってやるよ」

 

「そんなことばかり言ってないで早く準備してくださいね?」

 

「分かったよ!……ったく、人が気合い入れてるってのによ……」

 

 ヒマリに催促され渋々ヘッドセットを装着し、ネルはダイブをする。その先に思いもよらぬ光景があるとは知らずに。

 

 

 

「……なんだよ、これ」

 

 ミレニアムの校舎が跡形も無くなるほどに破壊され、辺り一面は火の海。周りには多くの生徒が無造作に転がっていた。そして、その惨状の中央に立つのは────

 

「────有機体の生存反応を確認。殲滅を開始します」

 

 そこにいたのは、魔王(AL-1S)だった。

 

 

 

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