今日は土曜日だ。そう、 池谷先輩が言っていた交流戦の日である。
本来行く予定は無かったのだが、父親である八嶋 玲が行きたいと言い出し今に至る。父も車を持っているはずなのだが。
そうして今、 二人は秋の運転するR34で秋名山に向かっていた。
玲「そういやお前最近どうなんだ?」
秋「なにが?」
玲「いや、友達とかさ。ホラ、 お前小中学校だと全然友達いなかったろ?」
秋「まぁな。でも今はコイツもあるし」
玲「車は友達って言わないぞ?」
秋「チェッ...イケると思ったのに」
玲「俺とは違う生活を送って欲しいんだがなぁ...」
秋「てか親父って何乗ってるんだ?」
玲「ん? 秘密〜」
そうやって親子の何気ない会話をしていると秋名山の麓に到着した。既に走り屋のマシン達で駐車場の大半が埋まっており、まぁ、 あんまバレないだろうと秋名スピードスターズのマシンたちが止められているところにマシンを止めた。
イツキ「あ! 秋も来たのか〜!」
速攻でバレたが。
玲「お? 友達か?」
秋「あぁ、最近できた友達」
イツキ「えっと...誰?」
玲「どーも。昔ここの峠でそこそこの名を馳せていた秋の父でーすよろしく〜」
親父のこの言葉に秋名スピードスターズのメンバーよりも先に驚いたのは親父と同年代のベテラン走り屋たちだった。
そしてそのままおっさん達の方へ行ってしまった。何したかったんだ親父。
池谷「来たんだな」
秋「えぇまぁ。行きたいって言ったの親父っすけどね」
池谷「じゃあ...」
秋「いや走る気はないですけど」
イツキ「そこは走れよ!?」
秋「え〜だって面倒くさいし...」
イツキがなんかギャーギャー騒いでるけどそれは無視するとして。まぁ走りたくないのは事実だ。明日またレースがあるので、もしここで走ってマシントラブルに巻き込まれたくないのだ。
そんな事を考えていると遠くから多くの車のウエストゲートの音やエンジンの音が聞こえてきた。1番先に大きく聞こえてきたのは、 ロータリーエンジンの音だった。
ギャラリー「おぉ! 来たぞ! 赤城レッドサンズだ!」
ギャラリーの誰かがそう言いコーナーのところを見ると白のFC3Sと黄色のFDが勢いよくコーナーを駆け抜けて行った。
秋はこの時、 自分の心の中で何かが変わった気がした。玲もその変化に気づき、 ギャラリーから少し離れると携帯を取り出しどこかに電話をかけ始めた。
玲「...俺だ。話がある」
その頃、秋は近くにいた池谷先輩にさっき目の前で起きたことについて聞いていた。
秋「なぁ、池谷先輩」
池谷「...? どうした?」
秋「さっきのって何すか?」
池谷「何って...ドリフトだが?」
秋「ドリフト...ねぇ。ありがとうございます」
池谷「お、おぅ」
イツキ「ってか秋お前ドリフトも知らねぇのか!?」
秋「あぁ、 さっき知った。俺はストリート専門だからな」
イツキ「てことはあのR34は...」
秋「俺のレースマシン。なにか文句でも?」
池谷「レース?」
秋「俺のやってるレースはどっちかって言うと首都高とか、 環状線みたいなハイスピード
レースなんですよね。だからドリフトみたいな挙動で使うのはキツくて結果的にグリッ
プの挙動になるんです」
池谷「...もしかしてお前、 今までずっと?」
秋「まぁ、 そうっすね」
交流戦のレースまであと、1時間。
秋を一言で表すなら、湾岸ミッドナイトの「相沢 洸一」です。
暫く続きます! また次回〜!