とあるギルド 異世界に行く。   作:トロトロ玉子

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いろいろ至らないところがありますがどうかお許しを


とあるギルド そこにある

 

 

 

豪華絢爛、そのような言葉で表すのが相応しいような廊下を静かな足音を立てながら進むものが1人。そのものは癖っ毛な蒼の髪に175センチほどの身長、緑の混ざった赤の瞳を持つ青年だ。

衣服は白と金を基調としたいかにも神官などが着用していそうな制服、前は少し間の空いた二列に並ぶボタン閉められ上半身の装飾の数々は足元までにも続いている。そして彼を一目すれば誰もが必ず目が行く存在が青年の背負う十字架形の杖だろう。十字の交差部分にエメラルドが埋められた、黒鉄色の素材は見ただけで高価と推察できる。彼は急ぐ様子はなく目的地に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DMMO-RPG「ユグドラシル」

ユグドラシルとは西暦2126年日本のメーカーが満を持して発売した、仮想世界内で現実にいるかのように遊べる体感型ゲームである。プレイヤーは自分の投影としてキャラクターを動かして冒険し、剣と魔法を駆使して未知を探究することをコンセプトに遊んでいく。北欧神話をもとに制作されており、九つの世界もといサーバーは東京よりも広いと言われている。

 

ここはユグドラシル内のワールドの一つ、【ヨトゥンヘイム】

そのヨトゥンヘイム内の辺境に位置するとある町

「龍幻郷」

ユグドラシル内でもかなり危険度が高いことが知られるドラゴンが種類も数も多く生息しており、簡単に近づける場所ではない。そんな危険地帯に聳え立つ一つの大きな教会のような建造物、常に雷雲が立ち込める龍幻郷の中でも特に強く雷が降っているその建物付近には周辺地域において、数段強いドラゴンが待ち構えている。壁は白と銀が主に使われ、動くことがなくとも威厳のある風格を建物からは感じる。このダンジョンのラスボスは雷属性が大幅に強化された上位古老雷豪の龍(グレータープラズマエインシャントドラゴン)、ギルド規模は城以上、そして攻略時のnpc製作レベルは1650、

この協会の名は

「ヴァラモン我央領堂」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは部屋というより一つの芸術品のような美しさを誇っていた。金や銀などの派手な装飾品は一切見受けられず、あるのは木製の家具、石造の壁。しかし、その壁の彫刻や刻まれた文字は質素ながらも価値を見出していた。その部屋は縦に長いテーブル掛けがかけられ、長方形になるように配置された机が4つ、そこに100個の椅子がその机を囲うよう置かれていた。

その部屋に二つの影が席に座っている。

 

「はぁー、アーヴァさん遅いですねー」

男の声が響く、同時に、その発言者からは困り顔のアイコンが発信された。

「はい、、、もう、時間は、、過ぎて、、る。」

今度は少女らしき声が聞こえる。少し途切れ気味に話す。

両者ともに会話において常に表情の変化はなく動作のみが変化している。

「最終日なのになぁ〜。せっかくならいつものメンバーで懐かしい話でもと思ったけど、忙しいのかな?いや、ただ寝てるだけだと思うんですけどね、あの人なら。でも、トトラトトラさんだけでも来ていただけたのは僕は嬉しいですよ。」

「あ、いえいぇ、、堕黒百足さん、、私も来たくてきました、、から。」

トトラトトラは笑顔のアイコンが表示する。

 

 

堕黒百足の声がまた響く。

「それにしても久しぶりに来たなぁ、このヴァラモン我央領堂。

いろいろありましたね〜 我らがギルド『ビジョンオブドラゴニア』も。大学のサークルから始まって、えっと、ユグドラシルが始まって3年だからもう9年ぐらい経ちましたか。はへぇ〜、なっが。今ギルドランキング何位でしたっけ?」

少し考え事するような動作から思い出した動作に切り替わるとトトラトトラは返答をした。

「、、、、確か今は91位、、最高が19だった、、気がす、る。」

「よく覚えてますね。そっか、あ、そうだった!トップテン入り出来なかったんでしたよね。」

そのことを思い出した堕黒百足は悔しかった気持ちや後悔の念、その過程の楽しかった出来事などを懐かしいの一言にまとめて、遠くを見つめているような目を壁の一点に向けた。この場は自分とその仲間たちが手に入れた、いわば思い出のところだ。しかし、所詮ひと時の遊び、少し時間が経てば切り捨てられ忘れ去られ、崩壊していく。自分も切り捨てた一員だ。悲しいわけではないと言えば嘘になる。もう少しでサービス終了、全て終わる。そんな中何か痕跡が残って欲しいのだ。自分とその仲間の。

「懐古の気持ちに浸るとまたユグドラシル遊びたくなるなぁ、まだ、サビ終まで時間ありますけど

何かします?最奥金庫にでもいってギルメンたちの黒歴史(小説)でも読みに行きます?」

「あぁぁ、ぁ、私的な意見、、を聞いてもらい、たいん、ですけど、、格納庫にある機体たちを最後に乗り回したなぁーーなんて、、、いいですか?」

「機体?、、あぁ!パワードスーツのことですか!いいじゃないですか。いきましょう。僕も乗ってもいいですか?」

「ぁ、はぁ、や、やった。あ、はい!もちろんです。」

意見の承諾を得ると2人、

いや、[一匹]と[一体]は席を立った。

 

堕黒百足は普段は漆黒の鎧武者で二十代前半の黒髪ポニテ女性のビジュアルをしているネカマプレイヤーだが、真の姿は毘沙門天(びしゃもんてん)上位寿健の百足(グレーターセンチコロヴォルカ)を種族レベルに選択しているため5メートルもの巨体を持つ大百足に変身する。彼は一撃必殺にとても魅力を感じており、職業や種族、武装に至るまで、一撃の重みを重視した構築になっている。

武器は身の丈以上の大太刀を常備して、両手で振り回すのが彼の戦闘スタイルだ。

 

トトラトトラは薄緑色のツインテールと右目にメカメカしい鉄色の眼球を持つ十代前半の外見を持つ機械生命体である。種族に自動人形(オートマトン)戦争機械(ウォーマシーン)を選択したためガンナーなど魔導銃を用いた戦闘が適正だが、彼女はあまりこの戦闘スタイルを使用しない。それは彼女が大のメカファンであることが理由である。彼女は元々ユグドラシルにあまり熱はなかった。友達に勧められ、無課金プレイヤーとして低頻度で遊んでいた程度だった。しかし、ユグドラシル後期大型アップデート「ヴァルキュリアの失墜」からの自動人形(オートマトン)や後から追加されたパワードスーツに魅入られたことが火をつけた。自分でパワードスーツを製作して操縦する。彼女の腕は製作者(クリエイター)としても操縦者(パイロット)としても一級品と言えるだろう。彼女をここまでにしたのはユグドラシルの奥深さが素晴らしいのとファンタジーの世界にメカが混じることのスパイスが新鮮に感じたからだろう。

 

彼らが所属するギルド。

それが「ビジョンオブドラゴニア」

ギルド長、アズキイロヒャクテン。総ギルドメンバーは60人

どんなキャラクタービルドでも加入可能だが、ギルドメンバーが全会一致で信用できると判断されたものが加入できた。ギルド長や初期メンバーが人間種なためメンバーも人間種が多かったが異業種も少なからず存在し、亜人種プレイヤーはギルド内に1人存在した。ギルド拠点はヴァラモン我央領堂 龍幻郷の中にあるダンジョンである。ビジョンオブドラゴニアは当時のメンバー49人(堕黒百足とトトラトトラを含む)で攻略した。npc製作レベルは元の1650から初見クリアボーナスに300、加えてギルド長がユートピアオーナーという特殊なクラスを取得していたおかげで50のボーナス。合計で2000レベル分になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一匹の百足と一体の機械が会議室と命名されているこの部屋を出ようと扉に向かう時

扉が何者かによって開かれた。視線を合わせると、入ってきたのは蒼髪の青年であった。

堕黒百足とトトラトトラは入ってきた青年に驚きつつも呆れた顔をしながらその青年に話しかけた。

「アーヴァさん、遅いですよ。かなり待ってたんですからね?」

「こんちはー、マジでごめん。寝てて、さ」

アーヴァと呼ばれた男は謝罪の気持ちがあるのか疑われるようなトーンで返した。

堕黒百足とトトラトトラは数年間の付き合いで、もうこのようなやり取りは幾つも経験してきた。今更どうこう言うつもりなどない。

「あ、、やっっぱり」

トトラトトラはボソッと今ここにいる他の2人に聞こえるか聞こえないかギリギリの音量で発した。

「今からトトラトトラさんとパワードスーツで最後に遊ばないかって言われたんで格納庫に向かうところなんですよ。アーヴァさんも行きます?」

「うん、じゃあ行こうかな」

 

3人は転移の魔法が込められているネックレスで掻き消えるようにその場から姿をなくした。

 

 

 

 




執筆って大変
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