ドライアードと分かれたトトラトトラは、トブの大森林内の南の地域に移動していた。
まだ、聞いた話でのカッパーが薬草採取にかかる日数にはいくらか時間があったため、エ レエブルよりも南の大都市、エ ランテルに観光目的で訪れることにした。
エ レエブルで大雑把な周辺地域の地図を見ただけの情報では、エ ランテルまでの正確な位置は特定できなかった。。ヴァラモン内のツェンという81レベルの情報系魔法詠唱者のnpcに場所の捜索を頼むこともできるが手間であることに変わりがない。
トトラトトラが当てもなく進んでいくと森を抜け、草原が広がる地域に出た。草原だけが広がるだけでなく地肌が見える道が存在しており、辿ればかなりの時間短縮になることが期待できる。
そして、道なりに進むと、とある4人の集団が焚き火を中心に集まり、野営をしているのを発見した。
冒険者チーム 漆黒の剣はモンスターの討伐という依頼ではなく、人間の危険を脅かすモンスターたちを一定数狩ることで冒険者組合から出る報奨金目当てにトブの大森林近くにいた。
日帰りではなく一泊の野宿をしてからの帰還を予定して、明日中にはエ ランテルにつく。
今は夕食中であり、火を囲んで談笑していた。
「今回も問題なく終わりそうだな」
リーダー、ペテロ モークの一言から始まる。
「ゴブリンとか弱いやつしか出ないからな」
金髪の男、チームの目と耳であるレンジャーのルクルットが応じる。
「しかし、油断は禁物ですよ」
ニニャという魔法詠唱者が答えた。
大柄な男 ダインウッドワンダーはその場で口を閉ざしたままであった。
四人は食事を口に運びながら、話のタネを探し出す。
少しの沈黙が過ぎた後。
「噂で聞いたにすぎねぇんだけどさ」
ルクルットが一石を投じた。
「なんだ?」
「王国戦士長のガゼフ ストロノーフっているだろ。」
「かの周辺じゃ負けなしという戦士長殿であるな」
ダインが理解を示す。
「ああ、その戦士長が最近、死んだって話だ」
「えぇ!」
「なんと!?」
「いや、まぁ、まだ、噂の類だけどよ」
「行方不明だって話は俺も聞いたな」
「王国もヤバイんじゃねぇのか?」
「すぐに崩壊はないでしょうが段々と危なくなりそうですね。他国に移る事も考えておくべきでしょうか」
「また、カッパーからやり直しかよ」
「そうだな」
「明日、エ ランテルに帰るんだ。その後にでも考えよう」
夜が明けて、漆黒の剣はエ ランテルに向かう。後ろにはトトラトトラが隠れながら、同じ道を歩んでいた。この世界での一般的なレベル帯なら探知することはかなり困難となるような潜伏アイテム「奇石の透過ブリリアント・スルー」を起動して進んで行く。ユグドラシルでは低レベルからのヘイトや認識を無くす効果があるがレベル換算だと40〜45レベル帯の潜伏能力なため高レベルプレイヤーからは意味のないものだが、低レベルモンスターたちのヘイトが向かないので、状況によっては活躍するアイテムであった。
漆黒の剣の後ろをしばらく歩いて太陽が上がってから真上に来た頃、石作の壁が見えてきた。
数メートルある高さの上には兵士が監視をしている。門と思われる場所にはおそらく入るための手続きを待っている訪問者たちが列を作り暇を潰す話を続けていた。
この都市がエ ランテル。王国、帝国など各国の商人たちが行き交う貿易の最大地とも言われている。トトラトトラはアイテムの効果により、誰にも観測されずこの近くまできた。不法侵入することは容易いがこのパワードスーツは周りからすると目立つ上、バレた時に面倒ごとになってしまう。少し考えて、一度誰も見ていない場所まで移動、そこからアイテムを解除してから歩いて門のところまで向かった。
「合格できるといいねぇ」
「卓越された頭脳の持ち主のアーヴァ様なら人の作る問題を解くことなど容易いと思いますが」
「そ、そうだといいねぇ」
アーヴァは今日が予定していた帝国の学院の入試当日ということで、魔法学院へと足を進める。特に緊張する中、昨日、一昨日と同様とは行かずにに過ごしていた。
魔法適正を示すことが中途入学への道に繋がる。
魔法の適性があれば、筆記の試験があまり重視されずに入学することが可能とは聞いているが、信仰系魔法詠唱者の自分では何かイレギュラーが起こってしまう可能性があることも少し頭に入れておく。
魔法学院の建物は高く高く聳え立っていた。何階とも推測できない大きさに広大な領域が広がる。
魔法学科の案内に沿って、入った会場は基本的に自身より背丈が小さな子供が多く、所々に青年と呼べる年に見えるものが座って試験開始を待っていた。
アーヴァの席は部屋から入ってかなり奥の場所にある。イオリアの席はアーヴァの右斜めであった。
教材に目を通す者、内容は分からないが何か話をする者、そしてアーヴァのように考えごとをしているかボーっとしているかの様子で過ごす中、生徒たちが入ってくる扉とは違う扉が開き、中年の男性が入ってきる。
「今から10分後に試験が始まる!荷物は全てしまえ!机に置くのは筆記用具のみだ!」
縦にも横にも大きな部屋全体に響き渡る豪快な声で試験官は言った。受験者たちが準備を始めると同時に、試験官と同様の扉から数人のローブを身につけたいかにもな魔法詠唱者(マジック・キャスター)姿の人たちが入場し、袋に入れられた紙を受験者たちに配り始めた。
もろもろの注意事項が説明された後、試験開始を知らせる鐘(元の世界のような電子音ではなくベルを使った金属音)が鳴り、勢いよく用紙を開き解き始める。
かなりしくじった。
アーヴァの絞り出した一言の感想である。
知識問題や頭の柔らかさを問う問題が多いことは知識として知っていたが自身でも恥ずかしいくらい理解できなかった。
魔法を受験時点で習得している生徒には実技の試験が待っている。
その待機室にて、イオリアはアーヴァと会話をしていた。
「終わった。落ちた」
「お気持ちを保ちください!アーヴァ様、実技なら高得点が狙えるはずです。」
「イオリアは筆記できたの?」
「、、、、、、とても難しい試験でした、、私は落第してしまうかもしれません」
アーヴァはイオリアの謎の間を見なかったことにした。
後日、合格の発表では無事2人とも試験を乗り越えることができたが
筆記の試験の成績第一位がイオリアだったことが忘れられない。
この世界に来てから、現地の人々が使う魔法と僕らが使うユグドラシルの魔法は似ているようでかなり本質が異なっているものなんだと知った。
生まれた時点で、魔法の才能や剣士な才能などの有無があり、魔法の研鑽、剣士の訓練もレベルが明確に表記されるわけじゃない。第三位階が使えれば優秀とは第十位階まであることから見れば下に位置する。ゲームが現実になったのではなく、現実に無理やりゲームの要素を組み込んだような仕組みだ。
上のようなことを考えながら
入学式にきる式服や、教材を買いに行く途中である。
「イオリア、魔法は何処まで使えるんだっけ?」
「第10位階までを修めています。卓抜せし方々には遠く及びませんが」
「それは専門特化じゃないからだろ。近接戦闘能力も合わされば敵なしさ」
「お褒めの言葉、痛み入ります」
「さて、金は入学試験での優秀さで大半は肩代わりされると言われているけどどのくらい安くなるかな」
ヴァラモン我央領堂内のフォースフロア、クアンタ モルギレが
特に、強力な酸と毒の攻撃を繰り出す金色のドラゴン
突出した能力は持たないが、その防御体制が高レベルモンスターたちに劣らない68レベルの
最高級の雷属性魔法を放ちながらその光の如き速さで突進攻撃を仕掛ける
これらの龍やポップする30レベル以下の比較的低レベルのドラゴンの大軍が侵入者に襲いかかる。
このフロアの中央には大きく聳え立つ巨大樹があり、ポップモンスターはここから出現する。
現在はアーヴァたちの命令で、ドラゴンたちの食糧が足りなくなることを防ぐためにポップモンスターは各種のドラゴンが一匹ずつ出されたままヴァラモン我央領堂内で飼育していた。
クアンタは主人たちにドラゴンたちの統治と生育を命じられ、その餌やりの時間が来たために巨大樹に訪れた。
餌の匂いに気がついたいく匹かの龍たちが目を輝かせながらクアンタを方向を向いているのが見えてくる。
「エサの時間だ」
クアンタはこのエリアに存在するドラゴンの数だけの皿を地面に置いていく。
それは各個体に合わせ代償様々な大きさがあり、その底には区別のためにと主人たちが名づけたドラゴンの名前が書かれてた。
「クロ、シロ、アオ、アカ、キ、ミドリ、ムラサキ、、、よし、色付きは全ているな」
30レベル以下のポップモンスターである色付きと言われた龍たちは各々が雄叫びを上げ気持ちの高揚を示している。他のここにはいないドラゴンたちはおそらくもうしばらくしたら個々に現れるだろう。モンスターたちのエサに当てられたヴァラモン内の食事を各自の皿に盛り付けていき、ドラゴンたちが食事を開始した。
「んん?今は餌やりの時間?」
溌剌とした元気な声がクアンタにかけられた。少女が発する甲高いその声色には思い当たる限り1人しかいない。セカンドフロア
「そうだ、昼食になるな」
「お外に出ないから時間感覚、狂っちゃうよねぇ」
ファーストフロアにある展望台やプラネタリウムを除き、ヴァラモン我央領堂には中から外を確認することができない。屋外に出る必要があったのだ。しかし、現在はヴァラモン我央領堂の全てが山の中に転移しまったために外に出たあと、山脈からも抜けることが必要になった。
「クロ、おいで」
そう呼ばれた種族名では
クロはアイネがこのフロアに訪れる最大の理由である。
何か面白いことがないかとフォースフロアに遊びにきてドラゴンたちと戯れていた時、詳しい出来事をクアンタは見聞きしていなかったがクロをとても気に入ったらしく、それ以降毎日、いつかの時間帯にこのフロアに訪れるようになった。自分のフロアの管理は部下に任せていると言っていたが、クアンタ自身もアイネが行うよりそちらの方がうまくいくと考えている。
「至高の方々が人間の街にいかれた。」
「うん、お兄ちゃんから聞いた。情報収集が目的だって。早く帰ってくるといいね」
「そうだな」
「みんな、早く帰ってくるといいね。」
「それは、いなくなられた至高の方々のことも含めてか?」
「ん?そうかな、、そうだね。も、もちろん!アーヴァ様にトトラトトラ様、堕黒百足様が無事帰還されることも望んでいるけど、私をお作りになられたあの御方が帰ってくることを何よりも望んでしまう」
「私も同じ気持ちだ。お残りになられた方々以外の、、例えば、私の創造主やアイネの創造主は何処にいかれたのか、何故、私たちをお残しになりこの場を立ち去られたのか、どんなところへとも極越者とならば赴く覚悟はできていると言うのに」
エ ランテル共同墓地
エ ランテルにて、配属された王国兵は墓場など負のエネルギーが集まる場所に生まれたアンデッドを帝国がカッツェ平野で定期的に狩っているのと同じように討伐する。数レベルのアンデッドが数体の群れをなしていることがほとんどであり、王国兵のように専業の戦士たちでないものでも対処ができる仕事であった。いつものような風景が続くことを望む王国兵のひとりは石造りの砦の上で監視の任を果たしている最中にある。
(何もないよな?)
動くものは見る限り風で靡く枯葉以外確認できず、安堵する直後、うしらから声が発せられた。
「問題ないか?」
「兵長!?こちら問題ございません!」
まだ、アンデッドの掃討という仕事を果たしたことのない自分にとってその返答はいい飽きるほどの文言だったが安心の証でもあった。
「まぁ、そう大変なことは起きないと思うから気軽にでもしといてくれ」
「はっ、ありがとうございます。」
「兵の交代までは後何週間かだっ、、、」
「兵長!?大変です!!」
兵長からとは反対の方向の城壁から1人の兵士が走って来た。
「そんな大声で、何事だ?」
「数千のアンデッドがこちらに向かって、進軍してきています!」
次回
堕黒百足回予定
イオリア
役職 ビジョンオブドラゴニア最高位護堂師
住居 ヴァラモン我央領堂のファイナルフロアの使用人一室
属性 極善 300
種族レベル 人間種のためなし
職業レベル
クレリック 10レベル
ハイクレリック 10レベル
イニシエーター 10レベル
チェインアポストル 10レベル
ザ ファウンダー 10レベル
ファントムシャイン 10レベル
シビリティリバレイシュン 10レベル
ゾディアークネメシス 5レベル
ホロスコープスト 5レベル
デュエルオブデマイズ 5レベル
ルミナスダイヤモンド 5レベル
ユニバースドグマ 5レベル
スカージ 5レベル