とあるギルド 異世界に行く。   作:トロトロ玉子

9 / 11
法都

 

法都 シクルサンテクス

 

スレイン法国の要となる大都市のひとつであり、行政機関の建物があることに加えて六大神の秘宝が保蔵されているために警備は厳重なものとなっている。

入国の際には王国、帝国と同じように手荷物検査がある上、入国許可証がないと新しく入国はできない。そのためコネや従者との関係がないものがひとりで入れる形態ではなかった。

スレイン法国で信仰されている六大神は六つの宗派に分かれ、宗教活動をしている。

宗教国のために王国、帝国と比べても宗教の影響が大きく国民の生活に数多くの方面で関わってた。

 

 

そこにエキゾチックな外見にもそれを感じさせず、堂々と道を闊歩する少女がひとり。

堕黒百足はスレイン法国の法都に訪れていた。

六大神が関係した国家という事前情報はあることからプレイヤーに関することが一番集まると考えたが、600年前に存在したということもユグドラシルでも情報は大切ということもあって、詳しいことは分からないだろう。

スレイン法国の入国は王国、帝国とは難易度が違った。

一般人が門を抜けたり兵を乗り越えることがあれば、いち早く兵がそのものを捕らえる練度が門番たちにはある。

そのために不審な行動を起こさず不法入国するには、誰にも知られず見られずが必要になってくる。

堕黒百足は入国の厳しさを現実の法国より厳重と考えていた。転移妨害は当然に、砦の上にいる兵士の数を現実の3倍を想定して計画、数日の偵察を入念に行う予定であった(何も知らない場合、堕黒百足は情報収集が普通と考えていた。他のように行き当たりばったりでなく)

しかし、二日ほどの遠距離偵察の結果、自分の感覚で大した防壁でないことが分かった。

ただ兵士たちが見ていない死角が生まれた隙に迅速で駆け抜けただけだった。

 

 

街中でも目立つのを避けるため、大通りはあまり通らずに図書館を目指す。

そして、幸いにも都市の中で一番に大きな図書館を見つけることができた。

外観からでも見て取れるような高い建物であり、入っても天井が十数メートルの長さには圧倒される。長方形型の空間を出ると円柱形の広間に六大神たちの六派それぞれの旗が掲げられ、その下に6体の石像が中央に向き合っていた。石像たちの目はいつまでも自分を見つめているような緊張感があり威圧されてしまう。堕黒百足は軽く見た様子で一番に人が少ないと感じた闇の神関係の本棚群に向かった。

 

 

「うぅ〜む、重要な情報はそうそう見つからないかの〜」

 

周りには聞こえるか聞こえないかわからない声量で呟いた。

半日ほど、本に齧り付いているが歴史といってもスレイン法国の建国当初や六大神関係のことは薄らとしていて確信的な情報に至らなかった。他の神の本なら見つかるかもしれないかもしれないがもうすぐでここが閉まってしまう。深夜に忍び込んで読むことも考えたが急ぐわけでもないし、異形種の中でも珍しく堕黒百足の種族寿健の百足(センチコロヴォルカ)は睡眠を必要とする種族である。睡眠を怠れば何かしらのバットステータスをもたらすかもしれない可能性があることは恐怖でもあった。本を元の場所に戻しために片付けを始める。

 

 

 

「見ない和装ね。今日は調べ物かしら?」

 

「?!、、、そうじゃ、、旅人でな」

 

(なんじゃ?こいつは、、

集中していたとはいえこんなに近い距離に人がいれば、気づくものじゃが)

話かけてきた人物は髪が左右で黒白に分かれている十代ほどの少女である。その髪の色とは反対の左右のオッドアイを持ち、少女とは思えない地に足がついた落ち着きようを感じる。その目は自分を見ている様で自分には興味がなく違う何かを見ている様にも見えた。明らかな異能、堕黒百足はこの目の前にいる少女がこの世界において隔絶した力の持ち主と推察するには容易であった。

 

「女の子1人でこんな夜遅くまで、、、送ってあげようか?」

 

(完全に物の言い様が誘拐犯のそれじゃな)

「ご配慮痛み入る。しかし、結構じゃ、輩の対処ぐらい自分でできるわい」

 

「そっかぁ、、強いんだ?、キミ?」

 

「最低限の護身術だけじゃよ」

 

「ふーん」

 

「??」

 

言葉と言葉の狭間、その間隔に攻撃は繰り出された。

白黒の少女はその華奢な体型からは想像ができない様な重さと早さの手刀が堕黒百足の頭を狙う。

意識外からの攻撃、しかし、彼女の持つ100レベルの戦士の肉体能力を用いれば、容易く避けることのできるものである。

 

「な、何を?!」

 

「おぉ、この程度も避けられ無けりゃ自分の身は守れないよって言うつもりだったけど、避けられたね」

 

「試したと?」

 

「暇つぶしのつもりだけど思わぬ収穫だったかな」

 

「シカトか」

 

「私の名前は、、、、、アン、、って呼んで」

 

「そういやまだ名前をいっとらんかったの。妾の名前は、、、、ダコじゃ!」

 

「そう、ダコちゃんいつまで法都にいるの?」

 

 

(スレイン法国は人間至上主義と聞く。人間に化けて要る妾の正体がバレたか?)

 

「決めておらんな、目的を果たすまでじゃ。」

 

「そっか、、お話してくれてありがとう。お礼に本を戻すの手伝ってあげるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気をつけて帰ってね」

 

「うむ。そちらこそ、では」

片付けが終わり、見送りに図書館入り口まできたアンと名乗る少女はゆったりとした顔を見せ、別れた。その気だるさも楽しさも読み取れる声色がバイバイの言葉を運んでくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女、アンことアンティリーネ ヘラン フーシェ

漆黒聖典 番外席次の座につく彼女は、六大神の秘宝の守護の任から外れ、図書館に休暇として訪れた。単なる本たちの探索のつもりであり、久しぶりの外での休暇には胸が踊るしかない。そこで見つけたのが彼女 ダコ 

自分が人よりも長く生きている生涯にて感じた気迫はあの少女のものと母からの物で一位争いをしている。それほどの力を彼女からは感じた。ただの着物姿の女とは決して侮れない存在だと体が発信していたのだ。

「彼女、私の攻撃を目で見てから回避していたような、、」

 

コンマ1秒のような一瞬の出来事ではあったが番外席次の目は先ほどの手刀を捕らえるダコの目線をはっきりと認識していた。先ほどの手刀はただの戦闘の経験者という実力では決してかわすことのできない速度を有していたはず。目で追うことすらそこらの兵士でも不可能だ。それを彼女はやってのけた。それに加えてあの一瞬に反射神経に頼らないような回避行動には隠れた彼女の能力が窺える。

 

 

「おもしろい子だったなぁ、スカウトってありかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、そのまた明日

堕黒百足はスレイン法国国立図書保蔵館に再び訪れた。

六大神に関することからこの世界の成り立ち。六大神の後にこの世界を支配したと言われる八欲王。

御伽話のように語り継がれるこの者たちを自分たちと同じユグドラシルプレイヤーと考えると彼等の遺した歴史を知りたい。あわよくば、六大神やそのnpcたちの中に寿命をもたぬ、たとえばアンデッド系列のキャラクターがいるのならば、話をしてみたいまでと考えていた。

六派全ての気になる本を読み終えた堕黒百足は時間にして三日を費やしていた。

多くのスレイン法国に関することと六大神にまつわる情報をここで集めるだけ集まったと考えた堕黒百足はさっそく、ヴァラモン我央領堂に帰宅する準備を始めた。

 

 

城塞都市エ ランテルまでの運郵便の馬車が出発するまでの数時間、堕黒百足は道中での気になる飲食店を訪れた。その建物は小学校の体育館ほどの広さだろうか、赤色の木造建築に洒落た看板が大通りに目立つように掲げられている。中には、20人ほどの人数が複数の丸い机を中心にそれぞれが食事に楽しさを見出していた。周りを見渡して、最初に思うことは酒が置かれた机がどこを探してもないことだろうか。宗教国家でありここにも神官と見える服装の人物が何人かいる。その机にないのは当たり前だったとしても他の一市民たちにもお酒の杯が見られないことは王国や帝国の酒場を聞いていた堕黒百足には驚きを与えられた光景であった。もちろんここだけがお酒の弱いまたは宗教的に飲まない人々が集う憩いの可能性もあるが、街並から否定する。

入り口から入って一番近い空いている席に壁に背を向ける形で座った。

 

選択した料理はハンバーグ。メニューの中でも2番目に高額の商品ではあったが肉を使ったものがこの一品しかなかったのだから仕方がない。この世界に来てから食事はヴァラモンから持ってきたただの腹を埋めるための携帯食品しか取ってない。現実でも食に興味がなかった堕黒百足は、さまざまな食材が豊富にあるこの街にその閉ざした世界への扉を開けさせられた。

いきなり、味が濃いものを食べると少し具合が悪くなるという話を聞いたことがあったがそれはハンバーグを選択しない堕黒百足の理由にはならない。

運ばれてきたのは湯気がホクホクと上がっている楕円形の肉、左右に置かれた鉄製フォークと鉄製ナイフ、わざわざ鉄を使っている器具には店の看板に描かれた紋章と似た装飾が施されている。ナイフを入れれば、中から肉の汁が溢れ出て、断面図が綺麗に面をなす。

 

やっとの気持ちで、口に含めば、

 

 

 

 

 

 

違和感 

 

 

 

 

 

 

 

 

毒が盛られたわけでも、味の濃いわけでも、自分の舌に合わない味だったわけでもない。

味のする柔らかいゴムを頬張っている感覚に堕黒百足は違和感を覚えた。

吐き出すほどの味ではないはずが、その衝撃からか口から全てのものを出しそうになる。

急いで、料金をお釣りもらわずに支払い店を出る。

 

 

 

 

小道にそれた先で嘔吐し切った堕黒百足は冷静になろうと状況を確認する。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、何なんじゃ、あの感覚は、」

 

牛や豚を使った肉ということは店員から聞いた。

この世界の牛や豚というは元いた世界と同じような品種であることも街の散策にて知った。

味のみが違うのだろうか

しかし、あの感覚は人が動物のエサを食べたように根本的に間違った食物を食していた感覚。

思わぬところに生活の障害が存在していたことに彼女は動揺した。

 

 

 

 

幾らか早いが、エ ランテルへの輸送馬車に忍び込んだ。

舗装された道は法都から少しの間のみだけで、そこからは草を払い土を平らにしただけの凹凸のある道が続いた。

物音を立てれば操馬主に気づかれてしまう。

ひっそりと自らを元々居ない物のように潜める。

 

 

 

幾日かを経て、馬車はエ ランテルに到着した。

空は漆黒の色と星々の光のみを写している。都市の人間は村に住む人々より明かりがあることで眠る時間が遅いと言われているがそんな人々でも多くは寝静まる時間のはず。

しかし、砦の外からすらも聞こえるほどに何かの騒音が響き続けている。

確実に何かの事態だ。

 

都市内に入ってから走ってすぐの場所で、その原因は理解できた。

無数のアンデッドである。この位置とは遠くにある場所でも煙が上がっていたことから都市全体にアンデッドが広まっているのだろう。

 

アンデッドは陣形を組んでいる訳ではなくただ目の前にいる生者を見境なく襲っているだけ、それに暴れているアンデッドは数レベル程度の現地の人々にとっても弱い存在であった。

アンデッドを操るネクロマンサーのような職業の仕業にも見えるが、こんな多数を支配下に置けるのは不可能だ、多数のネクロマンサーがいるか、ヴァラモン我央領堂のポップモンスターのように、無制限に召喚できるものなど以外は。

別に考えられる目的は何であろうか、この混乱に乗じた何らかの目的の遂行?都市を乗っ取る?ただただ生者の蹂躙?根拠もない推察が頭を巡るがこの状況になるおそらくの原因は、

 

「墓地じゃろうな」

 

エ ランテルは周辺三国が隣接する交易場所だ。今後にも役立つ機会は多数あるだろう。そのためにも都市が壊滅することはできれば避けたい。冒険者のように功績が広まるわけではないがあくまでも自分の利益のためにもこの事件を治めよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トトラトトラ「なんじゃ、、、こりゃ」

自分の向いている反対方向に逃げていく王国の兵士たちの後ろには

多数のアンデッド

聞くと墓地からの大量発生

 

冒険者 トトラトトラ 参る

 

 




今思えば、急な捏造設定出しすぎですね。
出したら注釈入れたいと思います。
間違いがあったらご指摘頂けるととても助かります!

今回の捏造設定
スレイン法国の入国許可関係

堕黒百足のスレイン法国偵察
(戦士がそんなに高度な情報収集できないと思うので、アイテムでどうにかしたかヴァラモンにいるキャラクターに頼んだということで)

図書館

アン → アンティリーネ

図書館には三日いたわけではなく、合計が72時間くらい居たよの意味で書きました。(時系列ぐちゃぐちゃになりそう)


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。