ダンジョンの処理係   作:ひっそりと

2 / 2
第1階層の調査

ダイとリハンは行方不明者の捜索のため第1階層を調査に来た。

 

「・・・これで5人目か、リハン?」

 

「ああ、2階層の入り口の反対方向にも迷い込む人間もいるものだな。」

 

「地図を見る能力もなかったか何かに追われてここまで来たか・・・。身元は・・・こいつはわかんねぇな。完全に白骨化してるしバラバラになってて性別すら分からん。・・・てか、冒険者の証明カードすら持ってないのは何なんだ?一般人が紛れ込むわけないよな?」

 

「冒険者の証明カードは色々融通が利くようになるし欲しがる輩は結構いる。だから割と高値で取引されるしな・・・」

 

「あー、ここまで来て金目のもんを持ってくこそ泥がいるってわけか。こそ泥のためにこんなとこまで来るとは小物なのか大物なのかわかんねぇな・・・」

 

「もう少し奥まで行ってみるか、まだ何人かいそうだ。」

 


 

「それにしてもやっぱ本当に広いなここ・・・まだ入り口から端まで半分くらいだろ?」

 

「"分かる限りの"端はな。まだ一階層ですら完全な調査が終わってないんだ。風の噂だが調査チームがこの前、半壊して暫く調査が凍結されることになったらしいぞ。」

 

「げ、まじか・・・じゃあこの地図もまだ未完成品なのかよ。今の時点で一階層だけで王都より広いんだぞ?これ以上広くなったらたまったもんじゃない。」

 

「全くだ。・・・お、1人いたぞ。」

 

リハンが壁にもたれている上半身のみの骸骨を見つける。

 

「こいつは・・・結構骨も脆くなってるな、随分時間が経ってる。お、証明カード持ってるな。・・・3等級か。」

 

「なら回収対象だな。でも3等級くらいだったら大体パーティだろ?こんな所に1人で死んでることなんてことがあるのかね。」

 

「"ライアン"か、行方不明者リストだと・・・失踪が大体1年半前か。結構前だな。パーティーは3人、残りの2人は・・・同時期に冒険者を引退してるな。」

 

「あー・・・しんがりでも務めたのかね。それとも意図的に置き去りにでもされたのか・・・ま、考えてもしょうがねえか。下半身探してくる。」

 

「頼んだ。・・・触ったら砕けそうだな。頭蓋骨だけ残して、後は詰めるか。」

 

リハンが人の頭が入るほどの大きさの箱を取り出し、そこに頭蓋骨をしまう。残りの骨や遺品を袋に詰め込んでいくとダイが戻って来る。

 

「辺りには無かったわ。・・・てか何の痕跡も無かった、血痕や遺品がそこらに飛び散るもんだが全く何も無かった。」

 

「上半身だけでも回収できれば十分だ、俺らの今日の仕事は行方不明者の捜索だからな。死んでることだけ確認できれば良い。遺体の回収はおまけだ、金になるってだけだな。」

 

「毎度思うが、ほんと淡泊だなお前・・・ちょっとは謎に思うくらいはないのかよ?」

 

「確証のない話は酒が入った時だけで十分だ、ほら帰るぞ。」

 

「・・・おう。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。