「あーっ! 今ちょっと入った!」
「ごめんごめん 先っぽだけだから… ダメか?」
「不細工は入っちゃダメって、自分で作ったルールでしょ! 守りなさいよ!」
「お父様、臭いです! どこか遠くへ行ってください!」
「いてっ そんな思いっきり切らなくてもいいだろうに…」
4年に一度、ビッグロックの美女の国、マリーで開催される美女コンテスト。開場はビーチなので海からでも見える。が、元は俺が嫁を選ぶためのコンテストだったはずなのに、その俺が島に身体が当たらないギリギリのラインから、コンテストを見ている。国民全体からブーイングと飛ぶ斬撃を浴びながら。なぜこうも嫌われてしまったのか。時の流れとは不思議なものだ。
こんな扱いだが、俺は10点を入れる権利を持っている。他に各地の王が、マリーの現王含めて、3点ずつ入れる権利を持っている。今回投票に招いた王は、マリーの女王、ガーディの王、クリエイターの王、ダイバース町長、エルバフの王といういつもの面子に加えて、ジェルマのジャッジと、ドレスローザのドフラミンゴ。ジェルマは科学交流目的で入れた。ドフラミンゴはどうしても取引がしたいと言ってうるさいから入れてあげた。なお、ドフラミンゴとジャッジはイケメン判定を受けて島に上陸できている。人外の俺よりは明らかにイケメンだし仕方ない。
「No.1、ドレスローザのモネ」
早速ミンゴの刺客、モネからだ。確かにいい女だな。だが俺にとっては身長が足りない。あの身体でエッチなんかしたら即死だ。
「まあ見てなって…」
ミンゴは自身ありげに笑う。うん? これは…。
急にビーチに雪が降り始める。雪がモネを包む。
「うふふっ よろしくね」
そして現れる。巨人族サイズの雪の塊となったモネ。しかも笑っている。
「おおーっ! 自然系か! すばらしい!」
「雪であれば不快ってこともないだろう? あんたにとっちゃな」
ミンゴが自慢げに言う。
「いいかもしれないなあ! で、貰えるのかあの子!」
「フフフフフ! 取引次第だ」
「おおっ」
悪い顔しとるなあ、ミンゴ君。でもおじさん気に入らない時は力ずくで奪うだけだから、気をつけた方がいいぞ?
次に現れたのはジェルマの人造人間。おお、完成していたのか!
「あなたから受け取った人魚姫の細胞から、クローンを作り出した。本来は赤子の年齢だが喋ることもできるぞ」
巨人サイズの何世代か前の人魚姫。少しだけ残っていた髪の毛から、ここまで復活できるとは。さすがはベガパンクに技術を貰っただけはあるな。
「こ、恐いよぉ…」
「おおっ 性格もそっくり!」
「お気に召していただけたかな?」
「もちろん! んで、貰えるのか?」
「それは条件次第だな」
こいつもか。まあ気に入らない時は奪うだけよ。
「続いて世にも不思議なトロトロの実を食べた液体人間! 悪魔の実なのに海も恐くない、ハニークイーン!」
「おお! この子も自然系か! 今年は豊作だなぁ!」
顔もエッチだし、服装もエッチだし、絶対こいつエッチ好きだろ。これはコンテスト終わったら即効貰いだな。
「続いて歓楽街の姫、ステューシー!」
「おお! なんか見たことあるぞ!」
「うふーんっ」
うわっ、めっちゃこっちに投げキッスしてきた。絶対俺の遺伝子狙ってるわ。あげよう。でも身長がなあ。俺とエッチしたら壊れちゃうよぉ。
「続いて万国の姫、スムージー!」
「くそっ なぜ私がこんなものに…」
「うわっ、リンリンの娘かよ」
まだ巨人の血狙ってんのかな? だけどリンリンは性格がなあ。この子は性格よさそうだけどさ。足長いしスタイルも抜群! もうちょい身長があればなあ。って、巨人サイズまでデカくなった! 悪魔の実か! 何の実か分からなかったけどこれはありだぞ!
「続いてクリエイター出身の人造人間、ウミ!」
「ふんっ」
おお、今年のクリエイター代表は青髪短髪のツンデレか。身長もしっかり巨人だしポイント高いなぁ。
「続いてエルバフより、ゲルズ!」
「よろしくね」
ああ、この子か。昔からかわいいと思ってたんだよねえ。コンテストに出たってことは男好きだったのか? 服装もエッチだしな。
「さていよいよここからは、マリーからの出場者です!
まずはポセイドンの娘さんから…」
「オニャーンでぇええええすっ! よろしくぅ!」
「ゲキツーでぇえええす! あなたのハートに、癒しを!」
「俺はルンルンだぜ! 今年のコンテストは俺が貰ったぁあああ!」
こいつらこのコンテストの主旨本当に分かってんのか? 俺が嫁を選ぶためにやってんだぞ? 俺の娘を率先して紹介してどうする! って、娘がめっちゃやる気だから俺も言えないのよね。そもそも、マリーの女は見た目のいい男としか結婚したがらないから、無理矢理嫁にしたところで夫婦生活は上手くいかないんだけどさ。自業自得よね。とほほ。
厳正な審査の結果、ジャッジが用意した人魚姫クローンが優勝となった。まあ俺の10票が大きすぎたな。もともと俺の嫁を決めるためのコンテストだしサイズが有利なのは許して欲しい。まあ女王になることが決まっただけで俺と結婚するかは分からないがな! オリジナルの人魚姫にもフラれ続けたし!
とりあえず、ジャッジに交渉しに行こう。
「お前が現代に蘇らせた人魚姫はなかなかの出来だった。褒美をやろう」
なぜいきなり褒美の話をしたか。貰うのは決定だからだ。断るとか言ってきたら力ずくで奪うのみ。人魚姫にしても糞みたいな戦争国家よりは俺の元の方がマシだろうしさ。今回は俺の機嫌がいいから褒美をあげると言っているのだよ。
「取引だ。……七武海の血統因子が欲しい」
「そんなものでいいなら、いくらでも」
おじさんうれしくなっちゃったから、血統因子と言わずに全身プレゼントしちゃおう。実験第一号はミンゴでいいかな?
……
「センゴク元帥! 大変です!」
「どうした一体!」
「ポセイドンが、新世界の拠点を離脱! 既に前半の海で暴れまわっているようです!」
「な、なんだと!? 被害はどうなっている!」
「七武海を探して、アラバスタを探し回っているようです! クロコダイル以外の七武海は、既に消息不明! クロコダイルも行方不明です!」
「なんだとぉ!? 三大勢力の一角が、報告を受ける間もなく、ほぼ全滅…!?」
センゴクは拳を机に叩きつけ、机を叩き割った。
「海軍と全面戦争でも始めようと言うのか。この海の、伝説そのものが…」
センゴクは戦慄して嫌な汗が止まらなかった。
ムーちゃんも花の部屋でオーツーの手配書を切り裂きまくった。
クマは世界中を飛び回ることができるのでポセイドンでも捕まえられなかった。他は捕まった。ハンコック、クロコダイルもガッツリ捕まり、ジャッジによってその身体の秘密が隅々まで調べられることとなる。ジャッジは女好きであり、妻を亡くした身。いろいろやったと言っていこう。
それから数日。ジェルマは世界政府を離脱してビッグロックと同盟を結ぶことを発表した。
さて、ここに至り、政府はポセイドンの狙いが七武海であると気付いていた。スパイのステューシーからも確認を得た。他に被害はなかった。七武海は、政府に従うのを条件に、非加盟国や海賊相手の海賊行為を許された特別な海賊だ。ある意味政府側の勢力である。が、民間人にとってはそうでもない。七武海は多くの地域で嫌われている。海賊は所詮海賊という考え方である。海軍内部の反応も微妙なものだった。「海賊なんてどうせ敵だからどうでもいい」「世界の均衡が崩れること自体が危険だ」「それ含めて海軍が上回ればいい」「そもそも均衡などなかった。ポセイドン一強だった」などなど。五老星も対応を決めあぐねていた。どちらかと言うとポセイドンには触りたくない雰囲気ではあった。
だが、ムーちゃんは違った。ムーちゃんは自分より偉そうで自由で神のごとく振る舞っているポセイドンが許せなかった。怒りを抑えきれず、ビッグロック目掛けてバスターコールを発動した。
五老星達に冷や汗が流れた瞬間だった。その恐怖は数百年前のオーズ軍団をも上回るかもしれない。だが、ムーちゃんの言葉は絶対。反対はできない。五老星は死んでもいい中将リストを作るようにセンゴクに指示を出した。
また、ハンコックを襲ったことで、別の伝説も動き出す。