一般トリニティ生の流儀 作:セイアマン
先生はロリコン
初めまして、ごきげんよう。
私の主な仕事は私の属するパテル分派のトップ、聖園ミカ様の身辺警護や家事洗濯、その他にもミカ様のお食事を作ったり、代わりに買い物に行ったりしています。
え?まるで家政婦ですって?
確かに、見ようによってはそうかも知れません。ですが、私はミカ様の補佐官としての特権を持ってますの。
その特権とは、ずばり。ミカ様の私物を拝借できるという権利ですわ!
ミカ様の好きな小物や、たまに秘密で購入されるヒミツの本などの管理も私の役目。ミカ様が自室に居られ無い時にも掃除を仕ることがありますので、ミカ様の趣味嗜好などもバッチリ把握しておりますわ。
え?そんな情報あつめてどうするのかって?
ふふふ…そんなの決まっているでしょう。勿論、ミカ様を────おっと、そんなに怖い顔をしないでくださいまし、先生。
私の目的はたった一つ。ミカ様を愛でる事ですわ。最近は傷心のミカ様を慰めるシチュが私たちの間で人気ですのよ。
ああ、説明を忘れていましたわ。
私、ミカ様ファンクラブの会員第一号ですの。よろしくあそばせ?
ふむふむ、そんなのがあるなんて知らなかった…ですか。それはそうでしょう。私はこうして先生のお力で牢屋におぶち込まれてますからこうして喋っているだけで、普通なら喋りませんわよ。
ナマモノCPで妄想している以上、本人に伝えるのは無粋そのものですからね。
えっファンクラブを解散?何故…?
そんな、ご無体ですわ!先生のいけず!内部告発者!悪の枢軸!ええ、良いですわ!良いですとも!
先生。私を怒らせた事、覚悟することですわよ。パテル分派の殆どは今やファンクラブ。そして私の配信サイトでの平均視聴者数は8000人!さ!その拡散力を用いて先生が私に非道い乱暴をしたと大声で叫びますわ!
やめてほしい…ですか?嫌です。
先生が虎の尾を踏んだと言うことを思い知らせて差し上げますわ!おーっほっほっほ!
○○○○○○○
さて、配信開始ボタンをポチッと押しまして…。
改めまして、GoTubeの皆さまご機嫌よう。
私の自己紹介はもう良いですわよね。
ミカ様に憧れて鍛えたおパワーでシャーレの地下独房を抜け出したは良いものの、これからどうしましょうか。
《シャーレってやっぱり変態教師がいるんだ》
そうですわね。私も危うく先生に襲われるところでしたわ。
ですが…私の恥ずべき秘密を曝け出されてしまいました。乙女として死にたくなりますわね。
《うっわ…シャーレってそうなんだ…》
《ロリコンがよ…キリアたん大丈夫?》
大丈夫ですわ。しかし驚きましたわね。私のつるぺたボデーに先生が興味を示すなんて。
確かに私はミカ様よりは遥かに劣りますが美少女のソレではありますが、イヤ…待ちなさい。寮監から聞いた限り、先生はアピールしたミカ様に微塵も興味を示さなかった……。
まさか!やはり先生はロリコンなのでは?
《エッチなのはダメ!死刑!》
《エ駄死定期。キリアちゃんみたいな貧相な身体が好きとか人間としてダメっしょ〜》
《もしもしヴァルキューレ?》
うーん、意外と根が深いかも知れませんわね。
そういえば、聞いた話だと先生はゲヘナの風紀委員長と懇意だと聞きましたわ。
早速おバイクを走らせますわよ!勿論カスタムはスピード重視!直線番長ですわー!
《正義実現委員会に連絡しろ!》
《シャーレからゲヘナ方面にかけて避難警報を発令しろ!》
《頼むから安全運転してくれ》
うるさいですわね。イッツショータイ!ですわ!
ミレニアム最新技術を用いて造られたワープ航法付きオートバイ。これでぶっち切りますわよ〜!
《ミレニアムゥゥゥ!!》
《まーたエンジニア部か。ユウカちゃんの胃が死ぬゥ!》
《ちょっ、待ってよ!?私は関係ないじゃない!》
あらユウカさん、ご機嫌よう。それじゃあぶっ放しますわよ〜!音速を超えた世界をご堪能あれ〜っ!
《ぎゃああああっ!酔う!酔うって!》
《お前何なんだよ!?》
《おい今誰か跳ね飛ばしたろ!ケーサツー!》
《コイツこそ異端審問しろよ》
《コイツ銃弾と同じ速度で走ってやがる!》
チャット欄で騒がないで下さいまし!それにしても渋滞を吹き飛ばしながら走る高速道路は最高ですわね!
悲鳴と爆発音がとても気持ちいいですわ!
《頭ゲヘナがよ》
《コイツと美食研究会ならどっちがイカれてんだろうな》
《主人がアレなら従者はコレかよ!ミカ様も大変だな》
カッコいい止まり方をして……っと。さて、ゲヘナに到着しましたわ。時間にして約7分。中々の速さですわね。周りに風紀委員の方がいらっしゃってますわね。お出迎えでしょうか。
「オイ……!お前、何のつもりだ?」
あらイオリさん、ご機嫌よう。見ましたか?私の「金原スライドストップ」を。かっこよかったでしょう?たくさん練習しましたのよ。
ぜひ感想を頂けると幸いですわ。
「カッコよかったのは認めるけど、アンタ何やってんだ?ゲヘナに何の用だ、トリニティ?」
あら、今日は敵対心バリバリですわね。この赤く塗装されたイケイケバイクが気に入らないのでしょうか……?
それとも、ティーパーティー補佐官の私が無断でここへ来たことを怒ってるのでしょうか?いやでも、こんなに大人数でお出迎えして下さっているのですから、きっとパーティーでも開くつもりなのでしょうね。
「んな訳あるか!てかアンタの主人がゲヘナ嫌いで有名なんだからアンタもそれに従えよ。そっちの方がやりやすいだろ」
あら。別に私はゲヘナ好きなのですが……。制服のデザインがカッコいいから私は好きですわよ。
ミカ様は「そうあれかし」と育っていらしましたから、ゲヘナ嫌いは仕方のないことですわね。
「うーん、なんか闇が深いな。今日は帰んなよ、ヒナ委員長には私から言っておくからさ」
せっかくここまで来たのに帰るのですか?というかここをワープ地点に設定したいのですが……。それと!まだ私は本題を済ませていないので退くわけには行かないのですわ。
ぶっちゃけ拘束しても良いですので、ヒナ委員長と対面で話がしたいんですの。
「ヒナ委員長は忙しいんだぞ。そう簡単に会えるわけがない」
ふうん。ずっとイオリさんの後ろにいらっしゃいますが、気づいていないようですわね。
ご機嫌麗しゅう、ヒナ委員長。
「えっ!?はっ!?ひ、ヒナ委員長……っ!?い、いつからそこに!?」
「初めから。それで?何の用、鴉魔キリア」
今日はヒナ委員長に聞きたいことがあるんですの。
単刀直入に言いますと、シャーレの先生と随分と懇意のようですが、ヒナ委員長のどこを先生が気に入ったのか確かめたくてですね。
「なっ……!私は貴女の思っているような破廉恥な真似はしてない!…………まだ。」
そうなのですか?なら良いのですが、噂によれば先生は体躯の小さい生徒と良く親密にしている、との事で、私と同じく小柄なヒナ委員長を心配して来たのです。
「……小鳥遊ホシノも、先生と…」
暁のホルスですか?確か記録では先生と水族館に出かけたそうですわね。その他にも、トリニティからは下江コハル、宇沢レイサ、柚鳥ナツ、百合園セイア様まで歯牙に掛けられていますわ。
ゲヘナでも体躯の小さい生徒が何人かいますでしょう?
「…………先生は、そんな事…いやでも、まさか…」
ヒナ委員長も気をつけてくださいまし。トリニティの古書館に所蔵されている「陰陽交合図・日之巻」にも、『月は日輪無しでは輝かず。されど日輪は月を求め獣となる』とありますから。
「月……お日様………け、ケダモノ…」
ふふっ、ウブなヒナ委員長にはまだ早かったでしょうか?しかしこれも私の報復……もとい、キヴォトスの治安維持のため。
ひいては、ミカ様と先生の絡みをもっと増やすことにも繋がります。
さて、それでは次はミレニアムに行きたいところなのですが……涙目で顔を真っ赤にしたヒナ委員長から私は逃げなくてはなりません。
それでは──────ごめんあそばせッ!
生徒名:鴉魔(からすま)キリア
学校:トリニティ総合学園
学年:2年
所属:ティーパーティー
趣味:物品収集
「あなたの日常をぶっ壊しますわ!」