緋色の英雄   作:kozmo78

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 途中で視点が変わります。





第13話 自己満足

 

 

「天蟲………だよな、何やってんだよお前?馬鹿だろ…」

「本当だよ……自分から除籍を受け入れるなんて……」

「………そ、そうだよ」

 

 

 …至極当然だな、その質問。

 

 グラウンドに残った人間は5人。3人が同調しているように意味不明な行動をとったこの俺と、その俺を見て理解できなさそうに問い質す堀之内陸人、何処か不安そうに俯きがちな須々木佑、小声で横の2人に賛同しているが長い前髪で目が合ってるかも分からない幽里芳乃……そして、遠くで俺らの事を監視しているイレイザーヘッド。

 監視なんて仰々しい言い方をしているがやる事は1つ、体力テストの再挑戦だ。イレイザーヘッドの眼に適うように評点を引き上げる為に3人にアシストをしなければいけないが………あまり時間は無さそうだ。

 このタイミングを逃せば3人……いや俺含めた4人の復籍は本当に遠のくかもしれない。

 

 そう考えれば3人が今の状況に憂いているのは仕方ないとは思っているが、俺の方とは言うとそこまで危惧していないし今になって考えるとイレイザーヘッドが何故ここまでしたか・・・・・・・・・も想像ついている。

 …まあ、まず伝えるべきはそこからだな。ここで俺と担任への愚痴を言ってる場合じゃないんでな。

 

 

「そこは良いんだそこは。俺がさっき『正念場』とか言った手前可笑しい話だが、どうせ何とかなるだろ」

 

「何とかなるって……他人事みたいに言うけど状況は分かってんだよな!?俺らがクリアしなきゃ雄英行けなくなるんだぞ!?」

「そうだよ!?初日にこんな仕打ち……どうすればいいんだよ…っ!」

「私なんかじゃ…無理だったんだ………」

 

「おいおいちょっと待て、そんなに悲観すんなよ?別に学校辞めろとまで言われた訳じゃないぞ」

 

「似たようなもんだよ!!ただでさえ点数伸ばせなかったのに急に上げろって言われても………」

 

 

 先程の除籍発言に大分食らったのか3人共険しい表情をしている。幽里に関しては長い前髪のせいで分かりにくいが……自棄になったあの発言を聞けば概ね間違っていないだろう。

 俺がここでどれだけ擁護しようが今日初めて会ったような人間に信用できる要素は…まあ無いか。

 

 

「まず聞きたいんだが……3人は独学でも何でもいいが『個性』の特訓したことあるか?」

 

「え?…いや家で少し練習するくらいだったが……そっちは?」

「僕もそんな感じ……だったよ」

「わ、私も………」

 

「そうか。…じゃあ問題無いな」

 

「問題無いって……そんな質問で何が分かんだよ!?」

「…僕たちの『個性』の使い方が下手だって事を再確認させたいの?」

「そうです私はヘタクソで雑魚で消えた方が良い存在なんですすみません……」

 

「卑下すんな自分を!…そんな事言いたいんじゃあない」

 

 

 フォローが下手過ぎたせいで悪いように伝わってしまった。幽里に関しては呪詛のようにネガティブ発言を呟き始めている……まだ話したことも無いのだから正直怖いんだが。

 このままじゃ変に士気を下げて出来る事も出来なくなるからすかさず訂正させてもらう。

 

「イレイザーヘッドがこのテストで見ているのは“応用力”だ、これに関しては練度で差がはっきり出てしまうのだから仕方ない」

 

「「応用力………」」

「練習してなくてごめんなさい差が出来てごめんなさい……」

 

「(幽里に関してはそれ以外の問題だけどな……)そう。説明でもあったようにこのテストは自分の最大限を理解するモノ、それには自分の『個性』の向き不向きを知らなくては…あの人らしく言うなら非合理的な測定って訳だな」

 

「結局煽ってるじゃんか!?」

 

「だから落ち着けって………聞いときたいんだが3人の『個性』は?」

 

「…俺は“掘削”、地面を手足で掘りやすくなる」

「僕のは“煤”……あの炭を粉っぽくしたアレを腕から生み出せるよ」

「私は…そ、そのぉ……分かりづらいっていうか……」

 

「ん?どうした幽里?」

 

 3人の持つ力を把握して今後どうするかを判断しようと思っていたが……幽里には言いづらい事情があるのだろうか?雄英に入った以上そんな事に遠慮する理由は俺には想像できないが、まあいいだろう。後で個別で見させてもらうか。

 2人の『個性』は知れたのだから対策は簡単だ、実行するのは彼ら自身だが………やりようは幾らでもある。

 

「…いや幽里の方は後で聞こう。堀之内の方は握力の成績は伸びてたよな、ソフトボール投げに関してはどうなんだ?」

 

「中々慣れなくて全然伸びなくてなぁ……どうすればいいんだよ…」

 

「今はぶっつけ本番じゃないんだ。練習すれば評点は上がる筈、時間もそこまで無いがそれぐらいあそこに居るあの人も受け入れてくれるだろう。それに50m走だってその『個性』さえ使えばもう少し伸びる可能性もあるのに……横の走者を気に掛けて力を抑えただろ?」

 

「え、いや………試験じゃ他を気にする必要も無かったけど何だか遠慮しちゃってな…。あとさ多分……担任がイレイザーヘッドになるのはこのクラスの大半が知ってたと思うんだ、雄英専門の掲示板でも話題に挙がってたし」

 

「急にどうした……まあ今日の空気見れば嫌な予感はしてたよ」

 

「知らなかったんだ天蟲くん!?…僕も厳しい人だって知ってたけどここまでとは予想してなかったよ」

 

「須々木もそう思ってたよな!俺もたかが体力テストだって舐めてたのが響いたんだろうな……でも、頑張るしかないか…」

 

「そうだろ?…それに須々木の方も距離測る系の奴はもっといけるんじゃないか?」

 

「うーん……僕の煤はモノを浮かせ続けられる程の力は無いかも…期待させてゴメン」

 

「いや浮かす必要は無い。例えばソフトボール投げだったら軌道上のボールを再度勢いをプラスできればいいんだ、これ自体は発動範囲が重要になるが……出来そうか?」

 

「それなら……確かにいけるかも」

 

「おお良かった。…じゃあ今の内容を試してきてほしい、2人ならいけそうか?」

 

「分かった!」

「ちょっと試してくる!」

 

「おう──────いや、ちょい待ってくれ!」

 

「なんだ?」「どうしたの?」

 

「イレイザーヘッドが除籍を言い渡した理由は決して脅迫じゃない、この3人が力を出し切れてないのに気付いてほしいからだ」

 

「「え?」」

 

「遠慮や緊張、様々な理由で本調子じゃない事を気付いたからなんだ。だから………まあ、なんだ…自分信じて頑張ってくれ!」

 

「…ああ!」「うん!」

 

 

 発破掛けるの下手だなって自分に笑いそうになったが、何だかんだ話してる内に堀之内と須々木の顔色も良くなってきてモチベーションアップにはつながったようだ。言わんでも分かってるとは思うが、ここで落ち込んでいても自分達の首を絞めるだから駆け足でトラックに向かう彼らを見て少し安心した。

 あと話の中でイレイザーヘッドが担任になるのが掲示板…?で知っていた事は気になったが、今更それについて触れても意味は無いだろう。

 

 …さて、男子2人が居なくなって残ったのは俺と幽里。さっきの「分かりづらい」の意味を知らないとどうしようもないので早く解決してしまおう。

 

「じゃあ幽里、さっきの話なんだが」

 

「は、はい……あの、手を握ってもらって…いいですか?」

 

「手?…ああ良いけど」

 

「私みたいな存在が触れてすみませんすみません……」

 

「やめろソレ……で、この後は───────

『やっっっっっとオレの出番だぜぇっ!!』

…!?」

 

「み、見えましたか……?」

 

 手を握ってみた瞬間、幽里の横に彼女と瓜二つの幻影が現れた。

 幻影と表現したのは一目瞭然って感じに手足が透けて空中に浮いているから、そして幽里と容姿が同じではあるのだが……どう考えてもテンションが違う。

 細かい所見れば、髪が逆立って目の前に居る方の幽里は隠れている菖蒲色の眼も明らかだ。根暗に見える幽里とは違って何処か狂気に満ちた雰囲気を醸し出している。

 

「…これが幽里の『個性』か?」

 

『“これ”って言うんじゃねえよ!ブチ殺すぞ!?』

「ご、ごめんね?……私にはもう1つの人格を持ったしゅ、守護霊…?みたいのが居るんだ…」

『守護なんてしてねぇよ!!オレの体を守ってるだけだ!!』

 

「……成程」

 

 もう1つの人格の筈なのに仲が悪そうなんだが…俺が気にする事ではないか。手を握って視えるようになるとは中々面白い条件してるんだな。

 個性名を“守護霊”とするのならどう考えても強そうな響きにしか聞こえない。霊体の大きさや雰囲気を見ても他の特殊能力があるかは分からないが、推測できる範囲でもネガティブな思考に陥るような『個性』には到底思えない。

 なのに体力テストで躓くなんて…理由は分かってるがこのままじゃ宝の持ち腐れだ。

 

「見てる感じ、さっきの成績で収まるようには思えないんだが……やはり緊張してたからか?」

 

「う、うん……それもあるんですけど…」

 

「他にも理由があるのか?」

 

「あ、あのぉこうやって……オレがこうやって体を乗っ取ればもっと力を出せるんだよ馬鹿が!!」

 

「おー怖……そんな事も出来るんだな」

「何だあれ!?」

「あんなキャラだったっけ…?」

 

 本体である幽里の方に霊体が入ったと思ったら急に血相変えて話しだした。…離れている堀之内もそれに気づいて驚いているが俺も初めて見た時は同じ気持ちだったな。

 これまでの幽里とは違う明るいを通り越して狂気的な喋り方、再度切り替わって元に戻る前の時点で別人になっていたのだと気付く程の変わりようである。

 それに加えて、目に見えて力が漲っているように見える。人格の切替だけでなく副次的な身体強化の能力もあるのだろうか。

 

「だけど芳乃がこうなるの恥ずかしがって引っ込みやがってよぉ…チッ!!……ぜぇっぜぇっ…あと凄い疲れるし体が……」

 

「燃費悪っ。……それであれか、入学試験ではリカバリーガールも居るし他の眼も気にならなかったけど今回は使えなかった…と言う訳か」

 

「はい……すみません…」

 

「へぇー…よく分かった」

 

 元に戻ればさっきの陰鬱な彼女に元通り……いやそれ以上に草臥れ果てた姿になってしまった。

 俺自身も燃費が良いタイプではないんだが、一瞬変わっただけでこんなになるのは相当な燃費効率の悪さだと思う。少なくとも1つ種目を終えただけで行動不能になるのは目に見えているだろうな。

 

 ……しかし、もう俺が心配するような相手ではないのは把握した。

 

「それさえ出来ればテストは突破できそうだな、今なら人も少ないし緊張もそんなだろ?」

 

「う、うん……ここで頑張らないと…私もあ、天蟲さんも辞める事になりますもんね…」

 

「…うーん、でも“除籍”だぞ?停学や退学とは違うんだし気に病む程の事ではないぞ?」

 

「何言ってるんですか!?……きゅ、急に大きな声出してすみません…」

 

「(…大きい言ってもさっきの方が凄かったけどな)いや俺も悪かった。…楽観視し過ぎたな、幽里の考えの方が正しいよ」

 

「いや、あの………本当に大丈夫なんでしょうか…?こんな私が…雄英入れたのも奇跡みたいなモノなのに…」

 

「その考えは否定させてもらうけど……雄英に入学できた事こそがその証明だろ?それでも自信持てないって言うなら…保証できるのは俺だけしか居ないんだが」

 

「…何で、そこまで私の事応援してくれるんですか……?迷惑しかかけてないのに…」

 

「何でも何も…ここで見捨ててヒーロー目指すとか、言ってられる気がしなくてな。まあ……自己満足って言われればそうかもな」

 

 

 理由を聞かれて思い付いた返答はそれぐらい身勝手なモノだった。…だが決してテキトーに答えた訳ではない。

 かの有名なヒーローが遺した名言『余計なお世話はヒーローの本質』───────自分の人生を振り返ってみれば身の丈に合ってない行動ばかりだったが、常に俺の脳裏をよぎるのはその言葉だった。

 ハイジャック犯に喧嘩を売ったり自分判断で爆弾処理を行ったり……今回の件もそうだ。知らぬ存ぜぬを貫けばいい事案に自分で首突っ込むのに罪悪感を覚える事はあっても、辞める気もないし辞めちゃいけないんだ、ヒーローやるなら。

 

 

「…やっぱり凄いんだね、天蟲さんは」

 

「お世辞は要らんよ、人に褒められる事ではないしな」

 

「お世辞じゃ……私だったらそんな馬鹿気た事しないですし…」

 

「急に厳しいな………話してないでさっさとやるか、50m走でさっきの奴を試そうと思ってるんだが…いけそうか幽里?」

 

「う、うん………」

 

 

 

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 

 

 

 

「向かいの棟の1階にはクックヒーロー“ランチラッシュ”手掛けるデリシャスな料理が……ヘイエヴリバディ!?ここはもっと盛り上がるトコロだぜ!!」

 

「「「……………」」」

「(今そんな気分の人は少ないんじゃないかしら…)」

 

 

 朝とは違って、教壇に立っているのはボイスヒーロー“プレゼントマイク”。

 数人が居なくなった教室で盛り上げようとしてくれているのは理解できるが、私も含めたここに居る殆どは反応を起こす気力も湧く筈がないだろう。

 

 私の後ろと中央部分の幾つかと………対角に見えるあの席。荷物を残して椅子の空いたスペースが、1人のヒーローじゃ如何にもならない澱んだ空気を生んでしまっている。

 プレゼントマイクもその事に触れないでカリキュラムの説明に入っているのも、雄英ではこれが日常なのかと嫌でも意識してしまう。

 

「もしかして今居ない4人の事を引き摺ってんのか?…本当アイツは嫌な役回りを押し付けるよな」

 

「(あの言い方だと…毎年同じような事してるのね)」

 

「じゃあ質問だエヴィバディ!!イレイザーヘッドが退学させた回数は何回だと思う?……そこの金髪女子!!」

 

「え、ウチ!?えーと………100回?」

 

「思い切りの良い見積もりだなオイ!!」

 

 退学指導数100回なんて途方もない数字は、馬鹿げている様にも聞こえるがこれまでの経緯を踏まえれば可笑しい話でもない。初対面の生徒3人にいきなり除籍処分を下すなんて事が起これば朝以上の緊張感が走るのも無理はない───────加えてあともう1人の件に関しては別だけど。

 

 それにしても飛威炉は……ホント何やってるんだ。

 クラスメイトを庇うのは正しい事だけど自分から除籍を受け入れるなんて………偶に見る悪い癖がこんなトコロで出た結果なんだろうな。

 本人の口では『悲しむのは自分の家族だけ』とか何とか言ってたけど、私が何も思わないとでも思っているの?飛威炉は私の事親友が居なくなろうが気にしない残忍な性格だと感じているのだろうか……後で聞かせてもらおうかしら、その事も含めて。

 

 とは言え、後も何も飛威炉が帰ってくるのはあの3人次第なんだけど………不安だ。

 飛威炉が厄介ごとの中心だったらそこまで心配しないで済んだけど復籍の条件は3人の結果に準ずるようだ。飛威炉も手伝うとは言ってたものの、場合によっては雄英に来れない可能性だってあるんだ。

 なのに何であんな面倒ごとに自分から───────

 

「正解は~……ゼロだ!!アイツは1回も退学はさせた事無いんだぜ!!」

 

「「「………っ!」」」

 

「初めて会ったお前らには理解しづれー話かもだが、除籍はさせるが簡単に切り捨てる程キビシー先生じゃあないんだなコレが!!」

 

「…だったらプレゼントマイク!飛威炉くん達も戻ってくるんですか!?」

 

「いや~それは天蟲たち次第だろ?いくら退学はしないと言っても条件緩くして復籍ーって事は無かったな!!中々クリアできなくて1ヶ月授業参加できなくて自主退学した奴も…確か居たような……?」

 

「「「……………」」」

 

「…逆効果じゃねえかシットッッ!!??」

 

 

 折角希望が持てそうな話だったのにモノの数秒で元通りになってしまった。

 容赦のないイレイザーヘッドでも温情はあるようだが今の状況が好転する訳ではなさそうだ。気を遣ってくれたプレゼントマイクには悪いが、こう時間も経つと嫌な胸騒ぎを起こしてしまう。

 

 このクラスの中でどれぐらいの人がここに居ない4人の心配をしてくれているのかは分からない。でも、私には……………飛威炉の居ない雄英生活なんて認めたくない。自分を犠牲にしてでも誰かの為を想って暴走まがいの行動をする、そんな奴でも……大切な親友なんだ。

 そんな事を考えるのならあの時自分も手を挙げれば───────なんて妄想をする度に、私の判断力の鈍さと…飛威炉が持つ人を救う事への覚悟を再認識してしまう。結局あの時、自分には関係無いと言い訳してあの3人を見捨てようとしていたのは……悪いように言い過ぎかもしれないがそう考えても間違いはない。

 

 

 

 

───────コンコン 「失礼します」

 

「ん?丁度いいタイミングで来たな、入っていいぜー!!」

 

「天蟲飛威炉、堀之内陸人、須々木佑、幽里芳乃…ただいま戻りました」

 

「そんな畏まんなって!思ったより早い帰還だったな……オッケー席座ってくれ!!」

 

「分かりました」

「あー良かった……」

「何とか戻れた…」

「…全然疲れが抜けない……」

 

 

 体力テストを終えて40分と少し、自己嫌悪に塗れた思考に陥ろうとする時に扉をノックする音が聞こえた。

 イレイザーヘッド……相澤先生が言っていた条件を考慮すると数十分で解決できるかも分からない程であったが、私の勘繰りが杞憂に終わって本当に良かった。

 戻ってきた男子2人は安堵感に満ちているのが目に見えて分かるが、私の席に座る幽里さんはそれ以上に気怠そうにしている。グラウンドでどんな事してたかは気になってたけどこの教室からは遠すぎて見えなかったし確認する余裕もそこまで無かった。

 …まあ詳しい話は飛威炉に聞こう。

 

「戻ってきたとこ悪いがカリキュラムは大体説明し終わっちまってな!詳しい話はこのあと他の人に聞いといてくれ!!……そうゆーの苦手だったら…マジソーリー!!何かあったら職員室来て俺とかに聞いてくれ!!」

 

「ヒッ………!」

 

「(…雰囲気通りだけどやっぱりね……飛威炉に教えるついでに彼女にもどうだったか聞こうかしら)」

 

 

 少し無責任な発言に後ろから悲鳴に似た囁きが聞こえる。…そもそも今日この席に座った際に───────

 

『…初めまして、瑞銀璃亞って言うの。宜しくね』

『は、はいぃ………』

 

──────軽い挨拶を交わしたがあの瞬間だけでも幽里さんの人となりを汲み取れた。絮吏儕でも暗めな人は何人も見てきたがあそこまでの人は見た事無かったから……初対面でも印象深かった。

 …どうせ飛威炉の事だから懇意に教えてあげたんだろうな。いくら自分で友達いないとか女子に疎まれているとか言おうがそれ関係なく女子ファンクラブが出来る程の好かれ具合なんだ。今日だけで2人の女子と仲良く………それも私の知らない所で。

 憶測ばかり並べてしまうが───────面白い話じゃない。

 

 

「じゃあ説明に戻るぜ!!今日はこの説明が終わり次第下校してオッケーだ!!雄英初日で疲れたろーが明日からもっとハードになるから覚悟しておけよエヴリバディ!!?」

 

「「「………いえ~………」」」

 

「レスポンスありがとー金髪女子ぃ!!じゃあまず明日からの授業だが───────」

 

 

 説明が終わり次第飛威炉に問い詰めてやる。返答次第じゃ………許さないんだから。

 

 

 

 

 






キャライメージ【幽里芳乃】


【挿絵表示】


拙い絵ですが参考に


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