ウルトラマンルギエル   作:エルドラス

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今回は変身&戦闘回。
楽しんでいただけると幸いです。


エピソード0ー3 漆黒の魔神

優斗は、目の前に落ちてきたダークスパークを見ていた。

 

「何だ……これ?」

 

こういう場合に取る行動は二つだ。一つ目は、『その場から逃げる』二つ目は、『触ってみる』だ。

 

前者ならともかく、後者は論外だろう。得体の知れない物に触れるなど、危険すぎるからだ。

 

……だが、優斗が、選んだのは、『後者』だった。

 

優斗は、ダークスパークに触れたのだ。何故かと聞かれれば彼は「興味本位」と答えるだろう。だが、それで済む話ではないのだ。優斗がダークスパークに触れた次の瞬間、優斗の身体を強烈な不快感が襲った。

 

「がっ!ぐう!があっ!」

 

決して痛みがあるわけではない。只々不快な気分になったのだ。何故なら、今彼の頭には、とある『映像』が浮かび上がったのだ。

 

 

浮かび上がった映像は『二つ』

 

1:そこに居たのは、漆黒の巨人だった。漆黒の巨人は、ありとあらゆる生命を人形に変えた。ところが、そこに現れたのは身体中にクリスタルが散りばめられた光の巨人だった。漆黒の巨人と光の巨人は、共にぶつかり、激しい戦いとなっていった。

 

2:漆黒の巨人は巨大な獣となり、目の前には、先ほどの巨人と、身体にv字形のクリスタルが散りばめられている巨人がいた。漆黒の獣は、その二人によって、倒された。

 

 

「何だよ、これ」

 

優斗はこの映像を見て、唖然としていた。今目の前に映っているのは何だ!これは夢なのか!そういう感情で頭がいっぱいになっていたのだ。

すると、次の瞬間、彼を襲っていた不快感は突如として消えた。

 

「っ!はぁはぁはぁはぁ」

 

優斗は、ものすごい量の汗をかいていたが、そんな事は気にせず、今手に持っているダークスパークを見た。

 

「……これ、どうしよう」

 

優斗がまず思ったのはそれだった。

 

こう言う時は普通、もっと別のことを考えるのだろうが、先ほどの映像のことをあまり考えたくない優斗は取り敢えずそれを考えることにしたのだ。

 

……或いは、もう既に彼の中で、『何か』がおきているのか。

 

次の瞬間、街の方に隕石が落ちてきた。

 

ドゴーン‼︎

 

今日はありえないことが連続で起きているので、精神的にかなり参っている優斗だったが、その疲れはすぐに消えた。

 

 

 

何故なら、その隕石から…… 赤い鎧に覆われた悪鬼のような姿をし、全身に刃物が付いている怪獣が現れたのだから。

 

 

 

「ウォロローン」

 

その怪獣『最凶怪獣ヘルベロス』は、街を破壊し始めた。警察も、銃で応戦するが、体長60mの巨体を持つヘルベロスに聞くはずもなく、全員踏み潰され、絶命した。

 

その後も、ヘルベロスが街を歩くだけで、多くの人間が死んでいった。

 

『人が死ぬ』普通に生きていれば体験など滅多にしないだろう。この状況だって、普通なら夢と思ってしまうだろう。……だが、辺りに漂う血の匂いが、これが現実だと、否が応でも理解してしまう。

 

だが、優斗は怪獣を見ても恐怖しなかった。何故恐怖しなかったのかは、優斗自身も分からなかったが、逃げないとやばいと言うことはわかったので逃げようとする。

 

すると、

 

「まーまー!」

「っ!」

 

優斗が避難しようとしたその時、近くで子供の鳴き声が聞こえた。優斗が鳴き声のした方に近づくと、そこには4歳くらいの男の子が居た。

 

「ままー!どこー!」

 

男の子は泣きじゃくりながらも必死に母親を呼んでいた。そんなところを見て放っておけるはずもなく、優斗は男の子を抱き抱えて避難所まで走る。

 

優斗は、走ってる途中に、男の子に話しかける。

 

「大丈夫だからね!お母さんのところに連れてってあげるから!」

「本当?」

「あぁ、だから、少し大人しくしてて「真斗!」っ!」

 

優斗が男の子を抱えながら暫く走っていると、母親らしき人物が、男の子の名前を叫びながら男の子を探していた。優斗はその女性に近づき、子供が無事であることを伝えた。

 

「本当に!ありがとございます!」

「いえいえ、それよりも、早く避難所へ行ってください」

「はい!」

 

母親はそう言うと、男の子を抱えて避難所へと向かった。

 

それを見届けた優斗は後ろを振り返った。そこには、街を破壊してありヘルベロスが見えた。優斗が周りを見ると、そこには崩れた建物やその破片などが散らばっており、遠くからは人々の悲鳴が聞こえる。

 

そのことに怒りを感じていた優斗は、ふと、手に持っていたダークスパークを見る。

 

「さっきの映像通りなら」

 

優斗はそう言うと、周りに人がいないことを確認し、ダークスパークのブレードを開き、持ち手にあるトリガーを押した。

 

 

 

 

ダークルギエル

 

 

 

 

次の瞬間、優斗の身体は、闇で包み込まれ、姿形を変えながら、段々と巨大化していった。

 

 

 

 

街の人々side

 

先程まで逃げ惑っていた人々は逃げてきた方向とは逆の方へ向く。そこには怪獣と漆黒の巨人がいた。その巨人は頭部に2本の角が生えており、全身に漆黒の鎧を着込んでいた。そして、身体のいたるところに、赤いクリスタルがはめ込まれていた。

 

人々は恐怖した。怪獣だけでなく、あんなものまで現れたのだ。今日が自分たちの最後かと、誰もが諦めていた。しかし、人々は知らない。今この瞬間現れた漆黒の巨人は、自分達の『希望』だと言うことに。

 

 

 

 

優斗side

 

「……マジで変身しちゃったよ」

 

優斗は今の自分の姿に困惑していた。ダメ元でビジョンに映っていた巨人に変身できるのでは?と、やってみたが、まさか本当に変身できるとは思ってもいなかったのである。

 

「ウォロローン!」

 

だが、悠長に考えている時間などなかった。ヘルベロスは突然目の前に現れたダークルギエルに向かって突進をしてきたのだ。

 

「っ!がぁ!」

 

優斗は、自身の姿に困惑していた為、避けることができずに、その攻撃をモロに受け、建物を崩しながら後ろに倒れ込んでしまった。

 

「痛ってぇ、野郎」

 

優斗……ダークルギエルは、立ち上がると、ヘルベロスに向かって走り出し、そのまま跳び膝蹴りを顎にかまして、さらには腹を思いっきり殴りつけた。

 

「グルルルル……」

 

ヘルベロスは悔しそうに唸ると、直様二本の角から電撃を放つ技「ヘルホーンサンダー」をルギエルに浴びせる。

 

「ぐあぁぁ!」

 

ヘルホーンサンダーをくらったルギエルは、その場で膝をついてしまう。

 

「ウォロローン!」

「っ!ガハッ!」

 

膝をついたルギエルにヘルベロスは、すかさず鋭い刃が付いた尻尾「ブレードテイル」を叩きつける。ブレードテイルを叩きつけられたルギエルは、少し遠くに飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。

 

「くっそぉ、あっち遠距離攻撃あり、こっち無しとか、どんなクソゲーだっ!」

 

その時、優斗の頭の中に再び映像が映し出された。

 

そこには、今、自分が変身しているダークルギエルが、胸の部分にある赤く丸いクリスタルから赤黒い光弾を連続で発射している瞬間だった。

 

「これならいける!」

 

そして優斗は、その場から立ち上がると自身の胸にある赤く丸いクリスタルにエネルギーを貯める。ヘルベロスも、その隙を見逃さず、背中のトゲ「ヘルスパイク」から紫色の矢の様な光弾の雨「ヘルエッジサンダー」をルギエルに向かって放つ。

 

だが、一足遅く、ルギエルの方もエネルギーは十分に溜まっていた。

 

「くらえぇぇぇぇ!」

 

そしてそのまま胸の赤く丸いクリスタルから赤黒い光弾、『ダークルギエルビート』を連続で発射していき、ヘルエッジサンダーを追撃していく。

 

そして、最後の一つを撃ち落とすと、続け様にヘルベロスにも連続で、光弾を浴びせる。

 

「ウォロローーン‼︎」

 

そして、ヘルベロスは最後に断末魔を上げながら、後ろに倒れ込み、そのまま爆発四散した。

 

 

 

街の人々side

 

人々は困惑した。先程現れた漆黒の巨人は街を破壊した怪獣を倒したのだ。そして、漆黒の巨人は自分達の方に顔を向けた。やっぱり自分達を襲うのか⁉︎そう人々が思った次の瞬間、漆黒の巨人は空高く飛んでいった。

 

後に、この場にいた人々は語る。

 

『私たちを救ってくれたのは、漆黒の巨人』と。




今回はここまで、主人公はまだルギエルの力を完璧には引き出せていない為、この後も、苦戦したり、負けたりする事も多くなります。

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