遥か彼方、無数の星々が煌めく上と下もない宇宙で二つの影が宙を漂う一人の生命体、瞳を閉じ静かに眠る人間を見つめていた。
『○○○○、本当に行くのか』
『○○○○、この外星人が何故私達外星人同士の戦闘に介入し、自らの生命を賭けて攻撃から私を庇ったのか……私は知り合い。この外星人についても、知りたいと考えている』
『○○○○、今君が行おうとしていることはどのような事か理解しているのか。それは禁じられた……』
『分かっている、○○○○。だが、私は知りたい。何故この外星人は、自身を賭してまで私を庇ったのか。それに、この外星人の体を元々住んでいた星に届けたいと考えている』
『分かった、ならば○○○○。これを』
金色の体を持つ影はゆっくりと銀色の体を持つ影へと宝玉らしき物が埋め込まれたブレスレットを渡した。
『○○○○、これは?』
『これは、君とこの外星人との融合を一時的な物にすることが出来るモノだ。これならば、星の掟には触れないだろう』
『すまない、○○○○』
『○○○○、これは特例だ。時が来たら君とこの外星人の体を分離させるため私が直接出向こう』
『了解した』
天馬 司side
俺がワンダーランズ×ショータイムを設立するにあたり俺や類の相談に乗るだけでなく、アドバイスやショーの案まで提案してくれた友人であり恩人がいた。
アイツの名は、
神山高校に入学した俺はたまたま近くの席に座ったアイツと自己紹介をした。あのときの自己紹介は今でも覚えている。
『初めまして、僕は神崎 進次郎。好きなことは、えっと素話かな。自分でお話を想像して、それを誰かに話したりする事が好きなんだ。よろしくね』
『俺は……天翔けるペガサスと書き、天馬!世界を司ると書き、司!その名も――天馬司!未来のスターになる男だ、よろしく頼む!』
『そっか、天馬さんはスターになりたいんだね。応援するよ』
空に輝く太陽のような笑顔がえむならば、アイツは森の木々から差し込んでくる日差しのような優しくて、温かい笑顔だ。
今ではそう感じる程にアイツは、優しさは印象的だった。共に笑い、楽しい学校生活を過ごしていたのだと思っていた。
だがアイツは突如として1ヶ月前、姿を消した。
4日前の深夜、日を跨いだ、俺達が眠っている時間帯に携帯のメッセージアプリにアイツからこのようなメッセージが送られてきた。
『みんなが夢を追いかける姿を見て僕も夢に走りたくなった。ようやく決心がついたし、覚悟もできた。僕が居なくなっても……みんな、友達や仲間がいるからきっと大丈夫だとおもう。母さんや父さん、妹に学校の知り合いのみんな、さようなら。ボクは夢を叶えに、宇宙へ行く。』
見たときは、恐らくアイツの考えた話なのかと考えていた。
でも次の日、アイツは学校に居なかった。
家族や友人ですら居場所は知らなかった、分からなかった。だが、俺や類、寧々達と話し共通していることが一つだけわかった。それは携帯のメッセージアプリに、4日前の同じ時間にアイツからの別れのメッセージが送られてきていることだった。
メッセージにある通り、宇宙へと旅立った可能性はないだろう。そもそもアイツはまだ俺達と同じ学生で宇宙飛行士にはなれない。メッセージから宇宙に関連する場所を俺達は探すことにしたが、良い結果は得られなかった。
色々な学校の奴が俺たちの学校を訪ねてきた、咲希の通う宮益坂女子学園からもアイツを訪ねてくる人達がいた、咲希の友人である望月穂波の姿もあり俺は、アイツの交遊が広いことに改めて驚いた。
全員アイツがいないと知り見るからに心配そうな表情を浮かべて帰っていった。
クラスの雰囲気も僅かに落ち込んだ物となった。早く帰ってきてくれ、俺を含めた沢山の人達がそう願っている。
そんな日々が続いていた、帰り道だった。
学校から家までの帰り道、そこにアイツは学校の制服姿で立っていた。
久しぶりに見たその後ろ姿に思わず俺は、アイツの元へと駆け出して話しかける。
「進次郎!1ヶ月も一体何処へ行っていたのだッ!俺やワンダーランズショータイムのみんなや咲希達も心配し、て」
「……」
俺の言葉にアイツは振り返る。だが、いつも浮かべていた穏やかで和やかな木々から差し込んでくる日差しのような優しい笑顔を浮かべ………ることはなく、何の表情も浮かべない
『天馬くん、どうしたの?そんなに慌てて』
そう返事が返ってくるはずだと思っていた、だが返ってきたのは此方を見つめる無機質な瞳のみだった。思わず一歩後退る、人違いを疑ったが進次郎?は内の学校の制服を身に纏っている。恐らくは同一人物で間違いないだろう、アイツには妹はいたが兄はいなかったはすだ。
「数日も行方不明になるなど一体どうしたんだ?夢を追うとはいえ、家族や俺達はどれだけお前を心配したか考えなかっ───」
何の反応も、返事もせず学校に関しても、家族が心配したと伝えても何の反応も示さない進次郎に、気が付けば僅かな怒りの籠った声が喉から発せられていた。たが、口を開いた進次郎から発せられた言葉に俺は言葉を失った。
「
「な、にを……」
まるで、自分の事なのに他人のように話す進次郎の話し方に違和感を感じた。まるで何かに操られているような、非科学的な考えが浮かぶ。それ程までに、前の進次郎と今目の前にいる進次郎は違いすぎた。
「どうやら、
理解が追い付かない、どういう事だ?目の前の人物誰だ?進次郎じゃない、いや間違いなく目の前にいるのは進次郎だ。見間違える筈はない、だけど話し方も表情も違いすぎる、まるで前にテレビで見た幽霊に憑依されている人のようだ。
「お前は誰だ、何故進次郎について知ろうとしている?なぜ進次郎と同じ姿を……」
気が付けば、怒りは消え去りあるのは僅かな恐怖と疑問だけだった。
「私は、この体をこの星へ届けに来た。」
「この体?じゃあお前は───」
「神崎くん!」
何者なんだと、そう問おうとした時だった。聞き覚えのある声の聞こえてきた方向へと向くと此方へと駆け寄ってくる少女、えむの姿があった。
「えむ、まて!」
俺は、急いでえむと進次郎?の間に入ってえむを進次郎?に近付かせないよう止めた。
「何んで止めるの司くん!それに行方不明だった神崎くんを見付けたのなら教え……?」
最初は怒ったような安心したような表情を浮かべていたえむは進次郎?を少し見つめると、やがて首をかしげた。どうやら、進次郎の状況の異常さを感じ取ってくれたらしい。
「神崎くん?でもなんか変、いつもと違う」
「よかった、えむも気付いたか。」
困惑した様子の彼女を他所に俺は進次郎?へと質問を投げ掛ける。
「教えてくれ、お前は一体何者なんだ」
俺の質問に対して進次郎?は少しの間考えると口を開いた。
「私はリピアー。M78星雲に存在する天体、
進次郎、いや……リピアー名乗るそいつの言葉から、こいつが地球外からやってきた宇宙人なのだと言う事が分かった。だが、リピアーの話す言葉に一つだけ聞き覚えのある言葉があった。
それは過去に何度か、進次郎から聞いたことのあったアイツの話す素話に存在する架空の星だ。理解が追い付かなない、進次郎の話す素話とリピアーは何か関係があったのか?あの話は、本当にアイツの考えた素話なのか?
「神崎くんじゃ、ないの?」
「確かに、この肉体は彼の物だ」
混乱する俺を他所にえむの言葉に頷くリピアーはゆっくりと頷く。
さっきはえむが来た時の衝撃からか忘れかけていたがリピアーはこう言っていた。『私は、この体をこの星へ届けに来た』と、つまり進次郎は宇宙にいたのか?そんな、一体どうやって行ったというのだ。
だが、進次郎?が演技しているとは思えない。進次郎は演技は得意だが、さっきから瞬きはおろか身動ぎせず話す様子から、嘘をついている様子はない。でも進次郎が宇宙にいたという、まるで夢のような事実に俺は、困惑しか出来なかった。
まさか本当に宇宙にいっているとは………。
そこで俺は、気付いた。
確かリピアーは進次郎の体を届けに来たと言っていた。なら、何故帰らない?送り届けるという目的なら既に達している筈だ。
「この体を届けに来たって言っていたよな、なら何故帰らないんだ?」
「私は、君たち人間について……そしてこの体の持ち主である神崎進次郎について知りたい」
「リピアーさんが勉強する間、神崎くんはどうしてるの?」
淡々と話すリピアーは進次郎の姿、えむの質問は俺が今聞こうとしていた物だ。リピアーが俺たち人間について知ろうとしているのは分かるが、その間進次郎はどうなる?
「彼、神崎 進次郎は
「え……」
「は?」
リピアーの言葉に、俺とえむは困惑の声しか出なかった。彼の口から発せられた言葉を、俺は理解したくなかった。
「私を外星人からの攻撃から庇い、彼は命を落とした。私は、何故彼がそんな行動をとったのか知りたい。そして彼の体を宇宙空間からこの星へと返したい、その目的を果たすために私はこの星へとやってきた」
彼の口から放たれた、進次郎は死んだと言う言葉に俺達は、ただ呆然とすることしか出来なかった。
プロセカ×特撮の作品を見かけないから書いた
ご愛読ありがとうございました
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