転生したらコビーになっていたのでルフィさんと一緒に海賊をやります 作:ふぁたろう
「どこだ、ここ……」
目を覚ますと知らない天井だった。
キョロキョロと辺りを見回すと、知らない部屋だ。
そして声も違う。
「なんか聞き覚えのある声だぞ……?」
鏡の前に立つ。
「えええええ!? 僕、コビーになってるっ!?」
とんでもない衝撃が僕に走った。
ま、まさか、転生しているなんて……。
しかもONE PIECEの世界に……。
尾田栄一郎先生が作った世界に僕は転生したのか……。
以前の僕はONE PIECEが大好きな普通の大学生だったのにどうして……?
「で、でも、こんなのファンにとっては願ってもない展開だ!」
ガッツポーズをして、気持ちを切り替える。
どうせ転生したのなら楽しまなきゃ損だ。
それにコビーなら大当たりだ。
なぜならコビーは規格外の成長速度を持っている。
数年で新世界の最前線と互角に渡り合えるぐらいに成長を遂げるのだから。
「わ、ワクワクしてきたぞ……! あ、でも海軍将校にはなりたくないな。将来、僕はSWORDに加入するけど、これといってやりがいもなさそうに思ってしまう」
海軍のキャラで良い奴は意外と少ない。
ファンとして、海軍になることはナンセンス極まりない。
だったら、とコビーになった僕は新しい“野望”を思いついた。
「僕はルフィさんを海賊王にする男です!」ドンッ!
それがコビーに転生した僕の野望だ。
◇
まず僕はルフィさんと出会うために釣りに行って、アルビダの船に乗らなければいけない。
……これからの二年間を考えただけでもめちゃくちゃ嫌だけど、やるしかない。
僕は釣りの道具を持って、いつもの海に出かけ、意図的にアルビダの船に乗った。
そして殺さないかわりに、という条件で雑用係となった。
よし、ここから修行の開始だ。
まずは基礎となる身体能力を鍛える必要がある。
現時点のコビーはその辺の海賊見習い以下だ。
実力はミジンコである。
だから思いつく限りの筋トレをすることにした。
雑用の仕事を終えたあとに、筋トレを開始すると他の乗組員に笑われた。
「ギャハハ! 雑用コビーが鍛えてるぜ!」
「お前みたいな弱虫が鍛えても強くなんかなれねえよ!」
「あ、あはは……。僕は役立たずなので少しでも皆さんの役に立てるように鍛えようかなと……」
「無理に決まってんだろ! お前は一生雑魚の雑用係だ!」
「そ、そうですよね……」
そんな感じで僕はバカにされながら二年間を過ごした。
この二年で僕は思うように実力が伸びなかった。
コビーは才能があるけど、それ以上にガープ中将の育成能力が高すぎたんだろう。
想像以上に伸びたのは身長だった。
鍛えたら身体が答えるように、身長が伸びていき、既にウォーターセブン編の大きさになっていた。
結局、僕は二年かけて六式の「剃」を修得する程度にしか実力を伸ばせなかった。