夜 海岸
箒は一人で出歩いていた。
「さて…と、キュゥべえ、魔獣はどのあたりだ?」
箒は茂みの中に隠れているものを呼んだ。
「やれやれ、あの悪魔に見つかると面倒なのによく呼ぶね。」
「すまないな。」
「魔獣ならここから5km先の孤島だよ。」
「ああ、改めてありがとう。お前のおかげで一夏の真実を知るとこが出来た。」
箒は髪飾りを外し、それを卵型の宝石、赤色のソウルジェムに変化させ、それに魔力を込め、自身の服をさらしに一枚羽織、袴、武器は刀二本の魔法少女服に身を包んだ。
「キミの素質には驚いたよ、さすが革命者・天災の妹だね。」
「ああ。」
箒は背中から炎の翼を生成し、高速で飛び立った。
「やれやれ。もう少しゆっくりいって欲しいね。」
「見つけたわよ。インキュベーター。」
「!!!!あ、悪魔………」
そこには禍々しい羽を広げた円環の悪魔、暁美ほむらがいた。
「拾い食いはいけないっていったわよねぇ。今度こそ絶滅してみる?」
ほむらはインキュベーターの首根を握った。
「………僕はしっかりソウルジェムの仕組み、最期などを説明して契約しているつもりだよ。」
「そう………今回は見逃してあげるわ。」
「ありがとう、じゃあまた。」
「待ちなさい」
インキュベーターが言葉を発した瞬間ほむらが羽を飛ばしインキュベーターを滅多差しにした。
「ふむ……フェザーファンネルも中々いいわね……採用してみようかしら……」
孤島
「っは!」
箒は炎を纏わせた刀をそのまま振り下ろし、魔獣を真っ二つにした。
「騎馬軍団!」
箒が魔法を唱えると、炎でできた馬兵が一斉に魔獣に突撃していき、魔獣を粉々にした。
「ふぅ…終わったな…帰るか。………………な!?」
「◇○◇◇●◆◇○●◯◇○!」
一匹潰し損ねた魔獣が箒に襲いかかった。
「ぐっ!(暴発もできない……ここで終わりだな……)」
「すまない…………いち「斬岩剣!」
「◇●●◆◇◇◆◆◇◇!」
魔獣は叫び声をあげながら消えていった。
その場には織斑一夏がいた。
「一夏…」
「箒………キュゥべえと契約したんだな……」
「………すまない!!」
「いいさ、俺もまどかさんから箒の記憶を入れてもらったんだ。ごめんな。俺なんかの為に。
バカな俺は復活したあとお前を標的にして嫌がらせばかりしてきた……全く、力を手に入れたのにこのありよう……これじゃ春樹と変わらないな……」
「一夏………すまない…嫌々だったとはいえ私はお前を傷つけてしまった……」
「いいさ……この話はなし!さあ皆の所に戻ろう!」
「……………ああ!」
箒の顔は今までで一番笑っていた。
海上 飛行中
「そういえば鹿目まどかは何者なんだ?記憶共有ができる魔法少女とは聞いたことないぞ。」
「あの人は魔法少女だけど魔法少女じゃない特殊な存在だからな。」
「どういう意味だ?」
「『円環の理』って知ってるか?」
「魔法少女になった時に頭に入ってきた情報にある。力尽きた魔法少女が導かれる争いのない素敵な国のことだな。」
「そう、その『円環の理』そのものだ。」
「なんだと!?」
「マジだぞ」
「そうなのか……じゃあもう一つの『円環を守り続ける悪魔』と言うのはまさか………」
「ああ、ほむらさんだな。」
「全く…………すごい二人がいたものだ……」
「幻想郷の事は言わないでくれるか?面倒なんだ。」
「わかってる。それと前に姉さんから専用機を渡すと連絡があったんだがお前は姉さんと会っていたよな?」
「機体の名前は何て言ってた?」
「確か………紅椿だった気が……」
「(ガンダム系にそんな機体はないな………)箒、多分その束さんは偽物だ。」
「どう言うことだ?」
「それは後で説明する、とりあえずホテルに戻ろう。」
「ああ。」
ホテル
「おかしいぞ、ここはお前の部屋じゃないはずだ。」
「ああ。」
「ちょっとマドカ!………って篠ノ之さんもいるのね。」
「やあ鈴さん。」
「こいつがあのメールの送り主だったんだ。」
「へぇー、………私もあなたの気持ちはわかるわよ。助けられなかった無力を呪ったわよね?」
「……………ああ」
「私のことは鈴って呼んでよ。」
「わかった、私のことも箒と呼んでくれ。」
「ええ。」
「とりあえず入るぞ。失礼します。」
一夏達は部屋に入った。そこには5人の生徒がいた。
「………まあ、篠ノ之さん!」
「あら、篠ノ之じゃない。」
「オルコットか、あの時はすまなかった。間違いなく『雪片弐型』はお前のものだ。
そして天子さんも私がわがままな言動を言って不快にしてすまなかった、あとで一組の皆にも謝りに行くつもりだ。」
「いいえ、私も出しゃばりすぎましたわ、ごめんなさい。改めて私のことはセシリアとお呼びください。」
「ああ、よろしくな、セシリア。」
「私はシャルロット・デュノア、よろしくね」
「私は更織簪………」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
「ああ、宜しく頼む。」
8人が話していると奥から誰かが来た。
「お待たせ、お茶入れてき…………!」
ガシャーン!
束はあまりの衝撃にお盆を落としてしまった。
「大丈夫ですか!?」
「ほ、箒ちゃん………?」
「………姉さん。」
自分の人生を狂わせた姉を目の前に箒の態度は落ち着いていた。
「箒ちゃん、私を責めないの?」
「………本当なら今すぐ殴りたいところです……ただあなたを殴ったところで世界が変わるとは思えない……それに………」
「それに?」
「……………あなたは私の世界にたった1人の姉ですから。」
「箒ちゃん……!」
束は箒に抱きつき、泣いてしまった、それを箒は抱きしめ続けた。
数分後……
「ごめん……落ち着いたよ、さて、新パッケージの話だけど……まずは外に出よう。」
外 海岸
「じゃあセシリアちゃんから……ケルディム貸して。」
「はい。」
束はセシリアから受け取ったケルディムを数秒改造し、返した。
「はい、終わったよ。展開してみて。」
「はい。……………まあ!」
ケルディムは『gnスナイパーライフル』が解除され、かわりに七丁の銃が追加されていた。
「追加パッケージ『サーガ』通称『セブンガン』だよ、遠距離を全て捨て、中距離では七丁の銃で乱れ撃ち、近距離はセシリアちゃんの圧倒的な近接銃撃+『雪片弐型』の決定打で戦うパッケージだよ。まあ明日のプログラムで使ってみて。」
「ありがとうございます。」
「さて…次はシャルちゃんだね。これを付けて。」
シャルは束から渡されたパーツをストライクのコアに接続した。そしてそれを展開した。
「なにこれ!?重たい!」
「その新パッケージは『IWSP』、パーフェクトに変わる統合型パッケージだよ。同じように明日試してみて。」
「はい!………さてと、これはじゃじゃ馬だね……」
「次はラウラちゃんだね。はい、預かってたタクティカルアームズ。」
「む、重たくなってないですか……?中にガトリング?」
「とりあえず背中にマウントしてみて。」
「はい………!おお!」
背中にマウントされたタクティカルアームズは展開され、スラスターに変わった。
「新タクティカルアームズはガトリングモード、フライトモード、いつもの大剣の3つのモードがあるんだ。まあ明日試してみて。」
「はい!」
「次は簪ちゃんだね。これをデスティニーシルエットを付けてみて。」
「はい。」
渡されたパーツをデスティニーシルエットに装着し、デスティニーシルエットを展開した。
「費が……。」
「とりあえず持続力を重視してみて作ったよ。」
「ありがとうございます…。」
「さて、最後は鈴ちゃんだね。ちょっとコアを貸して。」
「はい。」
鈴はコアを手渡し、セシリアのケルディム同様に改造を加えた。
「………よし!完成!とりあえず纏ってみて。」
鈴は言われた通り、ゴールドフレームを纏った。ゴールドフレームはより女性的な形になっており、特に脚部に大幅な改修が加えられていた。
「どう?」
「操作性が格段に上がってるわね。……この実体剣と鉤爪は?」
「その強化プラン『ミナ』はトータルでは約30%程度のスペック向上が見込まれているね、
その実体剣はトツカノツルギ、使い方は難しいけど慣れると相手に傷を負わせずシールドを0にできる、その鉤爪はツムハノタチ、それも使い方は難しいけど使いこなせたら大きな戦力になるとおもうよ。あとオキツノカガミって武器もあるから確認しておいて。」
「わかったわ。」
「さて、最後に天子ちゃんといっくんだね。……………わかってるよね。」
「ええ。」「はい。」
二人はISを束に渡した。
数分後……
「………完成したよ、呑まれないでね。」
「ありがとうございます。」「当然よ。」
「姉さん、一夏達には一体何を?目立った変化はありませんが……」
「ゼロシステム、エピオンシステムといって戦況を分析・予測した状況の推移に応じた対処法の選択や結末を搭乗者の脳に直接伝達するシステムだよ」
「…………どういう意味よ?」
鈴が質問した。
「まあ簡単に言うと詰め将棋に於いて常に正しい選択を迅速に脳に伝える機能だ。」
箒が束の解説を簡単に説明した。
「はあ!?何それ、インチキじゃん!」
「でも両刃の剣でね、これを付けた機体は『勝利』を最優先する余り、パイロットの負担は全く考えないんだ、例えば最良の行動を取るためならばパイロットの腕を平気でぶっ飛ばすような選択を選ぶんだよ、だから危ない指示を払いのける強靭な精神力を持つこの二人に頼んだんだ」
「なるほど………」
「……箒ちゃん……専用機はどうする?いるなら私が作るけど…」
「………今の私は専用機を持つに値しない人間です、…………ただ一夏に危険が迫った時、その時は………」
「……………うん!………もうこんな時間だね、皆そろそろ戻らないと。」
時刻は既に夜の一時であった。
「ふわぁーあ、それもそうね、…束さん、今日はありがとうございました!」
「うん。またいつでも言ってきて……私にできる事なんてこれくらいしかないからさ…」
「姉さん、今日は姉さんの部屋に泊まってもいいですか?」
「うん!」
「ありがとうございます、ではまた後で。」
そして8人は部屋に戻った。
8人が去った数分後、束は石を物陰に投げた。
「………さて、隠れてないでさっさと出てきなよ。」
「むぅ……バレてたか」
物陰からもう1人の束が出てきた。
「こんばんは、過去の私」
「君は一体何なのさ!?訳わからないんだよ!私の癖にちーちゃんとはるくんがあんまり好きじゃなかったりそのくせ他の奴らには優しいし!誰なんだよ!君は!?」
「………私はあなたよ、はい、これ。」
束は自身にボロボロな何かを渡した。
「これは?」
「白式のコア、治してあげて。じゃあね。」
束はその場から去っていった。
「ふん!もうこんなポンコツはいらないもんね!私ははるくんの為に新しい専用機を用意したんだもん!えい!」
束は白式のコアを遠くまで投げ捨て、どこかへ行った。
書いてて思ったがこの姉妹、最早原作とは別の何かである