「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へと移る。今日のテスト稼働は中止。各班、ISを片付けて旅館に戻れ、そして指示があるまで室内待機だ。」
八坂神奈子は生徒を旅館へ誘導した。
「シャルロット、鳳、セシリア、簪、ラウラ、マドカ、天子はこっちに来てね~。」
非常事態だというのに幽々子はおっとりした声で人を呼んだ。
数分後…教員達による生徒の誘導が完了し、7人が集められた。
「どうなされたのですか?」
「いや~、厄介なことにアメリカの試作機、『銀の福音』が暴走を始めたのよ。」
「お前等にはそれの暴走を止めてもらいたい。」
幽々子、神奈子が続けた
「その程度なら博霊さん達に任せるとよろしいのでは?」
「この事態をその程度といえるとはセシリアも成長したな、博霊についてだが全力を出すと搭乗者を死に至らしめてしまう可能性が存在するからな。」
「なるほど、ではマドカさんと天子さんは?」
「こいつらは先見隊だ、こいつら二人で鎮圧できるなら鎮圧する。できないならお前達がリミッターを戦う二段構えの戦法だ。」
「なるほ「まってまってー!」
目の前には篠ノ之束のクローンがいた。
「なんだ?今は重要な作戦の話をしてるんだよ、どっか行け。」
「それなら先見隊にこのはるくんを入れてくれない?」
そこには春樹がいた。
「はるくんの新専用機『雪羅』は一撃能力が長けているからね。君達二人に運んでも「よし、準備が出来次第出発だ。」
「「了解!」」
「無視するな!」
「織斑春樹、貴様が先見隊に入ることによってどれだけの不利益がでると思う?それに決定打なら比那名居のツインバスターライフルとマドカの『ひな』で十分だ。」
神奈子はまるでゴミを見るような目で春樹に言い捨てた。
「じゃあそういうことだ、俺達は行ってくる。」
「じゃあねー。」
一夏と天子は翼を羽ばたかせ海に飛び立った。
「………もういいもん!はるくん!行ってらっしゃい!」
「はい!織斑春樹、雪羅、出る!」
「バカ!春樹!行くな!」
束は千冬の制止を振り切って春樹を出撃させた。
「何なんだよお前等!そんなにあのマドカって奴が好きなのかよ!?あいつは男じゃん!」
「な!?……………束、詳しく教えろ。」
「それ以上言うな。」
「むぐっ!」
神奈子は一夏の秘密を言おうとした束の首根っこを掴み、静止させた。普段なら『細胞レベルまでオーバースペック』な束だが何故か振り切ることが出来なかった。だが束はそんなこと構わず話し続けた。
「あのマドカってのはちーちゃんのクローンでその中にいっくんとか呼ばれてる男の魂が入ってるんだよ!」
「ーーーーーーえ?いっくん……だと?」
(あちゃー)
「……………もう私の口から真実を話すわ。あの子は、西行寺マドカの本名は」
幽々子はゆっくりと口を開いた。織斑千冬は既にその名前を知っていた
「織斑一夏よ」
「…………………」
千冬は黙っていた。
「あの子が誘拐犯に捕まって殺される寸前、彼は周りの者への復讐を願ったらしいわ。するとどういう事やら某国が研究していたあなたのクローンにその魂が入り込んだの。で、いろいろあってアナハイムに逃げてきた彼を私の養子にした………以上が織斑一夏の真実よ。」
「……………すまない。西行寺先生。私も今から一夏の所へ向かいます。」
千冬は暮桜を展開し、飛び立った。
「………幽々子」
「神奈子、おそらく彼女は一夏に殺されに行くつもりよ…」
「……………計画変更だ!お前等5人も今から福音の下に向かってくれ!」
「「「「「はい!」」」」」
5人はISを展開し、飛び立った。
ハワイ沖周辺、一夏と天子は福音と交戦していた。
「これなら行けそうだな!」
「ええ!ゼロ!未来を見せなさい!」
「La………♪」
甲高いマシンボイスが響き、福音のウイングスラスターから一斉射撃を始めた。
「天子!俺が前に出る!」
「ええ!ゼロの予測でもそう出たわ!頼むわよ!」
一夏は前に出て、『ひな』で光弾を全て切り裂いた。
「今だ!」
「ええ。」
天子はツインバスターライフルを最大出力で発射した。
「…………………!」
銀の福音は動きを止めた。
「終わりだ!神鳴流!黒刀斬岩剣!」
一夏は黒いオーラを刀に一点集中し、福音に斬りかかった。
が
突如横から切り裂かれた。
「っ!なんだ!?」
「どけ!僕がやるんだ!」
そこには最も憎たらしい人間、織斑春樹がいた。
「邪魔だ!どけ!」
「それはこっちのセリフだ!僕がやるんだ!屑はどいてろ!」
屑
その一言が一夏の脳内に響いた。
「だめ!一夏!集中しなさい!」
ーーーーーーどうしてお前みたいな屑が千冬様の弟なんだ。ーーーーーー
ーーーーーーあんたみたいな屑に存在意義はないわよ。ーーーーーー
屑 屑
屑屑くずクズ屑くずクズ屑くずクズ屑くずクズ屑くずクズ屑くずクズ屑屑くずクズ屑屑くず
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
エピオンは一夏につけ込み、簡単に飲み込んだ。
「だめ!」
「………とりあえず………」
一夏はゆっくりと春樹の方を向いた。
「なんだよ!?」
「エピオンの示す未来にお前は必要ない。死ねよ。」
「え?」
一夏は高速で剣を振り、春樹の『雪羅』を行動不能にした。
「うわああああああ!」
「さて、天子、次は福音だな。さっさと死ねよ。」
「一夏!ダメ!」
天子の制止を振り切り、一夏は高速で福音に斬りかかった。
「弐党黒刀五月雨斬り。」
「!!!!!!!!」
なんと福音が一瞬で沈んでいった。
海に落下しかけた福音と春樹は何かに掴まれた。
「…………とりあえずあそこの密漁船に降り立つか。」
その女、織斑千冬が密漁船に降り立った時、既に人はいなかった。恐らく、先程の激戦から海に逃げ込んだのだろう。
「………さて。」
「織斑………千冬!」
一夏の顔には明らかな憎悪が浮かんでいた。
「一夏……………頼む、私を殺してくれ。」
「………はぁ?」
「何言ってるの!?」
「言葉の通りだ、私を刺せ。」
「なんでなんだよ!?何なんだよ!?」
突然の発言に一夏は戸惑った。
「私はお前の存在を疎かにして、できる春樹にだけ優しくしてお前のことは気にかけなかった。そしてお前が死んだ後に一夏一夏と……正直、都合が良すぎて反吐が出るよな………そしてお前の幻影に捕らわれて双子の春樹を更に大事にしてしまって……正直………死んでも詫びることはできないと思う……だが、せめてもの償いだ……お前の手で殺してくれ……」
「……………………」
一夏の中には様々な記憶が戻ってきた。
「お前は私が守ってやる」「なあ、二人でどこかに行かないか?」「私なりに弁当を作ってみたんだが……」「うん……美味しいよ。」「そうか!それは嬉しいぞ!」
それは一夏がその昔、千冬と二人でピクニックに行った記憶だった。
「やめろ!エピオン!こんな記憶を見せるな!これはまやかしだ!まやかしなんだ!!見せるな!出ていけ!こんな記憶!」
振り切るように千冬に斬りかかった。
「そうだ………それでいい…すまなかった……一夏………」
千冬は目を閉じた。
ーーーーーお前は私の弟だ…ーーーーーー
最後の記憶が再生された瞬間、一夏の手は止まった。
「一…………夏……………?」
千冬が目を開けると、寸前で『ひな』を止め、泣いている一夏がいた。
「殺せるわけないだろ………どんだけ無視されても、ひどい目にあっても、あんたは俺にとっては姉さんなんだ………うぅ………」
一夏はひなを量子化した。
「一夏……」
(エピオンシステムの暴走を振り切った………さて、一段落ね。……………マズい!)
カン
一夏のエピオンの腕部に何かが当たった。
「何で僕がこんな屑にぃぃぃぃぃ!………………あっ……」
何と春樹が自身のブレードを一夏に向かって投げて、それが当たってしまった。そのまま春樹は気絶してしまった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ーーーーーーなんであなたみたいなグズが千冬様の弟なの?ーーーーーーーー
ーーーーーーなぜ春樹に比べてお前はこんなにできないんだ!ーーーーーー
ーーーーーーこんなの春樹なら余裕だぞ!ーーーーーーー
ーーーーーーお前が悪いーーーーーー
当たった刀がトリガーとなり、一気に不幸な記憶が再生された。
「一夏!?」
「……………皆で俺を否定するんだ………!」
「一夏……」
「千冬姉……あんたはおれを……私の弟だって、言ってくれたのに……」
「ダメ!」
再び『ひな』を具現化し、千冬に斬りかかった。
が
天子が千冬の間に入り、変わりに斬られた。
「天………子………?」
「ひ……比那名居………?」
「憎しみに………捕らわれちゃ………ダメ………織斑先生としっかり…………話して……」
そのまま天子は墜ちていった。
「ぐうおおぉぉッ!! ああぁァァァ!!!」
一夏は叫び声をあげた。そして今度こそエピオンシステムは完全に一夏を飲み込んだ。
「一夏……」
「織斑先生!状況は!?」
シャル達が応援にたどり着いた。
「……………福音自体は撃破した、ただシステムに一夏が……………私のせいだ………私のせいだ………死なないと……………死なないと…………」
パチン!
「鳳………」
鈴が千冬に平手打ちした。
「死んで詫びる!?ふざけんじゃないわよ!そんなの自分の罪から逃げてるだけじゃない!」
「…………」
「天子が最後に言ったようにしっかり向き合いなさいよ!一夏と!自分の罪と!」
「………そうだな、私は逃げようとしていただけだ、まずは一夏を救出する、話はそれからだな」
「ふん……やっとわかったのね、初めからそうすりゃいいのよ。」
イチカ・マーセナスになったりエクステンデッドになったり一夏って忙しい。
大体あと五~六話で一夏復讐編終了です。
追記
コメントに返信してしまうと間違いなくネタバレになってしまうので物語の核心に迫る質問には返信できないかもです、ただこいつはこのMSなどはいつでも受け付けてるので気軽にどうぞ