IS~神魔と幻想に魅入られた者達   作:茶々円

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第10話 雷の魔法少女と華人小娘

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パチュリーside

 

 

 

「パチュリー様ー、もう少しですよー。」

「ぜぇ…ぜぇ…なんでレミィと咲夜のいる教室は四階なの……?」

 

 

 

 

私と美鈴はレミィと咲夜から招待状を貰った為、IS学園の文化祭に来ている、普段紅魔館では魔法で移動している為あまり気にならないがこの校舎に来るまでに20分くらい電車で立ち、更に人工島に到着してから15分歩き、更にレミィのいる教室は四階、魔法の使えない私は死にかけている。

 

 

 

 

「着きましたよー、私は中華喫茶と妹様を見てきますねー。」

 

 

 

 

その言葉と共に美鈴は走っていった。……羨ましい…私にもあれくらい体力があれば…

 

 

 

 

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鈴side

 

 

 

「ほいさー!」

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

中華喫茶では格闘技に自信のある人が見せ物として特設リングの上に上がり、私と勝負して勝つと食事代がチャラになるサービスがある。

朝からは何人も挑んで来たが永琳師匠に教えて貰った拳法で余裕の無敗を誇っている。で、ちょっと出掛けて昼からは3人倒している

 

 

 

 

「あのー!肉まん5つと酢豚、それに焼売2人前とラーメン2杯追加で!!!」

 

 

 

 

 

何なのよあの赤髪の人……もう既に肉まん10個と点心8つ、それにラーメン五人前は食べてるわよ………。………あ、食べ終わった。

 

 

 

 

「確か勝てばタダなんですよね?」

「ええ……そうですが……」

「挑戦しますね。」

 

 

 

 

 

 

なるほど、私も舐められたものだ、恐らくあれだけ食べていたのもこれでチャラにできると思ったからだろう。まあこれで勝ってしまえば大幅な利益に繋がる、悪いが勝たせてもらおう。

 

 

 

 

「ただいまー……美鈴さん!?」

「あ、まどかさん、こんにちは。ここまどかさんのクラスだったんですか?」

「そうだよー。」

「ゴチになります!」

「………あっ!………鈴ちゃん!もしかして勝負受けちゃったの!?」

「?……ええ。」

 

 

 

 

この赤髪、まどかの知り合いだったんだ……、てかまどかが絶望に沈んだ顔をしてるわね……。

 

 

 

「どうしたの?」

「どうしたもこうしたもないよ!あれだけ食い逃げされたら売り上げパーだよ!」

「……え!?もしかしてあの人強いの?」

「強いも何も拳限定ならあなたの師匠の永琳先生を完封できるレベルだよ!」

 

 

 

 

……………はぁ!?師匠を完封ですって!?いやいや、流石にあの師匠を完封は言い過ぎだろう。

 

 

 

「ハンデとして武器使ってもいいですよ。」

 

 

 

 

 

完全に舐めきられてるわね………、上等よ、それならこっちもイカサマを使ってあげる…!

 

 

 

「………少し着替えます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………奇跡も魔法もあるのよ!!

 

 

───────────────────────

 

 

 

数分後……

 

 

美鈴side

 

 

「待たせたわね。」

 

 

 

 

先程の黒色のチャイナ服とは打って変わり赤色に金のラインの入ったチャイナドレスに着替えた彼女が出てきた。……負けると咲夜さんにぶち切れられるので軽く本気を出しましょう。

武装は………腰にトンファーですか。………あのトンファー……なぜか高圧電線とほぼ同等の電流が流れてる……危険ですね。おそらくあの子本人はあの竜宮の使いと同レベルの雷を放出できると考えていいでしょう。でもどうやって?いや……この魔力傾向はまどかさんと同じ……

 

 

 

私はまどかさんに目配せした、やはりまどかさんは非常に驚いた表情をしている。

 

 

 

 

 

「行きますよ!」

「なっ!?」

 

 

 

彼女の手から棍が現れ、それが突如伸びた、あれは恐らくかの斉天大聖………孫悟空が愛用したと言われる伸縮自在の棍棒・『如意金箍棒』ですか……、爪楊枝くらいまで小さくしておいたものを即巨大化と…少々厳しいですね……、ですが!

 

 

 

「踏み込みが遅いです!」

 

 

 

 

私の頭にめがけて伸ばしてきた如意棒を最小の動きで回避し、それを掴みこちらへ引き込んだ。

 

 

 

「っ!……まだよ!龍砲改!」

 

 

引き込まれたことを利用し私に対してトンファーから何かを発射した。恐らくトンファーの先端に衝撃砲が装備されているのだろう。だが私は衝撃を飛ばすことの出来る人とは何度も戦ったことがある。まどかさんの方を見るとどうやら早く事情を聞きたいらしい。さっさと終わらせましょう。

 

 

 

「華符………」

「っ!(魔力!?なんで!?しかもこの量!ヤバい!)」

 

 

 

 

「彩光蓮華掌!!」

「っ!!………あれ?」

 

 

 

どうやら魔力がどこに行ったか考えてるみたいですね、魔力は置いておきましたよ……

 

 

 

 

 

「何これ!?体が!きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

……ほら、あなたの体の中にね。

 

 

 

私のスペルカード『「華符」彩光蓮華掌』は神速の掌底打ちにより相手の体内に虹色の魔力を送り込み、内部から爆破させる技だ。

 

 

 

まあこれで戦闘不能………うぐっ!?

 

 

 

 

 

 

「へへっ……やってやったわ………」

『鈴が気絶したー!タンカ!タンカ!』

 

 

 

 

彼女はいたちの最後っ屁とでも言うように私の脇腹に如意棒を突き刺した。

 

 

………筋がいいですね。もしこのまま強くなれば私と同レベルにも…

 

 

 

 

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鈴side

 

 

医務室

 

 

 

「うーん……ここは……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、目が覚めたわね。」

 

 

私が目が覚めると目の前には師匠がいた、ここは恐らく医務室だろう。

 

 

「師匠……すいません、どこぞの名無しの女性に負けちゃいました……」

「そうね、慢心しすぎたわね。あとあなたは負けて当然よ。」

「え?」

「あの子、紅美鈴は野心を持たずひたすら自らを高めていて公式戦とかには一切出ていないからね、当然よ。………あら、本命が来たわね。代わるわ。」

 

 

 

 

 

本命って誰…………あれ!?私のソウルジェムは!?どこ!?

 

 

「慌てないで、ソウルジェムならこっちで預かってるわ。」

 

 

 

同じクラスでアナハイムのテストパイロットであるまどかとほむらがカーテンを開けて入ってきた。なんでほむらが私のソウルジェムを持ってるのよ!いや…それよりもなんでほむらがソウルジェムと言う言葉を知ってるの……?…………まさか……

 

 

 

 

 

そんなこんなを考えてる内にほむらはよくわからないソウルジェムに似た宝石を、まどかは空のソウルジェムのフレームの中に眩い輝きを放つオブジェのようなものを取り出した。

 

 

「えい!」

「………!!!」

 

 

まどかとほむらは変身を始め、まどかは白色のドレスを纏った女神のような風貌に、ほむらはバレエの衣装のようなセクシーな衣装に身を包んでいた。

 

 

 

「まさかとまどかとほむらも魔法少女だったなんて………それよりもほむら……」

「ま、厳密には魔法少女だけど魔法少女じゃないけどね。」

「どうしたの鈴?」

「いや……その衣装……貧乳の惨めさを晒しているだけだからやめたほ「だーまーりーなーさーい!!!」

 

 

ほむらの目元にあみだくじみたいなラインが入った、怖いわよ………

 

 

 

 

「そ、それよりどうして契約したの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………まあ別にいいわよ。話してあげる。」

 

 

 

鈴は自分の魔法少女になったきっかけを話し始めた。

 

 

 

~~~~回想~~~~

 

 

 

「爺ちゃん!」

 

私は中国に戻ってすぐに祖父のいる病室へ向かった。病室には意識のない祖父とそれを見守っている医者がいた。

 

 

 

「あなたは……確か代表候補の………」

「孫の鈴音です。爺ちゃんは?治るんですか?」

「………薬で今は安定していますが、このままなら持って数日でしょう。人工呼吸器をつけることもできますが意識が戻る可能性は極めて低いです、………いま、現状で連絡の取れる肉親はあなたひとりだけ……あなたに決定権があります。どうなされますか?」

 

 

 

 

 

「………延命処置はしないわ。それが爺ちゃんの意志だから………。」

「そうですか………では失礼します。」

 

 

 

 

医者は病室から去り、鈴は取り残された。

 

 

 

「…………爺ちゃん、私、もっと爺ちゃんといろんなことを話したかったよ……いっぱい紹介したい友達もいるんだよ……爺ちゃんに料理………もう一回だけ教えて貰いたいよ………」

 

 

私は涙をボロボロ落としながら爺ちゃんに語りかけていた。

 

 

「爺ちゃん…………お願い……もう一度だけでいいから、目を開けてよ………!」

 

 

必死に祈るが祖父は目を覚まさない。

 

 

 

(……爺ちゃん………!)

 

 

 

 

 

 

 

「ボクなら君の願いを叶えることが出来るよ。」

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

窓には自分が気持ち悪いと海に沈めた白色の小動物『キュゥべえ』がいた。

 

 

 

「だから……」

 

 

 

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

 

 

 

こいつの言う言葉に普段は馬鹿馬鹿しいと言って無視する私だがこの時は食いついていた。

 

 

 

「魔法少女………」

 

 

 

「どうだい?」

「………契約するわ!爺ちゃんの命が尽きるまででいいから、爺ちゃんを元の爺ちゃんに戻して!」

「病気を治すことだってできるのに、それで良いのかい?」

「………そうしたいけど、それは爺ちゃんの生き方を踏みにじることになるから……」

 

 

 

 

 

 

 

「わかった。契約は成立だ。」

 

 

キュゥべえは私の胸部から魂を抽出し、ソウルジェムを精製した。

 

 

 

 

数分後………

 

「………」

 

爺ちゃんは目を覚ましていた。

 

 

「爺ちゃん!」

 

 

私は爺ちゃんに抱きついた。

 

 

 

「これは……夢か?」

「そうだよ、爺ちゃんが天国に行くまでに見る、最後の夢…」

「そうか……素敵な夢だな……」

 

 

 

 

残りの日は爺ちゃんの意向もあり、私の育った実家で過ごした。

 

 

 

 

 

「この長い金髪の子がセシリアで、これがマドカ、それでそれで………」

 

 

私は写真を見せ、爺ちゃんに自分の友人を紹介していた。

 

 

 

 

「おやおや、鈴はいい友達に巡り会ったようだな、IS学園に行かせてよかったよ。」

 

 

 

 

 

 

祖父との夢のような日常は一瞬で過ぎ去り、ついに最後の日となった。

 

 

 

 

 

最後の日、鈴は祖父に料理を教えて貰っていた。

 

 

「鈴、辛いことがあってどうしていいか分からないときはお腹に聞きなさい、お腹が減って『食べたい』と感じたら、お前はまだ生きたいと思ってる。」

 

 

──────飯を食べると、お前が食べた命のぶん、その命に感謝して命懸けで生きろ、それが希望となる。

──────大丈夫、人は決して絶望なんかしない。

 

 

 

 

 

 

~~~~回想終わり~~~~

 

 

 

 

「次の日、爺ちゃんは亡くなった。」

 

 

 

「うぅ…………鈴ちゃん……」

 

 

(あらー、この話どっかで聞いたことがあるわー、あれだわー、和紗ミチルちゃんだわー。)

 

 

まどかは泣き、ほむらは色々考えていた。

 

 

「それよりもあんたらも魔法少女だったのね……あ、グリーフキューブいる?一応ストックはあるし。」

「いえ、その必要はないわ。私達のソウルジェムは濁ることを知らないもの。」

「どういうことなの?」

 

 

 

 

 

女神悪魔説明中…………

 

 

 

 

 

 

 

「ほえー……まさか同じクラスに円環の理と悪魔ねぇ……、他に魔法少女がいたりするの?」

「うーん、把握している範囲では一夏君の妹さんと箒ちゃんとセシリアちゃんと………いや、それだけだよ。」

 

 

 

まさか箒もセシリアも魔法少女だったなんて……それよりも……

 

 

 

「まどか、あんた何か隠してるでしょ?」

 

 

 

 

そう、まどかが魔法少女の名前を言うときに最後に若干含みがあった。

 

 

 

「……強いて言うなら魔獣の巣にちょっとした違和感を感じたらすぐに退いたほうがいいってこだね。」

 

 

 

うーん……意味分からないわね…

 

 

『本日の文化祭は終了いたします。各クラスの生徒はすぐに片付けを始めなさい。』

 

 

 

 

「あ、そろそろ戻らないと。」

「なら私も着いていくわ、もう治ったし。」

「りょーかい。」

 

 

 

さてと…負けた分しっかり手伝わないとね。

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

「へー、鈴も魔法少女になったんだ。」

「……………まどか?」

 

 

どうやら最近転校してきたさやかも魔法少女だったみたいだ。なんでまどかは隠してたんだろう?

 

 

 

「……さやかちゃん」

 

 

 

 

 

まどかがさやかに何か耳打ちしている、なんだろ?

 

 

 

 

「……鈴、今度私と闘わない?箒とセシリアと鈴の三対一でいいよ。勝ったらグリーフキューブあげるよ」

「はあ?」

「ただし私は『指揮者』にならせてもらうけどね。」

 

 

指揮者?どういう意味?まあグリーフキューブ貰えるならやってみようかしら。

 

 

 

 

そういったさやかの耳には人魚のイヤリングが付けられていた。

 

 

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幻想郷 命蓮寺

 

 

「寅丸、儂も早苗ちゃんを見て人間の現人神が欲しくなったんじゃが。」

「言ってる意味がわかりません。とりあえず初めから説明して下さい。」

 

 

 

いきなり何を言い出すんだこの神は、代理人でも流石に引くぞ。それでも七福神か。

 

 

 

「いやー、最近久々に他の七福神と会ってな。「毘沙門天さんはなんで妖怪を代理人にしてるのですか?」と大黒天に聞かれてつい見栄を張っちゃって……。」

 

 

 

『人間の代理人もいるわい!』と言っちゃったと……

いや、代理人ですけど、手下としても言いたいです。バカですか?

 

 

 

「………まあいいでしょう。どんな子をご所望ですか?」

「いや……私にバカって……、じゃあ細かく言わせてもらうと真面目で気遣いが出来て更に胸もある程度はある、それでも少しボーイッシュさが漂っていたら最高じゃの。あ、日本人以外でな?」

 

 

 

 

もうやだこの毘沙門天、なんでこんなマニアックな性癖持ってるんですか?そんな子いるわけ……………あ!

 

 

 

「……いますよ、フランス人でボーイッシュで優しくて気遣いできる女の子…。丁度今は文化祭です、白蓮か村紗から招待を貰って明日一緒に行きましょう。」

 

 

 

 

 

確か白蓮が気に入ってたあの子………なんて名前だっけ?

 

 

 

 

毘沙門天様を宝塔の中に納め、ナズーリンと共にIS学園に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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