「ふぅ……大分馴染んできました……」
「凄い……ここまでくると最早才能ですね……」
私が命蓮寺に落ちて数時間後、白蓮さんからここの説明、そして私が日本の神である毘沙門天の現人神にならないかと誘われ少し悩んだ後受け入れた。
現人神になった感覚としては普段とは余り変わりないが常にISに乗っているような力の増加を感じる。毘沙門天様の性質なのか意識するだけでその場所にレーザーを飛ばせるというIS顔負けの力も身についた。今の私なら訓練機や下手な専用機程度ならISなしで破壊できるかな?
「次は私自らが教えるわ、星がレーザーの使い方を教えてくれたから私が教えるのは主にそのダダ漏れの魔力を全て身体強化に回す方法よ。あなたのその力は私と星のスタイルを足したような能力だからそれに見合った戦闘スタイルの構築をしていくわ。」
「はい!」
こうして白蓮さんとの特訓が開始した……
約二時間後……
「よし、付け焼き刃だけど今はこんなところでいいでしょう。」
「ありがとうございます。……でも何でこんな急いで教えてくれたんですか?」
「……あなたの友達が危険な状況なの、助けにいってあげて。」
友達!?……基本危険なことに巻き込まれるのは箒かセシリアか鈴か簪かラウラぐらいだけど……
「友達ってだれ………ってえぇぇぇぇ!?」
私は地面に突然出てきた空間の亀裂に飲み込まれ、そのままよくわからない空間に放り出されてしまった………
────
「ゲームオーバーなのです!ラ「ひゃぁぁぁぁぁ!!」
「むぐっ!?誰なのですか!?」
「………シャルか?」
「ラウラ!」
私が亀裂から出た瞬間、同じクラスのなぎさちゃんの口から出てきた巨大な怪物がラウラの首を咬み千切ろうとしていた。そこに偶然落下し、偶然にもラウラを助けることが出来た。
「ラウラ、その格好やっぱり……」
「シャルこそ、説明は後だ、とにかくあの百江を倒さないと箒達の救援に向かえない、だがあいつはとにかく強い、手伝ってくれ。」
「りょーかい!」
「じゃあ行くぞ!」
その言葉と共に私とラウラはなぎさちゃんに向かって攻撃を仕掛けた。同じクラスの子に攻撃するのは少し気が引けるけどなぎさちゃんのあのピエロのような顔に口から出てきた巨大な怪物………、あれに対して私の全細胞が『あれは危険』だと言っている。
「2VS1ですか……、行くです!…Polina!Pyotr!」
その言葉と共になぎさちゃんは魔力を解放し、地中からナース服を着た怪物、そしてナースキャップを被ったネズミのような怪物を生み出した。
「PolinaとPyotrは一体づつ残して残りは全てあの金髪のお姉さんの相手を!そして残った一体は私に付いて来て下さい!あの銀髪のお姉さんを叩くのです!」
『『?●◇●?&!!』』
なぎさちゃんの指示を受けた怪物が数十匹、こちらに向かってきた。……さて、やろうかな。
「行くよ!ペンデュラム展開!」
早速ナズーリンちゃんから貰った首飾りを展開、0私の周りに一定の軌道を描く。
「よっと!」
『●??&&●!?』
更に白蓮さんから借り受けたエア巻物を展開、それを鞭のように振り、次々と怪物を撃破していく。
もう随分と数が減ってきた、後は………
「終わりだよ!宝塔!一斉発射!」
私は首に掛けた寅丸さんの持つ宝具『宝塔』のレプリカを約20個展開、残りの敵をレーザーで焼き払った。
丁度なぎさちゃんもラウラに集中している、悪いけど闇討ちさせてもらおう………っ!?
なぎさちゃんに向かってペンデュラムを発射しようとした瞬間そのペンデュラムが何かに打ち抜かれ破壊、更に私の足もリボンのようなもので縛られた。
「悪いけど、あなたをなぎさちゃんの下に────いいえ、仲間の下には行かせないわ。」
「あなたは確か一組に転校してきた巴さん?だっけ?悪いけど急いでいるので。
そう言いながら私は宝塔で足に括り付けられたリボンを焼き払う、だが焼き払った瞬間にそのリボンが再構成を始め、一秒も経たない内にまた私の足に括り付けられた。
「なるほど、本当の意味であなたを倒さないと行けないようですね……」
「まあそんな所かしら?」
「……あなたとはインファイトが相性良さそうなのでこれで行きます。超人モード!」
この超人モードとはペンデュラムや宝塔に使う魔力を一時的に全て身体強化に回し爆発的な身体能力を得る白蓮さんお得意の技だ。
そして手に魔力を込め右手からビームの剣『スターソード』を展開、身体能力に身を任せ巴さんに詰め寄った。
「パターン読めてるわよ!」
そう言いながら巴さんはマスケット銃から高速の弾丸を発射、その銃弾は綺麗に私の足にヒットしたが超人モードの前では殆どの攻撃など弾き飛ばす、こんな弾丸など蚊に刺された程度の痛みだ。
「やあ!」
掛け声と共に巴さんに向かって思いっ切り強化された拳を振り下ろした。だがその攻撃はすんでの所で放たれた弾丸により軌道をズラされ巴さんの顔面の横の地面にめり込んだ。
「っ……!(マズいわね……、シャルロットさんの魔法と私の魔法はかなり相性が悪い……、余りやりたくないけどロロを解放する事も視野に入れた方が良さそうだわ……)」
「考え事をさせる余裕は与えない!」
私はスターソードを解除、腰に装備された『エア巻物』を展開、それを鞭のように振るい巴さんを吹き飛ばした。
「………サバーニャ!」
──────勝った!
巴さんがISを展開した瞬間私は勝利を確信した、なぜなら……
「ティロ・フィナーレ!……なっ!?」
相手のISのビーム発射モーションに合わせてこちらも専用機『アカツキ』を展開、私の専用機の単一仕様能力『ヤタノカガミ』はありとあらゆるビームを跳ね返す。
最初から巴さんがISを使うのは読めていた、ならそのISを使うタイミングに合わせてこちらがISを展開すれば勝手にヤタノカガミが相手のビームを跳ね返し致命傷を与えることが出来る。つまりISを使わせればいいのだ。
そして巴さんの放ったビームはヤタノカガミが跳ね返し全てが本人にぶつかった。
「けほっ……けほっ……迂闊だったわ、ヤタノカ「止めです!」
「かはっ…………──────!!」
私は体を流れる全ての魔力を左手に集中、そしてせき込んでいる巴さんの腹に全力でパンチを食らわせた。
そのまま巴さんは地上に落下、恐らく気絶しただろう。
「うーん………」
だが私の中には違和感が渦巻いていた、巴さんが殴られた瞬間私には聞こえない声で何かを呼んだ………、それにあまりわからないが殴った感触は『人の体』というよりも『綿のような何か』であった。
「まあ気のせいだよね……、早くラウラの応援に行かないと、ごめんね巴さん、後で迎えに来るから。」
私は気絶している巴さんをよそにラウラの応援に向かうために歩き出した……!?
「まさか今日契約した子に仮装舞踏会を使わされるとは思ってなかったわ、ここからは手加減なしよ……!」
振り返った巴さんの姿は変わり果てていて水色のスモックに、黄色の巨大なボンネットをかぶり、腕は黄色いリボン、そして顔には黄色のボンネットを花弁に見立て先端がピンクのおしべのようなものが出た仮面を被っている、放っている魔力も先程の華々しい魔力から毒々しく禍々しい、まるで負の塊のような魔力に変わっていた。
「ともえ……さん……?」
「さあ、第二ラウンドよ。あかいろさんとあおいろさんは正面から!しろいろちゃんは決定打!そしてくろいろさんとももいろさんは援護!行くわよ!」
巴さん?の掛け声と共に突然現れた五匹の使い魔、それはまるで鹿目さんと暁美さん、そしてなぎさちゃんと佐倉さんと美樹さんのようだった。
『『∟?●●◇◇!』』
「速っ……!」
佐倉さんと美樹さんに似た使い魔が高速でこちらに詰め寄り槍と剣を振るってきた、……速いね…、超人モードでも受け流すのがやっとだ、やっぱり本体を叩くのが一番良さそうだね……っ!?マシンガン!?しかも魔法で強化されている!?
撃ってきた方角を見ると暁美さんに似た使い魔がマシンガンを捨てて
いまにもこちらにロケットランチャーを放とうとしていた。
「させない!エア巻物!」
『◇●?&?』
「食らってください!」
エア巻物でロケットランチャーを奪い取りそれを巴さんに向かって放った。流石に人間ではなくても身体強化していないならばロケットランチャーに当たるだけで致命傷になる。
だが巴さんに向かって放った弾丸は無情にもピンクの使い魔が弓矢で貫き、空中で爆散してしまった。
「くっ……」
ピチャッ
ん……?今何かが飛び散ったような…?まあいいや、とりあえず次は……
グチャ……
何か踏んだかな……?何だろ………!?
「………嫌あぁぁぁぁぁぁ!!」
私が踏んだものは誰のものかわからない右腕だった。……いや、……あの薬指のネイルは……まさか………
「あーあ、外したのです。」
「ぐっ………、シャル………」
「ラウラ!?右腕は!?」
そう、暗がりで少ししか見えなかったが今ならよくわかる、私の踏んだ右腕はラウラのものだ、そして目の前には右肩から下がないラウラがボロボロになって闘っていた。
「……どうして……?」
「?どうしたのですか?」
「どうしてこんなことをするの!?」
私は顔が完全にピエロのようになったなぎさちゃんと五体の使い魔を従えている巴さんだったものに大きな声で聞いた。
とっさに聞いたが思えばそうだ。なぜ白蓮さんは身の危険を知っていたのか?そしてなぜ狙いすましたように現れたのか?、思い返すとおかしな所しか存在しない。
「それはあなた達が勝ったら教えてあげるわ。」
「……シャル、私の腕…、取ってくれ。」
「……うん。」
「ありがとう。……………」
ラウラが腕を元の場所にくっつけ、そして何かをぶつぶつ呟き始めた。まだラウラの眼からは闘志が消えていない、恐らく何かをするつもりだろう。
それにあの二人もラウラが呟いている間は何もしてこない、私達は『試されている』と考えてもいいのだろうか?
「…………、よし、コーティング完了……」
ラウラが呟き終わるとなんとラウラの腕が元の位置に戻り完全に動くようになっていた。これが白蓮さんから聞いた山の神様たちの力って考えていいのかな?
「ラウラ、それどうやったの!?」
「ああ……諏訪子さんの力を借りた、『大地を操る程度の能力』、つまりそれは地球にかかる重力も操れるということだ。……む、横道に逸れたな、早い話接着部に重力を発生させ強制的に繋げているようなものだ。」
「なるほどね」
「シャル、少し私に合わせてくれ。今の状態ならもしかしたら……」
「……了解!」
「では行くぞ!」
その言葉と共にラウラは掌に魔力を集中させ手の上に魔力の塊───小さな惑星を精製しそれを巴さんの使い魔に向かって投げ込んだ
『???●●&???』
その惑星はラウラの手を離れるとみるみるうちに巨大化しその星の持つ重力により使い魔達は磔にされるように引き寄せられた。
「ぐっ……」
「自由に動きがとれないのです………」
「ラウラ!私にも掛かってるんだけど!?」
「仕方ないだろう!超人モードなら振り切れる!」
あ、なるほどね。
私は魔力消費減少のため切っていた超人モードを再発動した。……ホントだ、割と自由に動くね。これなら……
「宝塔ビット!」
「動けなくても撃ち落とすことくらいは出来るわ!」
巴さんは手のリボンを伸ばし迎撃態勢を、そしてなぎさちゃんは召喚した怪物を全身を覆うように丸め、まるでお菓子のお城のようになった。
「……(ラウラ!)」
「!(なるほど……)」
私の意図を察してくれたラウラが星の位置を移動する、すると重力のせいで不規則になっていたレーザーの動きが途端に好くなり、まるで全方位から巴さん達を狙うように展開された。
「重力ポイント固定完了、シャル、頼む」
「オーケー!宝塔!一斉発射!」
その言葉と共に宝塔から凄まじい量のレーザーが二人に向かって放たれ、更に追い討ちのようにペンデュラムもなぎさちゃんの周りのシールドを破壊しようと突撃していった。
なるほど、超人モードでペンデュラム、宝塔を使うと同時に威力も向上する…、ね……
ズガガガガガガガガ!!!
凄まじい音を立てながら巴さんの持つリボンとなぎさちゃんのお城を破壊していく。
「うぐぅ………持たないのです………」
そしてついにお菓子の城を完全に破壊、先になぎさちゃんを倒した。
「私ももう無理かも……」
ほぼ同時タイミングに巴さんのリボンも破壊してついに本人の姿が露わになった。………今しかない!
「はああああ!!」
私は一時的に超人モードを解除、それを解除したことによりラウラの起こした重力によって一気に巴さんの下に近付き、そして超人モードを発動、更に魔力を右腕に一点集中させた。
「今度こそ!」
「っ!?」
そして私のパンチは巴さんの腹部にクリーンヒット、数10M離れた壁に勢いよく打ちつけられた。
今回は完全に手応えがあった、恐らくあのリボンのシールドがあったとしても全治5ヶ月は下らないだろう。なぎさちゃんもレーザー攻撃によって気絶している。
「終わったのか……?」
「そうみたいだ「『相手にもう一人魔法少女がいる』、そう考えなかった、それがあんたらの敗因だね。」
「「なっ!?」」
後ろから声が聞こえた瞬間壁に打ちつけられていた巴さんと気絶していたなぎさちゃんの体がチェーン付きの多節槍に変わり、瞬く間に私達二人の体に巻きついた。
「ありがとう佐倉さん、助かったわ。」
「あと2秒でも遅れてたら私達二人共ミンチよりも非道いことになってた気がするです。」
「ああ、礼ならうんまい棒30×2、買ってくれ。」
そこにいたのは白黒の馬に跨がり着物を纏ったオランダ代表・佐倉杏子、更に先程倒したはずの巴さんとなぎさちゃんであった。しかもその後ろには……
「もうちょい早く着ける予定だったんだが後ろのこいつが想像以上に強くてな、かなり手間取った。」
「簪!?」
佐倉さんの駆る馬の後ろには私達と同じように槍を体に巻きつけられ、気絶している簪がいた。
「どうして……確かにあの時殴った感覚はあった……」
「私も人間を重力に引っ掛けた感覚しかなかった……いつ身代わりを用意したんだ?」
「いーや、確かにシャルロットはマミをぶん殴ったよ、それも普通の人間なら胴体に風穴が空く勢いで。………お前の中ではな。」
まさか……
「幻術……?でも一体いつ!?」
「タイミングとしてはラウラに引っ掛けたのがなぎさのガードが破壊される寸前、んでお前に引っ掛けたのはお前が超人モードを解除した瞬間だ。」
なるほど……あのタイミングなら全て辻褄が合う……、してられたね……。
「それよりも私達をどうするの?」
「それに私たちを襲撃した理由も教えてもらいたい所だな。」
「それは後で教えるわ、………あかいろさん、くろいろさん、ももいろさん、あおいろさん。」
使い魔の名前を叫ぶと同時に巴さんは魔法でタンカーを2つ精製、それに私達を載せて使い魔がそれを担いだ。
「さて、行くわよ。あっちはどうなってるかしら?」
◆
かれこれ10分は歩いただろう。6人はまだ歩き続けていた、と言っても歩いているのはマミの使い魔のみでありシャルロットとラウラは使い魔の担ぐ担架に、杏子は馬に跨がり、マミとなぎさはなぎさの魔女の第二形態の上に乗っている。
キィン… バンバン… ドーン……
「何の音だろ……?」
奥から銃声、剣と剣が打ち合う音、更に雷が落ちた音が鳴り響いた
「おー、やってるやってる。」
コンサートホールをモチーフとしていた大広間だったが既にその面影はなく青色の魔法少女・美樹さやかが炎の魔法少女・篠ノ之箒と銃の魔法少女・セシリア・オルコット、そして雷の魔法少女・鳳鈴音を同時に相手取っており、そしてさやかは何故か動けずにいた。
「箒!頼むわよ!」
「私と鈴さんが作ったチャンス!無駄にしないでくださいね!」
「わああああ!!」
箒が手持ちの刀でさやかの下腹部を貫き、そこから大量の血が地面に勢いよく飛び散った。
「はぁ…はぁ……終わったか………あれは!?」
「あれは………巴さん………?」
「それに佐倉杏子と百江なぎさも!?」
三人は魔女としての気配を隠しきっていない三人を敵と認知、すぐさま武器を取り臨戦態勢を取った。
後ろから車輪が転がって来ていることに気付かずに………
ドン!
「ぐぅっ……!」
「どこからですの!?」
箒とセシリアは一瞬だけ反応が遅れそのまま車輪に轢かれてしまった、そして鈴のみ落雷で車輪を破壊してギリギリの所で回避した。
「あーあ、あいつらさやかの腹を刺したのか、こりゃやべーな。」
「佐倉さん、お願い!」
「おーう、……アミコミケッカイ!」
杏子が魔法を唱えると途端に目の前に鎖のような赤い網が多層に張られた。
「あの……」
「あんたらの疑問だろ?まず私達は魔法少女だ。」
「魔法少女?私が見た魔法少女はもっときらきらしているぞ?お前たちの放っている魔力傾向も希望とは別の……絶望とでも言うべきか。」
「ラウラだっけか?はっきり言うねえ……、まああれは厳密には魔法少女だけど魔法少女じゃないからな。だから現役最強レベルの魔法少女三人を同時に相手に出来る。……ほら来たぜ………」
杏子が指を指した先では血の池と呼ぶに相応しいさやかの血だまりから人魚のような下半身に上半身は甲冑を纏った化け物が現れた。
「さーて、ここからがさやかちゃんの本気だよ!」
次で夜編も終わります
感想、コメントなど気軽にどうぞー