今回は四人の魔法使いに焦点を当てています
パチュリーside
私は今図書室にいる、レミィが『自由時間まで待ってくれ』と言うから仕方なく図書室にいることになった。
「凄いわね……これとこれと……ああこれも……」
初めは期待はしていなかったが流石IS学園、ISに関する本が大量に存在する。
ISのPICなどの技術は魔法理論の組み立ての際にも使用可能なのでこれらの本を読むことでより高度な魔法が制作可能になる。
とりあえず使えそうな本を10冊程持ってカウンターへ向かった。
「すいません…これらの本を貸して貰いたいんだけど……」
「申し訳ありません………、学園の方以外の方はIS関係の職に就いていて尚且つその身元を確認できない方には蔵書の貸し出しは不可能なんです……」
「身元を確認出来ればいいの?じゃあこれならどうかしら?」
私は外界における私の身分を証明するiDカードを見せた。
「えぇ!?あの倉持技研のノーレッジさんですか!?」
私は現代の本を集めるために『倉持技研』と言う技術研究所にて主にBT兵器の論理について考察、新たな武装を制作している。因みに私の専用機(と言ってもレミィから『フランがデスティニー使ってるからあなたがそれ使いなさい!』とのことで無理矢理押し付けられたものだが)の『クシャトリヤ』にはBT兵器の最高峰と言われている『ファンネル』が積まれている。同じく山の神様もBT兵器においては最高峰である『ドラグーン』を再現した。双方の違いとしては私の『ファンネル』は操縦者が直接脳波で操縦するものに対して八坂の神様の『ドラグーン』は彼女とあのバカ以外のものには一定のパターンが組み込まれて入るためBT適性が低くても操縦可能となっている。簡潔に言うとファンネルは子機が強い代わりに親機の操縦が少し落ちる、ドラグーンはその逆である。
で、私はそのファンネルの技術を少しだけ技研に提供し収益金を得ている。最近はイギリスが一億ほど積んできて第三世代のサイレント……なんだったかしら…?に積んでいるBT兵器を作った際のお金で遊んでる。
「そうよ、見ればわかるでしょ?」
「……サイン下さい!!あなたのBT兵器理論の論文と雑誌のコラムを読ませて貰ってからずっとあなたのファンなんです!」
「あぁ……あのコラム読んでくれたのね……ありがと。」
最近は何故かインタビューを受けている内に本のコラムも頼まれた。この子曰わく『確実に本の内容を捉えていて人を夢中にさせることのできるコラム』らしい、……照れるわね。
「あ……申し訳ありません……蔵書の中に既に借りられている本が三冊ほど……延滞………またあの人か……」
………嫌な予感がする、恐らくあいつだろう、間違いない。
「誰なの?」
「霧雨魔理沙さんですよー、あの人いつも延滞なんで同じ部屋のアリスさんにいつも頼んで持ってきて貰ってるんですよ。」
………やっぱり。
一年四組
「只今茶室は15分待ち………ってパチュリー!?何乗ってんだよ!?」
「学園に貸してもらったスラスター付きのセグウェイよ、階段程度なら登れるわ、私も買おうかしら……?
それよりも!学園の本!今すぐ!全部!耳!揃えて!返しなさい!」
目の前のこそ泥は私の図書館だけでは飽きたらずこの学園の図書館からも蔵書を奪っている、それが許せなかった。
「で、でも今は文化祭中だぜ!今から部屋に戻って返すなんてクラスの皆に「いいじゃないの~、エキシビョンマッチよ~。」
騒ぎを聞きつけた亡霊の姫が此方にやってきてそう提案した、……確か今はこのクラスの担任だっけ……?
「確かに、三組の副担任がエキシビョンマッチしたら爆発的に客が増えたらしいわね。魔理沙、行ってきなさい。」
博霊の巫女も算盤を持って廊下に出てきた、そういえば昨日かぐや姫と蓬莱人形が闘ってたわね……アレってそう言う目的だったんだ………。
「おいおい、それじゃ私が負けたら本を返すだけなんて私が勝負を受ける理由がないぜ。どうせならパチュリーが負けたら今日1日うちで働けよ。」
「ええいいわよ、ただし私が勝ったらついでに私から奪っている蔵書も返して貰うわよ。」
「奪ってるなんて人聞きの悪い、永遠に借りてるだけだぜ。」
………冗談はともかく勝負を受けてしまったはいいが『現状のクシャトリヤ』では絶対に魔理沙の《デンドロビウム》には勝てない。
………あれを積むしかなさそうね。
「私も色々準備があるから勝負は30分後、第一アリーナでどうかしら?」
「構わないぜ。」
「じゃあまた後で。」
………とりあえずあいつに会いに行きましょう。確か同級生に会いに一組に行くって言ってたっけ………?
私は再びセグウェイに乗り、50m程先の一年一組に向かった。
◆
一組は………ここね。
「お帰りなさいませお嬢様!ってパチュリーさんじゃないですか!?」
「あらいち……いや、こっちではマドカね。」
教室に入ると出迎えてくれたのはまれに紅魔館に料理を作りに来てくれる一夏であった。いや、あなたそんなフリフリなメイド服なんか着て……、男としての誇りはどこに行ったのよ……?
「兄さんの知り合い?」
厨房から同じく一夏にそっくりな女の子が出てきた、この子が恐らくレミィの話の中に出てきたマドカだろう。
「ああ、妖忌さんから紅霧異変の話はして貰ったか?」
「うん。」
「あれの『七色の魔女』だ。」
「へー!どうも!織斑マドカです!にいさ………じゃなくて姉さんの妹です!」
「ええ、レミィから聞いてるわよ。………ごめん、時間がないの、変態っぽい見た目でそこの緑髪の人位のバスト持ってる女性見なかった?」
そう、私がここにきた目的は倉持技研の第二研究所所長である篝火ヒカルノを探すことだった。
私の《クシャトリヤ》はデフォルト装備がビーム兵器のオンパレードであり、それが災いして魔理沙の専用機《デンドロビウム》のIフィールドバリアが全て弾いてしまう。だがIフィールドは実弾兵器に対しては非常に脆いため実弾兵器を積むと0%が10%になる可能性はある。
そこで私が考えたのが『ファンネルの先端にミサイルを搭載し、それ自体を弾頭とすること』であり、これによって理論上はデンドロビウムのIフィールドを突破可能となる。
「ああ、それならあそこにいま「あー!パチェ!こっちよー!」
「……ほら。」
大声で店の奥から声を掛けてきたのはスクール水着の上から白衣を着た変人────私の友人である篝火ヒカルノであった。
「こんにちはヒカルノ、あなた何で一組にいるの?」
「いやー、私の元同級生が接客してるって言ったら来るしかないっしょ!それに白式が取り付いている機体も見ておきたかったしね。」
そう言ってヒカルノは両方の腕で違う方向を指差した。左の先には一夏の友達のセシリアが、そして右手の先には織斑千冬がメイド服を着て接客していた。
「なるほどね、それで早速なんだけど「ミサイルだね?これに入ってるしあなたのクシャトリヤに合わせて設定もしといたよ。」
ヒカルノはそう言って私にカードのようなものを渡してくれた。
すぐさまカードの中のデータを確認すると私の望むとおりのものが入っていた。
「アイスコーヒーで御座います。」
装備の換装を行っているとメイド服を着た織斑千冬がコーヒーを持ってきた。
「アリガト千冬ちゃん、ほらパチェ、これ飲んで頑張ってきて。」
「ええ当然。ついでに技研のプロモーションもしといてやるわ。」
そう言って私は一気にアイスコーヒーを飲み干し教室を出た。
─────
約束の時間、アリーナを借り切ったパチュリーと魔理沙はピットから勢いよく飛び出し、そしてお互いに臨戦態勢を取った。魔理沙は既に《オーキス》の一部を展開している。
「溶けちまえ!」
試合開始の瞬間、魔理沙は主砲であるメガビーム砲を部分展開し発射、戦艦の主砲並みの砲塔から放たれる巨大ビームは真っ直ぐパチュリーを狙い、高速弾道で飛来する。
「(ここね……)Iフィールド!」
パチュリーはそれに対して《クシャトリヤ》のバインダーに付属しているIフィールドを最大展開、そのままメガビーム砲の砲撃を無効化し、そのままバインダーに内蔵している小型ファンネルを展開、それを魔理沙に向かって飛ばした。
そして主の「一斉発射!」の合図と共に魔理沙の周りに展開されたファンネルが一斉にビームを発射する。
だが「効かねーぜ!」と叫んだ魔理沙はIS一つ分を覆うIフィールドを展開、そのビームを全てかき消した。
「……かかったわね!行きなさい!」
「…なんだと!?」
───本来武装の全てがビーム兵器である《クシャトリヤ》はビーム兵器を無効化するIフィールドを常時展開している《デンドロビウム》に対して非常に厳しい試合を要求される、なぜならまずIフィールドを破壊しないと勝負すら成立しないからだ。
だがそれを知っていてみすみす勝負を挑むパチュリーではない。
先程篝カルノと出会っていたのはIフィールドを破壊するためのミサイルを拝借するためである。
『勝負すら成立しない』、逆に言ってしまうとIフィールドさえ破壊することができれば殆どパチュリーの勝利は確定する。
そしてパチュリーは魔理沙のメガビーム砲を防ぐためのIフィールド展開時に魔理沙に気付かれないように対IS用ロケットランチャー『シュツルムファウスト』をいくつか落としておきそれをこの瞬間────魔理沙がIフィールドジェネレーターを展開した瞬間に発射させた。
「……バーカ!それくらい読めてるぜ!やれ!」
魔理沙もパチュリーと同様にミサイルコンテナを一つ展開、マウントされているマイクロミサイルを一斉発射、Iフィールドジェネレーターを狙うシュツルムファウストを全て相殺させ空中で爆破させた。
「残念だったなパチュリー、さっさと負けを認めろよ。」
「………バカはあなたよ!」
パチュリーの宣言と共にギリギリまで停滞して、そしてミサイルを全て回避させていたシュツルムファウスト搭載型ファンネルを最高速でIフィールドジェネレーターにヒットさせ、そのまま爆発させた。
「っ……」
「行きなさい!ファンネル!」
Iフィールドジェネレーターの壊れたデンドロビウムなどただのファンネルの的である。
そう考えたパチュリーはファンネルを次々と魔理沙に向かわせ、次々と展開されるミサイルコンテナや武装を破壊する。
ついに残った武装はバズーカとシールド、そして巨大ビームサーベルとメガ粒子砲のまとなった。
「……終わりよ。」
パチュリーがすべてのファンネルを展開し、魔理沙本体に向かって集中発射した。
「今魔理沙を奪われるのは困るわね。」
突如として現れたリフレクターインコムが魔理沙に対して放たれたビームの雨を全て防ぎきった。
「「……アリス!?」」
そしてそこに遅れて現れたのは専用機《Ex-s》を纏った七色の魔法使い、アリス・マーガトロイドであった。
「ごめんなさいパチュリー、私も本を返したい気持ちは山々なんだけど私達の部屋からあの本を探そうと思うと恐らく二時間はかかるの。割と魔理沙目当てで来る客も多いからそれだけは勘弁願いたいわ。」
そう言いながらアリスはビームスマートガンをパチュリーに向けた。
「ごめんねパチュリー。恨まないでね。」
アリスは少しばつの悪そうな顔をしながらパチュリーに向かってビームスマートガンを発射した。
「スト──────ップ!!!」
謎の声と共にワインレッドカラーのISがアリスに対してビームブーメランを投擲、すぐさまリフレクターインコムと共に防御態勢に移ったアリスに対して盾を前に構えタックルを仕掛けた。
「なっ!?」
「……ばあちゃん!?」
「聖白蓮!?」
突然アリーナに舞い降りた一機のIS、それはISに携わるものなら誰でも一度は見たことのある───モンドグロッソタッグトーナメント同率優勝者にしてIS学園二年四組担任、聖白蓮である。
余談ではあるが魔理沙は物腰の柔らかさやいろいろな事をしっていること、言動なども諸々含めて白蓮のことを「ばあちゃん」と呼んでおり白蓮自体も決して蔑称ではなく愛の籠もった呼び名であると言うことはわかっているのでむしろ喜んでいる。
「白蓮さん……私だからよかったものの間違ってもフランに対して同じ登場の仕方しないでくださいね………ってそれよりも!」
「なんで邪魔すんだよばぁちゃん!」
「なんでもなにも二人で一人を虐めるのはよくないわ、それにパチュリーの言っていることは至極真っ当よ。」
「………ってこれじゃ結局私は返すことになってて返す時間が変わるだけじゃないか!」
「「「そうよ」」」
魔理沙の言葉に三人は同時に反応し、そして魔理沙以外の三人が臨戦態勢を取った。
「……まあいいか!純粋な魔法使い同士の共演と洒落込もうぜ!」
すっぱり諦めがついたのか魔理沙もバズーカーを二丁構えシールドを展開、《ステイメン》としての戦闘形態を取った
「魔法使いが兵器に頼るってのも何だか皮肉な話ね……」
そう言いながらもアリスはリフレクターインコムを再び全展開し、いつでも攻撃可能であるというサインを送った。
「白蓮、私が援護するわ。」
「了解、なら前衛は任せてください。」
────こうして魔法使い四人による乱戦が始まった。
数分後………
「はっ!」
「っ!」
凄まじい乱戦の結果全員のシールドエネルギーは10%を切っており、魔理沙と白蓮はその残り少ないシールドエネルギーを大型ビームサーベルとミーティアのビームソードに全てを注ぎ込み全力で斬り合っている。
「魔理沙!白蓮の撃つミサイルはこっちで全部破壊するわ!あなたは戦闘に集中して!」
「白蓮!私はアリスを止めておくからその間に魔理沙を撃破して!」
パチュリーの方も《クシャトリヤ》の象徴である四枚羽根は二枚になり左足パーツも完全に破壊されている、一方のアリスも圧倒的な機動力を持つGクルーザー形態になるためのパーツを全て破壊されその姿は最早《Ex-s》ではなく《スペリオル》のようにも見え、そして普段は使用しない人工知能『Alice』を完全起動させ全力でパチュリーを狩りに来ていた。
「「了解!」」
「ファンネル!」
「今の私なら………、よし!」
アリスは右手でビームサーベルを振り回しながら左手でやファンネルを握り潰しそのままビームサーベルを持ちパチュリーに向かって突撃を行った。
「………残念ね!」
パチュリーは向かってくるアリスに対してバインダー裏のメガ粒子砲を発射。
アリスは想定もしていなかったその攻撃に怯んでしまい、そのままパチュリーがビームサーベルでシールドエネルギーを0にした
「………ふん!」
かと思われたがアリスは装甲の全てを犠牲に生き残りアリスはギリギリの所でパチュリーにビームサーベルを差し込み、パチュリーのシールドエネルギーが先に0になった。
「………ファンネル!」
「なっ!?」
イタチの最後っ屁の如くパチュリーは魔理沙に向かってファンネルのビームを発射、白蓮に一瞬の隙を残しそのまま落下を始めた。
「パチュリーの作ったチャンス………無駄にはしません!」
一瞬の隙をついた白蓮が魔理沙を脚部ビームブレードで切り裂きそのままシールドエネルギーを0にした。
「……ふざ……けん………じゃ……」
先程のパチュリーもそうだがISはシールドエネルギーか0となっても数秒は動く、だがここで───特に高い空中などでそれをしてしまうと限界を振り絞ったISはただの重荷となってしまうためそのままシールドもなく地面に打ち付けられる。
──パチュリーもその覚悟で臨んでいる。私達幻想郷の人間にとってはあくまでも任務だが好きな機体と一緒に戦うという点ではフルブーストと変わらず『遊び』の印象が強い。─────遊びだからこそ、本気になれる。
「ねぇ!」
「くっ!」
魔理沙はクローアームを展開し、それを用いて油断した白蓮を掴んだ。
「零………距離………射撃だ!!」
「きゃあぁぁぁぁぁあ!!」
メガ粒子砲による零距離射撃がクリーンヒット、行動の猶予も与えられることもなく白蓮のシールドエネルギーが0を振り切りマイナスを示しそのままフェイズシフトダウン、銀色となったジャスティス、そしてステイメンはそのまま落下を始めた。
「わっとと。大丈夫ですか白蓮さん?」
「魔理沙、無茶やりすぎだ。」
白蓮を受け止めたのは数時間前に現人神となったシャルロット、そして魔理沙を受け止めたのは魔法少女・佐倉杏子であった。
因みにパチュリーは白蓮が脚部ビームブレードで魔理沙を切り裂いた辺りでレミリアが救出している。
「悪いわねシャルロット。」
「わりぃな杏子。」
『ただいまの試合、勝者マーガトロイド、霧雨ペア』
魔法使い四人の激動はそのアナウンスと朋に幕を閉じた
─────
「いやー!PR効果って凄いわー!どんどん人が来るわね!」
「むきゅー………疲れた……」
あの試合のあと四組の茶室と人形劇喫茶は常時満員、一時間待ち状態が続いた。
先程の結果から『パチュリーは魔理沙チームが勝ったので四組を手伝い、魔理沙は本を文化祭終わり直ぐに返す』ということになったらしい。そして先程のPR+金に貪欲な霊夢が『パチュリー・ノーレッジサイン会』も併用して開いたのだ。事実ここに来る客の三割がパチュリー目当てだったりする。
「ははは、まあ悪くないだろパチュリー?」
「それもそうだけど……」
そういったパチュリーの顔はまんざらでもないようだった。
どうでしたか?
感想など気軽にどうぞー。
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