「ねえ、お墓は洋風と和風どっちがいいかしら?」
今日の夕飯は何にしようかの感じで聞く話ではないがなんて事はない。ウマ娘とトレーナーの間なら普通だろう。
「アヤベと一緒ならどっちに入っても天国だよ」
「あら、うまいこと言うのね。好き。」
こうして俺の膝の上で甘えてくるのはダービーウマ娘アドマイヤベガ。俺の胸に顔を埋めて大きな耳をピタリとくっつけるのが最近のお気に入りのクールビューティーな流星だ。
「和風なら戒名がいるわね。何がいいかしら?」
子供の名前はどうしようかという感じで尋ねるアヤベ。まあトレーナーとウマ娘の間なら当然の問いだろう。
「そうだなあ、とりあえず星に関する字を入れて永遠にアヤベと一緒がいいかな」
「もう、嬉しい事言うのね。好き。」
胸に顔を埋めながらグリグリとしてくる。まるでペットが匂いをつけるみたいだ。アヤベの匂いなら大歓迎だ。
「ところで急にどうしたんだい?さっきはすごく慌ててたみたいだけど?」
「そうなのよ。この匂いが消えないようにしないといけないの。あなたが纏っていい女の匂いは私のものだけ…私のトレーナーさんは誰にも渡さないわ。たとえどこかの令嬢でも王女でも渡さない…ずっとずっとトレーナーさんは私と一緒なのそれが一番の幸せなのだから大丈夫トレーナーさんは私と一緒絶対離さないって言ってくれたもの死ぬまでずっと死んでも一緒にいてくれるから大丈夫なの…」
今日はずいぶんフワフワしてしまってるようだ。カワイイなあ、もう少しこのままでいいか…アヤベの頭を撫でながら数分前を思い出す。
「トレーナーさんは私が引退したらどうするの?」
「藪からスティックに何事だい?」
トレーナー室に来たアヤベは深刻そうな顔で聞いてきた。不安そうな顔もカワイイ。
「真面目に聞いてるのよ?まさか他の女に乗り換えるの??」
「別のウマ娘を担当する、という意味ならそうかもしれないけど…」
あ、アヤベの目が濁っていく…これはこれでカワイイが、
「俺の愛バ…いや愛しているのはアヤベだけだよ。ずっと離さないって言っただろう?」
パッと明るくなるアヤベはすごくすごいカワイイ!ここだけ聞くと軽薄そうに聞こえるかもしれないが一度は心中しようとしたのだ。こんなものでは語りきれないくらいアヤベに夢中なのだから。そして俺の膝の上を陣取って抱きついてきたのがついさっきというわけだ…
「それでなんで急に墓の話になったんだい?」
アヤベのフワフワが落ち着いてきたので聞いてみる。それにしてもフワフワしてるアヤベはカワイイなあ…
「そう、それよ。引退したらどうするか?っていう話になったの…だけど私は何も思いつかなくて…そのときあなたの顔が浮かんでね…あなたがいなくなったら何も残らないって思ってしまって…」
それでフワフワマーキングしようとしてたのか…カワイイ…
「アヤベは大事なモノをたくさん持ってるじゃないか。カレンチャンはじめ友人やトップロード達ライバル、応援してくれるファンだっているし家族もいる。妹さんも…まだ引退のことを考えるには早いんじゃないかな?ゆっくり他にしたい事を探したっていいさ。」
「そうね…でも今の話一番大事なことが抜けてるわ」
アヤベがじっと見つめてくる。
「あなたが一番大事なのよ?ダメよ?逃がさないんだから」
「逃げる必要なんか微塵もないさ。ずっと着いていくよ。」
「それはダメよ。」
クビをゆっくり振るアヤベ。
「ずっと隣にいてくれるんでしょ?」
「そうだな。墓に入ってその先も一緒だ。」
そう言って笑いあうのだった。
「それにしても普通は結婚式で和か洋かじゃないか?いきなり墓の話とは…」
「あら?結婚するのは確定じゃない。だからそこはいいのよ。」
「さっきまであんなに不安そうにしてたのに…」
「それはそれよ。細かい男はモテないわ。私以外必要ないけど」
「それはそうだ。アヤベしか見えないんだから」
「ん〜〜!!」
再度マーキングを開始するアヤベはカワイイ!言っておくがアヤベは界隈ではミステリアスなクールビューティーで通っている。それはその通りなのだが独占欲が強く寂しがり屋でこんなにカワイイところもあるのだ。それなのにみんな何を見ているのだろうか?まあアヤベのカワイイところは俺だけが知っていればいいのだが…
そうしてアヤベとイチャついていると不意に携帯が鳴る。
「おや?誰だこんな大事な時に…学園の総務?アヤベちょっとだけごめんよ…もしもし?」
マーキングしているアヤベを撫でながら電話に出る。用件はなんてことない。書類のミスだと言うが…
「はい、今度の遠征について?部屋を一つしか予約してない件ですか?」
そう次の遠征先での部屋を一つしか取っていないのだが何か問題あっただろうか?アヤベと添い寝するチャンスはなかなか無いからそれも楽しみなのだが…
「え?部屋を二つ取らないとダメ?規則上そうなってる?そうでしたっけ…?」
確かにトレーナーと学生は部屋を分けるという規則はあったな…スルーできるかと思ったけどやっぱりダメか…せっかく経費節約に貢献しようと思ったんだがなあ…仕方ない。部屋を二つとって一緒の部屋で添い寝すればいいか。
「書類の修正とこの件でたづなさんが話がある。ですか…?」
お見通しのようだ。似たような例はいくらでもあるのだろう。そしてたづなさんの名前を出した途端アヤベがピクッとしてマーキングを強くしはじめた。カワイイ。
「分かりました。すぐ伺います…」
ということでどうやらお説教コースらしい…たづなさんみたいな美人に怒られるのはいいがアヤベとイチャつく時間が減ることが問題なんだよなあ…
「トレーナーさん…たづなさんに会いにいくのね…?」
「会いに行くというよりお説教されに行くんだけどね?先に言っておくけどアヤベを捨てたりなんてしないから大丈夫だよ?」
いつもならアヤベがフワフワしてしまうのだが…
「あら、あなたがそんなこと言うわけないって分かってるわ。」
おや?今日はフワフワしないようだ。マーキングで充分イチャつけたから大丈夫なのかな?
「でもあの人にトレーナーさんは誰のものかはっきり分からせる必要があるわね。事あるごとにあなたを呼び出すなんて怪しいわ。そうよトレーナーさんは私だけのトレーナーさんで誰にも渡さないわ。たとえ誰が出てきてもあなたは私のものだって分からせるし私もあなただけのものなの誰にも私達を引き裂くことはできないわ決して誰にも引き裂かせない絶対そんなことさせないし許さないわそうよねトレーナーさんトレーナーさんはそんなこと言わないわずっと一緒にいてくれるって言ってくれたもの私もトレーナーさんを離したりしないわずっと一緒をずっとずっと永遠に死んでもその後も……」
違う方向でフワフワしてしまったなやっぱりすごくすごいカワイイ!!しかしこのままでは呼び出しに応じられないな…仕方ない…
「アヤベ、こっち向いて。」
素直にこちらを向くアヤベに唇を重ねる。アヤベは目を閉じて大人しくなる。アヤベがフワフワしてしまうのは不安だから。俺がアヤベ以外を見ることなんてないと分かっていても独占欲と嫉妬はしてしまうのだろう。愛されている証拠だカワイイじゃないか。
「アヤベ…ごめんよ少しだけ行ってくる…すぐ戻るから…」
「分かってる…しょうがないものね…」
そう言って俺の膝上から降りるアヤベ。やはり寂しそうだ。だが仕方ない。少しだけ行ってくるとしよう。
「それじゃあ行ってくるよ。」
「待って」
どうしたのだろう?振り向くとアヤベが少し背伸びして唇を重ねてきた。触れるだけの軽いものだ。
「行ってらっしゃいのキスを忘れてたわ。」
大事なものを貰ってしまったな。これで無事に帰ってこれそうだ。
実は共依存アヤベさんがすごくすごい好きなんですよね!今回はウマケット用に初見さんでもわかりやすい、共依存アヤベさん達がイチャツイてる様子を盛り盛りに盛ってみました。前回はシリーズ色強めかつオリウマを出したのでアウトよりのアウトでしたが今回はセーフだと思います。アヤベさんのフワフワ力を全面に押し出せたのでなかなか良かったですね。もっともっと病みやすいアヤベさんのカワイイを広めていきたいのでこのウマケット企画は非常にありがたいです。企画者様ありがとうございます。