【ウマ娘】お兄ちゃんの婚活(カレンチャン)【二次創作】   作:きいろ888

1 / 2
【ウマ娘】お兄ちゃんの婚活(カレンチャン)【二次創作】

「お兄ちゃんが婚活!?」

「まあ、一度行ってくるだけだよ」

 

 驚きのあまり尻尾が揺れる。なんでもないことのように、お兄ちゃんは当日の自主トレ内容を伝えてくる。

 

「ごめんな、カレン。明後日はお休みでも大丈夫。ノルマだけこなしたら、一応報告があると嬉しい」

「ヤダ……」

「え」

「ヤダヤダ! お兄ちゃんが誰かと結婚するなんて嫌!」

「いや、ちがうんだ。話を聞いてくれ。お袋が煩くてな。一度行くだけだって約束してしまったんだ」

 

 カレンはショックを受けた。いつもはカレンを優先してくれるお兄ちゃんだけど、家族のこととなると少し事情が変わってくるみたい。

 

(あんまりしつこく食い下がるのも、カワイくないのかな……)

 

  お兄ちゃんも困ったような顔をしている。いつも振り回している自覚のあるカレンだからこそ、いつも以上に食い下がったつもりが、それでも断られたことに、一抹の不安を覚える。

 嫌われちゃうと本末転倒だから。

 

「カレンじゃダメなの?」

「うん。流石に担当ウマ娘を紹介するわけにはいかないかな」

「……むー。分かった。でも帰ったらデートしてもらうんだからね!」

「はは、それは楽しみが増えるってもんだ。心配しなくても、誰に相手にされるわけでもないさ」

 

 この朴念仁め。というか、相手されたらどうするつもりなのかを伝えてほしいんだけどな。

 とはいえ、好きな人が自分自身を卑下する言葉は見過ごせない。搾り出すような声で伝えてみる。

 

「お兄ちゃん、カワイイ……よ?」

「ちょっと間があるじゃないか」

「もう、ウマ娘ごころは複雑なの!」

 

 乗り気になってしまっては本末転倒なのに。お兄ちゃんのことは信じてるけど、それはそれしてである。

 せめて、最低限の対策を……そうだ。

 

「お兄ちゃん、ちょっとよって!」

「え、うん」

 

 2ショット写真完成! これはあえてウマスタには載せないでいて。

 

「はい、これお守りだよ! スマホの待ち受けにさせてあげる! ……嬉しい?」

「うん、すごく」

「やった! じゃあ、いってらっしゃい! あんまり夜遅くまで出歩かないこと!」

「お母さんみたいだな」

「あはっ、そうかも! でも、お嫁さん希望かな♪」

「!? ま、まあ、きっと似合うと思うよ」

 

 ちょっとだけやりとげた感。これでよってくる人も、カレンの影に気付くはず。

 ていうか、元からお兄ちゃんの待ち受けがカレンだったんだよね。2ショットの方が効果は高いけど、お兄ちゃんの愛を感じられて嬉しいな。

 

 そう、まだここまではちょっとした不安くらいだったのです。

 まさかお兄ちゃんが、カレンとの写真の話題から、婚活会場で注目株となるとは、つゆとも思いませんでした。

 

 * * * * *

 

(数日後)

 

 bbb・・・

 

「おっと。ごめんカレンチャン、ちょっと休憩にしようか」

「……はーい」

 

 トレーニング中のことだが、普段の連絡よりも多い気がする。

 お兄ちゃんヘの連絡は、理事長さん、たずなさん、桐生院さん、ライトハローさん……ちょっと女の子の数が多いような気もするけど、学園関係者がほとんどだったのに。

 最近は別の名前をよく目にする気がする。というか声が違う。他のウマ娘のトレーナーさんからの、模擬レースの申し込みでもないみたいだし。

 

(カレンの話題で盛り上がって、数人との連絡先を交換したとは聞いたけど……)

 

 まさか塩を送る結果になるとは。うぅ、さすがに連絡禁止とか、着信拒否してなんて言いたくないし。

 むー。お兄ちゃんも律儀に毎回お返事しなくていいのに。監督不行届だ。ネグレクトだ。倦怠期……はちょっと違うけど。お兄ちゃんはカレンの担当なのに。

 

「ただいま、カレンチャン。あと5分後にトレーニングを再開しようか」

「うーん。お兄ちゃんからの愛が足りなくて、今日はもうやる気でないかも」

「!? ど、どうしたの? なにかあった?」

「……お兄ちゃん、今日ずうっと連絡返してばっかりなんだもん」

 

 言ってしまった。やだな。今日のカレン、カワイくない。これくらいで凹んでちゃダメだよね。

 でも、気にしてないって行っちゃえば嘘になるし……。

 

「いや、カレンのいう通りだ。そうだよな。カレンの方が大事だ」

「! ご、ごめんね。言わせちゃったよね。カレンなら大丈夫だよ!」

「ううん。最初から天秤にかけることでもなかったんだよ」

「お兄ちゃん……。そんなにカレンのことを愛してくれてるんだね」

「!?  ごほ、げほっ! いや、まあ、事実だとも」

「ふふん。今日はそれで乗せられてあげる!」

 

 カレンは確かにワガママだけど、お兄ちゃんはそんなカレンを好きだと言ってくれたので。

 今日は完全勝利。でも、早くお兄ちゃんの家族に挨拶できるようになれるといいなぁ。

 

 bbb・・・

 

 あっ、そうだ。

 いいことを思いついて、笑顔でお兄ちゃんの目を見ると、とてもバツが悪そうな顔をしていた。

 おっと、そういうつもりじゃないんだけど。

 

「だいじょうぶだ。というか、通知切っておくよ。それなら後でも返せるしな」

 「さっきの話の流れであれなんだけど、ちょっと通話してみよっか!」

「え」

「はい、スマホ貸して、お兄ちゃん♪」

「うん、はい」

 

(どうするんだろう……)

 

 お兄ちゃんに見守られながら、LINEを開きます。チャットに少し目を通すと、食事の誘いもしっかりあった。カレンのファンなのも本当なんだけど、お兄ちゃんもロックオンされてるみたい。

 

 何コールか後に、相手が通話に出る。

 

『もしもし、トレーナーさん。それでお返事の方、いかがでしょう……?』

「もしもし、はじめまして! カレンのファンだってお兄ちゃんからお話いただきまして、嬉しくなってご連絡しちゃいました♪」

『え、カレンチャン!? こ、これはどうも! いつもウマスタ見てます!』

「わーい、すごく嬉しい! 次のレースでも1番になって、センターでライブするので、応援してくれると嬉しいな!」

『か、カワイイカレンチャン!!!!』

 

「それと、お兄ちゃんがお世話になってます! せっかくのお誘いなんですけど、その日はカレンと約束があって、ごめんなさい!」

『ううん! ぜんぜん、カレンチャンのトレーナーさんだもんね』

「はい! カレンのお兄ちゃんなんです! そういうわけなんですけど、ライブに来てくれたらたくさんファンサさせてくださいね!」

『いいんですか!? やったー! 楽しみにしてます! がんばってください!』

 

「おうえんありがとう! カレン、がんばりますね! それでは〜♪」

『あ、はい! 失礼します! ありがとうございました!』

 

 pt

 

 お兄ちゃんの顔が、ちょっと残念そうなのが気になるけど。

 

「ありがとうお兄ちゃん! カレン、ファンの人とお話できてすごく嬉しかった!」

「そっか。……そうだねぇ。これでよかったんだ」

 

(その時、ふと閃いた! このアイディアは、カレンチャンとの トレーニングに活かせるかもしれない!)

 

 【独占欲】のヒントを得た。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。