一週間に一話のペースで考えていたのですが、中々上手く行きませんね。
今回の主人公は曹操です。
11、曹操のお使い 上 /平穏で平和な町
とある国とある田舎町の駅に曹操はフラフラと降りた。
「本当にこの町で合っているのでしょうか?」
影虎に渡された資料と目に入る町並みを見比べる。
のどかで、穏やかで美しい町だ。
「とてもはぐれ悪魔がいるとは思えませんね」
とは言ったものの、そんな理由だけで収穫もなしに帰るわけにも行かないので調査を開始する
「まずはどこから行きましょうか」
まずは駅から出ることである。
それから曹操は調査として聞き込みをする他なかった。質問は二つ、最近変わった噂はないか?この町に失踪者は出ていないか?町の人間、町長から公園の子供まで余すことなく隅から隅まで聞いて回ったのだが・・・
「おかしい」
簡単な調査を終え、適当な宿をとった曹操は調査結果を纏める・・・のだが。
「本当にこの町は平和そのものだ・・・」
この町にははぐれ悪魔どころかそういった怪物類の噂すらなく、失踪の報告すらない。
しかし、影虎から渡された資料には気になる項目があった。
「幻惑を操る悪魔」
幻惑や幻術類を操れるのなら誰にも悟られずに人を攫うことは出来る筈。
「それでも噂一つ出てこないなんておかしいですよねぇ」
失踪者もいなかったみたいですし・・・
「もしかして、はぐれ悪魔自体ここにはいなかったのだろうか?」
口に出して直ぐに否定する。
影虎が間違った情報を渡したとは思えない、それに・・・
「なんだか試練を与えられたようにも思えるんですよね」
私の何かを試すために影虎が私に与えた試練
そう考えるのが一番自分にとって納得出来てしまう。
もし曹操の考えているとうりなら必ずこの町には何かがある筈だ。
いまの曹操にはそれだけが何かの確信だった。
結局なんの収穫もないまま曹操は眠りに就く・・・が
ーーアウオオォォォォォン‼︎
「っ⁈」
夜の暗く静寂に包まれた町を引き裂くような咆哮に曹操は眠っていた体を無理矢理起こした。
まさか、本当にこの町にはぐれ悪魔が現れたのだろうか。
曹操は荷物の中から戦極ドライバーとロックシードを取り出し宿を飛び出した。
「ーーっ、これは」
町を離れた森付近に来た曹操は目の前の光景に絶句する。
三頭の頭を持ち二本の脚で立つ白い猛獣が青い髪をもった祓魔師と戦っていた。
「なんですか?あのはぐれ悪魔は・・・」
今までも何度かはぐれ悪魔と戦って来たが、あんなはぐれ悪魔は見たことがなかった。
「今はそんなこと言ってられませんよね・・・変身‼︎」
《バナナ》
《ロックオンッ!カモンッ!バナナアームズ‼︎
ナイト・オブ・スピアー‼︎》
「ハァーッ‼︎」
アーマードライダーバロンとなった曹操ははぐれ悪魔に突撃する。
曹操の不意打ちによる突きが六つあるはぐれ悪魔の眼球を一つ潰した。
ーーガアアァァァアアッ⁈
「お前は⁈」
「話は後です‼︎」
驚く祓魔師を尻目に曹操はバナスピアーを構える。祓魔師も警戒心を抱いたものの曹操に敵意がない事を悟り目を曹操からはぐれ悪魔に移した。
こうして曹操は影虎の命令どうり、祓魔師と共闘するのとになった。
「ハアァァァアア!」
先手を打った曹操は俊足の速さで悪魔に突撃するが、はぐれ悪魔は信じられない程の脚力で夜空に飛び上がる。
そして、それだけではなかった。
空から落ちてきたはぐれ悪魔は”二頭”いたのだ
「ーーっ⁈」
「なんだとっ⁈」
祓魔師は驚いたように声を上げたが曹操は冷静に状況を整理した。
頭に思い浮かべるのはこのはぐれ悪魔のデータ・・・このはぐれ悪魔の能力は・・・
「このはぐれ悪魔のどちらかは幻影です‼︎」
「幻影?」
祓魔師の言葉を肯定し、曹操はドライバーのカッティングブレードを二回振り下ろす。
《カモンッ!バナナオーレッ!》
曹操がバナスピアーを地面に突き立てると同時に片方のはぐれ悪魔の地面から無数の刃が突き出された・・・が、刃ははぐれ悪魔を貫通したのではなく通り過ぎた。
「成る程、こいつが幻影か・・・行くぞ、エクスカリバーッ‼︎」
「ーー⁈」
恐らく今が曹操にとっての一番の驚きだっただろう。まさか、この祓魔師の少女が聖剣エクスカリバーの使い手だったとは考えもしなかった
少女の聖剣が一振りされるだけで周りの木々は薙ぎ倒され、地面は抉れる。
ーガァアア‼︎
しかし、はぐれ悪魔は億することなく祓魔師に飛び掛かる。
「ーくっ、ハアァァァアア!」
即座に回避行動を起こした祓魔師ははぐれ悪魔の下に潜り込み腹部に必殺の聖剣を叩き込む。
ーーっ、グウゥッ⁈
「流石はエクスカリバー、欠片であってもその強さですか」
曹操は祓魔師には聞こえないように呟き、カッティングブレードを振り下ろす。
《カモンッ!バナナスカッシュ‼︎》
「ーっ!ヤアァッ‼︎」
曹操のバナスピアーから作られる巨大なエネルギーの塊がはぐれ悪魔を貫く・・・筈だった。
「えっ⁈」
「何だと?」
曹操によって放たれた必殺の槍撃ははぐれ悪魔に貫通することなく”通過”した。
「そんなっ・・・幻影?でもさっきの聖剣は・・・」
「おい!まずいことになったぞ‼︎」
「ーーっ⁈」
思考に没頭しそうになったところで祓魔師の声が聞こえ曹操を現実に引き戻した。
周りを見回すとはぐれ悪魔が”三頭”二人を囲んでいた。
ーガァアア‼︎
ーグウゥッ‼︎
ーガゥッ‼︎
曹操と祓魔師は同時に駆け出す。
「ハアァァァアア!」
祓魔師の剣がはぐれ悪魔をすり抜ける。
「ヤアァッ‼︎」
曹操のバナスピアーがはぐれ悪魔をすり抜ける
「「だったらっ‼︎」」
《カモンッ‼︎バナナオーレッ‼︎》
「エクスカリバーッ‼︎」
二人の巨大な剣と槍が最後のはぐれ悪魔を襲う・・・が、その攻撃もはぐれ悪魔はすり抜けた。
「ーーっ⁈」
「どういうことだっ⁈あれが実態じゃなかったのか⁈」
狼狽える曹操と祓魔師に三頭のはぐれ悪魔の口から炎が噴き出す。
「ーーっ失礼」
「ん⁈おっおい!何をする⁉︎」
嫌な予感がした曹操は祓魔師を脇に抱えてその場を”飛んだ”
バロンのアーマーによって強化された脚力はたった一飛びで遥か上空まで駆け上がる。
「おいっ!離せ!・・・いやっ、やっぱり離すな!絶対離すな!」
「どっちですか」
呆れたように呟く曹操は三頭のはぐれ悪魔を見る。はぐれ悪魔の炎によって周りの木々が燃え、一部が灰になっていた
「・・・やはり、でも何故?」
脇で震える祓魔師を見た後、曹操は次にどうするかを考えた。
結果、曹操と祓魔師の最初の共闘戦線は敗北という幸先悪い物となった。
気づいたらお気に入り登録して下さった方が200人。
嬉しくて少し泣けました。