5、"公爵"
転生者がいる座標を確認して、背後にクラックを出現させる。
そこは、あたり一体が森で転生者は迷ってるらしく、視線を彼方此方にキョロキョロさせていた。
「オーフィス、お前はここで待ってろ」
「分かった、気をつけて」
オーフィスの言葉に頷き、戦極ドライバーを装着してロックシードを取り出す。今回は少し趣向を変えてみるとしよう。
《バナナ!》
「変身」
《ロックオン!》
今回は何時もの法螺貝では無く、西洋風のファンファーレが鳴り響く。
俺はそのままカッティングブレードを振り下ろす。
《カモンッ!バナナアームズ!
ナイト・オブ・ス~ピアー‼》
「ふむ、悪くない」
新しいアーマードライダーの着心地を確認した俺はそのままクラックを通り抜け転生者を蹴飛ばす。
「ぐァッ⁈・・・なんだっ⁉
なっ、仮面ライダーデュークだと⁈」
そう、今の俺の姿はデュークのアンダースーツにバナナアームズを被った状態だった、まあつまり戦極ドライバーでデュークを再現して見たのだ。
ようするに、アーマードライダーデューク・バナナアームズといった所か。
「・・・ハアッ!」
特に何か言う事もないのでそのまま転生者に向かってバナスピアー突き刺す・・・が、
「ーーっ⁈、投影開始!」
転生者の手に突然、剣が出現され槍の突きを弾かれた。
「ほう、それは確か・・・無限の剣製だったか。」
この世界に飛ばされる前にそんな能力を願った人間がいると聞いた事がある。たしか・・・
「様々な宝具の剣を投影する。だったか?」
俺の言葉に転生者はその端正な顔を醜く歪めて、勿体ぶったように口を動かした。
「へへっ、それだけじゃねえよ。
この能力はな、投影する剣をオリジナルと同等のスペックで作り出せるんだぜ」
なるほど、こいつを送った神の仕業かはたまたこいつが願った物なのか。
だが・・・
「そうか。だがその剣、皹がいってるようだが?」
「なにっ⁈」
俺の言葉に驚くと同時に転生者は反射的に自身の作り出した剣を確認した。そこには確かに皹があった。
「あ、ありえねぇよ、こ、これはあのエクスカリバーと同等のスペックと強度を誇ってるんだぞ⁈」
さっきまでの余裕は何処へやら見苦しい程慌てふためいた転生者に俺は無慈悲に槍を突き立てる。
「ーーッ、くゥッ⁈」
転生者は間一髪の所で剣で槍を捌く、ただし、また剣に皹が入った。
が、突きが防がれると同時に瞬時に横腹へ蹴りを放つ。
「ガァッ‼・・・うぐっ!」
それは流石に予想出来なかったのか蹴りを受けた転生者は木々を薙ぎ倒して吹っ飛んで行った。
「やったか?」
こういう台詞を使う時は大抵やってない。今回もその例に漏れずボロ雑巾同然の転生者はノロノロと立ち上がった
「クッソ、これでも食らいやがれッ‼」
「・・・む?」
転生者は自身に向かって皹の入った剣を投げつけてきた。
だが、剣を投げつけた転生者の顔が一層醜く歪める所を見逃す程、俺の目も節穴でもなかった。
「ーー壊れた幻想」
途端に自分の眼前まで迫った剣が爆発した。
「くくっくくく、アッハハハハハハハハ・・・ざまぁみろッ‼」
爆風に塗れた目の前を見て転生者は高笑いを抑えられなかった。
自分は神によって殺され、神によって生き返った、本来人間の手では余る能力を身につけて。
神は暇潰しで自分を殺したと言っていた、だが、それでも自分は選ばれた者だ、例えどんな理由があったとしてもそれだけは確実だと思っていた。
自分が選ばれた主人公だと信じて疑わなかったのと同じように、自身の勝利も疑わなかった。
故に・・・
「この程度か、身構えて損した」
爆風の中から声に心の奥底から絶望した。
「な、んで?・・・なんで、てめぇ・・・生きてやがるッ⁈」
「うん?わからないか?
お前のその力では私のアーマーに傷一つつけられなかったと言うわけだ。」
「あぁ、あ、あぁぁぁぁあああっ‼」
この男の精神は壊れた。
圧倒的な力の差と絶望が彼の精神を粉々にしたのだ。
転生者の背後に大量の剣が精製される。精神が壊れてしまいまともな判断すら出来なくなった転生者は自身の魔力量を考えずに大量の魔力を消費してこれだけの剣を作り出したのだ。
「強大な力を持っていたとしても所詮は精神が未熟な人間・・・この程度で心が壊れたか」
黄色の騎士はベルトのカッティングブレードを一度振り下ろした。
《カモンッ‼バナナ・スカッシュ‼》
「あ、アアアアアアアアアアアアア‼」
転生者によって放たれた無数の剣は真っ直ぐに黄色の甲冑を纏う騎士に向かっていく。
「・・・ハアッ!」
しかし、騎士の槍にロックシードのエネルギーを纏っめ作られた巨大な槍が
転生者の矢の如く打ち出された無数の剣を一瞬で粉々にした。
「ーーーーーっ、あ、ああ」
自身の作り出した無数の剣は騎士の一振りで粉々にされ、最早、戦意喪失を通り越して精神が完全に壊れてしまった。
「さあ、転生者、覚悟を決めろ」
そんな壊れた人形とかした転生者にとどめの槍を突き刺そうと槍を構えたそのーーーー刹那
「・・・む?」
騎士は首を傾けると同時に背後から何者かによって槍が投擲された。
その槍は先程まで騎士の頭があった所を通り過ぎーーー
「ーーっガァッ⁉」
ーーー転生者を串刺しにした。
「・・・」
騎士は何も話さず静かに槍を引き抜く。すると、槍は一人でに動き投擲された物を巻き戻すように通った所を引き返した。
「お久しぶりですね・・・斬月」
斬月と呼ばれた騎士は振り返り槍の持ち主の姿を確認する。
艶のある黒髪はまるで川のように背中に流し、万人の女性が羨むような美しい身体つき、そして意思の強い黒曜石のような瞳。10人に10人が口を揃えて「美しい」と口にするであろう絶世の美女がそこにいた。
「またお前か・・・曹操」
ただ一人、うんざりとしたように口にする騎士を除いて。
ACシリーズでデュークにバナナ・アームズを装着したら、思った以上にかっこよかったので出してみました。
補足
曹操が影虎を斬月と呼んだのは、影虎と曹操がはじめてあったとき影虎は自身をアーマードライダー斬月と名乗っていたからです。