ぼっち以外ショタ結束バンド   作:koum

11 / 13
夢で会いましょう

あの文化祭から一ヶ月が過ぎ去った。

 

受験勉強にくれる日々が続くけれど。

 

息抜きという名目で、結束バンドのライブに参加した。

 

地下への階段を降りて辿り着いたライブハウス。

 

ドアの向こうには、元ヤンの気配を感じる店員。

 

臆病な私なりに勇気を振り絞った。

 

ライブハウスでのドリンクの受け取りなど、それからも試練は続いたけれど。

 

文化祭で感化された人が多いのか、同じ学校の生徒がいるっぽいのが救いだった。

 

普段自分がいる場所とは違う。

 

後藤先輩は学校の枠から飛び出して、こんな場所で音楽をやっているんだと感動した。

 

あまりにも遠い場所に感じる。

 

初めて尽くしに萎縮していたところで、やっと結束バンドの出番が始まった。

 

歓声から始まったライブは、期待通り、後藤先輩のギターソロから始まった。

 

文化祭のときのような小細工はなし。

 

スポットライトを全身に浴びながら。

 

正々堂々と高らかに。

 

でもやっぱり背を丸めて俯きながら。

 

嵐の夜を切り裂くような雷鳴を、後藤先輩は響かせた。

 

 

 

 

 

 

 

ライブハウスから帰ってきたらお勉強。

 

受験生に休みはないのだ。

 

・・・寝る前の受験勉強のノルマを終えて、一息を着く。

 

『秀華高校 過去問題集』と書かれた冊子を片付ける。

 

あとはもう寝るばかり。

 

そういえばと、後藤先輩からライブ会場で小包受け取ったことを思い出す。

 

洗濯され返却されたパンツ。

 

お詫びとして新品のパンツもあったけど、そっちはどうでもいい。

 

私が穿いていて、後藤先輩が穿いて、返ってきたパンツ。

 

グレーで飾り気のない地味なパンツ。

 

どうしようこれ。

 

かなりのレアアイテムだ。

 

額縁にでも入れるべき?

 

うーん。

 

悩ましい・・・

 

とりあえず今日のところは枕元において布団に潜り込む。

 

「今夜はいい夢が見れそうかな――――――

 

 

 

/

 

 

 

――――――こりゃ今夜見るのは悪夢だね」

 

 

夢の舞台。

 

今日訪れたSTARRYの観客席に私はいた。

 

私の正面、ステージの上には人影。

 

シルエットからはジャンパーを羽織った女性のように見える。

 

スポットライトの逆光で顔は見えない。

 

「ぶはーー。うーん、私にもキラキラした時代はあったのかなぁ。ねえ、どう思う?」

 

飲み終わったストロー付き紙パックを放り投げながら尋ねられた。

 

馴れ馴れしいし、行儀が悪い。

 

ひどい嫌悪感を感じた。

 

「そんなことは私にはわかりません」

 

どうしようもない酒精の香りが漂っていた。

 

呂律の回らない声から、泥酔具合が伝わってくる。

 

「迷い子が手招く夢の国へってか。さぁて、『どっち』が迷い子だろうねぇ」

 

どうしても逆光で相手の顔は見えなかった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。