死ネタっぽいものも含みますので一応注意です!
この小説はpixivで掲載したものを加筆修正したものです!
ある晴れた日、雲一つない青空が広がる休日に私、ニシノフラワーは大好きな人とデートを楽しんでいました。
いつも雲のようにフワフワしていてマイペースですが、レースになるとかっこいい青空のように綺麗な青い瞳の芦毛のウマ娘さん、セイウンスカイさんです。
私はスカイさんと特に行く場所を決めてない気ままなデートをすることになりました。
「あの、スカイさん。スカイさんは何処か行きたいところはありますか?」
私はスカイさんに訪ねてみました。
すると、スカイさんは腕を頭の後ろに組みながらニシシっと笑顔を浮かべながら私にこう応えました。
「ん〜?セイちゃんは別に何処でもいいよ〜。フラワーと一緒なら何処でも楽しいし〜」
「も〜、スカイさんったら〜」
スカイさんの言葉に私はつい笑顔になっちゃいました。
こんな幸せな日がいつまでも続くといいなと私は思いました。
しばらく歩き続け、工事現場の近くを通り過ぎようとスカイさんとトレーナーさんのことやいろんなことを話しながら歩いていると、頭上から「ブチンッ!」という鈍い音が響きました。
一瞬、なんの音かわかりませんでしたが次の瞬間、スカイさんの叫び声が聞こえました。
「危ない!フラワーッ!!」
必死な表情のスカイさんが突然、私を突き飛ばす。
私が尻餅をついた次の瞬間、轟音と共に頭上から大量の鉄骨がさっきまで私がいた位置に向かって落ちてきました。
「…えっ?」
突然のことで私はわけがわからず、困惑していました。
落ちた鉄骨で土煙が舞い散る中、周りの人が慌てて助けを呼ぼうと他の人に言ったり、事故を見た人たちの悲鳴が響きました。
「お、おい!怪我人がいるぞ!早く助けろ!!」
「…!す、スカイさん!」
助けに向かった男の人の声を聞いて私はハッとなって何故か急に姿が消えたスカイさんを探そうとしました。
でも、立ち上がろうとして地面に手を付けた途端、ベッタリとしたものが私の手に付きました。
「えっ…?」
恐る恐るそれを見ると、真っ赤な血が私の手のひらについていました。
「ひぃっ…!」
それに驚いた私は鉄骨の山の下から血が流れていることに気づき、そしてその鉄骨の隙間から見えるあるものを見てしまったのです。
落ちてきた鉄骨で頭や体を強打したのか、特に頭から大量の血を流すさっきまで一緒に笑顔で話していた芦毛のウマ娘の姿を…。
「あ…!あぁ…!」
私は人形のように動かなくなり、目の光が消えたそれを見てすぐにスカイさんだと気づきました。
全身が血まみれになり、言葉にできないほどの痛々しい姿になっていました。
「す…スカイさん…!うぅ…!ゔぉえぇぇ…っ!!」
それを見てしまった私はこみ上げてくる吐き気に耐えきれなくなって胃の中のものを全て吐き出してしまいました。
スカイさんは私めがけて落ちてきた鉄骨から私を助けようとして命を落とした…。
「嫌…!嫌あぁぁぁぁぁっ!!」
私は目の前の出来事が信じられず、悲鳴を上げました。
大切な人が死んだ…大好きなスカイさんが私の身代わりになって亡くなった…。
私のせいでスカイさんが死んでしまった…。
そんな悪夢のような出来事に私の目の前は真っ黒になった。
……………………
「っ!」
私が目を覚ますと、そこは私が住んでいる栗東寮の私の自室でした。
「え…?ここ…?」
私は困惑しながら辺りを見回すと、時刻は夜なのか外は真っ暗で、隣にはルームメイトのミホノブルボンさんが眠っていました。
「ゆ、夢…?」
先程までの光景が夢だと気づいて私は少しホッとしました。
私は体中が汗でぐっしょり濡れていることにも気づきました。
「…着替えよう…」
私はタオルを取ってくると、体を拭き、濡れた服を着替えました。
「……」
服を着替えながら私はあることを考えてしまいました。
もし、スカイさんがさっき見た夢みたいに本当に死んでしまったら…もしも大好きなスカイさんがいなくなってしまったら…。
考えたくもないのに頭の中にそんな想像が浮かび上がると、私は怖くなって震えてしまいました。
「スカイさん…!」
私は恐怖に震えながら考えるのをやめるように布団を頭までかぶりましたが、先程の夢が頭から離れず、眠れませんでした。
……………………
翌日、私はあれから一睡もできなくて寝不足になってしまい、ミホノブルボンさんに心配されましたが、私は大丈夫ですと言ってトレセン学園に登校しました。
ですが、眠気のせいで授業やトレーニングに集中できず先生に叱られたり、トレーナーさんにも心配をかけてしまいました。
「…スカイさん…」
なんとかトレーニングが終わり、放課後になると私はあの夢で見た光景が頭から離れず、また不安になってスカイさんを探しに行こうとして学校中を探し回りました。
今日は移動教室やトレーニングのことで何故かなかなかスカイさんに会えず、何故かお昼ごはんの時間になって会えなかったため、私の不安が強まるばかりでした。
もしかしたら、あの夢は現実で本当はスカイさんは…。
「スカイさんがいつもいる場所…!」
そんな考えをすぐに止めた私はスカイさんがいつもサボりである場所にいることを思い出してトレセン学園から飛び出すと、河原の方に向かいました。
すると、釣りをしながら草むらの上でのんびりお昼寝をしているスカイさんを見つけました。
「…!スカ…」
「ん〜…?お〜、フラワーじゃーん。どうしたの〜?」
スカイさんを見つけた私は声をかけようとしましたが、スカイさんは私の気配に気づいたのか、目を覚ましてこちらを向きました。
いつも通りの飄々とした笑顔を見て私はやっぱりアレは夢だったのだと安心しました。
「え…?ど、どうしたのフラワー…?泣いてるの?」
「えっ…?」
すると、スカイさんが驚いたような表情で起き上がって言いました。
私は頬に何かが流れていることに気づき、手を当てて見ると濡れていました。
私はスカイを見て安心しすぎたのか、無意識のうちに泣いていました。
「な、何かあったの…?もしかしてトレーニングでミスしたとか…?」
「…っ!」
心配そうに問いかけるスカイさんを見て私は悪夢の光景と重なってしまい、思わずスカイさんに抱きつきました。
「わっ!?」
「うぅ…!ひぐっ…!スカイさん…!スカイさぁん…!!」
私は悪夢を思い出してガタガタと震えながらスカイさんに抱きつき、そのまま泣いてしまいました。
「…!何かあったの…?」
スカイさんの問いかけに私は何も言わず泣きながらコクコクと頷きました。
「…そっか…何かあったのか聞きたいけど、フラワーが落ち着くまでセイちゃんが抱きしめてあげるよー」
「スカイさん…!うわぁぁぁん…!!」
スカイさんは優しく言いながら私を抱きしめてくれました。
私はそんなスカイさんの優しさにまた泣いてしまいました。
……………………
「グスッ…!グスッ…!」
どれだけ泣いたのか、泣き続けていた私はようやく泣き止みました。
「大丈夫?話せそう?」
「…はい…」
地面に座り込みながら優しい声で問いかけるスカイさんの言葉に私はそう返事しました。
「そっか…じゃあ、なんで泣いてたか話してくれないかな?」
「はい…怖い夢を見ました…」
私は隣に座り込んでスカイさんに夢で見た内容を話しました。
スカイさんが私を庇って事故で死んでしまう夢を…。
「なるほど~…セイちゃんが死んじゃう夢を見ちゃったのか〜…」
スカイさんは少し驚いたような表情を浮かべながら私の話を真剣に聞いてくれました。
「夢なのはわかってるんです…でも…もしも本当にスカイさんが死んじゃったり…離れ離れになっちゃったらって考えたら…怖くなって…考えたくもないのにスカイさんがいなくなってしまうことを考えて…!私…!私…!」
私は話しているうちにまた怖くなって泣き出しそうになってしまいました。
「フラワー…」
すると、スカイさんがまた私を抱きしめてくれました。
「…!」
「大丈夫大丈夫ー。セイちゃんはどこにも行かないし、死んじゃったりしないよー。セイちゃんがいるからなんにも怖くないよー」
スカイさんは私を抱きしめながら私を安心させようと声をかけ続けました。
「す、スカイさん…!」
「セイちゃんは何があってもフラワーのことを守ってあげるよー。だから安心してね」
スカイさんは私の頭を優しく撫でながらそう言いました。
「グスッ…!スカイさん…」
その言葉に安心した私はギュッとスカイさんに抱きつくとスカイさんも優しく抱きしめてくれました。
スカイさんはなるべく私を安心させようと小さい子をあやすように背中を優しくトントンと叩きました。
「気持ちいい?」
「…はい…」
少し恥ずかしいですけど、私はその感覚が昔、同じように怖い夢を見て泣いた時にお母さんに優しく寝かしつけられている時にされたことを思い出して、心地よい感覚に私は気持ちよくなって安心したのか、また涙を流していました。
(スカイさんに抱っこされているとさっきまで怖かったのに怖くない…不安で怖くてたまらなかったのに…スカイさん…)
私はまた落ち着くようになるまでスカイさんに抱きつきました。
……………………
しばらくしてようやく落ち着いた私はスカイさんの肩に頭を寄せていました。
「もう落ち着いた?」
「はい…ごめんなさいスカイさん…迷惑かけましたよね…?」
スカイさんがハンカチで私の目元を拭いてくれて申し訳なくなった私はスカイさんに謝罪しました。
「いいよいいよ〜。可愛いフラワーのためならセイちゃんはなんでもするよ〜。セイちゃんはフラワーの味方だからね〜」
「スカイさん…」
私がスカイさんの顔を見ると、スカイさんは優しい顔で私を見つめてました。
青空のように綺麗な青い瞳が私の心を落ち着かせてくれました。
「それにフラワーも泣きたくなったり、不安になったらいつでもセイちゃんに頼っていいんだよ〜。どんなフラワーでも私は受け止めるよ〜」
「…はい…」
すると、スカイさんはくつろぎやすいように足を伸ばすと、太ももをポンポンと叩きました。
「おいで〜。膝枕してあげるよ〜」
「えっ、でも…」
膝枕までされたら申し訳ないと思って私は断ろうとしましたが、スカイさんは私の頭を乗せたそうな顔をしていましたのでお言葉に甘えてスカイさんの太ももに頭を乗せて寝転がりました。
スカイさんの膝枕に寝転がると、お日様のような安心する匂いがしました。
「どうかな〜?セイちゃんの膝枕は〜?」
「は、はい…あったかくて気持ちいいです…」
「そっかそっか〜」
スカイさんは私の頭を撫でながら嬉しそうに言いました。
膝枕の心地よさに次第に眠気がやってきましたが、また悪夢を見るんじゃないかと不安になっていると、スカイさんは私のお腹をポンポンと優しく叩きながら耳元で囁きました。
「大丈夫…ゆっくり目を閉じて…悪夢なんか見ないようにセイちゃんが側にいるよ…安心しておやすみ…」
スカイさんの透き通った優しい声が私の心を落ち着かせ、私はまた一筋の涙を流すと瞼が重くなり、安心しながら眠りにつきました。
「おやすみなさいフラワー…いい夢を見てね…大好きだよ…」
スカイさんは笑顔でそう呟くと、眠っている私の頬に優しくキスをしました。
その後、私とスカイさんは門限ギリギリになるまで居眠りをしてしまい、慌てて寮に帰ってくるとフジキセキさんとヒシアマゾンさんに叱られちゃったのは言うまでもありません。
ですが、その日はもう悪夢を見ることはなくなりました。
翌日、私は美浦寮のスカイさんのお部屋に行き、昨日のお礼にスカイさんに青いパンジーが咲いた鉢植えを渡しました。
スカイさんはとても喜んでくれていましたが、私は一つ、スカイさんに問題を出しました。
「スカイさん。青いパンジーの花言葉を知ってますか?」
「え〜?なんだろ〜?うーん…黄色は確か…【つつましい幸せ】でしょ〜…?」
鉢植えを机の上に置いたスカイさんは考えますが、降参したのか、わざとらしく私に答えを求めます。
「セイちゃんの負けだよ〜。フラワー、答え教えて〜」
私はそんなスカイさんを見て少しいたずらっぽく笑いながら言いました。
「秘密でーす♪」
「え〜!?フラワーのいけず〜!」
スカイさんは可愛らしく頬を膨らませました。
ですが、スカイさんもとっくに気づいていました。
だって青いパンジーの花言葉は…。
「「純愛、誠実な愛」」
無意識のうちに私とスカイさんはほぼ同じタイミングで花言葉を呟きました。
そして私はスカイさんの方を振り向き、照れくさそうな笑顔を浮かべているスカイさんに向かって言いました。
「スカイさん、愛してます」
「セイちゃんも」
窓の外から見える雲一つない青空の下で青いパンジーの鉢植えが窓から差し込んだお日様の光に照らされていました。
終
フラウンスだけでなく、他のウマ娘のカップリング短編も今後ちょくちょく不定期で書いていく予定です!