また忙しくなるまでは更新を続けていきますので、よろしくお願いします
二日酔いになっていたロキ様の為に、新しく購入した極東の調味料である味噌と、市場で手に入れたしじみを使ったしじみの味噌汁を作ってみた。
「ああ、ええ味やわ。極東の郷土料理みたいやけど、ほっとする味やね」
美味そうにしじみの味噌汁を啜っていたロキ様は、少し食欲が出てきたらしい。
極東の米を炊いて作ったお握りを1つロキ様に渡してみると「可愛ええ形しとるやないか。3角形やな」と笑っていたロキ様。
「おおっ、中に何か入っとる」
お握りをかじり、中に具が入っていたことに驚いていたロキ様に、骨を取った塩焼き鮭が入れてありますよ、と教えておいた。
「焼き鮭は米との相性抜群やな。味噌汁っちゅう名の極東のスープとも合うやないか」
お握りとしじみの味噌汁を完食したロキ様は、少し元気になっていたみたいで「お腹一杯や、美味かったでモビタ」と笑顔で喜んでいたな。
ロキ様が元気になってくれて良かったですよ、と正直な気持ちを伝えておくと「やっぱりモビタは、ええ子やな。自慢の子や」と嬉しそうにしていたロキ様。
それから「ちょっと部屋で横になるわ」と言っていたロキ様を部屋まで送っておき、様々なことを感謝してきたロキ様と別れた私は、自室で装備を整えてからダンジョンへと向かう。
最近引き受けた冒険者依頼を単独で達成する為に、移動していった先は、ダンジョンの中層にある13階層。
細い道を進んだ先にある袋小路は半円形の空間となっていて、壁面には岩壁がある。
生きていると言われるダンジョンは、破壊されても元通りに復元されるらしく、冒険者達によって何度も採掘された筈の岩壁には、今では傷1つない
そんな岩壁を小型鶴嘴で削り、私も採掘を行っていくと、削られた岩壁から落ちた岩の破片が足下を転がっていった。
ひたすら掘り進めて黙々と採掘作業を続けていると、目当ての鉱石を数個ほど発見。
見つけた紅縞瑪瑙は合計で4個。
冒険者依頼では3個以上の紅縞瑪瑙を入手して納品することが達成条件だった筈なので、数は問題ないだろう。
血の色にも似た紅と黒の縞状模様をした鉱石である紅縞瑪瑙4個と小型鶴嘴をバックパックに収めて帰り支度を整えていると、細い道から此方に近付くモンスターが現れた。
モンスターは、どうやらミノタウロスであるようだ。
唯一の通り道をミノタウロスに塞がれる形となり逃げ場がないが、ミノタウロスを倒して進めば問題ない。
「ガンスミス」で作り出した魔法銃のリボルバーで、ミノタウロスの胸部を瞬時に狙って早撃ちで弾丸を放つ。
撃ち放たれた弾丸はミノタウロスの胸部の外皮と筋肉を容易く貫き、モンスターの弱点でもある魔石を砕いていく。
普段なら魔石以外を狙って倒していたが、今回はバックパックが埋まっていたので、魔石の回収は諦めて砕くことにした。
モンスターの魔石をそのままにしておくと、放置された魔石を他のモンスターが食べて、強化種が生まれる可能性がある。
その為、余程の非常時以外、持ちきれない魔石は必ず砕いておかなければいけない。
これはダンジョン探索をする冒険者にとって、基本的な知識の1つだ。
魔石を砕かれたことでミノタウロスが灰となり、ミノタウロスの大きな身体で塞がれていた細い道が通れるようになったので、そろそろダンジョンから出ることにした。
中層から上の階層に上がっていき、遭遇するモンスターは全て魔石を破壊して倒しながら進む。
ダンジョンを出て、今回の冒険者依頼の依頼主へと紅縞瑪瑙4個を納品しておくと、依頼主から私に渡された達成報酬。
今回の達成報酬は現金であり、20万ヴァリスが支払われる。
様々な冒険者依頼を達成してきて、様々な報酬を受け取ってきた今では、こっそり貯めてある私の貯金の総額が600万ヴァリスを超えていた。
ちょっとした小金持ちにはなったが、無駄遣いはしない方が良さそうだ。
600万程度のヴァリスは、第2級冒険者なら稼げない金額ではないが、一瞬で稼げる金額という訳でもないだろう。
以前極東の品々を大量に買い込んだ時のように、欲しいと思った物は買うつもりであるが、基本的には必要な物以外にヴァリスを使うことはない。
それからも今月の内に単独で幾つかの冒険者依頼を達成し、冒険者としても経験を積むことができたと私が思っていると、団長に呼び出されることになり、向かった団長の自室。
「手が空いている時で構わないから、治療師としても活動してくれないかな。冒険者として経験を積んできたきみには治療師としても経験を積んでもらいたいからね」
そう提案してきた団長が言うには、基本的に治療師は戦闘を苦手としているようで、戦える治療師は貴重であるらしい。
どうやら団長は、戦闘もそれなりに出来て他者の治療が可能なスキルを持つ私に、様々な経験を積んでもらいたいようだ。
私が戦える治療師としても活動できるようになればダンジョン探索も捗りそうだと思ったので、団長からの提案を了承し、構いませんよ団長、と答えておいた。
「きみが引き受けてくれて良かったよ。断られたらどうしようかと思ってたんだ」
軽くおどけながら笑みを浮かべた団長は「それじゃあ今日から早速、きみには経験を積んでもらおうかな」と言ってくる。
団長は、早速私に治療師としての経験を積ませるつもりみたいだ。
今日からですか、急ですね、と言う私に団長は「怪我人は団員の治療師達で治療が可能だけど、病人はそうもいかないからね」と言葉を返してきた。
「きみなら病も治療できるみたいだし、今回は病人の治療を頼んでおくよ。治療で消費した精神力を回復するマジックポーションは、此方が提供するから安心してほしい」
わかりました、病人の治療ですね、と返事をした私を病人の元まで案内してくれた団長。
「雪解けの癒し」で治療を続けて病人を何人も治療していくと元気になった団員達から感謝されて、治療をした私の顔と名前を覚えた団員が徐々に増えていく。
こうして面識のある先輩団員以外にも知り合いが増えたことで、普段交流する相手も増えていった。
それからも私は冒険者としてダンジョン探索も行いながら、治療師としても活動を続ける。
病人だけではなく怪我人相手に幾度も治療を行ったことで、ある程度治療師として経験を積むことができたのは間違いない。
そんなある日、再び団長に呼び出された私は、中庭で団長と対峙していた。
「今度は対人戦も経験してもらおうかな。きみの相手は僕がするよ」
本来の得物である槍ではなく棒を持っている団長は本気ではないようだが、それでも私より遥かに格上のLv6だ。
戦いになるんですか、と聞いた私に「勿論僕は手加減するけど、ある程度格上との対人戦は経験しておいた方が良いからね」と答えてくれた団長。
よろしくお願いします、と頭を下げた私に「それじゃあ先ずは、軽く10本くらいやろうか」と言った団長は棒を槍のように構えていた。
始まった団長との対人戦では何回も棒で身体を打たれることになったが、かなり頑丈な棒で身体を打たれると物凄く痛かったのは確かだ。
私も棒で打たれてばかりではなく反撃していったが、此方の攻撃は団長に全く当たらない。
振るった短刀の「ブルータウロス」は団長に触れることも出来ず、私の魔法である「ガンスミス」で作り出した魔法銃の弾丸は全て避けられてしまう。
団長に攻撃が全く当たらないなら当たるように工夫するしかないと考えた私は、紐のような光線を放ち、自在に操ることが可能な「ストリングビーム」の魔法も使ってみた。
私の思い通りに動き、自在に操れる「ストリングビーム」まで使っていくと、棒による防御を行うことも増えてきた団長。
どうやら「ストリングビーム」で団長の意表を突くことが出来たらしい。
持てる全ての力を使い、何度も戦いを続けていく内に、団長が持つ棒をへし折ることにも成功したが、達成感が凄かったな。
「やるじゃないかモビタ」
棒をへし折った私を団長は褒めてくれたが「これならもう少し手加減を緩めても大丈夫そうだね」と言いながら新たな棒を用意していた団長は、とてもやる気に満ち溢れていた。
その後も続いた対人戦。
何度打たれようと怯まずに戦い続けていくと、団長の動きが更に鋭くなっていく。
徐々に緩んでいった団長の手加減。
流石に全力を出してはいないだろうが、それでも苛烈になっていく団長の攻撃。
長く続いた団長との対人戦が終わった頃には、私の身体はボロボロになっていて、ロキ・ファミリアの治療師達に魔法で治療してもらうことになる。
「何でこんなにボロボロに」と治療師達に言われた時、いや対人戦の訓練でこうなりました、と私が言うと「頑張り過ぎです!」と怒られてしまった。
治療が終わった後、定期的にステイタスを更新する日が今日だったことを思い出して、私はロキ様の自室へと向かう。
自室で寛いでいたロキ様にステイタス更新を頼んでみると「ええよ、やろか更新」と了承をもらえた。
上半身だけ服を脱いだ私が背中を晒すと「おっ、ええ身体になってきたやないか」と私の身体を眺めながら頷いていたロキ様。
ある程度鍛えられた私の身体は、1年前と比べれば引き締まっていたことは確かだ。
此方に近付いてきたロキ様が「ほいっ」と言いながら指で私の背を縦に撫でる。
するとロキ様によって施錠されて隠されていた背の神聖文字が露となり、ステイタスの更新が始まった。
「フィンから聞いとるけどモビタは頑張っとるみたいやな。せやけどたまにはゆっくり休む日も必要やで」
私のステイタス更新を行いながら、そう言ってきたロキ様は私を心配してくれているらしい。
そんなロキ様を安心させる為に、そうですね、ステイタスの更新が終わったら今日はもう休んでますよ、と伝えておく。
「それならええわ」
休むと言った私が嘘を言っていないことを理解したのか、背後から聞こえるロキ様の声には安堵があった。
Lv3
力:F321
耐久:D514
器用:E483
敏捷:F309
魔力:E497
射撃:F
耐異常:H
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
・小人と育んだ友情
・小人族と共に戦う時、全ステイタスに高補正
・巨大な敵と戦う時、発展アビリティ勇猛の一時発現
・小さな敵と戦う時、発現している発展アビリティに高補正
やはり新たなスキルが発現していたようであり、この「小人との友情」と書いて「パルゥム・フィリア」と読むスキルは、小人と関係しているスキルのようだ。
恐らくは小人族である団長と接する機会が多かったことが、小人関係のスキルを発現した理由だろう。
のび太関係で小人と言うと、ドンジャラ村のホイや、宇宙小戦争のパピが思い浮かぶな。
ある日、のび太が見つけたエリマキがあるカエルから始まった騒動で、エリマキガエルを探している内に小人が倒れているのを発見するのび太とドラえもん。
秘密道具のお医者さん鞄で小人の手当てをした後に、しずかちゃんから借りた人形の家に小人を寝かせた。
目を覚ました小人は、のび太たちを見つけると、怯えて逃げ出そうとする。
話しかけても聞く耳を持ってくれない小人とコミュニケーションを取るために、スモールライトでドラえもんとのび太が小さくなって近づくと、それでようやく心を開いてくれた小人。
小人は、ドンジャラ村のホイであると名乗ってくれた。
ドラえもんとのび太がホイたち小人族について尋ねると、ドンジャラ村は森の中にあるが、宅地や工場の開発が急速に進んで住みづらくなったと話すホイ。
ホイは新しい村を探しに出ていたが、見つかるのは人間の住まう場所だけで、小人が暮らせそうな場所は見つからなかったようだ。
とりあえず村に戻ろうと、ドラえもんのどこでもドアで森に向かうが、森では工事が進んでいてドンジャラ村の村人である小人は誰ひとり居なくなっていた。
どこかへ避難しているのだろうと考えたのび太達は、村人である小人達を探すことにする。
そこでホイが万能手綱というエリマキ状の手綱を出した。
首に巻くと動物をコントロールすることができるようになる道具である万能手綱。
これをツバメに巻き付けて移動手段としたホイと一緒に移動するのび太達。
のび太が見たエリマキがあるカエルは、この万能手綱を巻いていたカエルだったのだろう。
探しても探しても小人達が落ち着ける場所はどこにもなく、一日中探しても小人達は見つからず、どこかの家の庭で寝ることにしたのび太達は、木にみの虫式寝袋を引っ掛けて眠った。
夜も更けた頃、のび太達がいる庭の家の軒下から、小人族の女の子が1人で姿を現す。
陽気に歌い、踊りだしていた小人族の女の子は、木にぶら下がっていたホイの姿を見つけ「お兄ちゃん」と驚いた。
ドラえもんとのび太は軒下にある部屋に招かれ、ドンジャラ村の村人達は、この辺りの家の床下に引っ越していたことを聞かされる。
人間の住まう土地に逃げ込んだ小人達は人間が寝静まる深夜にしか出歩けないようだ。
ホイ達に連れられて近くの公園へと向かったのび太達。
公園ではホイの父親から、ここも百年以上前は良いところだったと昔話が語られた。
小人達が安心して暮らせる場所は無くなってしまったのかと嘆くホイの父親の話を聞き、小人族の為の土地を探そうと思い立ったドラえもんとのび太。
秘密道具のリクエストテレビを使って人間の近寄らない広い土地を探すことにしたが、アマゾン河流域に人類未踏の原始林を見つけることができた。
そこにミニハウスで簡素な町を作ったドラえもんは、ドンジャラ村の村長一家でもあるホイの家族を連れてきてこの場所を紹介する。
緑の残る大自然に大喜びしていた村長は、紹介された場所に大満足していたようだ。
すぐに他の小人達も集めて、全員でアマゾンに移住した小人族は、新たな国を作っていった。
日本に戻ったドラえもんとのび太は、ホイ達のことが誰にも知られないように小人のことは誰にも言わない。
エリマキがあるカエルは見間違いだったと公言するのび太は、ジャイアンやスネ夫にボコボコにされてしまうが、それでも何も言わなかったのび太。
ドンジャラ村のホイに関わる話は、こんな感じだったな。
ちなみにドンジャラ村のホイは雲の王国でも登場して、のび太を助けていたりもした。
宇宙小戦争は新しく作られた映画の方だと、パピにピイナという姉がいて、話が少し変わっていたような気がする。
それでも小人の宇宙人であるパピが、ピリカ星の大頭領ということと、パピが反乱軍のピシアに狙われていることは一緒だった筈だ。
秘密道具のスモールライトで小さくなっていたのび太達が、スモールライトの効果が切れて大きさが元に戻り、ピリカ星で反撃に移るところも同じだったので、大筋の話は変わっていないのかもしれない。
ドンジャラ村のホイという地球の小人と、ピリカ星のパピという宇宙人の小人と交流したのび太は、小人と縁があるのだろう。
「フィンと接する機会が多くなったら、小人族関係のスキルが生えてくるとかどないなっとんねん」
そう言っていたロキ様は困惑していたが、今回は頭を抱えてはいなかった。
精霊関係のスキルが発現するよりかは、まだ落ち着いていられたらしい。
ロキ様が頭を抱えるようなことにならなくて良かったと思う。