才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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なんとか思いついたので更新します


犬人の先輩団員

私が黄金を身につけている時に発現する発展アビリティの神秘は、どうやらかなりのレアアビリティであるらしい。

 

発展アビリティの神秘を用いれば、特殊な魔道具の作成も可能であるようだ。

 

とはいえ試行錯誤も無しにいきなり魔道具の完成品を作れる訳ではなく、ある程度経験を積む必要があるのは間違いない。

 

魔道具の作り方自体がわかっていない今の私では何も作れないだろう。

 

魔道具作成ができるようになるには師匠が必要になりそうなことをロキ様に相談してみると、リヴェリアさんの知人であるレノアさんを紹介された。

 

レノアさんは魔導士の装備や魔道具などを揃えている「魔女の隠れ家」という店の主であり、リヴェリアさんの杖に使われている魔宝石の交換もレノアさんが行っているそうだ。

 

レノアさんは「魔道具作成に使う素材を全て自分で用意してくるなら、魔道具の作り方を教えてやるよ」と言っていたな。

 

とりあえず集められる範囲で集めてみるとしよう。

 

それからしばらくダンジョン内で採取や採掘を行った後、モンスターを倒してドロップアイテムなども集め、手に入れた全ての品をレノアさんに渡しておく。

 

山盛りの素材に笑っていたレノアさんは、早速魔道具の作り方を教えてくれた。

 

最初は簡単な魔道具から始まり、次から応用編に入っていくようだ。

 

ダンジョンで素材を集めてレノアさんに渡し、魔道具の作成方法を教わるという日々を過ごしていると、ちょっとした魔道具なら作れるようになる。

 

レノアさんはレノアさんで仕事をしているようで、複数の仕事で忙しい時もあるらしく、そんな時は私が手伝いをすることもあった。

 

手伝いをしているとレノアさんに「あんたは手先が器用だ」と褒められて「冒険者にしておくには惜しいね」と言われることもあったので、少しはレノアさんに認められたのかもしれない。

 

これからも定期的に「魔女の隠れ家」に行き、師匠であるレノアさんに魔道具作成を教わっていくとしよう。

 

早朝から行っていたレノアさんの仕事の手伝いを終えて「魔女の隠れ家」を出た私は、ロキ・ファミリアのホームに戻った。

 

ホームの通路を歩いていると朝から先輩団員達が中庭に集まっているのが見えたので、何だろうかと思った私は中庭に移動してみる。

 

到着した中庭では武装した先輩団員達が連携の練習をしているようで、集団で戦うことに慣れているロキ・ファミリアならではの見事な連携を見せていた先輩団員達。

 

こうして連携の練習をしているからこそ、先輩団員達はダンジョンでもしっかり連携ができているのだろう。

 

日々の積み重ねは大事だな、と私が思っていると此方に気付いた先輩団員達が近寄ってくる。

 

「最近一緒にダンジョン行けてなかったよな、モビタ」

 

先輩団員の第一声に、確かにそうですね、と言って頷いていた私に「また今度一緒にダンジョン行こうぜ」と誘ってくれた先輩団員達。

 

機会があれば是非お願いします、と言った私に「モビタは言葉使いが真面目だよな」と先輩団員達は笑っていた。

 

その後、食堂に移動した私が朝食のサンドイッチとサラダの盛り合わせを食べていると、近寄ってきたロキ様。

 

「隣に座ってもええか?」

 

律儀に聞いてきたロキ様に、構いませんよ、どうぞ座ってください、と答えた私は椅子を用意しておく。

 

私が用意した椅子に座り、にっこりと嬉しそうに笑っていたロキ様は「リヴェリアが言っとったで、モビタが通うようになってからレノアの機嫌がええってな」と言った。

 

そうなんですか、と言う私に「レノアに杖の修理を頼みやすくなったってリヴェリアは喜んどったで」と言いながら楽しげにしていたロキ様は、椅子の上で体勢を変える。

 

伸ばしていた足を組み、椅子の上で胡座をかいた後「まあ、うちからモビタに聞いておくことは1つだけやな」と言って私を見たロキ様。

 

「楽しめとるか?」

 

そう聞いてきたロキ様に、ええ、楽しめてますよ、と私は答えておく。

 

「なら、ええわ」

 

ロキ様は嘘偽りのない私の言葉に安心したようで、穏やかに笑っていた。

 

「またモビタとデートできる日を待っとるで」

 

それだけ言ってロキ様が立ち去ると、食堂に居た女性団員達が近寄ってきて、ロキ様とのデートがどんな感じだったか聞いてくる女性団員達。

 

特に嘘を言うことなく正直に答えておくと、女性団員達は盛り上がっていたな。

 

何故か1名のアマゾネスの女性団員は「ああっ、団長とこんなデートがしたい!」と言ってやたらとテンションが高い。

 

というかそれはティオネさんだった。

 

積極的にアマゾネス流のアプローチを全力で行っているティオネさんに、団長の目が死んでいることも良くあるので、それがロキ・ファミリアでは見慣れた光景となっているのは確かだ。

 

団長も大変だな、と遠い目をしていた私の肩を叩く褐色の手に振り向くと「モビタはロキと仲良しなんだね!」と笑顔のティオナさんが見える。

 

恋愛関係には興味が無さそうなティオナさんが、こんな話を聞いているのは珍しい。

 

何か理由があるのかと思っていると「あたしは、アイズともっと仲良くなりたいけど、どうすればいいかな?」と聞いてきたティオナさん。

 

どうやらアイズさんともっと仲良くなりたいティオナさんは、仲良くなる方法を私に聞きにきたみたいだ。

 

じゃが丸くんの新しい味が発売されてたんで、一緒に買いに行ってみればいいんじゃないですか、と答えてみると「わかった!ありがとー!」と言うとアイズさん目掛けてティオナさんが突撃していく姿が見えた。

 

それからも女性団員達から様々なことを聞かれたので、答えられることには答えておき、答えられないことには、それは秘密です、とだけ言っておく。

 

朝から騒がしいことになったが、それだけ元気なのは良いことだ。

 

食堂で朝食を食べ終えた後、団長に呼び出されることになり向かった中庭。

 

そこには団長だけではなく先輩団員でもあるクルスさんの姿もあった。

 

いつも同じ相手とばかり戦っているのも良くないということで、今日は団長だけではなくクルスさんとも戦うことになるらしい。

 

犬人であるクルスさんは団長と同じく槍の使い手だ。

 

ヴァルマーズ製の棒をクルスさんに渡した団長は「クルスには手加減無しで戦ってもらうよ」と言うと、私にもヴァルマーズ製の棒を渡してきた。

 

今日は剣ではなくこれだけを使って戦えということなのだろう。

 

棒を剣と同じ構えで持つ私の前で、クルスさんは槍を扱うように棒を扱っていく。

 

始まったクルスさんとの対人戦。

 

ヴァルマーズ製の棒が連続で打ち合わされて、硬質な音が響き渡る中庭。

 

棒を剣として扱う私に対して、クルスさんは棒を槍として使う。

 

振り下ろした棒と、薙ぎ払うように横に振るわれた棒がぶつかり合い、互いの棒が弾かれる。

 

互いにまだ有効打はなく激しい打ち合いが続いているが、クルスさんは熟練の技を感じさせる団長ほどの腕前ではなかった。

 

団長であるなら私は既に何度か棒で叩かれていて、痛烈な攻撃を連続で喰らっていた筈だ。

 

それから幾度も打ち合いを続けていると「きみ達2人の戦いは、そこまでにしよう」と戦いを止めてきた団長。

 

「さて、きみ達はお互いの動きは、ある程度掴めたと思うけど、どうかな」

 

そう聞いてきた団長に、確かにある程度は掴めましたよ、と答えた私に続いて「俺もモビタの動きは、ある程度理解しました」と言ったクルスさん。

 

「それじゃあ、クルスとモビタで連携して、僕と戦ってみようか」

 

そんな提案をしてきた団長に驚きながらも納得した私とクルスさんは、団長の提案を了承してヴァルマーズ製の棒を構える。

 

にこやかな笑みを浮かべた団長は、私とクルスさんと同じくヴァルマーズ製の棒を構えた。

 

始まった2対1の対人戦。

 

先程の対人戦との違いは、拮抗ではなく、片方が圧倒されているというところだろう。

 

圧倒されているのは私とクルスさんの2人。

 

手加減しているとしてもLv6である団長に対して、Lv4のクルスさんとLv3な私では、圧倒されるのも当然のことだ。

 

幾度も痛烈な打撃を喰らった私とクルスさんは身体中が痛んでいたが、それでも戦いは止めない。

 

繰り返し行われる戦いの中で、少しずつ歯車のように噛み合っていく私とクルスさんの動き。

 

拙い連携が少しずつ変わっていき、互いが次に何をするかがわかるようになっていた私とクルスさん。

 

迷わず動き続けていても、互いの動きを邪魔することなく流れるような連携ができていた私とクルスさんは、前に出て団長に棒を振るう。

 

防御されてしまったが、なんとか団長に一撃叩き込んだところで「今日は、ここまでにしよう」と対人戦を終わりにした団長は「2人は見違えるように動きが良くなったね」と嬉しそうにしていた。

 

笑みすら浮かべている団長は間違いなく上機嫌だ。

 

そんな団長とは違って私とクルスさんはボロボロになっていたので、とりあえず私の「雪解けの癒し」のスキルでクルスさんの怪我は治療しておく。

 

「お前も怪我してるのに、悪いなモビタ」

 

申し訳無さそうな顔をしていたクルスさんに、団長との対人戦は何度もやってるんで、怪我には慣れてますから大丈夫ですよ、と私が言うと「これを何度も」とクルスさんは驚いていた。

 

「ああ、だからモビタは何度も治療師達の世話になっていたんだな」

 

納得したように頷いていたクルスさんは「俺も、もっと頑張ってみるか」とも言っていたな。

 

それからロキ・ファミリアに所属する治療師達に「またこんなにボロボロになって!」と怒られて心配されながらも治療してもらった私は、食堂で昼食を食べていく。

 

パンとシチューを食べていた私に近付いてきたクルスさんが「明日、一緒にダンジョンに行かないか?」と誘ってきた。

 

珍しい誘いだと思っていると「今日の感覚が鈍らない内にダンジョンで、お前との連携を試してみたいと思ってな」と言ってきたクルスさん。

 

構いませんよ、明日一緒にダンジョンに行きましょうか、と了承した私に「感謝するぞモビタ」とクルスさんは笑っていたな。

 

翌日、クルスさんと一緒にダンジョンへ行き、日帰りで行ける範囲でダンジョンの階層を下に降りた私とクルスさんは、互いの連携を確かめることができた。

 

色違いの強力なモンスターとも出会うことにもなり、クルスさんと冒険することになったが、なんとか無事に帰ってくることができて良かったと私は思う。

 

ダンジョンから帰ってきた私は定期的なステイタス更新の為に、ロキ様の自室へと向かい、部屋の扉をノックしてから中に入る。

 

手早く行われたステイタスの更新。

 

ロキ様から渡された紙に書かれていたステイタスを確認していく。

 

Lv3

 力:B746

耐久:S999

器用:A853

敏捷:B761

魔力:S904

 

 射撃:E

耐異常:H

 

《魔法》

 

【ガンスミス】

 

【ストリングビーム】

 

《スキル》

 

【風に愛されし者】

 

【樹木の友】

 

【竜の温泉】

 

【雪解けの癒し】

 

【誕生せしは日出ずる国】

 

【山の心】

 

【小人との友情】

 

【白銀の剣】

 

【牧場物語】

 

【恐竜との絆】

 

【超越存在と繋ぐ手】

 

【犬人との出会い】

・犬人との出会いから始まる冒険

・犬人と共に戦う時、全ステイタスに高補正

・敏捷に補正

・剣を持つ相手との一騎討ちの際、全ステイタスに超高補正

 

日々の食事によりステイタスはしっかりと伸びていて、新たなスキルも発現していた。

 

「犬人との出会い」と書いて「シアンスロープ・シナンディシ」と読むスキルは、クルスさんが切っ掛けとなって発現したスキルであるのは間違いない。

 

犬人でのび太関係だと複数の話が思いつくが、剣を持つ相手との一騎討ちの際に、補正がかかることから考えると、のび太の大魔境が思い浮かんだ。

 

新しい方の新・のび太の大魔境では、前人未到の大魔境を探検したいと夏休みに思い立ったジャイアンとスネ夫。

 

2人はドラえもんに未知の大魔境を探させようとしたが、なかなかうまくはいかない。

 

のび太が空き地で拾ってペコと名付けた犬が自家用衛星のカメラを操作すると、写真の中からアフリカの秘境にあるヘビー・スモーカーズ・フォレストに佇む謎の巨神像を発見。

 

いつもの4人にしずかとペコを加えた探検隊はどこでもドアでアフリカに向かう。

 

冒険初日、探検ムードを出すためにドラえもんはひみつ道具を使って冒険した。

 

次の日、のび太達は再び大冒険へ出発するが、探検ムードを壊すようなひみつ道具は全部空き地に置いて行こうというジャイアンの提案で、前の日に使ったひみつ道具を全て空き地に置いていくことになる。

 

目的地に向かおうとするのび太達だが、乗っていた船は沈没し、どこでもドアは空き地の粗大ごみと間違われて破壊されて、脱出手段も日本へ帰る手段も失ってしまった。

 

現れた原住民がワニを退治してのび太達を救ったが、その夜、原住民の長老から巨神像があるというバウワンコの謎について話を聞くことができたのび太達。

 

しかしジャイアンの言葉に怒った原住民たちはのび太達を村から追放する。

 

やむなくドラえもんが被っていたキャンピングハットの機能を用いて、のび太達は一夜を明かすことになった。

 

翌日、少ないひみつ道具を駆使してサバンナを越えたのび太達はオドロンドロの谷に辿り着き、死霊の国の謎を解く。

 

その時、ペコが突然二足歩行になって言葉を話し始めたが、ペコの正体は進化した犬達の国であるバウワンコ王国の王子クンタックであり、ただの犬ではなかったようだ。

 

彼は大臣のダブランダーに父を暗殺され、王国から命からがら逃げ出した末に日本へ辿り着いたことを語る。

 

王国を乗っ取ったダブランダーは封印されていた古代兵器を復活させて、人間世界を侵略する為の計画を開始。

 

のび太達はペコを助けることを決意し、巨神像内部へ侵入する為、巨神像へと向かう。

 

しかし、待ち伏せを受けたのび太達は古代兵器の空爆によって窮地に陥ってしまった。

 

覚悟を決めたペコは1人で巨神像へ向かうが、意を決したジャイアンがそれに続くと、のび太達も後を追う。

 

巨神像へ突入する直前、しずかちゃんは、ひみつ道具の先取り約束機を使ったアイデアを思い付く。

 

しずかちゃんのアイデアは成功し、10人の外国人という予言の通り、残り5人の外国人、すなわち未来から来た自分たちを呼び出す事ができた。

 

新たに5人の味方とひみつ道具を手に入れたのび太達。

 

未来から来たドラえもんに、持った人を剣の達人にする秘剣電光丸を渡されたのび太は、サベールという敵の剣の使い手と死闘を繰り広げることになる。

 

秘剣電光丸をバッテリー切れにまで追い込んだサベールは、捨て身に転じて飛びかかったのび太を剣で突き殺そうとした。

 

しかし巨人像が起動した際の揺れで体勢を崩したサベールは、のび太の斬撃によって敗北。

 

振り向きざまに見事だ、とのび太を称えながらサベールは気絶。

 

未来から来たのび太達を含めた10人の外国人によって動いた巨神像により、ダブランダー軍の古代兵器を一掃することができたのび太達。

 

敗走したダブランダーは市民達に追い詰められた後、巨神像による攻撃で気絶。

 

こうして遂にペコは王として復権し、救われたバウワンコ王国。

 

のび太達は王国の歓待を受けたあと日本へ帰国。

 

帰ってきたのび太達は、しずかちゃんが先取り約束機で約束した過去の自分たちを救うという約束を果たす為、タイムマシンでもう一度戦いに向かう。

 

新・大魔境は、そんな感じの話だった筈だ。

 

サベールとの一騎討ちをしたのび太が影響して、剣を持つ相手と一騎討ちで戦う時に、高い補正がかかるようになったのだろう。

 

そして、犬人であるクルスさんと出会い、共に戦って冒険したことが、今回のスキル発現の切っ掛けになったのかもしれない。

 

「まあ、今回は普通のスキルやな」

 

そう言って頷いていたロキ様は、とても落ち着いていて頭を抱えていたりはしなかった。

 

とりあえずロキ様が頭を抱えていないなら問題ない筈だ。

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