才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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9月になったので更新しようと思って書き上げたら、長くなったので分割して更新します
本日1回目の更新になります


下層での冒険

水場や水流から飛び出して現れるレイダー・フィッシュ。

 

牙を生やした巨大魚といった姿をしたモンスターであるレイダー・フィッシュは、地上に適応しているモンスターではないが、それでも水中から此方を狙っているそうだ。

 

現れる複数のレイダー・フィッシュを「アダマスの剣」で斬り裂いて倒していくと、現れたレイダー・フィッシュの亜種。

 

色違いの赤いレイダー・フィッシュは通常種よりも巨大で、水中から此方に飛び出してくる速度も速かった。

 

それでも「アダマスの剣」を装備した私なら問題なく倒せる相手であり、赤いレイダー・フィッシュの頭部を両断すれば、もう襲いかかってくることもない。

 

順調に下層の探索を続けていると先輩団員が大量のアンダー・コーラルを発見したみたいだ。

 

先輩団員の指差す先を見ると、水流を挟んだ先にある複数の水晶の岩場に生えている樹枝状の塊があり、それはどれも鮮やかな薄紅色で宝石のように光り輝いていた。

 

とても色艶の良いアンダー・コーラルは高く売れるが、よく見ると大量のアンダー・コーラルの中に隠れている白い貝殻が幾つかある。

 

恐らくあの白い貝殻の中身はアンダー・パールであり、迷宮で手に入る真珠であるのは間違いなさそうだ。

 

どちらも下層でしか手に入らない採取物であるので、是非とも採取しておきたいところだな。

 

しかしアンダー・コーラルは水流を挟んだ場所にある為、水中からモンスターが襲いかかってくる可能性は非常に高い。

 

安全を考えて先輩団員達に私が提案したのは、私の魔法である「ストリングビーム」を使った採取方法。

 

無詠唱魔法「ストリングビーム」を発動した私は、自在に操れる「ストリングビーム」の紐光線の先を短刀である「ブルータウロス」の柄に巻きつけた状態で飛ばす。

 

飛ばした紐光線を操り、アンダー・コーラルの根元を紐光線を巻きつけてある「ブルータウロス」の刃で切り取った。

 

そして「ストリングビーム」の紐光線をアンダー・コーラルに巻きつけて引き寄せると、紐光線と一緒に宙を浮きながら此方に運ばれてくるアンダー・コーラル。

 

こうして私の手元に届いたアンダー・コーラルを先輩団員達に見せて、こんな感じで採取していきますね、と伝えると「採取は任せたぞ」と笑顔の先輩団員に肩を叩かれた。

 

その後「ストリングビーム」でアンダー・コーラルを運んでいる途中、まるで釣り出されるように水中から飛び出してきたモンスターもいたが、手早く先輩団員達に倒されていたな。

 

そんなこともあったが「ストリングビーム」によるアンダー・コーラルとアンダー・パールの採取は終わり、大量に手に入った下層の採取物。

 

大荷物になってしまったがサポーター役の先輩団員は「嬉しい重さだな」と喜んでいたので、まだ問題はなさそうだ。

 

それからも下層の探索は続き、次々と現れる様々なモンスター達。

 

浮遊して動き、単眼のような部位から光線を発射してくるライト・クオーツという紫色の水晶型モンスターが数体。

 

それに加えて水場から大量に姿を現すのは、通常種とは色が違うマーマン。

 

無詠唱魔法「ガンスミス」で作り出した大口径リボルバーによる早撃ちで、私がライト・クオーツを全て倒したところで、始まるマーマンとの戦い。

 

天然武器のクリスタル・メイスを装備したマーマンの群れは、中心に存在するマーマン・リーダーを倒せば統率が失われるそうだ。

 

狙うべきは中心のマーマン・リーダーであるのは間違いないだろう。

 

青い鱗に包まれた通常種と違って緑の鱗を持つ色違いのマーマンは亜種であり、通常種よりも強いようだ。

 

それでも今の私なら問題なく倒せる色違いのマーマンを「アダマスの剣」で斬り裂きながら群れの中心へと進むと、一際大きいマーマンがクリスタル・メイスを振り下ろしてきた。

 

武器の強度は明らかに此方が勝っていたので、振り下ろされるクリスタル・メイスを「アダマスの剣」で下から斬り上げて両断。

 

あまりにも容易く断ち斬られたクリスタル・メイスに驚いたのか、一瞬マーマン・リーダーの動きが止まる。

 

その隙を逃さず、素早く水晶の床を蹴りマーマン・リーダーに急接近した私は「アダマスの剣」でマーマン・リーダーの首を斬り落とした。

 

リーダーが倒されたことで統率が失われた緑のマーマンの群れを先輩団員達と協力して倒していく。

 

倒したモンスター達の死体から魔石を抜き取っていると再び現れたモンスターが1体。

 

それはクリスタロス・アーチンという全身に棘を生やした大きな球状のモンスターであった。

 

鋭い棘を生やす棘皮の色は蒼い色をしていて、高速回転しながら此方に近付いてくるクリスタロス・アーチン。

 

高速で回転して水晶の床を砕きながら接近してくる棘を生やした巨大な球体。

 

あんなものが身体に直撃すれば、痛いでは済みそうにないな。

 

とりあえず倒しておこうと思った私は、高速回転するクリスタロス・アーチンの球面にある円形の咀嚼器を「ガンスミス」で作り出した対物狙撃銃で狙い撃つ。

 

連続でクリスタロス・アーチンの咀嚼器から体内に叩き込んだ対物狙撃銃の銃弾は、魔石を破壊していたようで、灰になるクリスタロス・アーチンの身体。

 

「助かったぜモビタ」

 

クリスタロス・アーチンが倒されたことで喜んでいた先輩団員達から感謝の言葉を貰ったが、どうやらクリスタロス・アーチンは面倒な相手だったらしい。

 

それからも現れるモンスターを倒しながら進んだ下層。

 

27階層に到着した時、大量のイグアスと遭遇することになった私と先輩団員達は、イグアスに襲われることになった。

 

緋色の燕の姿をしたモンスターであるイグアスの攻撃手段は体当たりだけだが、その速度は尋常ではない。

 

冒険者の間では、不可視のモンスターと言われる程の驚異的な速度。

 

下層最速のモンスターのイグアスが行う突撃に備えて盾で防御を固めながら後方に下がる先輩団員達。

 

そんな先輩団員達目掛けて行われたイグアス達の連続突撃。

 

先輩団員達の構えた盾に突撃していったイグアス達が潰れて死んでいくが、それでも大量に空を飛び交っているイグアスの数は30以上も残っている。

 

このままではイグアスによって犠牲者が出てもおかしくはない。

 

そうなる前に全てを撃ち落とす必要があると考えた私は「アダマスの剣」を鞘に納めて、左右の手に1丁ずつ「ガンスミス」でリボルバーを作り出した。

 

1丁では手数が足りないと判断して、用意したもう1丁。

 

2丁のリボルバーを構えた私は、空を飛び交うイグアスを高速の早撃ちで撃ち落とす。

 

連続で撃ち出した弾丸がイグアスを貫き、数を減らすイグアス達。

 

ドロップアイテムである緋色の羽根が水面に落ちるまでの間に、36連射。

 

下層の最速を上回る速度の早撃ちで、イグアスに対抗する。

 

最後の緋色の燕を撃ち落とし、全てのイグアスを倒したかと思えたところで、現れた蒼い燕。

 

凄まじい速度で飛んでいる蒼い燕が、色違いのイグアスであるのは間違いなさそうだ。

 

2丁のリボルバーによる弾丸を容易く避ける蒼いイグアスは、通常種よりも明らかに速い。

 

弾幕をすり抜ける蒼いイグアスを倒すには、連射ではなく、最速の1発を撃ち込む必要があるだろう。

 

左の手に持つ1丁のリボルバーを消し、代わりに左手に「アダマスの剣」を握った私の頬が、蒼いイグアスの突撃により斬り裂かれた。

 

剣を装備したことでスキル「白銀の剣」の効果が発動し、全ステイタスに高い補正がかかって全てが強化された私でも、全く視認できない速度で動く蒼いイグアス。

 

防具に覆われていない部位が蒼いイグアスの突撃で斬り裂かれて、私の身体に傷が増えていく。

 

まるで閃光のような蒼が見えた瞬間、斬り裂かれていく身体。

 

傷が増えて痛みが増えようと集中していた私は、握ったリボルバーを離すことはない。

 

右手に意識の全てを集中させて、感じ取るのは風の流れと殺気。

 

そして予測する蒼いイグアスの軌道。

 

感じ取った蒼いイグアスの動き。

 

私の頬から垂れた血の雫が水晶の床に落ちる寸前、瞬くよりも速く構えていたリボルバーの引き金を弾く。

 

加速して突撃してきていた蒼いイグアスの狙いは此方の胸部。

 

向けられた銃口を見て、突撃の最中に回避しようとしたのは流石だが、今度の弾丸はさっきよりも速い。

 

「白銀の剣」の効果で全ステイタスに高い補正がかかった今の私は「ガンスミス」も強化されている。

 

先ほどとは比べ物にならない速度で銃口から撃ち出された光り輝く弾丸が蒼いイグアスを貫いた。

 

蒼いイグアスが地に落ちて、残ったものは灰と蒼い羽根だけで、後は何も残らない。

 

大量のイグアスとの戦いも終わって少し休憩をすることになり、全員で休憩していると「魔法沢山使ったんだから飲んどけ」と私にマジックポーションを手渡してくる先輩団員。

 

ありがとうございます、と感謝をしてマジックポーションを飲んでいると、先輩団員達が「ちょっと今回はダンジョンがおかしいな」と話していた。

 

「確かに通常種よりも強力な亜種と出会うことが多いような気がする」

 

そんなことを言っていた先輩団員も居て、確かにダンジョンに異常を感じていたようである。

 

「あのイグアスの量は、モビタが居ないとヤバかったな。本当に助かったぞモビタ」

 

他には私に感謝してくる先輩団員も居て、今回の下層探索は笑顔で感謝の言葉を言われることが多かった。

 

いつもと様子が違うダンジョンに先輩団員達は不穏な気配を感じたようで、今回の下層探索は27階層までで切り上げるようだ。

 

流石にそれ以上先に進むのは、危険だと先輩団員達は判断したらしい。

 

その判断は、きっと正しいのだろう。

 

明らかに異常な事態があったなら潔く退くこともダンジョン探索には必要なことだ。

 

仲間とダンジョンに潜る時は自分1人だけではなく、全体のことも考えなければいけないが、まだまだ私には難しいことかもしれないな。

 

少しずつ学んでいければいいことなのだろうが、こうして学んだ大切なことをしっかりと忘れないようにしておこう。

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