前話を見ていない方は、前話の下層での冒険からどうぞ
移動を続けて下層から中層に戻ると、現れる中層のモンスターは魔石を狙って手早く倒す。
安全階層の18階層に到着したところで、先輩団員達と一緒にテントを設営。
18階層で、しっかりと身体を休めた後、テントを片付けるとダンジョンを出る為に階層を上がっていく。
上層の最下部の12階層に来た時、助けを呼ぶ声が聞こえた。
全員で声の聞こえた方向に向かうと、怪我人を抱えた冒険者が「インファント・ドラゴンの強化種が出たんだ」と震えながら言う。
「強化種のインファント・ドラゴンは、あっちの奥の広間に逃げてった奴等を追っていった」と続けて言った冒険者。
それを聞いた私は迷わず12階層の広間へと向かっていた。
全力疾走をして到着した広間。
逃げた冒険者達を壁際に追い詰めていた強化種のインファント・ドラゴンの頭部に「ガンスミス」で作り出したリボルバーの弾丸を叩き込んだ。
1発の弾丸で倒された強化種のインファント・ドラゴン。
感謝してきた冒険者達と話していると、広間に視界を遮る白い霧が出てくる。
とりあえず怪我していた冒険者達を連れてダンジョンを出ようと思っていると近付いてくる気配を感じた。
私以外に気付いているのは誰もおらず、私だけが立ち止まって気配を探っていると、冒険者達と先輩団員達から離れてしまったようだ。
そんな状態で気配を感じた方向を見ると離れた場所に居る黒衣を被った神らしき存在を発見。
近付いてみると目深に被ったフードの下から覗く濃紫色の髪に、整った容姿をした神が軽薄な笑みを浮かべているのが見える。
「強化種で死人が出たら、生き残りを勧誘しようかと思ってたけど、なかなか上手くはいかないな」
そんなことを言った神の周囲には、護衛らしきローブを纏った者達も複数人居るが、まともな冒険者ではなさそうだ。
「相手は数も多いし、此方の手駒は、まだ減らしたくない。それならダンジョンに手伝ってもらおう」
良いことを思いついたと言わんばかりな顔で、天井に手を向ける神。
「さて、今回は、どうなるかな」
楽しげな声と同時に、抑え込まれていた神の神威が解放され、可視化される程の黒紫の神威が、細い光の柱となって迷宮の天井に突き立つ。
神の神威に反応したダンジョンが揺れ、激しい地震を起こす。
続いていく地震で破壊された迷宮壁によって、塞がれた広間の出入り口。
退路を断ち、逃げ場を無くしたダンジョンは、天井から1体のモンスターを産み落とした。
それは上層では現れることのないミノタウロスであり、体色は漆黒で、身体も大きい亜種。
「それじゃあ俺は、送還される前に失礼するよ」
そう言いながら白い霧の奥に消えていこうとした神に、私は伸ばしていた「ストリングビーム」を巻きつけて引っ張り上げて、此方の近くまで移動させてから捕まえてみる。
「ちょっ!マジか!ここで捕まると俺ヤバいんだけど!」
捕まるのは予想外だったようで、かなり戸惑っている神を「タナトス様!」と呼びながら助けようと動いたローブ姿の面々が、黒いミノタウロスの突撃を喰らって纏めて吹き飛んだ。
「あっ、これ、俺送還されるかも」
護衛が一気に居なくなって冷や汗を流しながら言ったタナトスと呼ばれた神。
ローブを纏った面々の1人が持っていた剣を拾い上げると、此方にゆっくりと近付いてくる黒いミノタウロス。
私の隣で「ストリングビーム」に拘束された状態のまま倒れている神は「あれ?きみは逃げないの?俺がモンスターにやられてる内に逃げるかと思ってたんだけど」と不思議そうに私に聞いてきた。
上層であんなモンスターを放置する訳にもいかないでしょう、と答えた私は、拘束されて倒れている神の前に立つ。
「俺を守る為に戦う気なのかい?」
とても不思議なものを見るような目で此方を見ながら、そんなことを聞いてくる神に、答える返事は決まっている。
貴方は黙って私に守られていてください、迫り来る黒いミノタウロスを前に、拘束された神を背に庇いながら私は、そう答えた。
「ははっ、面白いね、きみ。俺に名前教えてよ」
背後から聞こえる楽しげな神の声に、生き残れたら教えますよ、と言った私は「アダマスの剣」を右手に構えた状態で「ガンスミス」を用いて大口径リボルバーを左手に作り出す。
超越存在を守る際に、全ステイタスに超高補正がかかるスキルを持っている私は今、タナトスと呼ばれた神という超越存在を守る為に戦うことを決めていた。
更に「白銀の剣」の効果も加わり、凄まじく強化された「ガンスミス」で作り出した大口径リボルバーの弾丸が、黒いミノタウロスに連続で撃ち込まれていく。
しかし黒いミノタウロスの毛皮を貫くことができていないリボルバーの弾丸。
私を手伝おうと此方に近付こうとしていた先輩団員達を手で制した私は、こいつは私に任せて、脱出する為の道を用意してください、と伝えておいた。
スキルで全ステイタスに凄まじく高い補正がかかっていることで、今この場にいる人間の中で1番強い今の私でも、楽には勝てそうにない相手である黒いミノタウロス。
もし先輩団員達が黒いミノタウロスの相手をすれば、殺されてしまうかもしれない。
それは絶対に避けなければいけないことだ。
左手のリボルバーを消して、両手で「アダマスの剣」を握った私は前に出る。
近付く私を敵だと認識した黒いミノタウロスは、右手に持つ剣を力任せに前方に振り下ろした。
空気を斬り裂きながら振り下ろされた凄まじい一撃。
技も何も無い単純な力任せな一撃だが、まともに直撃すれば致命的な一撃となるそれを見切り、半身になって回避した私は「アダマスの剣」を振るう。
流石に胸部の魔石を狙う隙は無いが、剣を持つ相手との一騎討ちの際に、全ステイタスに超高補正がかかるスキルも持っている今の私なら、先ほどとは段違いの動きが可能だ。
瞬時に白銀の斬閃を走らせ、黒いミノタウロスの左腕を斬り落とす。
黒いミノタウロスの腕から溢れた血液が噴き出すよりも速く、身を翻した私は白銀に輝く「アダマスの剣」による刺突を連続で放つ。
身体中が刺し傷だらけになったとしても、元気に動いている黒いミノタウロスは生命力も強いらしい。
此方が優勢で戦いを続けていると、先程黒いミノタウロスの突撃を喰らって倒れていたローブを纏った面々の1人が、魔法で回復でもしたのか立ち上がってふらふらと近付いて来る姿が見えた。
様子がおかしいローブ姿の男が胸部に取り付けている装置に火炎石が見えた私は、とりあえずゴム弾のような質に変えたリボルバーの弾丸でローブ姿の男の眉間を撃って気絶させておく。
野放しにして自爆されると面倒なことになるのは間違いない。
ローブ姿の男への対処に一瞬、隙ができた私を見逃さなかった黒いミノタウロスは、剣で凄まじい突きを放ってきた。
避けきれず左腕に装着している「アダマスの小手」で突きを受けたが、大鎚で殴りつけられることが優しく思える程の凄まじい衝撃に吹き飛ばされる身体。
軋む左腕が、尋常ではない威力の攻撃を受けたことを教えてくれる。
重い一撃を受けた身体は、ただでは済まない。
吹き飛ばされていく此方に追い討ちをかけるように、突進してきた黒いミノタウロス。
角は左腕の「アダマスの小手」で防御したが、突進の衝撃までは防げずに更に吹き飛ばされる身体が、ダンジョンの壁面に叩きつけられた。
左腕が折れたのは間違いない。
特に痛む左腕と身体全てに痛みが走っているが、まだ動くことはできるだろう。
痛む身体を動かして「アダマスの剣」を振るっていく最中、黒いミノタウロスの胸部に「アダマスの剣」を突き刺すことに成功した。
しかし右腕だけでは突き刺す力が足りず、剣先は魔石まで到達していない。
胸に「アダマスの剣」を突き刺された状態で、黒いミノタウロスが右手に持つ剣で瞬時に斬撃を放つ。
まともに直撃すれば致命的なそれを受ける訳にはいかないので、回避する為に「アダマスの剣」を手離した私は後方に跳躍する。
着地した足下に転がるローブを纏った面々が落とした武器の中で、使い慣れている棒状の武器を発見した私は、それを素早く拾い上げて構え、突きを放つとスキルで巨大化させた。
巨大化した棒状の武器による突きが黒いミノタウロスの胸部に刺さっていた「アダマスの剣」を押し込み、魔石を砕く。
それがトドメとなり、黒いミノタウロスを倒すことができたようだ。
なんとか倒すことができたが、物凄く疲れた。
それでも休む前にローブを纏った面々の自爆用装置をどうにかしないといけない。
此方の目の届く範囲で自爆などされる訳にはいかないからな。
疲れた身体を引き摺ってローブを纏った面々が胸部に装着している装置から火炎石を全て抜き取り、自爆が出来ないようにしておく。
そんな作業が終わったところで、ローブを纏った面々が持っていた怪しげな球体も全て確保しておいた。
球体が何らかの魔道具であることは間違いないが、何の用途に使うものかは、まだわからないな。
出入り口の確保が終わった先輩団員達が近付いてきたので、倒れているローブ姿の面々の運搬は先輩団員達に任せて、私はタナトスと呼ばれた神を右肩に担ぐことになった。
今回の1件で恐らくは闇派閥の面々と、その主神を1柱捕らえたことは間違いなさそうだ。
そう考えていると此方に近付く大量の気配を感じた。
早目に離脱した方が良さそうだと判断して広間を出ようとしたが、少し遅かったみたいだ。
「おいおい、面倒なことになってるじゃねぇかタナトス」
白い霧の奥から現れた短髪の女性が此方を見ながら言うと剣を片手に近付いてくる。
剣を持つ女性を先頭に近付いてくる新たなローブ姿の集団。
「ヴァレッタちゃん。助けてくれると嬉しいな」
私に担がれた状態で、そんなことを言っていた神タナトスが言うには、短髪の女性はヴァレッタという名前らしい。
ヴァレッタとやらに第1級冒険者並みの実力があるのは間違いないようで、明らかに格上の相手だ。
黒いミノタウロスとの連戦で戦いたい相手ではないが、戦わずに済ませるのは難しそうだな。
戦う時に邪魔になると判断し担いでいた神タナトスを地面に降ろす。
「黒いミノタウロスから助けてくれたお礼に、俺の拘束を解いてくれるならきみ達は逃がしてあげるよ」
私にそんなことを言ってきた神タナトスは笑みを浮かべていた。
私1人だけが戦うなら神タナトスの提案を了承することは無かったが、この場に居るのは私1人だけではない。
先輩団員達や怪我をした冒険者達を巻き込む訳にはいかないだろう。
神タナトスを拘束していた「ストリングビーム」を消した私は、足止めはさせてもらいますよ、とだけ言うと神タナトスの首に「アダマスの剣」を突きつけて近付こうとしてきた闇派閥の面々を牽制。
その間に、先輩団員達と怪我をした冒険者達を先に逃がしておく。
ある程度時間を稼げたと判断した私は、闇派閥の主神から離れることにしたが、離れようとした瞬間に神タナトスが「そういえば、きみの名前を聞いてなかったね」と言ってきた。
私の名前はモビタですよ、と答えてから神タナトスから離れると、魔剣を用意していたローブ姿の面々が此方に魔剣を使おうとしたが「やめるんだ」と神威を放つ神タナトスによって止められた魔剣による攻撃。
向けられた神威に動きが止まった闇派閥の面々。
神威を無効にできるスキルを持つ私は問題なく動けたので、今は塞がっていない広間の出入り口の1つに駆け込んだ。
それからスキルで巨大化させた「アダマスの剣」で通路を破壊し、道を塞いでおく。
これならしばらくは追ってこれないと考えた私は、素早く12階層から移動して上の階層に向かい、途中で先輩団員達と怪我をした冒険者達と合流してダンジョンを出た。
魔石は全てギルドで換金し、ダンジョンでの採取物は各自に分配されて、それぞれが自由にするようにと言われたな。
それでも私に渡されたアンダー・コーラルとアンダー・パールが多かったことは確かだ。
多く渡された理由を聞くと「今回は特にモビタが頑張ってたから」と言われたので、確かにそうかもしれないと私は納得した。
その後、ディアンケトファミリアで、アミッドの治療を受けてからホームに戻ると今回遭遇した神タナトスやヴァレッタなどの情報を団長に伝えておき、闇派閥から手に入れた魔道具の球体も3つ全て団長に渡しておく。
この球体のオーブとも言える魔道具が、闇派閥にとって重要な魔道具であることは確かだ。
今は使い道がわからなくても、確保しておいた方が良い魔道具だったのは間違いないだろう。
それは団長もそう思っていたみたいで「今回は、お手柄だよモビタ」と言って笑みを浮かべていたな。
全ての気になる情報を団長に伝えると時間はかかったが、12階層に正規ルート以外で闇派閥が出入りしている場所があるという情報も伝えることができた。
話が終わったところで「ロキが心配していたから部屋に顔を出してあげると良いんじゃないかな」と言ってきた団長。
そうします、と言った私は団長の自室を出るとロキ様の部屋まで移動して、扉をノックする。
「入ってもええでー」というロキ様の声が聞こえたので、扉を開けて部屋に入ると、椅子に座っていたロキ様が立ち上がって私に飛び付いてきた。
「モビタ!無事やったか!心配しとったで!」
飛び付いてそう言ってくるロキ様を受け止めると、私に抱きついたままの状態で、なかなか離れてくれない。
ロキ様がそれだけ心配してくれていたのは悪いことではないだろう。
そう思った私は、しばらくされるがままになっておいた。
小一時間が経過して、ようやく離れてくれたロキ様。
「今回のダンジョンは大変だったみたいやし、ステイタスの更新をやってみてもええかもしれんな」
そう言い出したロキ様に促されてステイタスの更新をやってみることになる。
Lv3
力:A814
耐久:S999
器用:S948
敏捷:A842
魔力:S987
射撃:D
耐異常:G
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】
【斉天大聖】
・棒状の武器を装備時、発展アビリティ棒術の一時発現
・装備している棒状の武器に、不壊属性を付与
・棒状の武器の長さを伸縮させることが可能になる
・棒状の武器による攻撃時、棒の硬度と威力を増大
・不老になる
どうやら私には「斉天大聖」と書いて、そのまま「セイテンタイセイ」と読む新たなスキルが発現していたようだ。
今回のスキルは恐らく、黒い牛の怪物に巨大化させた棒状の武器でトドメを刺したことで発現したスキルだろう。
パラレル西遊記が関係しているスキルであるのも間違いない。
新入生歓迎会で、のび太の提案により「西遊記」の劇をやることになった小学校。
主役とも言える孫悟空の役をやりたがっていたのび太であったが、孫悟空の役は出木杉くんに取られてしまう。
孫悟空が実在すると信じているのび太はタイムマシンで7世紀のシルクロードへ向かったが、そこでのび太そっくりの孫悟空を目撃する。
孫悟空を発見したことを他の者に告げたのび太だが、孫悟空の目撃談など誰も信じなかった。
もし孫悟空がいなかったらドラえもんの道具を使い放題と約束したのび太は、しずか達を連れて再び唐へやって来る。
しかし既に孫悟空は何処にもおらず、ドラえもんのひみつ道具であるヒーローマシンでのび太が孫悟空に成りすましたが、結局嘘はばれてしまう。
自分に似た孫悟空が居たというのび太の言葉は、誰にも信じられることなく嘘つき扱いされたのび太。
孫悟空が居なかったら、ドラえもんの道具を使い放題という約束に従うことになる。
現代に帰還した全員は、のび太も入れて、ヒーローマシンで西遊記を開始。
ヒーローマシンのコンピューターの判断で、のび太は孫悟空、しずかは三蔵法師、ジャイアンは猪八戒、スネ夫は沙悟浄となる。
しかしなぜか敵の妖怪がおらず何にもしていないのにゲームクリアになってしまった。
その後も家ではママが怪しげな料理を振舞ったり、パパの影に角が見えたり、奇妙なことが続いた現代。
翌日、のび太たちは学校で西遊記の劇の練習をすることになった。
しかし劇の内容が明らかに変わっていて孫悟空ではなく牛魔王が勝利し、最後は三蔵法師が食べられることになっていた西遊記。
出木杉くんの頭には角が生えており、先生に至っては怪物に変身するという異常事態。
思わず逃げ出したのび太達が家に帰宅するが、家族も怪物に変貌していた。
ドラえもんとのび太は見慣れない城を発見して、完全に現代の歴史が変わってしまっていると気付くことになる。
ドラえもんが唐の時代で使ったヒーローマシンを起動した状態のまま放置していた結果として、ヒーローマシンのゲーム内で、西遊記に登場する妖怪達が現実世界に侵入してしまっていたようだ。
三蔵法師が喰い殺されるという西遊記の劇の結末が歴史的事実になっただけではなく、現実世界に現れた妖怪達は徐々に進化して、全ての人間を滅ぼして地球全体の歴史を支配していた妖怪達。
この世界を元の世界に戻す為には唐の時代へ戻って、ヒーローマシンから現実世界に侵入した西遊記の妖怪達を1匹残らず倒すしかない。
ヒーローマシンで再び西遊記の登場人物に扮したのび太達とドラえもんは、自分達の失態から書き換わってしまった歴史を修正する為、再び唐の時代へと向かう。
そこで孫悟空となったのび太は妖怪達と戦っていく。
三蔵法師とも出会い、妖怪退治を続けるのび太達。
殆どの妖怪は倒して元の場所に戻すことができたが、妖怪を封じるひみつ道具を踏み潰して壊した牛魔王だけは、そのまま倒すしかなかった。
最終的にはヒーローマシンで孫悟空となっていたのび太が巨大化させた如意棒で牛魔王を倒し、世界は元に戻る。
パラレル西遊記は、そんな話だった筈だ。
新たなスキル名の「斉天大聖」とは孫悟空の別名であり、大層な肩書きだったような気がする。
孫悟空の呼び名と同じスキルが発現してしまったが、雲に乗れないのは少々残念だ。
私がそう思っていると「またヤバいスキルが発現しとるけど、ランクアップできるようになっとるでモビタ!」と言ってきたロキ様。
「モビタがもうちょい食事で頑張れば、全部のステイタスが極まるのもそう遠くなさそうやな」
それはそうかもしれませんね、と私が頷いているとロキ様は続けて言う。
「決めるのはモビタやけど、うちはモビタのランクアップは全部のステイタスが極まってからの方がええと思うわ」
そんなロキ様の意見が正しいと思った私は、ランクアップは保留しておくことにした。
ステイタスが極まるまで、もう少し日々の食事で上げてみるとしよう。