才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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ようやく思いついたので更新します


神木に実る果実

徹夜をしながらタイプライターのような魔道具の作成をしていると、もう少しで完成が近付いてきた。

 

朝を通り越して昼になるまで寝ずに作業をしていると、ようやく完成した魔道具。

 

タイプライターのような魔道具をプレゼントする相手はロキ様に決まっているが、渡す前に睡眠を取った方が良さそうだ。

 

良い天気なのでロキ・ファミリアのホームにある中庭で昼寝でもしようかと思った私は、枕片手に中庭に向かうと、手頃な場所で昼寝を始める。

 

どんな場所でも直ぐに眠れる私は、横になって枕に頭を乗せると、あっという間に眠ってしまった。

 

それから何時間経過したのかはわからないが昼寝から目覚めて瞼を開けた時、頭を乗せていた枕の感触が変わっていることに気付くと同時に視界に入ってくるのは、間近に居るロキ様の笑顔。

 

「おっ、起きたみたいやなモビタ」

 

何故かロキ様の膝枕に頭を乗せた状態となっていた私が膝枕から起き上がろうとすると「もうしばらくこのままでもええやないか」と私の頭を手で押さえて膝枕を続けようとするロキ様。

 

Lv4の冒険者である私とロキ様には力に差があり、強引にロキ様の膝枕から逃れることは簡単だったが、ロキ様の望みを叶えるのも眷族の役目だ。

 

柔らかいロキ様の膝枕に頭を乗せたまま、いつから私に膝枕をしていたのかをロキ様に聞いてみると「1時間前からやな」という答えが返ってくる。

 

枕がロキ様の膝枕に変わっても私が気付かず寝てしまっていたのは、ロキ様が敵ではなかったからかもしれない。

 

1時間も前から私に膝枕をしていて足が痺れたりしていませんか、と言った私にロキ様は「正座には慣れとるからなんともないで」と言って笑った。

 

「うちを心配してくれるモビタは、ええ子やなあ」

 

とても嬉しそうなロキ様の手が私の頭を優しく撫でていく。

 

そんな穏やかな一時を過ごしていると、私に再び眠気が近付いてきた。

 

「眠いんなら、また眠ってもええよ」

 

眠そうな私に気付いてそう言ったロキ様だったが、ロキ様も眠そうな顔をしているように見える。

 

中庭で暖かな日差しを浴びていたことで私だけではなくロキ様も眠くなっているのは間違いない。

 

このまま私だけが眠ると膝枕をしているロキ様が眠れないだろう。

 

そう考えた私はロキ様の膝枕から頭を上げて立ち上がり、私よりも眠そうですから部屋まで送りますよ、と言いながらロキ様に手を差し伸ばす。

 

私の手を握って立ち上がったロキ様は、足が痺れていたのか体勢を崩しそうになっていた。

 

体勢を崩しかけたロキ様の身体を抱きかかえるように支えると、私は最短距離でロキ様を部屋まで運んだ。

 

到着したロキ様の部屋のドアを開けて中に入り、大量の酒瓶が置かれた室内にあるベッドに眠そうなロキ様を寝かせておく。

 

立ち去ろうとした私を引き留めるように、私の服を掴んだロキ様。

 

「モビタが添い寝してくれると、うちは嬉しいんやけど」

 

そんなことを言ってきたロキ様は、どうやら私に添い寝をしてほしいらしい。

 

添い寝くらいなら問題はないのでロキ様の隣に横になると、ロキ様がくっついてくる。

 

完全に身体が密着してロキ様の体温を感じる状態になっていたが、ロキ様も私の体温を感じていたようで「落ち着く温かさやね」と笑っていたりもした。

 

それじゃあそろそろ寝ましょうか、と言った私に「モビタが腕枕してくれたら良く寝れそうやわ」と言い出したロキ様。

 

腕枕をご所望のロキ様の頭を、私の腕に乗せてみると「モビタの腕枕や」と物凄く嬉しそうにしていたな。

 

眠気にも限界が来て、ロキ様に腕枕したまま眠りについた私が、しばらくしてから起きると、私に抱きついた状態になっていたロキ様も目を覚ます。

 

ロキ様の部屋で寝てから数時間は経過していたらしく、すっかり日も暮れて夕方になっていたみたいだ。

 

魔道具を完成させてからは殆ど寝ているだけの日だったが、身体をしっかり休めることはできたと思う。

 

ロキ様と一緒に食堂に向かうと、何故かロキ・ファミリアの女性団員達から凝視されていた私とロキ様。

 

ひそひそと聞こえてくる声には膝枕という言葉が混じっていて、もしかしたら中庭でロキ様に膝枕されているところを目撃されたのかもしれない。

 

まあ、女性団員達に物凄く見られているとしても、特にロキ様に害がある訳ではないなら、無視しても問題ない筈だ。

 

夕食のミートボールパスタを食べ終えた後、渡すものがあります、と伝えておくと「うちは部屋で待っとるで」と言いながらロキ様は去っていく。

 

一旦自分の部屋に戻った私はタイプライターのような魔道具を持って、ロキ様の部屋まで向かった。

 

ドアをノックして「入ってもええよ」と入室を許可されてからロキ様の部屋の中に入ると、タイプライターのような魔道具をロキ様に手渡す。

 

そこまで重くはない魔道具は女神のロキ様でも簡単に持ち運ぶことができるようになっている。

 

「これは、どうやって使うんや?」

 

魔道具の使い方を聞いてきたロキ様に、どうやって使うのかをしっかりと教えておくと、ロキ様は直ぐに使い方を覚えたようだ。

 

「普通にペンで書くよりも早く文字を紙に写せるのは便利やな」と物凄く喜んでいたロキ様。

 

あんなに喜んでもらえたならタイプライターのような魔道具を作成して良かったと思う。

 

渡すものは渡せたのでロキ様の部屋から出ると、歯ブラシと歯みがき粉を使って歯を磨き、二人部屋に戻って自分のベッドで眠ろうとしたが、枕が無いことに気付く。

 

昼間から放置されたままなら枕は中庭にあると考えた私は、携帯用の魔石灯を持って暗くなった中庭にまで探しに行くと枕を発見。

 

枕を持って帰って二人部屋に戻り、自分のベッドで眠ると、直ぐに寝ついた私は朝までぐっすり眠ることができた。

 

翌日、オラリオを歩いていると幾つかの露店を見つけたが、その露店の1つに見覚えのある商人を発見。

 

どこからどう見てもあの商人は、以前極東からオラリオに来ていた商人であるのは間違いない。

 

話しかけてみると極東の商人も私のことを覚えていたようで「今日も何か買っていってもらえると助かりやす」と言ってくる。

 

今回極東の商人が持ってきた商品が何なのか見てみると、墨と筆に加えて様々な品があったが干し柿や梨の果実も売られていて、コンペイトウやヨウカンなどの菓子もあるみたいだ。

 

ちなみに墨にはトネリコの樹皮を煮てニカワ状にしたものを混ぜて練ってあるとも極東の商人は言っていたな。

 

ちょっと気になったのでトネリコの樹皮が混ざった墨も買ってみるとしよう。

 

とりあえず気になった墨や筆などの品だけではなく干し柿と梨にコンペイトウとヨウカンは、あるだけ全部購入してみることにしたが、極東の商人は物凄く喜んでいたな。

 

「沢山買ってくれたお客さんには、縁起の良い神木に実った果実も幾つか渡しときやすぜ」

 

そう言った極東の商人から渡された果実は、巨大な蜜柑のような果実達だった。

 

柑橘類であることは間違いないが大きさがグレープフルーツくらいある蜜柑のような果実からは爽やかな香りがする。

 

神木の果実は食べても大丈夫なのか聞いてみると「問題ないんで是非とも食べてくだせえ」と答えた極東の商人。

 

嘘を言っているようには思えないので、この神木の果実達は食べても問題はないらしい。

 

大量に極東の品を買い込んだ私に感謝して「また来年もよろしくお願いしやす」と言うと極東の商人は去っていく。

 

買い込んだ品々を持って帰った私は、極東の食事に興味があるロキ・ファミリアの料理担当の人に干し柿を提供してみた。

 

オラリオではあまり見ない果実である柿を干して作られた干し柿は料理担当の人にとっては、未知の食べものだったのだろう。

 

それでも干し柿を「新感覚!」と言いながら食べていたので不味くはなかったようだ。

 

料理担当の人がはしゃいでいた姿を見たロキ・ファミリアの団員達も興味を持ったらしく、私が持つ極東の食べものに視線が集中する。

 

大量に買い込んだ品々を提供しても直ぐに無くなることはないと判断した私は、ロキ・ファミリアの団員達にも、食べたいなら食べても構いませんよ、と極東の食べものを提供してみることにした。

 

気になっていた団員達は多かったようで、凄まじい勢いで減っていく極東の品々。

 

一緒にダンジョンに行くこともある先輩団員達は干し柿と梨が気になっていたらしく、迷宮産の果実以外の果実も好きなのかもしれない。

 

ロキ・ファミリアの女性団員達は極東の菓子を食べて顔を輝かせていたりもしたが、女性が甘いものを好きなのはロキ・ファミリアでも変わることはないみたいだ。

 

それからロキ様の自室に移動した私は、神木の果実をロキ様にプレゼントしておくことにした。

 

「爽やかな、ええ匂いがする果実やけど、ほんまにうちが貰ってもええの?」と聞いてきたロキ様に、構いませんよ、どうぞ食べてください、と答えておく。

 

「おおっ、甘酸っぱくて美味いで、この柑橘類」

 

皮を剥いてオレンジ色の果肉を食べたロキ様は、美味しい神木の果実に喜んでくれた。

 

ロキ様に渡す前に私も1つ食べてみたが、確かに美味しい柑橘類で、神木の果実は縁起だけではなく味も良いことは確かだったな。

 

そんなことがあった日から数日後、定期的なステイタス更新の日が来たので、ロキ様の部屋に向かった私は、ステイタスの更新をしてもらう為に上半身の服を脱いだ。

 

ロキ様のベッドにうつ伏せになった状態で行われていくステイタスの更新。

 

更新が終わった後、タイプライターのような魔道具を使って紙に私のステイタスを写していくロキ様。

 

すっかりロキ様は魔道具を使い慣れたようで、ペンで書いていた頃よりも素早く紙に写されたステイタス。

 

Lv4

 力:H196

耐久:H174

器用:G257

敏捷:H182

魔力:G261

 

 射撃:D

耐異常:G

 連射:H

 

《魔法》

 

【ガンスミス】

 

【ストリングビーム】

 

《スキル》

 

【風に愛されし者】

 

【樹木の友】

 

【竜の温泉】

 

【雪解けの癒し】

 

【誕生せしは日出ずる国】

 

【山の心】

 

【小人との友情】

 

【白銀の剣】

 

【牧場物語】

 

【恐竜との絆】

 

【超越存在と繋ぐ手】

 

【犬人との出会い】

 

【再会の約束】

 

【斉天大聖】

 

【心の友は音響兵器】

 

【獣の惑星】

 

【海底散歩】

 

【神樹の実】

・神の樹が宿した実

・呪詛無効

・幻惑無効

・精神異常無効

 

また新しいスキルが発現していたが、どうやら「神樹の実」と書いて「ユグドラシル・カルポス」と読むスキルであるようだ。

 

ユグドラシルの樹は、トネリコの大樹であった筈で、カルポスはギリシャ語で果実の意味があったような気がする。

 

トネリコの樹皮を煮込んだものを混ぜた墨と神木の果実が影響して発現したスキルなのは間違いない。

 

のび太で神樹の実と言うと、宇宙漂流記に登場したユクドの樹の実が思い浮かぶ。

 

宇宙漂流記の宇宙船内部に存在していたユクドの樹は、不思議な力を持つ樹であり、死者との交信も可能とする不思議な樹だった。

 

そんなユクドの樹に実るユクドの実にも不思議な力があり、持ち主を危険から守ってくれるとされて、宇宙少年騎士団に一つずつ授けられていたりもしたが、のび太にも渡されていたな。

 

実際にユクドの実は単なるお守りではなく本当に持ち主を危険から守る力があるようで、宇宙漂流記では眩惑の星でのび太を幻覚から覚まし、モアに洗脳されそうになったリアンを正気に戻すなど、効力を発揮している。

 

そんなユクドの実は、コンペイトウのような形をしていたが、もしかしたらコンペイトウを買ったことも影響して「神樹の実」のスキルが発現したのかもしれない。

 

「なんでや!柑橘類とユグドラシルは関係ないやろ!」

 

なんて叫びながら「どういうことやねーん!」と久しぶりに頭を抱えていたロキ様は、繋がりが全くわからなかったみたいだ。

 

まあ、宇宙漂流記を知らないロキ様にはわからなくても仕方ないような気がするな。

 

今後もこんなことはよくありそうなので、ロキ様には優しくしておくとしよう。

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