今月の更新はこれで最後になります
スキル「白銀の剣」の効果の1つである白銀の剣士となるという効果により、剣を使った戦いを続けていると、少しずつ白銀の剣士に近付いていく。
初めて剣を握った頃と比べれば格段に向上した剣の技量。
地道な積み重ねが実を結び、白銀の剣士に近付いた今では剣の扱いは上級者となっている。
それでもまだ白銀の剣士には到達していない。
白銀の剣士の剣の技量は、上級者よりも更に上であるようだ。
剣の腕を磨いて白銀の剣士に到達する為にホームの中庭で、私が剣を振るっていると此方に近付いてくる気配を感じた。
誰だろうかと思って後ろを振り向くと、剣を持って此方に近付いてきていたアイズさんの姿を発見。
「模擬戦しませんか」
開口一番にそんな提案をしてきたアイズさんは、どうやら私と戦ってみたいらしい。
素振りをしているよりも剣の腕が上がりそうだと考えた私は、構いませんよ、模擬戦しましょうか、とアイズさんからの提案を承諾することにした。
始まったばかりな最初の頃は、軽く剣を打ち合わせる程度だった模擬戦。
剣を打ち合わせていく度に、徐々にアイズさんの動きが早くなってきて、しばらくすると激しく剣を打ち合わせることになる。
アイズさんがまだ全力を出していないのは理解できるが、速度が並みではない剣と剣が打ち合う度に火花が散り、鳴り響く金属音。
アダマンタイトで作られた私の剣の強度は高いが、オリハルコンで作られていて不壊属性もあるアイズさんの剣ほど頑丈ではない。
業物の剣である「アダマスの剣」が簡単に折れることはない筈だが、もし折れるとするなら此方の剣が先に折れることになるだろう。
そんなことを考えながら剣を打ち合わせていると、スキル「白銀の剣」の効果で白銀の剣士に近付いていく私は、更に剣技が研ぎ澄まされていくことを実感した。
それをアイズさんも感じ取ったのか、少しずつ本気を出して剣を振るってきたアイズさん。
連続で剣が振るわれると一撃ごとに威力が上がっていくアイズさんの斬撃。
放たれる斬撃の嵐を受け止め、逸らし、弾き返していくと、更に苛烈となるアイズさんの剣。
最終的には完全に本気になっているアイズさんが、剣を全力で振るってくるようになってしまう。
本気になったLv5のアイズさんが相手でも、発動しているスキルの効果で全ステイタスに高補正と超高補正がかかっている私は、余裕を持って戦えていた。
しかしアイズさんが魔法を使っていないとしても本気のLv5の攻撃は並みではなく、私じゃなければ怪我をしていてもおかしくはない。
模擬戦と言うには少々過激で危険な気がするが、アイズさんにとっては、これが模擬戦なのかもしれないな。
とりあえずこれが模擬戦だと思っているなら、アイズさんには認識を改めてもらう必要がありそうだ。
そう考えながら剣を打ち合わせていると、ついに白銀の剣士に到達した私の剣の技量。
白銀の剣士となった私は、段違いの剣技でアイズさんの剣を圧倒することができた。
向上した剣の腕でアイズさんが持つ剣を弾き落とし、剣を突きつけて危険な戦いを終わらせた後、これは模擬戦とは言いませんよ、とアイズさんに伝えておく。
模擬戦は、ここまでしません、これじゃただの斬り合いに近いですから他の人に同じことしたら危険です、死人が出ますよ、と続けて言った私の言葉に衝撃を受けた様子のアイズさん。
そんなアイズさんの背後に、そうなの!?と言わんばかりにびっくりしている幼女のアイズさんが見えたような気がした。
なんてことがありながらも、私はアイズさんに気になったことを聞いてみる。
最初は良かったんですけど、途中からおかしくなってきて、最終的には完全に本気で斬りかかってきてましたよね、どうしてですか、と私が聞くと答えが返ってきた。
「モビタさんなら大丈夫だと思って」と返答してきたアイズさんは、私なら大丈夫だと思っていたみたいだ。
何故大丈夫だと思ったんですか、と聞いてみると「レベルに差があってもモビタさんは普通にわたしと戦えていましたから」と答えたアイズさん。
私に返答する度に少しずつ声が小さくなっていたアイズさんは、申し訳なさそうな顔をしていたので、悪いことをしてしまったと思っているらしい。
私は怒っていませんし、怪我もしていませんから、次から気をつけてくれればいいですよ、と私が言うとアイズさんは安堵していた。
動いて小腹も空きましたし、ジャガ丸くんでも買いに行きますか、と聞いてみると「行きます」と即答したアイズさんは目を輝かせていたな。
その後、アイズさんと一緒にジャガ丸くんを買いに行き、購入したジャガ丸くんを食べることになったが、アイズさんは20個以上のジャガ丸くんを食べていたようだ。
なんてことがあった日の翌日、1人でダンジョンに向かうと中層の17階層で、ちょうどゴライアスが嘆きの大壁から生まれ落ちる瞬間に出くわすことになった。
周囲に他の冒険者はおらず、私1人だけで相対することになったゴライアスという中層の階層主。
ゴライアスの適正なレベルは4であり、Lv4の冒険者なら倒すことは不可能ではない。
それなら試しに1人で戦ってみてもいいかもしれないと思った私は、ゴライアスと戦うことを決める。
どうせなら様々な戦法を試してみようと考え、剣を片手に構えた状態で「ストリングビーム」で作り出した紐光線を空いた片手に巻きつけた。
「ストリングビーム」を自在に操り、片手に紐光線の一部を巻きつけたまま、伸ばした「ストリングビーム」の先端をゴライアスの腹部に巻きつけていく。
そしてそのまま「ストリングビーム」を巻き上げていくと、紐光線によって身体が引き寄せられ、立体的な機動でゴライアスに接近。
片手に握る「アダマスの剣」に、紐光線で引き寄せられた身体の勢いも乗せた斬撃で、ゴライアスの片腕を斬り落とす。
宙を舞うゴライアスの片腕が地面に落ちるよりも早く、ゴライアスの腹部に巻きつけていた「ストリングビーム」を外すと、スキルによって巨大化させた「アダマスの剣」をゴライアスに突き刺した。
ゴライアスの胸部を貫いた巨大な「アダマスの剣」は魔石も砕いていたようで、倒れこんだゴライアスの身体が灰となる。
残っていたのはドロップアイテムであるゴライアスの硬皮だけであり、それ以外は何も残らない。
とりあえずゴライアスの硬皮を持って、ダンジョンを出ることにした私は、手早く「ガンスミス」で作り出したリボルバーでモンスターの魔石を破壊して倒すと上の階層へと移動。
ダンジョンを出て、ギルドで中層の魔石を換金した後は、換金せずに残しておいたゴライアスの硬皮をゴブニュ・ファミリアに持っていく。
「レザーグレイ」もボロボロになっているので、ゴライアスの硬皮を使った新しいレザーアーマーの作成をゴブニュ・ファミリアの職人達に頼んでおいた。
1週間後、仕事の早いゴブニュ・ファミリアの職人達に呼び出され、完成したレザーアーマーを受け取る。
「アーマーゴライアス」と名付けられた灰褐色のレザーアーマーが、以前使っていた「レザーグレイ」よりも頑丈な防具であることは間違いない。
新たな防具の代金として持ってきていたヴァリスを支払っておき、防具を抱えて持って帰ると、二人部屋の自分のスペースに置いてみた。
今日は定期的なステイタス更新の日でもあるので、ロキ様の部屋に向かう必要がある。
二人部屋を出て、移動していくと到着したロキ様の自室。
扉をノックして入室を許可されてから室内に入ると、ロキ様が出迎えてくれた。
「ほな、ステイタスを更新しよか」
上半身の服を脱いで背中を見せた私に、そう言ったロキ様。
神血を滲ませたロキ様の指先が動く度に行われていくステイタスの更新。
手慣れた様子で手早く終わったステイタスの更新の後、ロキ様が使うタイプライターのような魔道具によって紙に写されていったステイタス。
「これがモビタのステイタスやで」
ロキ様から渡された紙には、びっしりと私のステイタスが写されていた。
Lv4
力:G286
耐久:G264
器用:F347
敏捷:G272
魔力:F351
射撃:D
耐異常:G
連射:H
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
・夢幻の世界の剣士
・不可能を可能にする
・剣を装備時、剣に不壊属性を付与
・剣による攻撃時、斬撃の範囲を拡大可能
新たなスキルも発現していたが「夢幻の剣士」と書いて「ファンタジア・クスィフォマフォス」と読むスキルであるようだ。
どう考えても「夢幻の剣士」が夢幻三剣士関係のスキルであるのは確実だが、これで夢幻三剣士関係のスキルは3つめになるな。
おそらくは私が白銀の剣士に到達したことと、ゴライアスを巨大化した剣で貫いて倒したことが影響して、このスキルが発現したのだろう。
夢幻三剣士に登場する敵キャラであり、ラスボスであるオドローム。
オドロームは白銀の剣でしか倒すことのできない相手で、白銀の剣士となったのび太を1回殺しているとんでもない相手だった。
竜の出し汁温泉でのび太が1回だけ復活できるようになっていなければ、戦いはのび太の敗北で終わっていたのは確かだ。
最後の戦いで白銀の剣士であるのび太の動きを封じたオドロームだったが、しずかちゃんのビッグライトによるサポートで、巨大化した白銀の剣に貫かれて倒されることになる。
しずかちゃんによるサポートが無ければのび太は、オドロームに負けていたかもしれない。
そんなことを私が考えていると「今回のスキルは普通、いや普通やないな。騙されへんで」と言っていたロキ様。
「不可能を可能にするとか、何かヤバそうな気がするんやけど詳細がわからへん!どないなっとんねん!詳しく説明せいや!」
私の新たなスキルに対して怒っていたロキ様は、詳細がはっきりしないことが気になっているみたいだ。
確かに気になるが詳細が全くわからないので、不可能を可能にする効果がどんなものなのかは私にもわからない。
まあ、普通はできないことができるようになる効果なのかもしれないし、悪い効果ではないような気はするな。