Lv5へのランクアップが可能になっていることを団長に報告すると「おめでとうモビタ、幹部候補から正式に幹部になることが確定になったね」と言われた。
「幹部が増えた時の為に部屋は用意してあるから、モビタがランクアップしたら2人部屋から幹部の個室に移動してもらうことになるよ」
そんなことも団長は言っていたが、私がランクアップして幹部用の個室を使うことになるのは、もうしばらく先のことになるだろう。
まだ私の全ステイタスは極まっていないので、極まるまでランクアップをすることはない。
とは言え幹部候補から正式に幹部となることが確定となったことに変わりはなく、新たな幹部としてロキ・ファミリアの為に働くことを団長には期待されているようだ。
大規模な遠征の疲れを取る休暇として殆どの団員が身体を休めている最中、団長から頼まれて様々な魔道具を幾つか作成することになり、ダンジョン攻略用に前面にバリアーを張る魔道具を数個ほど作成。
その後、書類作成用にタイプライターのような魔道具も作成して、団長やリヴェリアさんに使い方を教えることになった。
物覚えが早かった団長とリヴェリアさんは、直ぐにタイプライターのような魔道具の使い方を覚えていき、数十分後には凄まじい速度で書類作成をしていたな。
それからも団長から「こんな魔道具があったら便利なんだけど」とアイデアを出されて、作成が可能かどうか試してみるということを繰り返すことになる。
ロキ・ファミリアで魔道具を作成できるのが私だけしかいないということが、ここまで私が忙しく働くことになった理由なのは間違いなさそうだ。
忙しい日々を過ごしながらも団長に頼まれていた魔道具の作成も、作成可能なものは作成して一段落したので、ようやく休めると思った私はベッドに横になって、しっかりと睡眠を取った。
充分な睡眠を取ることが出来て頭がすっきりとした状態となった私は、食堂へと向かう。
食堂で食事をしていると、浮かない顔をした料理担当の団員を発見。
どうしてそんな顔をしているのかを聞いてみると「野菜や果物を全く食べることのない新米団員が何人か居るんだ」と、ロキ・ファミリアの料理担当の団員から相談されることになる。
どうやらその問題の新米団員達は肉しか食べないし、酒しか飲まないようだった。
好きなものだけ食べたり飲んだりしていても体調を崩していないのは、神の恩恵を受けているからなのは確実だが、いつまで身体を壊さずにいられるかはわからない。
普段、肉や酒ばかりを摂取しているその新米団員達には、健康面で問題がありそうだな。
肉や酒だけだと栄養が偏っているのは確かなので、不足しているビタミンを摂取させなければいけない。
問題の新米団員達は肉に付け合わせとして野菜を添えても食べることなく残しているようであり、野菜や果物を食べないようにしているみたいだが、アレルギーがある訳でもなく、単なる好き嫌いであるみたいだ。
料理担当の団員と一緒に手を変え品を変え、様々な方法で問題の新米団員達に野菜や果物を食べさせようとしたが、あまりうまくはいかなかった。
そこで発想を転換させて、食べさせるのではなく飲ませることを思い付いた私は、ミキサーのような魔道具の作成を開始。
完成したミキサーのような魔道具を使って野菜や果物で様々なスムージーを作り、料理担当の団員と共に美味しいスムージーの組み合わせを研究。
幾つかの美味しいスムージーの組み合わせが完成したところで、食堂の1部のスペースを使って、スムージーを提供してみることにした。
野菜も果物も好きな先輩団員達にスムージーについて説明しながら提供していると、他のロキ・ファミリアの団員達も興味を持ったようで、集まってくる団員達。
試しに果物は食べるが野菜がそこまで好きではない団員に、数種類の野菜と果物を絶妙なバランスで組み合わせたスムージーを飲んでもらうと「何だこれ!うまっ!」と直ぐに飲み干した団員。
集まってきていた他の団員にも飲んでもらったが全員に好評であり、スムージーがロキ・ファミリア内で流行り始めていく。
飲んだ団員達が全員「美味しい」と言っているスムージーに興味を持ったのか、問題の新米団員達もスムージーを飲んでみようかと思ったらしい。
スムージーを提供しているスペースに近付いてくる問題の新米団員達に、作成したスムージーを提供してみると、恐る恐る飲み始めた問題の新米団員達。
最初の一口から徐々に飲むスピードが上がっていき、あっという間にスムージーを飲み干した新米団員達は、美味しいスムージーを気に入ったようで、翌日からスムージーなら飲むようになったみたいだ。
不足していたビタミンやカリウムを摂取したことで、美肌効果や疲労回復などがあったらしく、新米団員達の健康面が改善されたのは間違いない。
問題の新米団員達の荒れていた肌も改善されて、明らかに肌つやが良くなっていることに気付いた女性団員達が、スムージー作成スペースに殺到するようにもなった。
詳しい説明を求めてくる女性団員達に呼ばれた私は、野菜や果物から摂取できる栄養を適切に摂取できれば、美肌になる効果があると説明しておく。
大量に摂取すればそれだけ肌が綺麗になるという訳ではないので、適切な量を摂取することをおすすめします、と私が女性団員達に伝えると、スムージー片手に去っていく女性団員達。
どうやらスムージーはスムージーで美味しいから飲むつもりであるようだ。
私が嘘を言っていないかの確認の為だけに連れて来られていたロキ様は「大変やったなモビタ。美肌ってなると女は目の色変えるもんやからな」と言いながら「美肌は確かに魅力的やね」と頷いていたな。
それから「うちにもスムージーを1杯頼むでモビタ、リンゴとラズベリーが入っとる奴がええな」とロキ様もスムージーを注文してきた。
注文された通りにリンゴとラズベリーを中心としたスムージーを作成。
「こうやって野菜や果物の栄養を気軽に取れるのはええと思うわ」と笑顔で出来立てのスムージーを飲んでいくロキ様。
「スムージー美味かったでモビタ、今度は他の組み合わせを試してみるのも良さそうやな」
私が作ったスムージーを飲み干して満足気だったロキ様が私の手を握って「ほな、うちからの追加注文でモビタは貰ってくで」と言うと、食堂から私を連れ出す。
ちょうど私もロキ様に伝えたいことがあったので、抵抗することはない。
ご機嫌なロキ様に手を引かれて歩いていった先には、ロキ様の部屋があった。
促されるままに部屋の中に入ると、ロキ様の部屋の中には様々な物が散らばっていて、座る場所がベッドにしかない状態だ。
ベッドを軽く叩いて「空いとるここに座っといてーな」と言ってきたロキ様に従って、私はロキ様のベッドに座る。
ロキ様は私の隣にでも座るのだろうかと思っていたら、ベッドに座っている私の膝の上に、そのままロキ様が座ってきた。
私に身体を密着させた状態で「このままモビタに抱きしめてもらえると、うちは嬉しいんやけど」と言い出したロキ様。
主神であるロキ様の願いを眷族として叶えておくことは悪いことではない。
女神であるロキ様が痛くない程度の力加減で、ロキ様を抱きしめると「こうしてモビタにくっついとると安心するようになってもうたんや」と言ったロキ様が幸せそうに笑う。
「こうしてる今だけは、うちだけのモビタやと思えるからかもしれん。ほんまは、こうやって特別扱いしたらあかんのやけどな」
私の腕の中でそう言ってきたロキ様に、私にとってロキ様は特別ですよ、好きでもない相手を抱きしめたいとは思いませんので、と伝えておきたかった正直な想いを伝えておく。
ロキ様と一緒に月を見た時に、あんなことを思い出したのは何故だろうかと考えてみて、ロキ様のことが好きだからだということに私は気付いた。
自分の気持ちを自覚した後、しばらく考えた結果、伝える機会があればロキ様に想いを伝えてみようと思っていた私は今、想いを伝える。
嘘偽りのない、正直な私の気持ちを言葉にしていく。
聞いてもらいたいと、知ってもらいたいと、思ったからだ。
いつまでも幸せに笑っていてほしくて、私が笑顔にしてあげたくて、一生を共に過ごしたいと思える、そんな大切な相手が貴女です、と私の正直な想いをしっかり伝えてみる。
すると、ロキ様の耳が真っ赤になっていた。
きっとロキ様の顔も真っ赤になっているのだろう。
「モビタは、うちのことがそんなに好きなんやな」
此方に顔を見せずにそんなことを言うロキ様に、ええ、貴女が好きですよ、と伝えておく。
「ほんまはうちから言おうと思っとったんやけど、先に言われてもうたわ」
なんてことを言ってきたロキ様が身体ごと此方を振り向いて、ロキ様と対面で顔を合わせることになった。
真正面で間近から見たロキ様の顔は、とても嬉しそうに笑っているが、真っ赤なままだ。
「うちも好きや、誰にも渡したくないくらいにモビタが大好きなんや」
真っ赤な顔でそう言いながら、私の頬に両手を添えて包み込むようにしたロキ様。
「うちは、あれや。酒好きでしょっちゅう二日酔いになっとるし、胸も無くて女らしくもないんやで」
自分のことをそんな風に言っていたロキ様を抱きしめて離さず、それが貴女を嫌いになる理由にはなりませんよ、と言う。
「嫉妬深いで、他の女に色目使ったらきっと許さへんで」
続けてそう言ったロキ様に、私もロキ様が私以外に抱きついていたら嫌な気持ちになりますから、嫉妬深いのは一緒ですね、と伝えておく。
「ほんまに、うちで、ええの?」
何処か不安気にしているロキ様に、言う言葉は決まっている。
貴女だから好きになったんですよ、誰がなんと言おうと、私は貴女が好きですよロキ様、と言葉にして伝えた。
距離が縮まる私とロキ様の顔が、触れ合いそうになった時「ロキ、少し相談したいことがあるんだけど部屋に入ってもいいかな」という団長の声が部屋の外から聞こえ、素早く距離が離れた私とロキ様の顔。
「ええところやったのに」と小声で言っていたロキ様に、続きは今度ですね、と小さな声で言った私はロキ様を膝から降ろして部屋を出る。
ロキ様の部屋の前で待っていた団長に、今のロキ様は、ちょっと機嫌が悪いかもしれませんよ、とだけ伝えて私はロキ様の部屋から離れた。
「空気読めやフィーン!」というロキ様の叫びが聞こえたような気がしたが、気のせいかどうかはわからない。
翌日、部屋にある金庫から指輪を取り出した私は、ロキ様の部屋へと向かう。
部屋の中には大量の酒瓶が転がっていて、全ての酒瓶が空になっていた。
昨日いいところで邪魔されたのが不満だったロキ様は、やけ酒に走っていたようだ。
完全に二日酔い状態になっているロキ様に、無理をさせるのも悪いかと思った私は、とりあえず指輪だけをロキ様に渡しておこうと考えて行動に移す。
これが私の気持ちです、とロキ様に伝えて渡した指輪。
「この指輪、うちの左手の薬指にはめてほしいんやけど」
二日酔いの状態でも私の気持ちに応えようとしたロキ様の言葉に従った私は、ロキ様の左手の薬指に金の指輪をはめる。
「もう1つ指輪あったやろ?そっちはうちがモビタの左手の薬指にはめるから渡してーな」
手渡したもう1つの指輪が、ロキ様の手によって私の薬指にはめられた。
指輪が2つあることを知っていたロキ様は、金細工を売っていた露店商から指輪のことを聞いていたみたいだ。
後日、二日酔いから復活したロキ様は、左手の薬指にある金の指輪を見て嬉しそうに笑っていたので、指輪を渡して良かったと思う。
揃いの指輪をしている私とロキ様を見たロキ・ファミリアの団員達は「やっと付き合ったか」と言っている団員達ばかりで、私とロキ様が付き合うことに不満はないらしい。
むしろ「はよくっつけ」と団員達は思っていたようである。
私とロキ様の関係を焦れったく思っていた団員達にとっては、関係が進んで良かったと考えてくれたようだ。
それから数日後、定期的なステイタス更新の日が来たのでロキ様の部屋に向かうと「待っとったでモビタ」と嬉しそうに出迎えてくれたロキ様。
「まずはステイタスの更新やな」
そう言って私の背中のステイタスを更新してくれたロキ様は、タイプライターのような魔道具で紙に私のステイタスを写していく。
「これがモビタのステイタスや」と言ったロキ様から手渡された紙。
Lv4
力:B706
耐久:C674
器用:B757
敏捷:C682
魔力:B761
射撃:D
耐異常:F
連射:G
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】
【死が別つまで】
・伴侶と共に生きる
・伴侶となった相手と同じ寿命を得る
・互いの婚約指輪に不壊属性を永続付与
・伴侶を守る為に戦う時、全ステイタス限界突破
「死が別つまで」と書いて「エンゲージ・リング」と読む新たなスキルが発現していたが、これは、のび太の結婚前夜などが影響して発現した可能性があるな。
将来本当にしずかちゃんと結婚できるか不安に思ったのび太が、タイムマシンで未来に確かめに行って、間違えて結婚前夜に到着してしまうのび太。
せっかくだからと結婚前夜の未来がどうなっているか隠れて確認することにしたのび太とドラえもん。
のび太との結婚をやめると言い出したしずかちゃんに、しずかちゃんのお父さんは優しく今までの思い出を語った後「あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ」とのび太の良いところをしずかちゃんに伝えた。
「彼なら間違いなくしずかを幸せにできると信じているよ」と言ったしずかちゃんのお父さん。
隠れてそれを聞いていたのび太は、涙を流しながら去っていく。
帰ってきた現代で「必ずきみを幸せにする」としずかちゃんに誓ったのび太。
のび太と同じように、私が伴侶になったロキ様を必ず幸せにすると誓ったことが切っ掛けとなって「死が別つまで」のスキルが発現したのかもしれない。
そんなことを私が考えていると「伴侶って、うちのことやね」と物凄く照れている様子だったロキ様。
そうですね、私の伴侶はロキ様だけですよ、と伝えておくとロキ様は、とても喜んでいたな。
これからもずっと私と一緒に生きてくれますか、とロキ様に聞いてみると「もちろんや」と答えが返ってくる。
それから自然とロキ様との距離が縮まっていき、互いの唇がしばらく触れ合った。
順番が滅茶苦茶になってしまったが、誓いのキスといったところだろう。
互いの顔が真っ赤になっていたのも間違いないが、とても幸せな気持ちにはなれたので問題はない、ということにしておくとする。