現在のオラリオ最強の存在として有名なフレイヤ・ファミリア団長のオッタル。
猛者の2つ名を持つ猪人の獣人で、Lv7であるオッタルという冒険者。
そんな相手が、オラリオの街中を歩いていた私に襲いかかってくるとは思ってもいなかったが、どうやらフレイヤ様に私を連れてくるように命じられているようだ。
ミスリル製の第1等級武装の大剣と、良質なアダマンタイトを素材に作られた剣が、激しく打つかり合う度に火花を散らす。
剣を持った相手との一騎討ちの際に、ステイタスに超高補正があるスキルが発動し、私が剣を装備している時に発動するスキルにより、更にステイタスに高補正が加算。
そして無詠唱魔法「ガンスミス」で作成したリボルバーを片手に持ち、拳銃を装備している時に、ステイタスに高補正があるスキルも重ねて発動。
スキルによる超高補正1つと高補正2つの重ねがけで、Lv5のままでも格上のLv7と、なんとか剣を打ち合える程度に、私のステイタスは強化されている。
白銀の剣を振るいリボルバーを撃つ、そんな斬撃と銃撃の組合わせで、オッタルに攻撃を行っていくが、厄介な防御は中々崩せない。
反撃として振るわれる大剣を避けていくと、吹き荒れる暴風は、一撃一撃の激しさを現していた。
流石はLv7のオラリオ最強といったところか、と思いながら私は、次の一手を繰り出す為にスキルを発動して、狼人へと姿を変えていく。
「月光の狼」のスキルにより狼人となった私は更に、狼人が獣化する為に必要な月光を身体に宿し、行った獣化。
獣化により体毛が逆立ち、筋肉が隆起して更に発達した状態となった私のステイタスは確実に強化されている。
Lv5でありながらLv7を凌駕する力を発揮できるようにとなった今の私なら、オッタルにも勝てるのではないかと思うが、油断は禁物だ。
オッタルは猪人の獣人、獣化を可能とするスキルを持っていてもおかしくはない。
強化された脚力を用いて踏み込み、繰り出した剣による刺突。
それを大剣の腹で受けたオッタルが、完全には威力を受け止めきれずに、足でオラリオの路面を削りながら後方へと押しやられる。
止まることなく剣と銃による連撃を私が繰り出していくと、全てを大剣で防御していったオッタルだが、徐々に後方へと下がっていくオッタルの身体。
このまま押しきれるかと考えていたが、そう上手くはいかないらしい。
獣のような咆哮を上げたオッタルが獣化を行い、構えた大剣を横凪ぎに振るう。
大剣の一撃を剣で受けた瞬間に、私の身体は吹き飛ばされていた。
段違いの威力を持つ獣化オッタルの攻撃は続き、此方との間合いを詰めると同時に振り下ろされる大剣。
まともに受け止めるのは無理だと判断し、避けることを選択した私は、スキル「月の兎」で撃ち出せる空気の砲弾を自分の身体に連続で当てて加速し、回避。
放たれるオッタルの剣撃を、スキルと身体能力に技術を駆使して全て避けていった私は前進し、オッタルとの距離を詰める。
至近距離で繰り出されたオッタルの一撃には、今まで使ってこなかった「反射外套」のスキルを用いて対処。
「反射外套」のスキルによりマントに付与された「反射」によって、オッタルの大剣の斬撃を跳ね返したマント。
流石にそれには驚いたのか目を見開いていたオッタルは大剣を跳ね返されたことで体勢を崩しており、大きな隙が出来たのは間違いない。
瞬時に「心の友は音響兵器」のスキルを用いて、私の剣に付与された破壊音波。
それを纏う剣により放たれた斬撃がオッタルを深々と斬り裂き、強力な破壊音波が身体の内部を破壊していく。
補正の重ねがけで、破壊音波も更に強力になっていたようで、かなり威力が高まっていたみたいだ。
強力な一撃が直撃しても、まだ動こうとしたオッタルに、破壊音波を付与したリボルバーの弾丸を早撃ちで額に連続で叩き込んでおくと、流石に気絶したオッタル。
弾丸は一応ゴム弾のような質にしておいたので、オッタルの額に穴が開いていたりはしない。
気絶したオッタルにはスキル「雪解けの癒し」で治療を施しておき、肩に俵のようにオッタルを担いだ私は、フレイヤ・ファミリアにまで向かう。
直接フレイヤ様と対面して話をし、フレイヤ・ファミリアの面々を送り込んでこないようにしてもらった方が良さそうだ。
そう考えてフレイヤ・ファミリアのホームに真正面から突撃してみたが、当然のように襲いかかってきたフレイヤ・ファミリアの団員達。
とりあえず奪い取った棒を用いた棒術でフレイヤ・ファミリアの団員達を倒して進んだ私は、フレイヤ様と対面した。
何故フレイヤ・ファミリアの団員を送り込んできたのかという私の問いに、私が欲しかったからと答えたフレイヤ様。
美の女神に求められるのは栄誉なことなのかもしれないが、既にロキ様という大切な伴侶がいる私は、私を欲するフレイヤ様からの求めを断っておく。
感情が高ぶってしまったのか突然泣き出したフレイヤ様には驚いたが、ハンカチを差し出しておき、涙は拭いてもらった。
そんなこともあったが、今後はロキ様を含むロキ・ファミリアには手を出さないように、フレイヤ様には約束してもらう。
それからフレイヤ・ファミリアを立ち去った私は、ロキ・ファミリアのホームに戻り、私を「おかえり」と出迎えてくれたロキ様を思わず抱きしめた。
美の女神ではなくとも、私が好きになったのはロキ様だけで、幸せにしてあげたいと思う相手もロキ様だけだ。
だからこれからも私の伴侶はロキ様で、私にとってロキ様が最愛の女神なことには変わりがない。
ただいま、と答えた私に笑顔を見せてくれたロキ様を愛しく思う。
これからも愛し続けると誓った最愛の伴侶を抱きしめたまま、私は笑った。
その後、ロキ様にステイタスを更新してもらったが、日々の食事と今回の戦いで、それなりにステイタスは伸びていたようだ。
「今のモビタのステイタスは、こんな感じや」
Lv5
力:A876
耐久:A887
器用:S999
敏捷:A895
魔力:S999
射撃:C
耐異常:F
連射:F
疾走:G
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】
【死が別つまで】
【名刀電光】
【名のある探偵】
【寄生浄化】
【反射外套】
【月の兎】
【銃の名手】
【飲料変化】
【単独勝利】
・独りで勝つ者
・単独での戦闘時、発展アビリティ不屈の一時発現
・睡眠不要
「単独勝利」と書いて「モノ・ニケ」と読む新たなスキルも発現していたが、おそらくこのスキルは、のび太がドラえもんに頼らずに、一人でジャイアンに喧嘩で勝ったことが元になったスキルだろう。
明日には未来に帰ることになったドラえもんと、夜になっても一緒にいたのび太は、夜眠らなくても大丈夫な薬を飲んで、夜を過ごしていた。
寝ぼけて外を歩いていたジャイアンに絡まれた時に、のび太のそばにドラえもんは居なかったが、ドラえもんを呼ばずにジャイアンと喧嘩したのび太。
なんとかボロボロになってもジャイアンに戦いを挑み、ジャイアンに負けを認めさせたのび太は、ドラえもんに頼らずにジャイアンに勝つ。
オッタルという遥か格上で体格が良い人を相手に勝利したことで、今回のスキルが発現した可能性は高い。
「なんかランクアップも可能になっとったけど、まだステイタス極まっとらんしランクアップはしないやろ」
ロキ様の言葉に、そうですね、と頷いておき、ランクアップは保留にしておく。
遥か格上のオッタルを倒して、他のフレイヤ・ファミリアの団員達も倒したことが偉業になっていたのかもしれない。
「新しいスキルで睡眠不要ってなっとるけど、寝れる時は寝た方が良いと思うで」
続けてそう言ってきたロキ様は私を心配してくれているみたいだ。
まあ、睡眠が不要になっても眠れる時は眠っておきたいところだな。