次回の更新は2月からになりますのでよろしくお願いします
今回は3000文字くらいですね
【シネマティッククリエイト】で出せるものの検証を少し行ってみることにした私は、朝から中庭で魔法の詠唱を行い、ドラえもんの劇場版に登場する道具を出してみた。
今回【シネマティッククリエイト】で創造した道具は2つほどになり、1つは銀河超特急に登場した宇宙カプセルというカプセル錠剤型の道具。
飲むだけで、真空や低温・高温どんな環境でも快適に過ごすことが可能になるという宇宙服要らずの道具こそが宇宙カプセルだ。
そしてもう1つの道具は劇場版以外にも登場する道具ではあるが、ブリキの迷宮ではドラえもんと再会する為に使ったスペアポケット。
【シネマティッククリエイト】で創造したスペアポケットにはひみつ道具は何も入っておらず、このスペアポケットがドラえもんに繋がっていたりもしないらしい。
宇宙カプセルを実際に飲んでみたり、スペアポケットに入れた物を出し入れしたりなどを行っていると、私を探していたロキ様が中庭にまでやってくる。
「モビタに手伝ってほしいことがあるんやけど、その前にモビタのステイタスの更新をしといた方が良さそうやな」
そんなことを言ってきたロキ様に連れられて向かったロキ様の部屋で、行われた私のステイタスの更新。
タイプライター型の魔道具を用いて、手慣れた様子で更新された私の背のステイタスを紙に写したロキ様。
「これが今のモビタのステイタスやけど、新たにスキルが2つ発現しとったで」
そう言って紙を差し出してきたロキ様から、受け取った紙を確認してみた。
Lv6
力:F321
耐久:F317
器用:E465
敏捷:F384
魔力:E496
射撃:B
耐異常:D
連射:D
疾走:E
狙撃:G
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
【シネマティッククリエイト】
《スキル》
【風に愛されし者】
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】
【死が別つまで】
【名刀電光】
【名のある探偵】
【寄生浄化】
【反射外套】
【月の兎】
【銃の名手】
【飲料変化】
【単独勝利】
【飼育大臣】
【宇宙錠剤】
・真空、低温、高温などの様々な環境の中でも快適に過ごすことが可能
・1分の睡眠につき1時間並みの睡眠効果となる
【異能貸出】
・スキルを他者に貸し出すことが可能となる
・貸し出したスキルを返却してもらうことも可能
・返却されるまでの間、貸し出したスキルは使用が不可能となる
【宇宙錠剤】と書いて「スペースカプセル」と読むスキルは、宇宙カプセルを飲んだ時と同じ効果を発現者に与えるスキルのようだが、魔法で創造した宇宙カプセルを飲んだことが切っ掛けで発現したスキルだろう。
【異能貸出】と書いて「スペアポケット」と読むスキルは、私の魔法【シネマティッククリエイト】でスペアポケットを創造したことで発現したスキルなのは間違いない。
新たに発現した2つのスキルは、かなり有用なスキルではあるが、スキルを貸し出す相手は慎重に選んだ方が良さそうだ。
「また頭が痛くなるようなスキルが発現しとるんやけど、どないなっとんねん!」
新たに発現した私のスキルに、毎度の如く頭を抱えるロキ様。
しばらくロキ様は頭を抱えていたが「いつまでも頭を抱えとる場合やないんやで、うちは頑張れって感じのロキや」と自分に言い聞かせていたロキ様は、なんとか立ち直ったらしい。
「フィリア祭の時に現れた花みたいなモンスターについて調べたいんやけど、スキルで狼人にもなれるモビタに協力してほしいんや」
構いませんよ、と了承した私は早速【月光の狼】のスキルを用いて狼人へと姿を変えた。
狼人に変化したことで灰色に変わった頭髪、頭部に生えた狼の耳。
獣人となって鋭くなった感覚の中でも、狼人の嗅覚は凄まじい。
ロキ様と一緒にホームを出て、東のメインストリートを歩いた私とロキ様は、街中を練り歩いて調べた後に、下水道へと歩みを進めた。
下水路の空気は、地上に比べれば淀んではいるものの、鼻が曲がるような汚水特有の臭いは漂っていない。
細長い支水路の溝には、鉄柵に似た形状の魔石製品が存在し、その結晶のような浄化柱が、すり抜ける汚水を洗い、清潔な水に変える浄化装置の役割を果たす。
水路の随所にある浄化柵の働きにより、凄まじい異臭が立ち込めることもない下水路。
下水路を進んでいくと鉄の門扉が現れ、年月を感じさせる古い両開きの門には、巨大な錠前が取り付けられているが、錠前には何度か開閉された跡が残っていた。
「ギルドが業務の関係で立ち入ったって感じでもなさそうやな。中を拝ませてもらおうやないか。邪魔な錠前壊すのは頼んだでモビタ」
ロキ様の指示に従い、鉄の錠前を真っ二つに破壊した私は門扉を開く。
門扉前の短い階段の先は、通路と水路の区別なく浸水しており、水浸しとなっているようだ。
「モビタがおんぶしてくれるとうちは喜ぶで」
そんなことを言い出したロキ様は靴を濡らしたくないようである。
はい、どうぞ、と私が背中を向けると飛び付いてきたロキ様。
「ぬふふっ、おんぶしてるのは可愛い女の子かと思った?残念、うちでした!」
悪戯をする子どものような顔で笑いながら、そんなことを言ってくるロキ様に、私にとって誰よりも可愛らしい女性をおんぶしていると思っていますよ、と正直な気持ちを答えてみる。
「お、おう。相変わらずうちに対しては、ど直球やな。照れるわ」
嘘偽りのない私の言葉に顔を赤くして照れていたロキ様が、とても可愛らしく見えた。
「モビタは、うちのことがほんまに好きなんやな。うちもモビタが大好きやで」
私も大好きですよ、と言いながら、ロキ様をおんぶした状態で歩みを進めた先で、臭いを感じた私の狼人としての嗅覚。
この先にモンスターが居ますね、数は6体くらいです、とロキ様に伝えると私の背中から降りたロキ様は「ほな、うちは邪魔にならんようにしとくわ」と言うと、私の背後を歩き出す。
這いずったかのような跡が残る水路を進み、到着したのは大きな貯水槽がある空間。
薄闇の奥で蠢く巨大な何かは、黄緑の体皮を持った花のモンスター達。
「魔石が取れそうなら取っといてくれると助かるんやけど」
そう言ったロキ様のご期待には、応えておくとしよう。
計3体、正面から押し寄せてくる黄緑色の身体へと此方から迫り、狙うのは口腔の奥にある魔石。
スキル【夢幻の剣士】の不可能を可能にする効果を用いて、無造作にモンスターの身体だけを素通りした手で魔石を抜き取り、灰へと変えたモンスター達の身体。
残った3体の花のモンスターは、全て【飲料変化】でジュースに変えておき、安全が確保されてから手に入れた魔石を確認してみたが中心が極彩色に染まっている3つの魔石は、明らかに通常の魔石とは違っている。
その後、地下水路を出た私とロキ様は狭い路地を抜けて、街路の端に沿って歩いていたが、とある神と遭遇して立ち止まったロキ様。
デュオニュソスという男神と黒髪のエルフの少女からした臭いは、地下水路の残り香と同じであり、あの花のようなモンスターと、何らかの関わりがありそうだ。
そしてデュオニュソスには様付けをして敬う必要がないと感じたことと、デュオニュソスの口から香る葡萄酒の匂いは神酒に似ているような気がした。