才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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何故か此方が思い付いたので更新します


台風のフー子は映画だと、どうなったのかは知らない

ゴブニュ・ファミリアに足を運んでみると頼んでいた防具が完成していたようで、銀色のキラーアントの甲殻が胸当てに生まれ変わっていた。

 

通常種とは比べ物にならないほど強度が高い銀色の甲殻で作られた胸当ては鍛冶職人によって加工されたことで、甲殻だった時よりも強度が増していたのは間違いない。

 

銀色の胸当ては「シルバープレート」と名付けられていて、見た目そのまんまな名前だったが、変な名前になるよりは良いと思う。

 

防具の代金は前払いしてあるのでゴブニュ・ファミリアから胸当てを受け取った私は、ロキ・ファミリアのホームへと戻った。

 

新品の防具を手にしている私に気付いた先輩団員が近寄ってきて、防具の素材が何なのか聞いてくる。

 

銀色のキラーアントが残したドロップアイテムである甲殻を素材に作られている防具ですよと先輩団員達に伝えると、銀の胸当てを実際に触って強度を確かめて「上層のモンスターの強度じゃないぞ、これ」と言って、ひきつった顔をしていた先輩団員。

 

どうやら「シルバープレート」は中層で現れるモンスターの外皮よりも強度が高いみたいで、上層のモンスターのドロップアイテムを素材にしたとは思えないほど堅固な防具であるらしい。

 

この「シルバープレート」が良い防具だということは間違いないだろう。

 

胸当ての「シルバープレート」を装備して、短刀の「ブルータウロス」を片手にダンジョンを探索。

 

現れるモンスターを倒して魔石を抜き取ると、先へと進んだ。

 

ランクアップしてLv2になったことで、上層までなら単独行動が許されている。

 

1人で中層には行かないが、上層で稼いでいくのも悪くはない。

 

身の回りの物を揃える小遣い稼ぎにはなるだろう。

 

上層で稼いで、ある程度のヴァリスを貯めてから、身の回りの物を買いに行き、様々な品を購入した。

 

買ってきたもので自室の内装を私のスペースだけ少し変えてみて、自分が過ごしやすいように様々なものを追加。

 

二人部屋だが、もう一人が寝るとき以外は帰ってこないので殆ど私の部屋みたいになっているのは、少し気になるな。

 

同室の相手は同じ新米団員だが、彼は青いミノタウロスから逃げたことを気にしているようだった。

 

青いミノタウロスから逃げずに、戦って倒した私と顔を合わせると気まずく思うのだろう。

 

そんなに気にしなくてもいいと私が言ってもきっと気にしてしまいそうだ。

 

人間関係は難しいが切り替えていくとするか。

 

それから、備え付けられていた自分の椅子にクッションを追加してみたり、私が使えるスペースで本棚を組み立てて本を入れてみたりもしてみたが、もう一人のスペースは占領していないので問題はない。

 

購入していた手入れ道具で、先輩団員達から貰った大事な「ブルータウロス」の刃も手入れして、いつでも使えるようにしておく。

 

「シルバープレート」もしっかりと拭いて汚れを落としていくと、ピカピカになった胸当ては新品のように輝いていた。

 

武器と防具の手入れをしてから数日後、先輩団員達に誘われて組んだパーティで中層に行くことになる。

 

中層では基本的に「ガンスミス」と「ストリングビーム」を使い、遠距離攻撃とモンスターの動きを止めることでパーティに貢献。

 

火炎放射で攻撃してくるヘルハウンドは発見した瞬間に、リボルバーによる早撃ちで倒しておくと「パーティにモビタが居ると楽だな」と笑っていた先輩団員達。

 

同期の新米団員達とは殆ど話さなくなったが、青いミノタウロスから私が助けた先輩団員達とは、よく交流するようになった。

 

先輩団員達と今回のようにパーティを組むことも珍しくはない。

 

それからも先輩団員達とパーティを組んで中層に向かうことはあり、合間に休暇を挟みながら何回か中層探索を行っていると1ヶ月が過ぎていたようだ。

 

久しぶりにロキ様にステイタスの更新を頼んでみると、どうやら私にはスキルが発現していたようである。

 

Lv2

 力:G241

耐久:H132

器用:E467

敏捷:G259

魔力:E483

 

射撃:H

 

《魔法》

 

【ガンスミス】

 

【ストリングビーム】

 

《スキル》

 

【風に愛されし者】

・風精霊の加護

・風に愛される

・風と共に戦う時、ステイタスに高補正

・風による攻撃を無効

 

「風に愛されし者」と書いて「シルフブレッシング」と読むスキルは、風が関係しているスキルなのは確かだ。

 

野比のび太関連で風となると、台風のフー子という話があったことを私は思い出した。

 

のび太が卵から孵化させた台風の子どもであるフー子は、小さな台風の中心に目があるという姿をしていた筈であり、とてものび太になついていた台風のフー子という風。

 

話の中では最終的に、大型台風と戦って消滅してしまったフー子だが、映画版であるのび太とふしぎ風使いにもメインキャラクターとして登場していたな。

 

その時は、また設定が変わっていて、フー子はマフーガという風の怪物から切り離された1部が、自分の意思を持ったものという設定だったと思う。

 

ふしぎ風使いの映画自体は観ていないので、詳しい内容は知らないが、野比のび太が台風のフー子という風と関わりがあったのは間違いない。

 

疑問は解消したが、これからも私は野比のび太関連の力を手に入れることになりそうな気がするな。

 

ちょっとでも野比のび太に関わりがあれば、それが新たな力に変わりそうだ。

 

まあ、ダンジョンを生き延びる力になるなら悪いことではないだろう。

 

私のスキル「風に愛されし者」を見て唸っていたロキ様は何か考え事をしていたようだが「モビタは気にせんでええよ」とだけ言って笑うと去っていった。

 

どうやらロキ様は考えていた事を私に言うつもりはないらしい。

 

ロキ・ファミリアで風となると今の私よりも年齢が下だが先輩団員でもあるアイズ・ヴァレンシュタインさんが、風の魔法を使っていた筈だな。

 

とはいえ既にLv4のアイズさんと私では接点が無いので、関わったことも話したこともなかった。

 

ロキ・ファミリアの幹部候補と一般新米団員に、接点がある方がおかしいのは当然だ。

 

まあ、これからも特に関わることはないだろう。

 

私は、そう思っていた。

 

そう思っていたんだが、スキル「風に愛されし者」が発現してから数日後。

 

毎日明らかに視線を感じるようになり、視線を感じた方を向けば、物影に隠れながら此方をじっと見ている金髪の少女が居る。

 

本人は隠れているつもりなのかもしれないが、普通に見えているので隠れきれていない。

 

そんな金髪の少女が、アイズ・ヴァレンシュタインさんであるのは間違いないようで「アイズたーん」と言いながら抱きつこうとしたロキ様をパンチで撃墜している姿が見えた。

 

関わると面倒な気がしたので移動してみると、アイズさんは普通に付いてきているようだ。

 

物影に隠れきれていない金髪が普通に見えていたが、私は何も言わずに移動を続けていると、やっぱりじっと私を見ながら付いてきているアイズさん。

 

何が目的なのかはわからないが、アイズさんに私が物凄く見られているのは確かである。

 

何なんだこの状況は、と思ったが特に危害を加えられている訳ではない。

 

アイズさんにとって気になる何かがあったのかもしれないが、人が居るところで話しかけてこないのにも理由がありそうな気がした。

 

内緒話がしやすいように今は誰も居ない中庭に移動すると、近付いてきたアイズさん。

 

「聞きたいことがあります」

 

そう言って真剣な顔で話しかけてきたアイズさんに、私に答えられることなら答えますよと返事をする。

 

「貴方から風を感じるのは何故ですか?」

 

アイズさんからのその質問に、私には風精霊の加護があるからだと教えておいた。

 

「風精霊の加護、それだけですか?」

 

あとは風に愛されるということも説明しておくと、アイズさんは納得したように頷いていたな。

 

「ありがとうございます、気になっていたことがわかりました」

 

これで話は終わったかと思って私が立ち去ろうとすると、アイズさんに呼び止められて「あの、一緒にじゃが丸くん買いに行きませんか」と誘われた。

 

じゃが丸くんを1度も食べたことが無かったので、どんなものなのか気になっていたのは確かだ。

 

実際どんなものか試してみるのも悪くはないと判断し、アイズさんと一緒にじゃが丸を買いに行ってみたが、やたらと大量にじゃが丸くんを購入したアイズさんが物凄く目立っていた。

 

20個以上のじゃが丸くんを購入していたアイズさんは、幸せそうにじゃが丸くんを食べていく。

 

凄まじいスピードで消えていくじゃが丸くん。

 

フードファイターかな、と思う程度には物凄い食べっぷりを見せたアイズさんは、本当にじゃが丸くんが好きなのだろう。

 

私は1個にしておいたが、初めて食べたじゃが丸くんが不味くなくて美味しかったのは良いことだな。

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