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テリアがヘスティア・ファミリアに改宗する為、主神であるヘラ様を探す旅に出ると聞いた私は、闇雲に探すよりもヘラ様の現在地を知ってからの方が探しやすいのではないかと考えた。
そこで【シネマティッククリエイト】の魔法を使った私はドラビアンナイトに登場した「千里眼の池」を創造し、ヘラ様の現在地を池に映し出して、テリアに教えておく。
それからしばらくしてオラリオに戻ってきたテリアが、ヘスティア・ファミリアに入団したらしく、Lv7からランクアップしてLv8になっていたテリアが改宗して入団したことが話題となっていたようだ。
Lv8になってオラリオに戻ってきたテリアは、旅先で偉業となるようなことをしたのかもしれない。
そんなことを考えながらロキ様が待つ部屋に向かった私は、背の恩恵を更新してもらう為に上半身の服を脱いで背を晒す。
虫眼鏡のようなものを使ったロキ様の手で、行われていったステイタスの更新。
「めっちゃ神聖文字が小さくなっとるんで、この道具がないとステイタスの更新も出来へんようになってもうたが、なんとかステイタスの更新は終わったで」
そう言って笑顔で私の背を軽く叩いてきたロキ様。
「ほな、これがモビタの今のステイタスや」
タイプライターに似た魔道具を使い、手早く紙に私のステイタスを写したロキ様が手渡してきた紙。
「またスキルが2つ発現しとったで」
ロキ様の言葉を聞きながら、渡された紙をしっかりと確認していく。
Lv7
力:F338
耐久:F336
器用:F357
敏捷:F342
魔力:E473
射撃:B
耐異常:C
連射:D
疾走:D
狙撃:F
魔弾:I
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
【シネマティッククリエイト】
《スキル》
【風に愛されし者】貸し出し中
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】貸し出し中
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】
【死が別つまで】
【名刀電光】
【名のある探偵】
【寄生浄化】
【反射外套】
【月の兎】
【銃の名手】
【飲料変化】
【単独勝利】
【飼育大臣】
【宇宙錠剤】
【異能貸出】
【名医鞄】
【北風食卓】
【携帯食料】
【改良山彦】
【猟豹加速】
【電撃石槍】貸し出し中
【超手袋】
【大寒波扇】
【小雷雲】
【衝撃銃】
【適応灯】貸し出し中
【黄金甲虫】
【豪華怪盗】
【時風呂敷】
【飛行絨毯】
・空飛ぶ絨毯
・精神力を消費し、絨毯を使って空を飛ぶことが可能となる
・最高飛行速度は魔力の値によって変化
【千里眼池】
・千里眼の池
・遠く離れた場所にある映し出したいものを様々な水面に映し出すことが可能
・発展アビリティ千里眼を任意で一時的に発現することが可能となる
【飛行絨毯】と書いて「ヒコウジュウタン」と読むスキルに【千里眼池】と書いて「センリガンイケ」と読むスキルを新たに発現したが、どちらのスキルもドラビアンナイトに登場した道具が元になったスキルであるのは確かだ。
「前に魔法で空飛ぶ絨毯出しとったから、それ関連のスキルが発現するんやないかと思っとったんやけど、やっぱり発現したみたいやで」
納得したかのように頷いていたロキ様は「問題は、もう1つの方やな」と深く息を吐き、頭を抱えた。
「千里眼って、どう考えてもヤバイやろ」
頭を抱えたままそう呟いたロキ様は「悪用しようと思ったら悪用し放題やんけ!明らかにヤバイスキルやないか!」と言うと「モビタ、このスキルは貸し出し禁止やで」私に釘を刺してくる。
「まあ、もしゼウスやったら女湯覗いたり、女の着替え覗いたりしとったやろうが、モビタやからそんなことせえへんし、そこら辺は安心やな」
なんて言いながら笑っていたロキ様は、私なら千里眼を悪用したりしないと信用してくれているようだ。
新たなスキルである【千里眼池】を用いて闇派閥の情報を集めてみるのも悪くはないかもしれない。
という訳で、雑貨屋で大きめのタライを購入してきた私はタライに水を入れて、スキル【千里眼池】を使用し、タライに入った水の水面に闇派閥の面々を映し出してみる。
フィンさんも一緒に水面に映る闇派閥達を確認していたが「こうして闇派閥の面々の情報を先に見て知ることができたのは大きいね」と言っていた。
その後は、闇派閥が拠点にしている人工迷宮クノッソスの内部構造を水面に映し出していき、簡単なマッピングを行っていく。
事前に知ることが出来た情報で備えることが可能になり、闇派閥にとっての本拠地であるクノッソスを丸裸にした【千里眼池】のスキルは、情報戦において強力なスキルだ。
フィンさんの指示に従い、用いたスキル【千里眼池】で様々な場所を映し出す水面で、行っていった情報収集。
数多の情報を入手したフィンさんは、闇派閥だけを倒してもオラリオの危機は無くならないと理解したようだが「まずは闇派閥から順番に片付けていくとしよう」と考えを纏めたらしい。
早急な闇派閥の排除の為、近い内にクノッソスに攻め込む必要があると考えているフィンさん。
クノッソスに突入するメンバーの中には勿論私も含まれているようで「頼りにしてるよモビタ」と言いながらフィンさんは私の肩を叩く。
倒さなければいけない相手である闇派閥、それを倒す為に行う戦いに参加することを断ったりはしない。
ロキ・ファミリアとして戦わなければいけない相手は多いが、戦うことで最愛の女神なロキ様の家族とも言える眷族を守ることに繋がるなら、私は全力で戦うとしよう。
そう決めた私は、クノッソス探索に役立ちそうなひみつ道具で、有用なスキルが発現しないか試してみた。
【シネマティッククリエイト】で創造するのは、魔界大冒険などに登場したひみつ道具の1つ。
被っている最中は石ころのように思われて、存在に気付かれにくくなる「石ころ帽子」を被ってから、ロキ様にステイタスの更新をしてもらうと、新たに【石帽子】と書いて「イシコロボウシ」と読むスキルが発現したようだ。
【石帽子】
・石ころのように思われる帽子
・何かを頭に被っている時に任意発動で、まるで石ころであるかのように思われて、誰かの目の前に居たとしても存在に気付かれにくくなる
・任意発動で気配を遮断することも可能
【石帽子】のスキル効果は、このようなものになっていたが、クノッソスで隠れ潜みながら進むことに使うとするなら、かなり有用なスキルであるのは間違いない。
装備を万全に整えて、ロキ・ファミリアの団員達と共に向かったクノッソスの入り口。
隊を2つに別けて、ロキ・ファミリアの団長であるフィンさんと副団長のリヴェリアさんがそれぞれ率いる部隊。
クノッソスの扉を開けるダイダロスオーブは、既に複数所持しているので、それぞれの部隊に最低でも1つのダイダロスオーブは分配されており、クノッソスの扉を自由に開けることが可能になっている。
今回のロキ・ファミリアの目的は闇派閥の戦力を削ぐことであり、闇派閥の殲滅ではない。
「深追いは禁物だ」と団員達に言い聞かせていたフィンさん。
クノッソスに突入したロキ・ファミリアの部隊は、襲い来る闇派閥の団員やモンスター達を退けて進んだ。
クノッソスに潜んでいた闇派閥の戦力を確実に削っていたロキ・ファミリアの前に立ち塞がったのは、赤髪の怪人と仮面を被った怪人に、複数の精霊の分身と闇派閥が変貌した怪物達。
宝玉の胎児を埋め込まれた闇派閥の団員達が変貌した数多の怪物は、通常の怪物とは比べ物にならない程頑丈であるようだった。
上質なアダマンタイトを用いて作成されたティオナの武器、肉厚な大剣2つの柄尻を合わせて1つの武器にしたかのような大双刃でも、容易くは斬り裂けない強度がある特殊な怪物の集団。
赤髪と仮面の怪人に精霊の分身達の相手を私が引き受けている間に、怪物達と戦っていたロキ・ファミリアの面々は、闇派閥の団員達が変貌した異形の怪物達を、集団で協力して全力で打ち倒していた。
モンスターに寄生するかのように生えた精霊の分身達は、魔法の詠唱を行い魔法で火炎や雷を放ってくるが、所持している複数のスキルで高温や雷を無効化することが可能な私には効かない2属性の魔法。
放たれる豪火と雷撃が直撃しようが立ち止まることなく前に出た私は白銀の剣を振るい、精霊の分身達を両断していく。
連続で閃いた白銀の刃が斬り裂いていった精霊の分身達の身体。
精霊の分身達を倒し、残る怪人2体との戦いの最中、兜を頭に被っていた私はスキル【石帽子】の効果を任意で発動。
「消えただと!?」
「イッタイドコニ!?」
【石帽子】のスキル効果を発動すると石ころのように思われて、怪人達の目の前に居ても気付かれにくくなった私は、白銀の剣を振るい【封印の剣】のスキルで、赤髪の怪人の魔石と肉体を分離させる。
「レヴィス!?」
体内から魔石を分離されて倒れ込んだ赤髪の怪人に戸惑う仮面の怪人には刺突を叩き込み、胸部の魔石を貫いたが、以前と同じく消え去っていった仮面の怪人の肉体。
スキル【名医鞄】を用いると見ただけで相手の状態が理解できるようになるが、レヴィスは肉体と魂が合っていないような状態だった。
まるで後からレヴィスという魂を肉体に入れたかのようで噛み合っていない肉体と魂が気になり、魂が宿っている魔石を分離してみたが、この状態で肉体を巻き戻してみると、どうなるか試してみるとしよう。
【石帽子】の効果を解いた私は、倒れ込んだまま動かない赤髪の怪人、レヴィスと呼ばれていた存在に布を被せて【時風呂敷】の効果で巻き戻す。
しばらくすると「アレ?何かしらこの布」と言い出して布から出てきた赤髪は髪型がポニーテールとなり、まるで別人のような性格と表情で戸惑っていた。
明らかにレヴィスとは別人だと感じて、貴女は誰ですか、と聞いた私に「わたしはアリーゼ、正義の神の眷族よ!よろしくね!」と元気に言ってきた赤髪の少女。
やはりレヴィスとやらは魔石に宿っていた魂の名前だったようで、赤髪の肉体自体はアリーゼのものだったみたいだ。
ある程度闇派閥の戦力を削ったと判断し、一旦クノッソスから脱出すると決めたロキ・ファミリアの部隊。
部隊に合流した私が連れてきたアリーゼを見て、ロキ・ファミリアの面々が驚いていたりもしたが、ロキ・ファミリアの2つの部隊は、死者を出すことなくクノッソスから脱出することに成功。
それからアストレア・ファミリアのアリーゼをどうするかを考えて、頭を悩ませることになっていたフィンさんとロキ様。
「リオンは酒場で店員さんをやってるのね!見に行きたいわ!」
そんなことを言い出すアリーゼさんに、せめて変装はしてくださいね、と伝えた私は、そのままの状態で豊穣の女主人に突撃しようと考えているアリーゼさんをなんとか止めていた。
その後、豊穣の女主人に変装したアリーゼさんと一緒に向かうことになったが「元気そうねリオン!」と普通にリュー・リオンさんに話しかけたアリーゼさんに思わず私は頭を抱える。
結局リオンさんに「アリーゼ!?」と、あっさりと正体がバレることになり「何だかんだで生きてたわ!」と今生きている理由をごり押ししたアリーゼさん。
詳しく説明すると様々な問題があるので、何だかんだで生きてたと強引にごり押ししたのも仕方ないかもしれない。
それでもアリーゼさんが生きていたことに喜び、アリーゼさんに抱きついて号泣し始めたリオンさんは、同じファミリアのアリーゼさんが大切な存在だったのだろう。
生きてまた会えて良かったと思える相手が居たなら、それはきっと悪いことではない筈だ。