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人間になった異端児達との宴会も終わり、これから彼等がどんな道を選ぶつもりなのかを聞いてみたが、どうやらウラノス様から神の恩恵を授かって眷族になると決めているらしい。
ウラノス様の私兵という役割を今後も続けるつもりである異端児達は、これからもダンジョンで生まれる異端児達を保護していくと決めているようだ。
それから、種族的に階層を移動できない異端児達も私のスキルで人間に変えておき、ダンジョン内に居た全ての異端児を連れて、ウラノス様が居る場所まで【何処扉】で移動。
ウラノス様によって背に恩恵を刻まれた異端児達は、全員がLv1からスタートすることになったが、元よりLv5並みに強い強化種であった異端児達の中にはLv1でも、神の恩恵で更に強化されてLv6並みに強くなった異端児も数名居た。
リドやグロスにレイとグリューはLv6と同等の戦闘力があり、その中では武器の扱いに慣れているリドが1番強いようだ。
リザードマンとして白兵戦に慣れているリドとは違い、ガーゴイルだったグロスは背の翼と鋭い指の爪が無い人間の身体には、まだ慣れていない。
セイレーンのレイは両腕の翼が無くなり飛べなくなったとしても、誰かと手を繋ぐことができる人間の手を得たことに喜んでいた。
グリーンドラゴンで古株のグリューも異端児の中では強い方で、人間に変わっても竜の身体能力を持つ。
私のスキルで骨だけの身体から血肉がある人間の身体になったフェルズさんも、数百年更新していなかった恩恵をウラノス様に更新してもらったようで、Lv4から一気にLv8まで連続でランクアップしていたフェルズさん。
神の恩恵を授かった異端児達とランクアップしたフェルズさんが、ウラノス様の私兵であるが、ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアにも負けない戦力が集まっているのは間違いない。
その後、ウラノス様から私のスキル【何処扉】の使用を制限してほしいと頼まれることになったが、やはりダンジョン内に外と繋がる扉を作れる【何処扉】は危険だとウラノス様は考えたようである。
異端児関係以外ではロキ・ファミリアとしての遠征や、非常時以外には使わないことをウラノス様に約束しておき、スキル【何処扉】の悪用はしないと、神であるウラノス様の前で誓っておいた。
その言葉に嘘がないことが証明されて、スキル【何処扉】をロキ・ファミリアの遠征に使っても構わないと許可を得た私は、ロキ・ファミリアへと戻り、団長であるフィンさんに新たなスキル【何処扉】について教えておく。
「それが遠征に使えるなら、階層移動に使う時間を大幅に短縮できるね。物資の運搬も、かなり楽に済みそうだ」
ひみつ道具の「どこでもドア」と同じことが可能になる【何処扉】が有用なことに直ぐ様気付いたフィンさん。
「いずれ60階層に向かう時には、モビタのスキルを頼らせてもらうよ」
そんなことを言ってきたフィンさんに、任せてください、と言った私は、フィンさんやガレスさんにアイズさん以外に、スキルを貸し出した方がいい相手が居るかも聞いてみる。
「そうだね、それなら【火精炎焼】をリヴェリアに貸し出してくれると助かるかな」
そう答えたフィンさんはリヴェリアさんを呼んできて、やって来たリヴェリアさんに私のスキル【火精炎焼】を貸し出す。
スキル【火精炎焼】についてリヴェリアさんに説明しておくと「どれ程の火力が出るか、実際に使ってみて確かめてみるとしよう」と言いながらダンジョンへと向かっていったリヴェリアさん。
しばらくして帰ってきたリヴェリアさんは「無詠唱で出せる高火力を得たのは悪くはないな」と上機嫌だったな。
Lv6のリヴェリアさんが【火精炎焼】で出せる炎は、中々の高火力だったらしい。
スキル所持者の階位によって威力が変化する【火精炎焼】のスキルは、レベルが高い者ほど高火力の炎を出せる筈だ。
魔法の詠唱を行うことなく炎による攻撃が可能となったリヴェリアさんが、より強くなったのは確実だろう。
更には炎による攻撃を無効にする効果もある【火精炎焼】のスキルを現在所持しているリヴェリアさんには、火炎攻撃は絶対に効かない。
とりあえずリヴェリアさん以外にもロキ・ファミリアの主力となる面々に私のスキルを貸し出して、戦力を強化しておくのも悪くはないと考えた私は、新たなスキル発現を求めて今日も魔法を唱えていく。
「【出会いと別れ】【様々な大冒険】【これまで僕達が歩んできた道のりを示そう】【時を超えて、世界を超えて】【今ここに僕達は居る】【出会ってきた全てを】【今、創造の力に変えて解き放つ】」
詠唱を終わらせ、劇場版に登場するひみつ道具で、思い浮かんだものを創造する為に、最後に唱えるのは魔法名。
「【シネマティッククリエイト】」
まず最初に創造したひみつ道具は、様々な劇場版に登場する「タケコプター」であり、それを使って空を飛んだ私は、再び【シネマティッククリエイト】の魔法を唱えた。
次に創造したのは、ふしぎ風使いに登場したブンブン
というひみつ道具ではない道具で、見た目は木のおもちゃのようなものであるが、紐の先に玉が付いていて、これを振り回すことで風を操ることができる。
ブンブンを扱って風の弾を打ち出したり、風を起こしたりしてみて、扱いに慣れてきたところで、1日3回しか唱えられない【シネマティッククリエイト】の最後の1回を唱え、劇場版に登場したものを創造。
最後に創造したのは、空の理想郷に登場したパーフェクト猫型ロボットのソーニャであり「のび太くんに似ている貴方は誰ですか?」と話しかけてきたソーニャに、私はモビタ・モビと申します、と自己紹介しておく。
ソーニャは自分が本物ではないことは解っていたようで、一定時間が経過すれば消えてしまうことも理解していたみたいだ。
【シネマティッククリエイト】で創造したものは一定時間が経過すると消えてしまうが、時間ギリギリまでソーニャと会話しておき、最後にソーニャと握手をして、ソーニャが消えてしまうまで私は彼と手を繋いでいた。
今日の分の【シネマティッククリエイト】を使いきってからロキ様の部屋まで向かった私は、背の恩恵をロキ様に更新してもらう。
「またスキルが3つ発現しとったで」
そう言いながら更新された私のステイタスが書かれた紙を差し出してきたロキ様。
紙を受け取り、確認してみたが、新たなスキルが3つ増えていた。
Lv7
力:B716
耐久:B702
器用:B744
敏捷:B723
魔力:A897
射撃:B
耐異常:C
連射:D
疾走:D
狙撃:F
魔弾:I
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
【シネマティッククリエイト】
《スキル》
【風に愛されし者】貸し出し中
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】
【再会の約束】貸し出し中
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】
【死が別つまで】
【名刀電光】
【名のある探偵】
【寄生浄化】
【反射外套】
【月の兎】
【銃の名手】
【飲料変化】
【単独勝利】
【飼育大臣】
【宇宙錠剤】
【異能貸出】
【名医鞄】
【北風食卓】
【携帯食料】
【改良山彦】
【猟豹加速】
【電撃石槍】貸し出し中
【超手袋】
【大寒波扇】
【小雷雲】
【衝撃銃】
【適応灯】貸し出し中
【黄金甲虫】
【豪華怪盗】
【時風呂敷】
【飛行絨毯】
【千里眼池】
【石帽子】
【火精炎焼】貸し出し中
【取寄鞄】
【着替写真機】
【何処扉】
【竹飛翔】
・空を自由に飛ぶもの
・精神力を消費し、空を自在に飛ぶことが可能
・スキル所持者の階位により飛行速度上昇
【不思議風使】
・不思議な風使い
・風を自在に操り、風の弾を撃ち出すことも可能とする
・風を操る時、発展アビリティ風使の一時発現
【完璧猫型】
・パーフェクトな猫の友
・猫人と共に戦う時、全ステイタスに高補正
・武器から雷撃を放つことが可能となる
まず1つ目の【竹飛翔】と書いて「タケコプター」と読むスキルは、精神力を消費して飛行を可能とするスキルだ。
2つ目の【不思議風使】と書いて「フシギカゼツカイ」と読むスキルは、風を自在に操ることを可能とするスキルである。
そして最後に3つ目の【完璧猫型】と書いて「パーフェクトキャット」と読むスキルは、短い間でもソーニャと友情を育んだことで発現したスキルなのは間違いない。
「まあ、前回のに比べれば今回は普通やな」
そう言って頷いていたロキ様は、やはり普通の基準がおかしくなってしまっているようだ。
とりあえず今回発現したスキルも含めて、ロキ様とフィンさんに相談して、スキルを新たに貸し出す相手を選んでみた。
リヴェリアさんに【竹飛翔】、ラウルさんに【完璧猫型】、アナキティことアキさんに【犬人との出会い】、ティオナに【不思議風使】、ティオネさんに【小人との友情】、ベートさんに【月光の狼】を貸し出すことが決まり、スキル【異能貸出】を用いた私はロキ・ファミリアの面々にスキルを貸し出す。
それぞれがそれぞれのスキルを使いこなす為に、訓練や鍛練を行い、短期間で結果を出したロキ・ファミリアの面々。
これで更にロキ・ファミリアが強化されたのは確実だろう。
近く迫るクノッソスへの再侵攻の前に、戦力の増強は、なんとか間に合ったようだ。