本日2回目の更新になりますが、今回は3300文字くらいになりました
フレイヤ様がベルくんを狙って騒動を起こそうとしたようだが、フレイヤ・ファミリアごとテリア1人に制圧され、神をも恐れぬテリアによって半殺しにされたフレイヤ様。
フレイヤ様が半殺しで済んで天界に送還されなかったのは、ベルくんとヘスティア様が必死に止めたからであったようで、止められなければテリアがフレイヤ様を天界に送還していたのは間違いない。
美の女神としての権能すらも使ったフレイヤ様の魅了を破り、フレイヤ様からベルくんを守りきったテリアは、家族であるベルくんの為なら全てを乗り越えてみせるようだ。
ちなみにフレイヤ・ファミリアの面々は半殺し程度では済まなかったようで、未だにディアンケヒト・ファミリアの治療院から出てくることがないほどに重傷な者達が多数だった。
そんなことがあったりもしたが、レフィーヤさんが大聖樹の光冠を見る為、故郷の里にフィルヴィスさんと一緒に里帰りしている間に、学区が帰ってきた。
「海上学術機関特区」と呼ばれる学区とやらは巨大な船であり、海上を移動する1つの都市のような存在であるらしい。
もともと学区の前身は海上要塞で、海の覇王討伐の為に用意された足場だったようだが、それが今では世界中から生徒を集める学舎となっていた。
世界中を巡っている学区には将来有望な学生達も居るそうで、レフィーヤさんも学区出身だったそうだ。
そんな学区の学生を獲得しようと考えているオラリオのファミリアは多いが、外部のものが学区に入るには手続きを行う必要があり、信頼されているファミリアでなければ、そもそも学区には入れない。
不法に侵入すれば学区のブラックリスト入りとなり、追い出されてしまうことは確実だろう。
ロキ・ファミリアには新たに3人ほど増えたが、まだまだ数少ないLv7の1人を有する学区。
ナイト・オブ・ナイトと呼ばれるレオン・ヴァーデンベルクこそが学区に存在するLv7で、学区の教師筆頭であるそうだ。
Lv7を含む教師陣に育てられた学区の学生という将来有望な団員が欲しいと思ったのは、ロキ・ファミリアも同じだったらしく、団長から命じられ、Lv5となったアキさんが募眷族官、つまりはリクルーターとして学区に向かうことが決まっていた。
学区の学生を狙って動き出す時期のことを、オラリオ側は眷族募集と書いて、リクルートと呼んでいる。
オラリオだけではなく学区側の協力もあって、各ファミリアの代表が派閥説明会を開き、宣伝を行うことが許されているが、その中でも学区から要請されたファミリアは、長期的な団員の出向、リクルーターの派遣が可能となるそうだ。
学生達と深く関わり、より自派閥の活動を広報することが出来るリクルーターの制度は、大手のファミリアほど適用されることが多かった。
オラリオの都市最大派閥であるロキ・ファミリアに入団希望する生徒達の数は最上級で、そのファミリアの入団を希望する生徒が多いほど学区からリクルーターとして要請されることになる為、ロキ・ファミリアの団員が学区に赴くことは少なくはない。
最初は私をリクルーターに選ぼうかと団長は考えていたようだが、それはロキ様によって却下される。
却下された理由は「下界の未知過ぎるモビタを送り出したら、学区の生徒達が怯えてロキ・ファミリアに入ってくれなくなるかもしれんやろ」というもので、それには団長も納得してしまったみたいだ。
「いきなりモビタは刺激が強すぎや、他の団員で慣らしてからにした方がええ」というロキ様の言葉が正しいと判断したロキ・ファミリア団長は、学区に送り出す団員をアキさんに決めた。
それから、オラリオに学区の学生達が現れるようになり、学区向けに商品を用意していた商業系ファミリアは喜んでいたな。
学生達を教導する立場となり、オラリオについて様々なことを学生達に教えていたアキさん。
オラリオで行う実習にも参加して、学生達を導いていたアキさんに、尊敬の眼差しを向けていた学生は多かった。
優秀なアキさんは、将来有望な学生の勧誘にも成功したようで、いずれ新たな仲間がロキ・ファミリアに増えることになるかもしれない。
ロキ・ファミリアのリクルーターとしてアキさんが選ばれたことは正解だったのだろう。
これで終わっていれば良かったで済んだんだが、学区からオリハルコンを徴収したオラリオのギルドに反発した学区の学生達が怒りの声を上げ「ギルドの横暴を許すな!」と学生闘争を始めてしまった。
学区から学生が出てくることも無くなり、学区特需を狙っていた商人達は大赤字。
それは当然オラリオの人々にも影響が出ることになる。
リクルートも中止となり、このままでは新たな仲間が増えるのは当分延期となりそうだった。
学区から眷族を募集するどころではなくなり、様々なファミリアや、稼ぎ時を失った商人達の不満も爆発し、責められることなるのは、ギルドとその長であるロイマン。
不満の声は日々高まる一方で、ギルドの職員は対応に追われて、疲れきった顔をしている者も多い。
今回の学区からのオリハルコン徴収は、ギルドの長であるロイマンとギルドの上層部が考えたことであり、ウラノス様が指示したことではなかったようだ。
今回の件をギルドの主神という立場であるウラノス様が静観していることを知り、私はこっそりと【石帽子】のスキルを用いて、ウラノス様に会いに行ってみた。
直接ウラノス様に、今回の1件をどうするつもりなのかを聞いてみたが、今回の件でウラノス様が動くつもりはないそうで「頑張れロイマン」と言っていたウラノス様は、意外といい性格をしていたな。
案外真面目なフェルズさんは「それはどうなんだウラノス」とツッコミを入れていたりもしたが、フェルズさんもロイマンを助けるつもりはないようで「まあ、ロイマンも少しは痛い目を見た方がいいか」と考えているみたいだ。
ロイマンよりも上の立場のウラノス様とフェルズさんが動くことがない為、上司からの助けは期待できなくなったロイマンは、毎日胃薬を服用し始めるほどに胃がダメージを受けているらしい。
ギルドの豚と言われる程度には冒険者に嫌われており、エルフの恥と言われるほどにエルフ達からも嫌われているロイマンに助け船を出す人は居なかった。
まあ、人は居なくても神々は違ったらしく、祭り好きな神々からの申し出があり、都市競技祭典とやらでオラリオと学区で勝負を行った結果で、互いの意見のどちらが通るかを決めることになる。
豊穣の女主人の関係者を除くフレイヤ・ファミリアが全員ディアンケヒト・ファミリア送りとなっている現在、ギルドが頼ったのはロキ・ファミリアだった。
しかし60階層への遠征を控えているロキ・ファミリアは都市競技祭典への参加を断り、絶望に染まった顔をしたロイマン。
なんてことがあったりもしたが、遠征の準備を行うロキ・ファミリア。
必要となる消耗品を集め、遠征に参加してくれないか他派閥にも打診を行い、ロキ・ファミリアは60階層へと向かう準備を行っていき、忙しく動いていたロキ・ファミリアの面々。
遠征ということで【何処扉】の使用許可もウラノス様から得ている為、一気に50階層の安全階層に移動して拠点を設営し、それから60階層にまで向かうことに決まる。
準備が完了し、ロキ・ファミリアのホームから出ることになった私は「待っとるから、ちゃんと帰ってくるんやで」と言うロキ様に、必ず帰ってくると約束します、と伝えておいた。
ロキ・ファミリアのホーム、黄昏の館、ここが私の帰る場所。
ホームで帰りを待つ最愛の女神様の前に、生きて必ず帰ると決めた私は、スキル【何処扉】を用いて形成された何処にでも繋がる扉を開けてダンジョンの50階層へと踏み込んだ。
開いた扉から物資の搬入が行われていき、全ての物資と人員が移動してから扉を閉じて消し去った私は、テントの設営を手伝い、安全階層での拠点作成を行っていく。
階層移動に費やす体力の消費が無く、時間も短縮されたことで体力には余裕があるロキ・ファミリアの面々は、テントの設営が終わると、身体の調子を確かめるように軽く身体を動かしているようだった。
私も少し、剣を振るっておくとしよう。