今回は3700文字くらいになりました
60階層への遠征、穢れた精霊の討伐が犠牲者無しで無事に終わり、今は身体を休める時間となっていたロキ・ファミリア。
今回の戦いでLv7に到達した者が更に増えたことで、ロキ・ファミリアの団員達は大盛り上がりを見せていた。
普段なら豊穣の女主人を貸し切って宴会を行うロキ・ファミリアだが、流石に精霊達も連れて向かうには手狭として、ロキ・ファミリアのホームで行われることになった大宴会。
遠征の成功と、Lv7に新たに到達した面々を祝う為、行われる宴会は凄まじく盛り上がっており、ロキ・ファミリアの誰もが笑顔で杯を掲げていた。
杯の中身はそれぞれ違うが、誰もが笑う宴会の最中、団長であるフィンさんに「お酌します団長」と言いながら酒を注いでいくティオネさん。
「これで8杯目になるんだけど、僕に何杯飲ませるつもりなのかな」
そう聞いたフィンさんに「うふふ、さあもう1杯どうぞ」としか答えないティオネさんは、餓えた獣のような眼光をしていたな。
明らかに狙われているフィンさんを見ていた精霊達が「あれは止めなくてもいいんでしょうか」と言っていたが「いつものことなのでお気になさらず」と答えていたエルフの団員達。
フィンさんがティオネさんに狙われているのは、ロキ・ファミリアの団員達なら誰もが知っていることだ。
私は膝の上にロキ様を乗せておき、私に近付く精霊達に威嚇の声を上げるロキ様をひたすら甘やかして落ち着かせていた。
ロキ様の飲食を手伝い、姫のように扱って甘やかしていた私は、ロキ様以外を伴侶にすることはないと伝えて安心させる。
なんてことがあった宴会も終わり、風以外の様々な属性の精霊達が住まうようになっていたロキ・ファミリアは、賑やかさが増しており、空き部屋が急速に埋まった黄昏の館。
エルフを超える魔法を用いることが可能な種族とされる精霊は、神々が下界に遣わした分身のような存在であり、人々を守る為に英雄達に力を貸したと言われている。
かつて風の大精霊アリアの力を借りた大英雄アルバートが、その命と引き換えに黒竜の片眼を奪い、追い返したことは伝説となり現在にも伝えられていた。
ゼウスとヘラのファミリアでも相手にならなかった黒竜に対し、明確な傷を負わせたのは過去の大英雄アルバートだけだ。
授かった神の恩恵だけではなく、精霊の力も借りなければ、黒竜には勝てないのかもしれない。
穢れた精霊に取り込まれていた大勢の精霊達を解放した私に、精霊達は感謝を伝え、私が所属するロキ・ファミリアに力を貸すことを約束してくれた全ての精霊達。
大精霊も含む大勢の精霊達がロキ・ファミリアに力を貸すことを約束してくれたのは、間違いなく幸運と言えるだろう。
そんなことを考えながらも日々を過ごし、ステイタスがSの999まで極まった私は、Lv8へとランクアップをさせてもらうことにした。
Lv8で発現可能な発展アビリティは、蓄力、掃射の2つとなっていたが、私は蓄力を選んでみる。
行われたランクアップにより、新たに更新されたステイタスを紙に写してくれたロキ様。
Lv8
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
射撃:A
耐異常:B
連射:C
疾走:C
狙撃:E
魔弾:H
蓄力:I
《魔法》
【ガンスミス】
【ストリングビーム】
【シネマティッククリエイト】
《スキル》
【風に愛されし者】アイズに貸し出し中
【樹木の友】
【竜の温泉】
【雪解けの癒し】
【誕生せしは日出ずる国】
【山の心】
【小人との友情】ティオネに貸し出し中
【白銀の剣】
【牧場物語】
【恐竜との絆】
【超越存在と繋ぐ手】
【犬人との出会い】アキに貸し出し中
【再会の約束】ガレスに貸し出し中
【斉天大聖】
【心の友は音響兵器】
【獣の惑星】
【海底散歩】
【神樹の実】
【夢幻の剣士】
【封印の剣】
【月光の狼】ベートに貸し出し中
【死が別つまで】
【名刀電光】
【名のある探偵】
【寄生浄化】
【反射外套】
【月の兎】
【銃の名手】
【飲料変化】
【単独勝利】
【飼育大臣】
【宇宙錠剤】
【異能貸出】
【名医鞄】
【北風食卓】
【携帯食料】
【改良山彦】
【猟豹加速】
【電撃石槍】フィンに貸し出し中
【超手袋】
【大寒波扇】
【小雷雲】
【衝撃銃】
【適応灯】フィンに貸し出し中
【黄金甲虫】
【豪華怪盗】
【時風呂敷】
【飛行絨毯】
【千里眼池】
【石帽子】
【火精炎焼】リヴェリアに貸し出し中
【取寄鞄】
【着替写真機】
【何処扉】
【竹飛翔】リヴェリアに貸し出し中
【不思議風使】ティオナに貸し出し中
【完璧猫型】ラウルに貸し出し中
【魔界大冒険】
・魔界で行った大冒険
・遠距離武器による攻撃時、発射したものを巨大化することが可能
・魔法スロットには含まれない魔法【チンカラホイ】の使用が可能となる
ランクアップした時に、新たなスキル【魔界大冒険】と書いて、そのまま「マカイダイボウケン」と読むスキルが発現していたが、これは魔界と呼ばれる場所で冒険し、魔界の主を私が倒したことが切っ掛けで発現したスキルかもしれない。
遠距離武器による攻撃時に、発射したものを巨大化することが可能になる効果は、のび太が新・魔界大冒険で魔王デマオンの心臓をビックライトで巨大化した銀のダーツで破壊したことが元になった効果だろう。
【チンカラホイ】は、のび太がもしもボックスで魔法の世界になったら、と願って変えた世界で、のび太が使えることになった魔法だ。
しかし重いものには使えないのび太では、しずかちゃんのスカートを捲るくらいにしか使えていなかったな。
「魔法スロットに含まれない魔法ってところが気になるところやな。ちょっと試してみるのも悪くないやろ」
そう言ったロキ様と一緒に中庭に向かった私は、スキル【魔界大冒険】で使えるようになった【チンカラホイ】を試してみることにして、詠唱式が無い魔法の魔法名を唱える。
「【チンカラホイ】」
目の前の小石を見ながら魔法名を唱えた瞬間、持ち上がった小石。
魔界大冒険の世界で、全ての魔法の基本となる物体浮遊は成功。
「【チンカラホイ】」
再び唱えた魔法で、小石を浮かび上がらせて、他の小石にぶつける物体操作も成功した。
どの程度の重量までなら浮かせて操れるのか試してみたが、人間1人程度の重量なら軽々と浮かせて操ることが可能で、馬車並みに大きなものでもなんとか浮かせて操ることは出来るようだ。
【チンカラホイ】と唱えるだけで物体を浮かせて操ることが可能な魔法が新たに使えるようになったが、使える手札が増えたのは悪くない。
その後、ロキ様に頼まれて【チンカラホイ】でロキ様を浮かせて操り、低空飛行で空を飛ばせてみたりもしたが「空を飛ぶ絨毯ともまた違って、中々面白かったで」と喜んでいたロキ様。
空飛ぶロキ様を見ていたティオナに「あたしも空飛びたい」と頼まれて、再び【チンカラホイ】を唱えた私はティオナを浮かび上がらせてから操り、空を飛ばせてみた。
「空を飛ぶのって面白いね!」
笑顔で喜ぶティオナには、それからも度々頼まれて、空を飛ばせることになったが、楽しげなティオナを見ていたアイズさんが「その、わたしも空を」と言ってきたりもしたが、どうやらアイズさんも空を飛ぶことに興味があるらしい。
何回もティオナに空を飛ばせていた私は、浮かせた相手を操ることに慣れていたので、アイズさんにも空を飛ばせてみる。
空中で空を飛ぶアイズさんは眼を輝かせていて、そんなアイズさんの背後に満足気に腕を組んで頷く幼女なアイズさんが見えた気がした。
まあ、楽しんでくれたのなら良かったと言えるな。
【チンカラホイ】を用いて物体を浮遊させ、自在に操ることが可能となったところで、今度は1つの物体だけではなく複数の物体が操れないか試した結果、少しずつ増えていった操れる物体の数。
訓練することで出来ることが増えていく【チンカラホイ】の魔法。
今では人間大の物体なら、10の数を自在に浮かせて操ることが可能となった。
これで10人程度なら自在に浮かせて操ることが出来るが、動けない状態の相手を緊急避難させることも不可能ではない。
様々な使い道がありそうな【チンカラホイ】の魔法が使えるようになったのは、きっと良いことだろう。
それにしても劇場版の題名が、そのまま変わらずスキル名になったのは、今回の【魔界大冒険】が初めてかもしれない。
【チンカラホイ】ばかりに気を取られていたが、もう1つの効果は、まだ試していなかったな。
そう考えた私は無詠唱魔法【ガンスミス】で出したリボルバーを空に向けて構え、弾丸を発射すると同時に【魔界大冒険】のもう1つの効果を発動。
遠距離武器による攻撃時、発射したものを巨大化することが可能な効果によって、放たれた1発の弾丸は巨大化していき、凄まじく巨大な弾丸が空へと飛んでいく姿が見えた。
星のようなデマオンの心臓を破壊した巨大な銀のダーツが元になった効果であったからか、巨大化した大きさが半端ではない弾丸。
オラリオのバベル並みの大きさの弾丸が、通常の弾丸と同じ速度で飛び、しかも撃った感じからして連射することも可能だ。
放たれた弾丸が空を飛んでいる最中に、弾丸自体を素早く消したので騒ぎにはならなかったが、こんなとんでもない弾丸を気軽にダンジョンで放てば、ダンジョンの大破壊が起きて、ジャガーノートが発生してもおかしくはない。
こちらの効果は、間違いなくダンジョン内では使ってはいけない効果になるな。