才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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思い付いたので更新します
本日2回目の更新になりますが、今回は4500文字くらいになりました
次回辺りで最終話になりそうです


隻眼の黒竜

銃口から放たれた弾丸は巨大化し、バベル並みの大きさとなり、黒竜へと迫る。

 

並みのモンスターであれば、容易く潰されるほどに巨大な弾丸。

 

大質量でありながら通常の弾丸と同じ速度で飛来したそれが、黒き竜の顔面へと叩き込まれたが、弾丸は弾かれてあらぬところへと飛ぶ。

 

弾かれた弾丸による被害が出る前に弾丸を消した私は、精霊の力を乗せずに放った攻撃にどれだけの威力があろうと黒竜には通じないと確認することに成功。

 

まだ誰とも契約していない精霊達と契約するように学区の教師陣と異端児達にフェルズさんとテリアに伝え、今度は精霊の力を乗せた弾丸を放つ。

 

凄まじく巨大化した弾丸の全てには精霊の力が行き渡ってはいないが、今度は弾かれたりしていない巨大な弾丸。

 

それは黒竜の身体に衝撃を叩き込むことはできているみたいだが、ゴム弾を撃たれたかのように痛みだけを黒竜に与えているようだった。

 

痛いだけで死ぬような柔い怪物ではない黒竜を倒す為には、接近して攻撃を叩き込む必要がある。

 

遠くから拳銃を撃っているだけで終わったなら、とても楽で良かったが、どうやらそうもいかないらしい。

 

近接武器を持つ者達には精霊の力を得物に纏わせるように伝え、魔導士達には魔法に精霊の力を追加して放つように言い、前に出た私は剣を片手に駆け出す。

 

そんな私を追うように細剣を片手に走るアイズさんは「【起動、復讐姫】」と魔法とスキルを同時に発動し、黒き風を纏いながら黒竜へと斬りかかった。

 

アイズさんの精霊の風以外にも、炎、氷、雷、土、光、闇、様々な属性の精霊の力を乗せた得物が黒竜へと突き立てられて、その身体に傷を付けていく。

 

精霊の力は確かに黒竜へと有効だが、その命までには届いていない。

 

流石に此方のスキルによる自己強化までは無効化してこないが、精霊の力以外は効いていない黒竜。

 

黒竜の放つ豪火や火炎弾は、高温に適応している私達なら問題ないが、黒竜の通常の攻撃は此方に通用する為、前線で戦っていた面々は何度かフェルズさんの治療魔法と、私のスキル【雪解けの癒し】の世話になることになる。

 

黒竜が放つ強力な汚染瘴気にも【適応灯】で適応していた私達は、治療魔法の効果を阻害されることはなかった。

 

「【終末の前触れよ、白き雪よ】」

 

「【祝福の禍根、生誕の呪い。半身喰らいし我が身の原罪】」

 

前線で私達前衛が戦っている間に、後衛の魔導士達は魔法に精霊の力を乗せて、詠唱を続けていく。

 

「【黄昏を前に風を巻け】【閉ざされる光、凍てつく大地】【吹雪け、三度の厳冬、終焉の訪れ】【間もなく、焔は放たれる】」

 

「【禊はなく。浄化はなく。救いはなく。鳴り響く天の音色こそ私の罪】」

 

Lv7とLv9の2人が並んで行う魔法の詠唱は止まらない。

 

「【忍び寄る戦火、免れぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む】」

 

「【神々の喇叭、精霊の竪琴、光の戦慄、すなわち罪過の烙印】」

 

長大な詠唱、莫大な魔力。

 

その魔法は精霊の力を借りて、更なる力を得る。

 

「【至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり】」

 

「【箱庭に愛されし我が運命よ、砕け散れ。私は貴様を憎んでいる】」

 

2名の魔導士によって紡がれる呪文。

 

「【ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを】」

 

「【代償はここに。罪の証をもって万物を滅す】」

 

終わりが近い詠唱に高まる魔力が、解き放たれる時を待つ。

 

「【焼きつくせ、スルトの剣、我が名はアールヴ】!!」

 

「【哭け、聖鐘楼】」

 

完了した詠唱。

 

あとは魔法名を唱えるだけで魔法は放たれる。

 

前衛全員が瞬時に退避を行い、魔法の通り道を開けた。

 

「【レア・ラーヴァテイン】!!」

 

火精霊と契約し、力を借りたことで更に火力を増した巨炎が黒竜の真下から立ち昇り、獄炎の柱と化す。

 

火精霊の力が宿る獄炎に焼かれ悶える黒竜へと、間髪入れずに行われる追撃。

 

 

「【ジェノス・アンジェラス】」

 

砕けた大鐘楼から放たれた滅界の咆哮は、光の精霊の力が上乗せされたことで向上した威力を発揮し、黒竜の片足を完全に潰したようだ。

 

明らかに弱った黒竜へと前衛が更に叩き込む攻撃。

 

戦いの最中、決定打となるものが足りないと思った私は剣を振るいながら詠唱を開始。

 

「【出会いと別れ】【様々な大冒険】【これまで僕達が歩んできた道のりを示そう】」

 

行動を行いながら詠唱を行う並行詠唱の技術は既に習得している。

 

「【時を超えて、世界を超えて】【今ここに僕達は居る】」

 

契約した精霊の力も組み合わせながら続ける並行詠唱。

 

「【出会ってきた全てを】【今、創造の力に変えて解き放つ】」

 

詠唱が完了し、魔法名を唱えるだけとなった時、創造するものは既に決めていた。

 

「【シネマティッククリエイト】!」

 

私の魔法によって創造されていくのは、鉄人兵団に登場した1体のロボット。

 

瞬く間に創造されたザンダクロスと呼ばれる巨大なロボットに、目の前の黒い竜をぶっ飛ばせ、と命じた私の命令に従って動き出したザンダクロスの拳が叩き込まれて、吹き飛んだ黒竜。

 

「なんだいアレは?」

 

驚いた様子で聞いてきた団長に、私が魔法で創造したゴーレムみたいなものですね、味方ですよ、と言っておくと「味方ね。なら心強い援軍だと思っておくよ」と切り換えた団長は判断が早い。

 

【シネマティッククリエイト】で創造されたザンダクロスは、本物のザンダクロスではないが、精霊の力も用いた私の魔法で創造されたザンダクロスの攻撃は、黒竜にも通用する。

 

私がザンダクロスに指示を出し、前衛とザンダクロスで連携して攻撃を叩き込んでいくと黒竜はザンダクロスを集中して狙うようになった。

 

黒竜とザンダクロスが真正面から衝突し、発生した凄まじい衝撃波にザンダクロス以外の前衛が吹き飛ばされた時、砲撃だ、と指示を出した私に従ったザンダクロスは腹部のレーザー砲で黒竜に砲撃を行う。

 

高層ビルすらも破壊するザンダクロスの砲撃が至近距離で直撃し、黒竜は大きなダメージを受けていたようだ。

 

それでも怪物である黒竜の動きは止まらずに、次々と前衛の負傷者が増えていく。

 

「【チンカラホイ】」

 

そう唱えて負傷者達と自分自身を浮かせて後方に運んだ私も、複数の肋骨と両足がへし折られていて、今すぐは戦闘に参加出来そうにない。

 

魔法【シネマティッククリエイト】で創造したものは一定時間で消える為、ザンダクロスが消え去る時間が近付く最中、何の指示も出していないのに黒竜を両腕で押さえ込んだザンダクロス。

 

消え去るまでは黒竜の動きを止めておく、と覚悟を決めたザンダクロスの行動に奮起した残る前衛が黒竜へと突撃していく姿を見ていた最中、腰のベルトに差していたクロッゾの魔剣が震えた。

 

今こそ使え、と言わんばかりに震えるクロッゾの魔剣を手に取った私は、発展アビリティ魔弾の効果でクロッゾの魔剣を弾丸に変え、無詠唱魔法【ガンスミス】で形成したリボルバーの弾倉に赤い銃弾を装填する。

 

精霊の血を授かり、魔剣を作れるようになったクロッゾが作成する魔剣には、精霊の力が込められている為か、赤い魔弾に精霊の力を上乗せしていくのは容易いもので、高まる精霊の力。

 

それを私の新たな発展アビリティ蓄力を用いて蓄力していき、高まった精霊の力を更に強力にしていく。

 

これ以上ないほどに強まった精霊の力を乗せた赤い魔弾が、魔法銃の銃口から放たれた。

 

ザンダクロスに取り押さえられた黒竜へと着弾した赤い魔弾は、凄まじい勢いで大爆発し、黒竜とザンダクロスの上半身を完全に破壊した。

 

ザンダクロスに感謝し、黒竜がもう動かないことを見届けてから、精神力の消費が限界だった私は意識を失う。

 

しばらくして目覚めた時、私の身体はすっかりと治療されていて痛いところは、もう何処にもない。

 

治療してくれたフェルズさんに感謝を伝えた時、何故かテリアに喧嘩を売ってぶっ飛ばされていたレオンさんが見える。

 

呆れた様子でレオンさんを治療しにいくフェルズさんを見送り、黒竜のドロップアイテムを持ち帰る方法を考えていた団長達の輪に私も加わってみた。

 

その後、スキル【何処扉】を用いてオラリオに戻った私達は、黒竜を倒した英雄として迎えられることになり、ロキ・ファミリアとは違って黒竜討伐には全く参加していなかったフレイヤ・ファミリアの評価が、凄まじく下がったりもしたようだ。

 

名実共に最大手で最強のファミリアとなったロキ・ファミリアは、今回の戦いに参加した全員がランクアップ可能になっていたらしい。

 

私以外にもLv8にランクアップした団員が、新たに7名増えて、私もLv9にこれからランクアップさせてもらうところだ。

 

発展アビリティは射手しか発現しないようなので、それを選び、ロキ様によって行われたランクアップ。

 

Lv9

 力:I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

 射撃:A

耐異常:B

 連射:C

 疾走:C

 狙撃:E

 魔弾:H

 蓄力:I

 射手:I

 

《魔法》

 

【ガンスミス】

 

【ストリングビーム】

 

【シネマティッククリエイト】

 

《スキル》

 

【風に愛されし者】アイズに貸し出し中

 

【樹木の友】

 

【竜の温泉】

 

【雪解けの癒し】

 

【誕生せしは日出ずる国】

 

【山の心】

 

【小人との友情】ティオネに貸し出し中

 

【白銀の剣】

 

【牧場物語】

 

【恐竜との絆】

 

【超越存在と繋ぐ手】

 

【犬人との出会い】アキに貸し出し中

 

【再会の約束】ガレスに貸し出し中

 

【斉天大聖】

 

【心の友は音響兵器】

 

【獣の惑星】

 

【海底散歩】

 

【神樹の実】

 

【夢幻の剣士】

 

【封印の剣】

 

【月光の狼】ベートに貸し出し中

 

【死が別つまで】

 

【名刀電光】

 

【名のある探偵】

 

【寄生浄化】

 

【反射外套】

 

【月の兎】

 

【銃の名手】

 

【飲料変化】

 

【単独勝利】

 

【飼育大臣】

 

【宇宙錠剤】

 

【異能貸出】

 

【名医鞄】

 

【北風食卓】

 

【携帯食料】

 

【改良山彦】

 

【猟豹加速】

 

【電撃石槍】フィンに貸し出し中

 

【超手袋】

 

【大寒波扇】

 

【小雷雲】

 

【衝撃銃】

 

【適応灯】フィンに貸し出し中

 

【黄金甲虫】

 

【豪華怪盗】

 

【時風呂敷】

 

【飛行絨毯】

 

【千里眼池】

 

【石帽子】

 

【火精炎焼】リヴェリアに貸し出し中

 

【取寄鞄】

 

【着替写真機】

 

【何処扉】

 

【竹飛翔】リヴェリアに貸し出し中

 

【不思議風使】ティオナに貸し出し中

 

【完璧猫型】ラウルに貸し出し中

 

【魔界大冒険】

 

【鉄人兵団】

・鉄人の兵団

・ロボットの修復が可能になる

・鏡面世界へと移動することも、鏡面世界から戻ってくることも可能

 

新たに発現していたスキル【鉄人兵団】と書いて「テツジンヘイダン」と読むスキルは、ザンダクロスを呼び出して共に戦ったことが切っ掛けで発現したスキルの筈だ。

 

「また妙なスキルが発現しとるやないか」

 

私の新たにスキルに頭を悩ませていたロキ様。

 

「まあ、モビタ達が無事に帰ってきてくれて、ほんまに良かったわ」

 

それでも笑って、そう言ってくれたロキ様を抱きしめた私は、そういえばロキ様と私は結婚していても結婚式を開いていませんでしたね、と言うと、結婚式を開いてみませんか、とロキ様に聞いてみた。

 

「そんなにうちがウエディングドレス着た姿が見たいんか?」

 

ロキ様からの問いかけに、最愛の女神様がウエディングドレスを着た姿は見たいですね、と正直に答えた私は嘘を言うことはない。

 

「しゃーないなあ、伴侶の望みは叶えておくのが、夫婦やからな」

 

仕方ないなと言わんばかりな口振りだが嬉しそうな顔をしているロキ様も、結婚式を開きたいと思っていたのかもしれない。

 

そんなロキ様が大好きな私は、いい結婚式にしましょうね、とロキ様に笑いかけた。

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