そして遅くなりましてスミマセンでしたm(__)m
再試やらなんやらで時間が取れませんでした。このままでは夏休み中にALO編まで辿り着けるかどうか…今回段落をいつもより開けました。以前のが何か読みにくく感じたので…
それではどうぞ
あの決闘後キリトは血盟騎士団に入団したが一日も経たない内に辞めてしまったらしい。何があったのか気になったがキリトの様子からあまり触れて欲しく無い話題なのだと分かったので聞いていない。
キリトが血盟騎士団を辞めてから数日後、俺の元にメッセージが届いた。送り主はキリトであった。
『…あいつからメッセージが来るときはろくでもない要件に違いない。』
前回の件でそんな偏見を抱いた俺だが結局メッセージを読んでしまった。
『タツヤ急な話なんだけど。俺とアスナ結婚したんだ。それで知り合いだけでパーティーしようって話なんだけど明日大丈夫か?』
「…なんだ結婚パーティーの誘いかよ。面倒ごとじゃなくてよかった…」
また厄介事かと思った俺は安心する。それにしても結婚パーティーか……
「……って結婚!?」
い、いつの間にそんな急展開が起きたんだ。てか結婚って早すぎだろ!お前ら何歳だよ!…俺よりは年下だよな?
「つか結婚パーティーなんかやったら修羅場にならないか?」
おそらくはキリト達は他の連中も呼ぶだろう。クラインにエギル、そしてサチやシリカ、リズベットといったキリトに好意を向ける連中も…そいつらが結婚なんて先駆けをしたアスナにどんな反応をするのか…普段は温厚な奴らだが正直どうなるかは分からない。友情に亀裂が入ってしまうかも…
本音を言えばそんな修羅場になる可能性があるパーティーには行きたくないが…
「まあ、お祝いぐらいはしてやらなきゃな…」
こんな世界だからこそせめて俺たちぐらいは祝ってやらないと…今まで苦労してきた分くらいは良い思いをしたっていいはずだ。
「さて…結婚祝いには何がいいだろうか?」
生憎結婚祝いなんて送ったことが一度も無い俺は知り合いに聞きに行くのであった。
「というわけで結婚祝いって何を送ればいいんだ?」
「そうだな…」
俺が相談した相手防具屋《プトレマイオス》の《バルトス》はその綺麗に整えた顎髭を擦りながら答えた。
「俺は親友の結婚祝いにデパートの結婚祝いギフトてのを買ったが…ここにはそんなの無いからな。調理器具はどうだ?」
「あいつが持ってない調理器具なんて考え付かないんだが…」
実際あいつの部屋には調理器具がたくさん置いてあったからな。持っていない調理器具なんて無いのではないだろうか。持っていってもあいつらは嫌な顔はしないと思うがどうせ送るなら喜んで貰いたい。
「なら食器なんてどうだ?食器なら多くてもそんなに困らないだろ?」
「確かにそうだな。…でも結婚祝いが食器だけなんてちょっと安くねえか?」
俺がそう言うとバルトスは呆れたような表情になった。そして俺を諭すように口を開いた。
「あのな、こういうのは金額より気持ちが大事なんだよ。どんなに高価な物でも相手のことを考えていない贈り物は相手を困らせるだけだ。お前が考えて一番良いと思った贈り物なら相手も喜んで使ってくれるだろうさ」
…さすが大人の男だ。人生の場数が俺なんかとは比べようが無い。驚くべき説得力だぜ。
「…そうだな。ちなみに良い食器を売っている場所って知ってるか?」
「ああ。50層にいる知り合いがやっている雑貨屋がある。そいつには一応伝えておくから行って来い」
「助かる。それで場所は…」
俺は店から出て店主から聞いた場所に向かった。
「いらっしゃいませ!小さい店だけどゆっくりしてってね」
そう優しく微笑んで言ったのはこの雑貨屋の店主《サクラ》さん…黒髪を背中まで伸ばした20歳前半位の女性である。バルトスとは飲み仲間らしいが正直この人とあの厳ついおっさんが一緒に飲んでいるところなんて想像つかないのだが…
「知り合いの結婚祝いなのよね?なら大皿かペアの小皿がいいと思うわ」
「そうですね。じゃあちょっと見させて貰っていいですか?」
俺がそう言うと店の端の方に連れて行かれる。そこには数こそ多くはないが様々な種類の皿が置いてあった。
どれも形はシンプルであるが綺麗な色で彩られていている。結構迷うな…あいつらにはどれがいいだろうか?
考えていると唐突にサクラさんが口を開いた。
「でも結婚か~。やっぱり憧れるわね」
「そんなもんですか?」
「えぇ、やっぱり女の夢だもの」
彼女も結婚に憧れる年頃なのだろう。こんな事件に巻き込まれなければ今頃はお見合いでもして彼氏の1人位出来ていたのかもしれないな。…話が逸れてしまった。今はあいつらへの贈り物を探している最中だった…
「…これとかいいかも」
俺の目に入ったのは白色の模様が描かれた黒色の小皿と黒色の模様が描かれた白色の小皿であった。あの模様は確か…唐草模様だったか?おそらくはペアの小皿だろう。
「それでいいのね?」
「えぇ、これが一番あいつらっぽいので…」
俺の中ではキリトは黒色でアスナは白色のイメージがある。…まあ、完全に服装のせいだとは思うが。でもこの皿はあいつらにピッタリだと思う。ここを紹介してくれたバルトスに改めて礼を言わなくてはな。
そんな事を考えているとサクラさんがニコニコとこっちを見ている…いったいどうしたのだろうか?
「あの…どうかしましたか?」
「ううん。あなた凄い真剣な目で商品を見てたからその人達のこと大事に思っているんだな~って思って」
俺はそんな目をしていたのだろうか?自分では全く気が付かなかったが。大事に思っているか…あの頃の俺では絶対にそんな思いを抱くことは出来なかっただろう。…やはり俺は変わったのだろうか?あの頃の俺から…
「…まあそれなりには。知り合いですから」
「ふ~ん。やっぱりあの人が言った通りの子ね」
あの人とはおそらくバルトスであろう。いったいこの人に何を吹き込んだのか?…碌でも無いこと吹き込んでんじゃねえだろうな?
「あいつは何て言ってましたか?」
「そうね…口が悪くて無愛想…だけど自分よりも他人のことを思いやれる優しい奴だって」
「あのおっさん…何言ってんだか…」
バルトスが吹き込んだ内容に頭が痛くなる。あのおっさんこんなこと他の奴にも吹き込んで無いだろうな…後で問いただしてやる!…大体俺は自分より他人を思いやっているわけではない、自分なんかよりも優先するべき奴らがいるだけのことだ。
「それともう一つ…もう少し自分のことを大切にして欲しいって。あまり心配させてはいけないわよ」
あのおっさん…柄でも無いこと言いやがって。どうやら思ったより心配をかけさせてしまったらしい。ますますあのおっさんには頭が上がりそうに無いな…
「…善処しときます」
「よろしい!って言いたいけどあまり期待できそうには無い答え方ね」
そう言って困ったような表情で考え込んでしまった。しばらくすると何かを思いついたようで俺にある提案をしてきた。
「なら私と約束してくれる?無茶をしないで…とは言わないわ。でも無事に戻って来て。このお皿の代金は現実の方で頂くわ」
「え?でも…」
「反論は聞きません。絶対にお代は頂くからね」
最初は気付かなかったがなかなか強情な人だ。全く…なんで一回しか会ったことのない人間にそこまで出来るのか?
「…分かりました」
「よろしい!お姉さんとの約束よ!」
俺がそう言うと最初に会った時よりも笑顔で彼女はそう言った。向こうの提案を聞いたんだ。こっちだって1つぐらい聞いてもいいだろう。俺は先ほど感じた疑問を彼女に聞いてみることにした。
「1つ聞いてもいいですか?」
「えぇ、いいわよ」
「なんでそこまで俺のこと気にかけてくれるんですか?俺達さっき会ったばかりですし、お互いのことほとんど知らないんですよ」
俺がそう言うと少し考えるような素振りをしてから答えてくれた。
「ほっとけないって思ったからかな…」
「…?ほっとけない?」
「うん。最初はねバルトスから頼まれたの、ほっとくと一人でどっかに消えちゃいそうな危なっかしい奴だから出来れば気にかけてくれって」
「あのおっさんそんなことも言ってたのかよ…」
一体どう見たら俺がそんな人間に見えるだろか?あのおっさんは少しばかり心配性過ぎだ…
「でも最初はそんなに気にかけるつもりは無かったの。いくら彼の頼みでも一回来るだけのお客さんにそこまでする必要なんて無いと思ったし、それに出来ればって言ってたから…」
冷たい人間よね…そう言ってサクラさんは俯いてしまった。でも確かに次に会う機会の無い人間のことなんて普通は気にしない。何度も顔を合わせているのに未だに攻略組全員の名前覚えて無い俺と比べればサクラさんはそれほど冷たくはないであろう。
「でもあなたを見たとき一目でほっとけないと思ったの。強がりで憎まれ口ばかり叩くけど繊細で人に心配ばかりかける。そうね…例えるなら出来の悪い弟がいればこんな感じなのかな~」
「そ、そうですか」
弟にしては大きいとは思うけどね…と彼女は言った。しかし出来の悪い弟って…言った本人に悪気は無いと思うが、せめて出来の悪いって所は抜いてくれよと思った俺は決して悪くはないであろう。
「だから絶対さっきの約束守ってね。無事に現実で会えることを楽しみにしているから」
年長者特有の綺麗な笑顔でそう言うサクラさん。俺はその笑顔を向けられて急に恥ずかしくなってしまう。…やっぱり年上の女性の笑顔は苦手だ。向けられただけで顔が沸騰しそうな程熱くなって平常心でいられなくなってしまう。
「え、ええ。じゃ、じゃあ俺ちょっと用事があるんで、今日はありがとうございました」
そう言ってそそくさと俺は店から出ていく。これ以上ここにいたらテンパって何かやらかしてしまうかもしれない。
「ちょっと待って!お皿忘れているわよ!」
しかしその言葉で俺は再び顔を真っ赤にして店の中に戻っていたのであった。
「ちっくしょー!何でキリトの奴ばっかりモテモテなんだよ!俺も出会いが欲しい~!!」
「まあまあ。祝いの席でそんなこと言うなって」
22層のキリトとアスナのホームには思った通りの人がいた。クラインは酒を飲みながら愚痴りそれをエギルが宥めている。そしてクライン…あんたのそういうところが原因だと思うぞ。普段の頼れる兄貴肌はどこに行ってしまったのか…彼の結婚までの道のりはまだ遠い。まぁ、俺が言えたことではないが…
「アスナ(さん)おめでとう(ございます)!!」
「ありがとう!リズ!サチさん!シリカちゃん!」
意外だったのは女子陣であった。修羅場にはならずに和気あいあいとした空気が流れている。彼女たちはキリトのことは諦めたのか、それとも現実での第2ラウンドに賭けているのかは俺には分からないが、どっちにしろピリピリした空気よりはこっちの方がいい。アスナもいい友達を持ったんだな…そんな柄でも無いことを考えてしまった。
どうやら今はこれまでキリトが行ってきた無茶についての話題で盛り上がっているようだ。キリトは気まずそうな表情をしている。あ、こっちに来た。
「よう!新婚ホヤホヤの片割れ」
「まさかこんなパーティーになるとは…もっと静かで穏やかなものになると思ったのに…」
そんなパーティーにするなら完全にお前らの人選ミスだよ。この面子でそんなパーティーが出来るわけないだろう。
「オイ!キリト!お前あんな美人な奥さん作ったうえにあんな可愛い子たちと知り合いなんて!その女運少し寄越しやがれ!」
「や、やめろクライン!首が…首が絞まってる…エギル…助けてくれ…」
そして酔っぱらったクラインに絡まれるキリト。首にクラインの腕が見事に極まっていて苦しそうだ。まあこの世界では窒息なんてことは無いがそこは気分の問題であろう。
「悪いなキリト…今日のそいつは誰の手にも負えない…」
「じゃあ…タツヤ…頼む…」
確かに今日のクラインを相手にするのは骨が折れそうだ。それに…
「悪いけどお前の自業自得だ…諦めな」
「そ、そんな…」
クラインの言葉はこのアインクラッドに暮らす男性プレイヤーの総意であろう。唯でさえ女性の割合が少ないこの世界でこれほどの女子を侍らす…これを知った男性プレイヤーは怒り狂ってキリトを襲うのではないだろうか。
まあクラインの奴もある程度やったら気が晴れるだろう。
そんな賑やかな時間は刻々と過ぎていきパーティーもお開きになった。
各々自分のホームに帰っていく中、俺は結婚祝いの品をキリトとアスナに渡していた。他の奴らは俺が到着するよりも前に渡していたらしい。
「これ結婚祝いの品…」
「「あ、ありがとう」」
二人そろって驚いた顔で俺を見てくる。まさか結婚祝いを持って来ないような非常識な奴だと思ってたのか?
さすがにそこまで非常識だと思われていると些か傷つくな…
「綺麗なお皿…ありがとう」
そう微笑むアスナ。どうやら気に入って貰えたらしい。良かった、良かった。
「あとさ…その…」
「?どうしたんだタツヤ?」
少し待ってろよキリト!こんな恥ずかしい台詞言うのには心の準備がいるんだよ!落ち着け、落ち着け……
よし!準備完了!
「俺が言えたことでは無いけど、末永くお幸せに」
俺の言葉に二人とも固まってしまった。…やっぱり言わなかった方が良かったかな?あーあ、スゲー恥ずかしい!
「「…ありがとう」」
しかし彼らは嬉しそうな表情で俺に感謝の言葉を返してくれた。あいつらのそんな表情を見ると言って良かったと思える。じゃあとっとと二人きりにしてやろう。
「じゃあ俺帰るわ」
そう言って俺は転移門に向けて歩き出したのであった。
『大変です!《ミナ》と《ギン》と《ケイン》が私がいない間に狩りに行ったらしくて今捜している最中なんですけど見つからなくて…お願いします!助けてください!』
「あいつら…!勝手に狩りに行くなとあれほど…!」
そんなパーティーから数日経った日75層のフィールドにいた俺はサーシャさんからのメッセージを貰って転移門に向かって走っていた。あの餓鬼共…!後できつく言っとかないとな!
始まりの町といっても広い。とにかく最初は教会に行き詳しく話を聞いてからどこを捜せばいいか考えよう…
ようやく転移門が見えてきた…
「転移!《始まりの町》!」
そう唱えると俺の周りが光り、始まりの町に着く。すると俺はサーシャさんがいる教会に向けて走り出すのであった。
結果から言わして貰うと俺の出る幕は無かったようだ。狩りに出かけて行ったという子供たちは無事に戻って来ていた。俺はその子供たちに怒ろうと思っていたのだが、サーシャさんに怒鳴られて泣きそうになっている姿を見て止めることにした。あれに俺まで入ったら大泣きしてしまいそうだ、それはさすがに大人げないと思う。それにしても…普段温厚な人ほど怒らせたら怖いというのは本当らしい。
そんなことを思っていたのだが、俺は教会にはいるはずのない二人組の姿を見て驚いた。まあ向こうも俺がこんな所にいることに驚いているようだが…
「…何でキリトとアスナがここにいるんだ?」
その二人組とは新婚ホヤホヤのキリトとアスナであった。
どうやら子供たちは狩りに行こうとしたら運悪く《軍》の徴税部隊に見つかってしまったらしく、その時に偶々こいつらが助けてくれたらしい。その後こいつらは教会に用があったらしくそのままついて来たようだ。
「あぁ、それはこの子の事を聞こうと思って…」
そう言ってキリトは背中で眠っている子供をこちらに見せた。長い黒髪に前髪は眉毛の辺りで真っすぐ切られている少女であった。おそらく8歳か9歳位だろう。その子のことでこの教会を訪ねたってことは…
「その子は迷子か…」
「あぁ、22層の森で見つけたんだ。近くには誰もいなかったから始まりの町で子供たちを保護している人がいるって話を聞いて、その人ならこの子のことを知っているかもしれないと思ったんだけど…」
どうやらその言い方では収穫は無かったらしい。サーシャさんが知らないということは少なくともこの町にいた子供では無いのだろう…しかしそれだけでは情報不足だ。この情報だけで保護者を見つけるのはどこかの高校生探偵や探偵王子でない限り不可能だ。
そんなことを考えていると女の子の目が覚めたようだ。
「ママー、パパー、ここ何処?」
「……お前ら…迷子の子供にそんな風に呼ばせているのか?」
「「ち、違うって(わ)」」
もしそうなら少しあいつらと距離を取りたいところだったがどうやら違ったらしい。…良かった、あいつら結婚の次は子供が欲しくて迷子の子にそんなことさせているのだと思ったぜ。
「記憶喪失?」
「あぁ、俺たちは森で見つけたこの子をホームに連れて行ったんだけど、この子は起きた時には何も覚えていなかったんだ。記憶があれば保護者のことを聞けるだろ?ママとパパというのは俺たちの事を好きに呼んでくれって言ったらそうなったんだよ」
確かにそうだ…直接本人に保護者のことを聞ければこんな所まで来る必要なんて無いからな。記憶喪失の少女か…ほっとけないが手がかりが少なすぎるな…そんなことを考えていると偶然その少女と目が合った。するとその子は泣き出しそうな目でこちらを見てきた。え?!俺ってそんなに怖い顔してたのか?さすがに何もしてないのにそんなに怯えられるのは…ちょっとへこむ。しかしそんな少女の隣にいた鬼嫁さんはこちらをもの凄い形相で睨みつけてきた。あんたの今の顔の方が絶対俺なんかより怖いから!!その子泣いちゃうよ!なんて思った俺は決して間違っていないだろう。
「ちょっとタツヤさん!どうしてユイちゃん泣かそうとするの!!」
「え?!ち、ちょっと待てって!今のは不可抗力だろ!」
問答無用とばかりに愛用のレイピアの切っ先をこちらに向けるアスナ。圏内だから大丈夫だって?怖いもんは怖いんだよ!!俺はキリトに助けを求めるがニヤニヤとした表情をこちらに向けるだけで動く気配は無い。
あいつ!他人事だと思って!しかしどんどん近づいていく切っ先に俺はドアまで追いつめられる…絶対絶命!
そんな俺に意外な所から助けが来た。
コンコンコン
そんな音がドアから聞こえる、どうやら来客らしい。誰かは知らないが助かった…これでアスナの攻撃から逃げれる!俺は勢い良くドアを開ける。するとそこには銀色の髪をポニーテールにした背の高い女性がいた。しかし俺は彼女の服装の方に目が行った。あの特徴的な緑色の制服は…
『軍の奴か…』
なぜ軍の奴が一人でこんな所に来るのか予想はつかないが厄介事の臭いがする。こういう時の俺の勘は大体当たるのだ。
「初めまして《ユリエール》と申します。ここに軍の徴税部隊を退けたお二人がいると聞いたのですが」
そう言うとアスナが前に出てきた。
「昨日の件で抗議に来たんですか?」
するとユリエールさんは首を横に振った。
「とんでもありません。むしろ良くやってくれたとお礼を言いたいところです」
…オイオイ、自分の所のギルドの奴が酷い目に合ったのにそれでいいのかよ…そんな事を思ってしまった。
するとユリエールさんは真剣な表情で口を開いた。
「本日はお二人にお願いがあり来ました」
…やはり厄介事のようだ。記憶喪失の少女に軍のプレイヤーからのお願い…こいつらの苦労は途絶えそうにないなと俺は感じたのであった。
ユリエールからの依頼で謎の地下ダンジョンの中を進むタツヤ達。しかしそこには恐るべき真実が存在していたのだ!そして謎の少女《ユイ》の正体が明かされる。
次回「親と子」にレディーゴーーー!!!