そして更新が遅くなりまして申し訳ございませんでしたm(__)m
そして大変お待たせいたしました。
それではどうぞ
「お兄ちゃん…なの?」
その言葉に俺たちの動きは完全に止まる、最初に動いたのはキリトであった。彼はその目を見開いて驚いた表情で口を開く。
「スグ…直葉なのか?」
キリトの言葉にリーファの表情が一層陰るを見せる…それはつまりリーファは本当にキリトの妹の桐ケ谷直葉だということだ。
まさかこんな偶然があろうとは…何万分の一の可能性しかないだろうに…
そのリーファは顔を両手で隠して俯きながら苦しそうに呟く。
「なんで…ひどいよ…あんまりだよこんなの…」
「あ!スグ!」
キリトの声も無視してログアウトしてしまったリーファ…この場には俺とキリトだけが残ってしまった。
「悪いタツヤ、少し待ってくれ」
「…ああ」
キリトは素早くメニューを操作してログアウトした。おそらく今頃は彼女と話し合っているのだろう。…だがおそらくこの件は一筋縄にはいかないだろう…正直二人が心配だ。
たった一人の兄であるキリトがあんな目に逢ったにもかかわらず再び仮想世界足を踏み入れている…それは二年間もの間あれほど心配してきた家族の一人である彼女にとっては受け入れがたい事であろう。
それだけじゃない、一番の問題は彼女が未だに兄に恋焦がれている事だ。
今日彼女から直接聞いた話が本当なら彼女はまだキリトに対しての恋心を捨てきれていない、彼女の無理矢理抑圧された感情が爆発してしまえばもう二度と元の関係には戻れない…
『なんというか…』
神様って奴がいるとしたらとびっきりな根性悪であろう。やるせないな…俺なんかでは出来る事が無いのは分かるがそれでもやるせない気持ちになる、兄妹の仲が崩れるかもしれないのを黙って待つしかないというのは…
家族に兄妹、か…俺にとっては耳が痛い言葉だ。ふと思い出すのは俺が今まで歩んできた人生…苦く苦く、辛い記憶だ…
俺は愛知県のある家庭で生まれた。両親は同じ会社で働いており、共働きではあったが俺はそんな両親の愛情に恵まれて幸せな人生を送っていた。
当時の俺はこれといった特徴の無い人間であった、ただ人一倍遊び、笑い、泣く普通の子供…だがそれで充分だったのだ、それで充分幸せだと感じていたし、その幸せが永遠に続く事を疑いもしなかったのだ。
転機が訪れたのは俺が五歳の頃、両親が会社帰りに交通事故に遭い亡くなった事だ。
当時の俺には両親の死とはあまりにも重すぎて一晩中泣き続けた、しかし…
『本当に迷惑ばかり掛けやがってこの恥さらしが!』
『私たちの言うことに従っていればこんな事にはならなかったのよ!』
『ようやく死んだか、精々するわ!』
彼らは違った。祖父母たちは両親の死を悲しむどころかその遺体に罵詈雑言を吐く…その時には知らなかったのだが俺の両親は駆け落ちで結婚していたのだ。だからお互い両親とは険悪だったらしい。
それでも俺は信じられ無かった、だって彼らは両親の家族だったのに、娘や息子が死んで悲しまない人間なんていない筈なのに…この時、幼かった俺は初めて人の黒い感情を見たのであった。
だが本当の問題はこれからであった。
『それで、あれは誰が引き取るの?』
彼らにとっては勝手に生まれた餓鬼…そんな厄介者の俺を引き取るのは当然ながらどちらとも嫌だったらしく毎晩毎晩まるで責任の擦り付け合いのように誰が引き取るのかを議論していた。無論、俺の目の前でだ…
『そうか、俺はいらない人間なんだ…』
俺が抱いたのはそんな傍観にも似た感情…孤独になってしまった自分を見てくれない祖父母への怒りや憎しみや、居場所が無くなってしまったことへの絶望感なんてものはもはや溢れて来なかった。
だって仕方無いのだから…彼らにとって俺は何の利益にもならない厄介者であり、そんな奴の面倒を見てくれる人間も、愛情を向けてくれる人間もいない…この時から俺の年相応の無邪気さは消えて行った。穴が空いてしまった器には何も入らないように、ポッカリと穴が空いてしまった俺の心は何にも感じない…
世界から色が消えていく…祖父母達の会話をどこか他人事のように聞いている俺がいた。勝手にすればいい、どうとでもなればいい、自分の人生の筈なのにそんな自暴自棄な感情だけが俺の中を占めていたのだ。
今思えばきっとそれが一番楽な生き方だと思ったのだろう、心を無にして流れに任せて全てを他人事のように思えばもう二度と傷付く事は無いのだから…
なんて下らない考えだろうかーーー孤独に耐えれないから心を空っぽにする…きっと本当は逆にすべきだったんだ、両親が亡くなったのが、誰も慰めてくれないのが悲しいという感情を人並みに受け入れていつか乗り越える…そうすればいつか元の自分に戻れた筈なのにーーー結局俺は自分で辛い道を選んでしまったのだ、誰も信じない、暗い暗い道を…
結局話し合いは平行線を辿る、何日も話し合われた結果俺は孤児院に行く筈であった。
『その子は私が育てます!』
その部屋に凛としたそんな声が響き渡るまでは…
声の主は俺の母親の姉だと名乗った。俺の母が亡くなった事を聞いてはるばる東京からここまでやって来たらしい、俺は母に姉がいたことなど知らなかったのだが正直どうでもいいと思った、俺の引き取り手が知らない他人から叔母を名乗る人に変わっただけの話だ。
彼女はそのまま俺の手を引いて新幹線に乗り、俺は東京にある彼女の賃貸マンションに連れて行かれた。
『ただいまー』
『…お邪魔します』
彼女の連れ行かれるまま中に入る。ここが俺の新しい家、か…普通なら新しい場所への期待やら不安を感じるべきなのだろうが何も感じない。
今はただ自分一人では生活なんて出来ないのを知っているから、この人に付いていくだけだ…孤児院よりは良い生活条件であろう。
『お腹減ってる?何か作ろうか?』
家に帰って来るなり青色のエプロンをつけて優しい声色でそう聞いてくる叔母さん、朝から何も食べていない俺は頷いた。
『そんなに緊張しなくてもいいのよ。ここはあなたの家なんだから』
彼女は苦笑しながら呟き野菜を切り始めた。初めて来た場所やら知らない人との共同生活に緊張しているのだと思っているのであろう、全くの検討違いであるが。
俺には気になっている事が一つあった、それは彼女が俺を引き取る理由ーーー俺みたいな厄介者をわざわざ育てる訳が分からなかった。
正直な話、俺を引き取る事に対するメリットは皆無だ。何かしらメリットがあればあの祖父母たちでさえ引き取るだろうしーーーまあデメリットとメリットを計算して俺を引き取らなかったというのも考えられない事も無いが、つまり俺を引き取る事によって生じるのはデメリットの方が多い筈、というのが今の俺だ。だからこそ彼女がいきなり現れて俺を引き取るなんて言った時は少しばかり驚いたのだ、だが一つだけ分かる事がある。
『どうせ碌な理由じゃないに決まってる』
こんな利用価値が無い人間を引き取る理由なんてどうせ下らない理由だ、正直俺なんかを利用する奴なんて見る目が無いとしか言い様が無いが…そんな理由ではあるが知っておいて損が無いであろう。
…個人的な興味などでは無い、これからの身の振り方を考える上での足しには少しぐらいはなるであろうという子供なりに考えた結果だ、そんな事を考えながら早々に食事を終え、この日の俺は布団の中で意識を落としたのであった。
『おはよう!よく眠れた?』
次の日の朝、リビングに出るとスーツをビシッと着込んだ叔母さんに声を掛けられた。どうやら今から仕事に行くようだ。
『今日はちょっと帰るのが遅くなるから、お昼ご飯は冷蔵庫に入ってるのをレンジでチンしてね』
使い方分かる?と聞いてくる叔母さん、そんな物は今時三歳児でも使える…俺は無言で頷くと彼女はそそくさと玄関まで小走りをして靴を履く。
『それじゃ、いってきます!』
こちらを向いて朗らかに手を振る叔母さん、ここはいってらっしゃい、と言うところだとは思うのだが俺は無言で手を振り返す。すると叔母さんは一瞬残念そうな表情を見せた後、先ほどの笑顔のまま玄関を出て行った。
叔母さんがいなくなったことで一気に静かになる部屋…誰もいなくなった部屋で俺はモヤモヤした感情を落ち着かせるために布団に潜り込む。
一晩考えたが結局あの叔母さんが俺を引き取った理由はやはり分からなかった。はっきり言って気持ち悪い…こんなんだったらあの祖父母みたいにはっきり言ってくれた方が百倍気分がいいのに。
…もういい、考えても無駄だ。俺は思考を止めて布団の中で意識を手放した。
俺が叔母さんに引き取られて早三ヶ月…結局彼女が俺を引き取った理由は分からなかった。分かった事といえば彼女が根っからの仕事人間であることだけだ。毎日朝早くに出かけ夜遅くに帰る…一人での食事も何度も味わった。
…本当になんで俺を引き取ったのだろう?もう直接聞いてやろうか、と考えた事も数え切れないほどあるがその度に自制してきた。どうせ適当にはぐらかされるだけだ、それなら聞く必要が無いし、聞きたくもない…いつしか彼女が俺を引き取った理由すらどうでもよくなった。
この三ヶ月…当然ながら俺に変化など訪れなかった。幼稚園にも通い始めた訳だが、こんな人間に友達なんて出来る訳が無くーーー最早作る必要も無いのだが、ずっと一人で何をするわけでもなくボーっとする毎日…辛くも無く、楽しくも無いくだらない日々を俺は過ごしていた。
だが、俺のそんな生活が少し変わり始めたのもこの時期だったのだ。
切っ掛けは俺がよく分からない病気に掛かった事であった。
いつものように幼稚園行くと急に意識が混濁してぶっ倒れたのだ。朝から少しダルかったのは認めるがよもや倒れるとは思わなかった俺は必死に起き上がろうとするも力が入らない。ついには押し寄せた体中の痛みと嘔吐感に体力を削られて意識を手放してしまった。
気が付くと俺は丸二日病院で眠っていた…後から聞いた話ではどうやら俺はかなり危険な状態だったらしい。少し時間が遅ければ命を落としていたかもしれないと、当時の俺は正直どうでもよかった。だって当時の俺は本当には生きていなかったのだから…全てを受け入れるという事は自分の意志が無いという事だ。そんな空っぽな人間は生きる屍と同じ…だから死んでいようがいまいがどうせろくな人間になりはしない。
きっとあの時死んだとしても自分の人生はこんなものなのだと俺は普通に受け入れていたであろう。
だから、何故か俺の横にいた叔母さんが泣きながら俺を抱き締めた理由を知ることが出来なかった。
『おはよう!よく眠れた?』
無事退院して帰宅した次の日の朝、いつものようにリビングに出るとこれまたいつものように朝の挨拶をする叔母さんがいた。ただいつもと違うところは身に纏っているのがスーツではなく水色のパジャマであった点だ。
…今日は仕事が休みなのだろうか?
『珍しいね、今日は仕事休みなの?』
俺の言葉に叔母さんは目を真ん丸にして驚いた。…そういえば自分から話掛けたことなんて初めてかもしれない…初めての話題がこれなのはあれだが…
『ううん。叔母さん会社辞めたの』
と、気軽に言う叔母さん。有り得ない…彼女がどれほど仕事に情熱を掛けてきたのかを俺は知っている。今までの努力や時間を費やして築き上げた物を全部捨てるなんて…
『昨日辞表を出してきたの。子供を養うのって生半可な覚悟じゃ出来ないって事を実感したわ』
感慨深そうに呟く叔母さん、つまり俺のために仕事を辞めたと言っているのだ。…なんでそこまでするんだこの人は…俺を引き取った理由が今まで築き上げた物を犠牲にしてもお釣りが出るようなものだろうか?
『なんで…』
『ん?』
もう限界だった。今までの溜めてきた彼女への疑いが爆発する。
『なんでそこまでするんだよ!俺なんかを引き取って何がしたいんだよ、あんたは!』
俺は彼女を睨み付けながら叫ぶ…穴が空いてしまった空っぽな心から何故だか感情が溢れて来る。
『言えよ!言ってくれよ!なんで…なんで言わないんだよ!』
利用するために俺を引き取ったのだと、何か意図があって俺に優しくするのだと…そう言ってくれればあんたも他の連中と同じなんだと俺は納得出来る、人間とはそんなものだと安心出来るのだから。
俺の声を聞いて彼女は一瞬悲しそうな表情で俺を見詰めると椅子から立ち上がりゆっくりと歩いて来た。
そしてーーー
『え?』
俺を優しく抱き締めた。かかんだ彼女の腕が俺の背中に回り彼女の胸と俺の額がくっつく。
『一人ぼっちで辛かったのよね』
優しい声色で呟やかれた言葉…俺が求めていた答えとは違う筈なのに…何故だか満たされる。
『本当は最初に言わなければいけなかったわよね…ごめんなさい』
そう呟いてさっきよりも力強く抱き締められる。俺の鼻腔に石鹸の香りが広がっていく…
しかし次に彼女は全くの予想外な言葉を発した。
『実は私ね、前にあなたと会ったことがあるの』
『…え?い、いつ?』
『あなたが小さい頃…確か一歳もいってない時よ。妹は両親とは仲が悪かったのだけど私とはちょこちょこ連絡を取り合っていたの』
そう言って懐かしそうに目を閉じる…その表情はどことなく嬉しそうだ。
『抱っこした時ね、私の頬をペチペチ叩いて笑い声を上げるあなたが本当に可愛くてーーー初めて子供が欲しいって思ったの』
いい相手との出会いはまだ無いんだけどね、と彼女は少しおちゃらける。
『でも、あなたと会ったのはそれ一回限り、その後は仕事が忙しくなっちゃってあまり連絡を取れなかったし、妹もそれを知ってたからあまり連絡して来なかったわ。…そしたら訃報が届いたの、妹が亡くなっちゃったって』
そう言って一旦俺の背中から手を外し俺を見詰める…
『あなた、表情には出してなかったけど泣いていたわ。それなのにあの馬鹿親たちはどっちが引き取るかばかり話し合っててあなたを気にも掛けていなかった。それを見て思わず叫んじゃったわ『私が育てます!』ってね』
そう言って再び俺を抱き締める…強く、強く、そして優しく…
『あなたには周りが全員敵に見えたんでしょ?どこにも居場所なんてなくて、誰も信じれなくて…自分を抑えて生きてきた』
でも大丈夫、と彼女は囁く。
『だってあなたの居場所はここにあるーーーいいえ、居場所にしてみせる。まだ全然頼りなくて信用出来ないかもしれないけど見てて、きっと後悔はさせないから』
そう言って彼女は微笑む…その言葉と笑顔に俺の目から何かが溢れて来る。段々とその勢いは強くなり視界はぼやけ、ついに俺は嗚咽を上げて彼女に抱き付いた。まるで子供のように泣いて、泣いて、泣いて…泣き疲れた俺は彼女の胸の中で眠ってしまったのであった。
朝、目覚めると俺は布団の中にいた。疲れて寝てしまった俺を彼女が布団の中に入れてくれたようだ。部屋の扉を開けてリビングに出ると、昨日と同じように彼女が座っていた。スーツを着ているところから察するに…
『仕事探しにいくの?』
『うん。流石に無職のままじゃ生活出来ないしね、九時半位にここを出るわ。それよりもお腹減ったでしょ?』
すると俺の腹がキューと鳴り出したので慌てて押さえる。その様子を見て彼女がクスクスと笑い、俺は恥ずかしくなって真っ赤になった顔を伏せた。
『ご飯とパンのどっちにする?』
『…ご飯で』
ちょっと待ってね、と言って彼女を台所に行く。俺は椅子に座ると数分も経たずに目の前にご飯と味噌汁に焼き鮭が置かれる。
『いただきます』
手を合わせて箸を動かす。……美味しいと感じる。俺は箸をどんどん走らせてついにはものの数分程で完食してしまった。
『ごちそうさま』
『お粗末様でした』
そう言ってニコニコと俺を見詰める。何がそんなに面白かったのだろうか?
『どうかしたの?』
『ううん。初めてそんなに食べてくれたな~、って思っただけ』
言われてみればそうだな…こんなに食べたのは両親が死んでから初めてだ。
『それじゃ、叔母さん出かけるから。お昼には帰れると思うから待っててね』
そう言って彼女は玄関まで走り靴を履く…現在九時二十五分、もう行く時間だ。俺は彼女の後ろを付いていった。そして…
『いってらしゃい、お母さん』
自然とそんな言葉が溢れた。それを聞いて彼女は一瞬驚いた後すぐに満面の笑みで答えた。
『うん!行ってきます!』
これがーーー俺と叔母さんが初めて親子になれた瞬間であった。
それからというもの、俺の性格もすっかり変わるーーー事は無かった。未だに他人は信用出来ないし、人と距離を取った付き合いも治ることはなく、今まで通り幼稚園では孤立している。
それでも…
『ただいま』
『おかえりなさい、竜也』
それでもいいんだと思う。だって俺の居場所はここにあるのだからーーー俺が求めていたぬくもりはここにあるのだから。これからどんな事があったとしてもこの帰る場所がある限り俺は生きていけるのだから…
この時の俺は十分過ぎるほど幸せであった。自らの手でその幸せを壊してしまうなんて考えもしなかったのだ…
『ただいまー』
『おかえり、母さん』
数年後、大学時代の友達の伝でなんとか仕事を見つけた母さんがいつものように帰って来た。しかし、他の足音が二つ…お客さんも来ているようだ。
『竜也、紹介するね。こちらは私の同僚の三ヶ島隆道さんよ』
『こんにちは、三ヶ島隆道です』
母さんが紹介した人はスーツを着た男性であった。髪は眉毛にかからない程度の黒髪で同色の瞳、整っているのだがこれといった特徴が無い容姿…平凡という言葉をそのまま人の形にしたような印象であった。
彼は膝立ちをして俺と視線を合わせる。
『…こんにちは』
『よろしく、それでこっちが…』
その言葉と共に一人の女の子が前に出てくる。
…一瞬、眩しさに目を疑う。水に濡れたような黒髪に吸い込まれるような黒い瞳、それとは対照的な粉雪のような白い肌、幼いながらも気品を漂わせるその容姿はまるでこの世ざるもののようであった。
だが…俺が眩しいと思ったのは彼女の容姿では無い、まるでこの世の中は幸せで満ち溢れていると信じて疑わないような屈託の無いあの笑顔だ。…俺には二度とは手に入れる事が出来ないそれはあまりにも眩しかった。
『初めまして』
そう言ってその少女は行儀よくお辞儀をする。
『紗夜。三ヶ島紗夜です』
それが後に俺の妹となりーーー決して許されない傷を与えてしまった彼女、三ヶ島紗夜との初めての出会いであった。
新しい家族との出会い、暮らし、全てが幸福だと感じていた。これはそんな彼の過去…
次回「結末」にレディーゴーーー!!!